2017年2月発売
報道カメラマンの長井は、突然東北に旅立ち、東日本大震災に巻き込まれた妻の行方を捜していた。長井は妻が入信していた新興宗教「まほろば教」が、被災地の人々に熱狂的に支持されている様子を目の当たりにする。一方、棟居・牛尾両刑事は、原発職員の相次ぐ不審死を調査するうち、「まほろば教」の暗部に肉薄する。やがて長井が目にした、妻の失踪に隠された衝撃の真実とは!?震災の現実を正面から描いた森村文学の集大成。
東北地方沿岸に広がる陸滸国。漁業を手伝う少年カイは、水泳の訓練中に海に投げ込まれ行方不明になってしまう。辿り着いた洞窟で、カイは衝撃の光景を目撃していた。同じ頃、米国では生物資源研究の権威キタヒロ教授が数十年ぶりに故郷の陸滸国に帰る準備をしていた。ある決意を胸に秘めて。やがて陸滸国で渦巻く巨大な陰謀が明らかになっていく。果たしてすべてを企む黒幕はいったい誰か。壮大な物語がいま幕を開けるー。
陸滸国を巡り、人間たちの思惑が次々と交錯していく。豊富な海の資源を狙う者、放置された鉱山の秘密を探る者、原発誘致を企む者…。そんななか、東北地方をかつてない大震災が襲う。すべての計画が覆される甚大な被害。カイは勇気ある行動で救世主になれるか。キタヒロ教授は長年追い求めてきた真相に近づけるか。そして、汚染された国の未来を担う新たな“宝”とはー。圧倒的スケールで描く、超弩級の冒険サスペンス!
東北復興と科学振興のため、北上山地の地下への誘致をめざす国際リニアコライダー(ILC)。ILCとは、全長約30kmのトンネル内で電子と陽電子を衝突させてビッグバン状態を再現、宇宙の誕生や素粒子の起源について研究するための巨大加速器である。このILCが建設された近未来を舞台に、小川一水、柴田勝家、野尻抱介の3人のSF作家が、岩手と日本、物理学の新たなビジョンを紡ぐ書き下ろしアンソロジー。
失業中で暇を持てあましていた元サラリーマン堀川健人(35)。本当は就活をしないといけないのだが「大人の休日」を取り、『ハンターライフ』という枯れたネトゲを始めることにした。そこでネタ半分に画面の指示通りキャラを作りゲームをスタートしたら、なんと異世界へ召喚されてしまう。そこはゲームのような不思議な世界。しかも、ネタで作ったキャラのため、戦闘ジョブ:なし、一般ジョブ:なし、戦闘スキル:なし、とひ弱なキャラになっていた。補正スキルを駆使して、堀川健人ことケントは、この世界で生き延びることができるだろうか?
世界的な大企業・ハルウィンが「4月1日に年収8000万で超能力者をひとり採用する」という告知を出した。審査を経て自称超能力者の7名が、3月31日の夜に街中で行われる最終試験に臨むことに。ある目的のために参加した大学生・市倉は、同じく参加者の少女・日比野と組み、1通しかない採用通知書を奪うため、策略を駆使して騙し合いに挑む。傑作ノンストップ・ミステリ。
アメリカ南部で葬儀屋を営む父のもと思春期を生きるフィッシュベリー。父子の葛藤、白人による友人の殺害、売春宿の火事での恋人の死、そして、白人警察署長による父の謀殺…現代アメリカ社会に通底する人種差別問題を“事実と真実”で描いた長編小説。
これまで幾度も世界の危機を救ってきたゼロゼロナンバーサイボーグたち。今はテキサスで静かに暮らす彼らのもとへ、ある日女性ジャーナリストのルーシーが訪ねてくる。「人智を超え異能を持ち、太古より人類の歴史を操ってきた『ブレスド』なる集団が存在する」世界の危機を訴える彼女の来訪と共に、突如空から謎の襲撃を受け、新たな戦いの渦へと巻き込まれる009たち。安息の日々はここに終わりを告げた。人は戦いを忘れることはできないのか。人類の未来はどこへ向かうのか。サイボーグ戦士、誰がために闘うー!?小説版『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』。
依頼を通じて、着実に力を伸ばしていくフィーレンダンクの一行。王都で過ごす、新たな出逢いの日々。それらはジンに、異世界・テッラで生きる覚悟を迫る。孤独に身を震わせる、“転生者”の血を引く少女の叫び。羨望の眼差しを傾ける、“貴族”の新米冒険者の想い。そして仲間たちの“告白”に、ジンは今一度、自身の気持ちに問いかけるー。
占い師なのに占わない?でも、怠惰な魔女の予言は必ず依頼人を満足させる。ぱっと見優雅で妖艶で、その実、自堕落、廃課金。元探偵の琴葉野彩華が依頼人自身も気づいていない問題を華麗に解決!
「掌から時はこぼれて」39歳の女性弁護士が、卵子凍結の情報に心を揺さぶられて…。/「折り返し地点」妊娠よりもオリンピック出場を優先してきた女性アスリートの選択は?/「ターコイズ」不妊治療中の女性たちの集いで、卵巣の劣化の話を聞いて愕然となり…。/「水のような、酒のような」独身を謳歌した男が結婚して、不妊治療医院で思わぬ宣告を!/他三編を含む全七話。顕微授精や卵子凍結、男性不妊など、妊娠と出産にまつわる切実なテーマを切り取った物語。
彼の筋肉の美しさに恋をした“わたし”、魔法を使う子供、猫にさらわれた“小さい人”、緑の箱の中の死体、解散した家族。恋愛小説?ファンタジー?SF?ジャンル分け不能、ちょっと奇妙で愛しい物語の玉手箱。
老齢に至って病いに捕まり、明日がわからぬその日暮らしとなった。雪折れた花に背を照らされた記憶。時鳥の声に亡き母の夜伽ぎが去来し、空襲の夜の邂逅がよみがえる。陽炎の立つ中で感じるのも、眠りの内のゆらめきの、余波のようなものか。往還する時間のあわいに浮かぶ生の輝き、ひびき渡る永劫。一生を照らす、生涯の今を描く古井文学の集大成。
2045年、北関東の町「院加」では、伝説の奇岩の地下深くに、核燃料最終処分場造成が噂されていた。鎌倉の家を出て放浪中の17歳の少年シンは、院加駅前で“戦後100年”の平和活動をする男女と知りあい、居候暮らしを始める。やがてシンは、彼らが、「積極的平和維持活動」という呼び方で戦争に送り出される兵士たちの逃亡を、助けようとしていることを知る。妻を亡くした不動産ブローカー、駆け落ちした男女、町に残って八百屋を切り盛りする妻、役場勤めの若い女とボクサーの兄、首相官邸の奥深くに住まい、現政府を操っているらしい謎の“総統”、そして首相官邸への住居侵入罪で服役中のシンの母…。やがて、中東派兵を拒む陸軍兵士200名が浜岡原発に篭城するー。“戦後百年”の視点から日本の現在と未来を射抜く壮大な長篇小説。
独りの死者と生者、鬼気迫る“夜”と“昼”。ここ数年、惑いに流されていた北町貫多に東京タワーの灯が凶暴な輝きを放つ。その場所は、師・藤澤清造の終焉地であったー。何の為に私小説を書くのか。鬼気迫る四作品。
伝説の魔王、村に現る!?村に張っていた結界が破れたと思ったら、何やら後ろに大男が!話を聞いたところ、カイナという名前で転生者らしい。と言っても、魔王と体と心を入れ換えられたようで、その魔力はとてつもないものだった!仲良くなり、義兄弟の契りを交わした俺たちの例の計画にさらに多くの人たちを巻き込んでいく!!書き下ろし番外編『最強兄妹の狩竜記』『ドウ・ゲン・マボガ十六世コノガ』を収録!
元社畜のニート、霧野ユウ。ある日彼は異世界の女神に「どうか異世界をお救いください」と頼まれる。しかし、電気も水道もインターネットもない不便な生活に耐えられるはずがないと、ユウは女神の願いを即座に断った。すると女神は、ならばネット込みのライフライン完備のまま、彼の部屋ごと異世界へ転移させると提案してきた。しかも、ネット通販大手のAmozonも利用可能だというのだがー。異世界で動画を配信、お金を稼ぎ、ネット通販で買えるものだけを使って異世界サバイバル!?ネット住民の知恵と通販の力で無双する、異世界ファンタジー!!