2017年8月発売
草花の知識を活かし、人々の悩みを解決してきた草介。剣術道場に通うお転婆娘千歳に持ち上がった縁談を聞き、今度は自分が悩みの当事者に!? 優しく温かな人気時代連作第2弾。(解説/中江有里)
様々な症状の老人が暮らす痴呆病棟で起きた、相次ぐ患者の急死。理想の介護を実践する新任看護婦が気づいた衝撃の実験とは? 終末期医療の現状と問題点を鮮やかに描くミステリー!(解説/備瀬哲弘)
日常の裏側に死者たちは佇む。生きていた時に抱いていた想念が幻となってこの世に残っている者たちを誘う。闇の中で死者たちが開く異界への扉。恐怖と官能を湛えた極上の幻想奇譚集。(解説/東雅夫)
宇宙船から突如失踪したジョバンニの父。最後に残された謎の言葉……。果たしてジョバンニは父と再会できるのか。連載6年、高橋源一郎の新たな代表作、ついに文庫化!(巻末エッセイ/最果タヒ)
乱世の梟雄と呼ばれた戦国大名・北條早雲。弱冠21歳での駿河下向から小田原城の奪取まで、波乱万丈な青春の日々を息もつかせぬ展開で一気に読ませる、従来の早雲像を覆す傑作歴史長編。(解説/縄田一男)
「めぐりあい」をテーマに名作短・掌編を精選したアンソロジー。読書への入り口に。旅のお供に。日々のひとときに。人気作家、ベストセラー作家の贅沢な競演。いずれ劣らぬ名作揃い。(解説/吉田伸子)
入社当日に会社が倒産、路頭に迷った朝倉夕霞。公園の掲示板で国土交通省名義の【臨時職員募集】の貼り紙を見つけ、藁にもすがる気持ちで応募するが、そこは「地縛霊」の立ち退きを担当する部署で!?
隣の家のお母さんは、エプロンを着けたゴリラだった。奇妙な世界の王道青春小説。十五歳。若い人間として生きられる、これが最後の一年だ。歳を取るのが怖い小春は、隣に越してきた同い年の歩くんと出会う。彼はバレエダンサーで、おまけにお母さんはゴリラなのだ! それっていったい、どういうことーー? 部活動、新しい友だち、恋にも似た心の揺れ。少し風変わりな世界で成長する少女の一年を描く長編。
世界が変わるほどの恋、すべてが反転する秘密。大胆な仕掛けに満ちた、選考委員激賞のデビュー作! とれた差し歯が思い起こさせるのは、一生に一度の恋。もう共には生きられない、あの人のことーー。選考委員の三浦しをん、辻村深月両氏が共に大絶賛! 第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞作をはじめ、どんな場所でも必死に泳いでいこうとする5匹の魚たちを、とびきり鮮やかな仕掛けで描いたデビュー作。
この小説は、あなたの想像を超える。結末は、絶対に誰にも言わないでください。「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」--送信した相手は、かつての恋人。SNSでの邂逅から始まったぎこちないやりとりは、徐々に変容を見せ始め……。ジェットコースターのように先の読めない展開、その先に待ち受ける驚愕のラスト。前代未聞の面白さで話題沸騰、覆面作家によるデビュー作!
情熱、野心、そして愛ーーすべてを賭けて、命をつなげ。先端医療に挑む医師たちの闘い! 1985年、当時は「人体実験」とさえ呼ばれた臓器移植。最先端の医術を学ぶために渡米した三人の日本人医師を待ち受けていたのは、努力も夢も報われないシビアな命の現場だった。苦悩し、葛藤しながらも、やがて日本初の移植専門外来を設立する彼らを支えた想いとは……。命と向き合い、不可能に挑戦し続ける医師たちを描く感動作。
閑古鳥が鳴く新宿のバー兼探偵事務所「あなたのシュガー」。だが、謎の美女が訪れた夜から、龍二と秀之進は政界の怪物に接近することに。その男はカリスマ性と“あるもの”によって日本を覆さんとしていたー。元刑事の探偵コンビ「ダブルシュガー」シリーズ完結篇。文庫書き下ろし。
遊郭の打ち壊しが起こり、闕所物奉行、榊扇太郎は競売の入札権を持つ天満屋とともに後始末にあたる。事件を発端に不可解な殺人が続発、そこには水戸藩の思惑と幕府の陰謀が入り乱れていた。やがて吉原にも魔の手がのび、扇太郎にも危険が迫る!痛快時代小説シリーズ、待望の新装版!
帰郷した重兵衛が重臣たちに隠居の覚悟を告げている頃、その諏訪家に向けて、将軍の御朱印状が江戸を出立した。この使いの行列が、重兵衛出奔の端緒となった市之進斬殺や、忍びによる目付頭襲撃、江戸留守居役・塚本の死などを、三十年前のある騒動に結びつける口火となる。すべての謎が、今明らかにー痛快時代小説シリーズ、第一部完結!
いく度も奉公先を追われる美しい娘・菊。慾のない菊の姿はやがて、つねに満ち足りない旗本青山家当主・播磨の心に触れるが、菊の父親の因果や、播磨の暗い人間関係が、二人を凄惨な事件に突き落とす。数えるから、足りなくなるー欠けた皿と心の渇きに惑う人々が織りなす、今まで語られなかった「皿屋敷」の真実。
手には大型ナイフ、血まみれの着衣。殺人現場付近の監視カメラは敏腕検事・田島の衝撃の姿を捉えていた。絶対的な証拠が揃う中、彼は無実を訴えたきり口を閉ざす。田島の下で働いていた検察事務官・星利菜は、真相を明らかにするために彼と法廷で対峙するが…。ドラマ原作にもなった傑作ミステリー。
推理作家が親友に古今東西の「殺し方」を話したその晩、人が殺された。驚きの方法で…(「冷たいのがお好き」)。昔の恋人を消す計画を練っていた男が落ちた陥穽(「殺さずにはいられない」)。幻のショートショートを含む傑作短篇集第二弾。著者選「ミステリーひねくれベスト10」も収録する。
内気なマディが、社交界デビューを避けるためにでっち上げた架空の婚約者だったはずのローガンが、いきなり彼女の目の前に現れた。彼はだれなのか? しかも彼はマディに結婚を迫り…。傑作ロマンス。