2017年9月発売
イギリスに向かう船から、2人のデンマーク人少女が消えた。その生死は不明、事件は迷宮入りとなった。30年後、ジャーナリストのノラは、少女たちが消える直前に撮られた写真を偶然手に入れる。警察も知らなかったその写真から、未解決事件が再び動き出す。ノラが少女の過去を掘りおこすと、きな臭い話ばかり。そして失踪の裏に、残虐な犯罪の数々があることに気づくがー。デンマークのベストセラー・クライムノヴェル!
暴走人工知能×スペースオペラ。ケイディが恋人エスラと別れた日、宇宙船団により彼らが住む辺境の惑星は侵攻を受けた。星際企業戦争に巻きこまれたのだ。人々は3隻の宇宙船で脱出をはかるが、最寄りのジャンプステーションまでは半年以上航行する必要がある。いずれ追手の敵戦艦に追いつかれてしまうだろう。さらに、船内に危険なウイルスが蔓延していると判明する。そのうえ、船の人工知能が乗員に危害を加えようとしていた…メール、チャットや軍の報告書、復元された文書ファイルでつづられた異色SF。
厳しい父がいなくなった隙に、アグウ家の四人兄弟は学校をさぼって近くの川に釣りに行った。しかし、川のほとりで出会った狂人は、おそろしい予言を口にしたー。予言をきっかけに瓦解していく家族、そして起こった事件。一九九〇年代のナイジェリアを舞台に、九歳の少年の視点から語られる壮絶な物語。
干上がった湖の底で発見された白骨。頭蓋骨には穴が空き、壊れたソ連製の盗聴器が体に結びつけられている。エーレンデュル捜査官たちは、丹念な捜査の末、ひとつの失踪事件に行き当たった。三十年前、一人の農業機械のセールスマンが、婚約者を残し消息を絶っていたのだ。男は偽名を使っており、アイスランドに彼の記録は一切なかった。男は何者で、なぜ消されたのか?過去にさかのぼる捜査が浮かび上がらせたのは、時代に翻弄された人々の哀しい真実だった。北欧ミステリの巨人渾身の大作。
両親の虐待に耐えかね逃亡した少年エリックは、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護される。彼は助手として暮らし始めるが、屋敷内に潜む「実験体七十二号」の不気味な影に怯えていた。一方、“ジェリーフィッシュ”事件後、閑職に回されたマリアと漣は、不可能と言われた青いバラを同時期に作出した、テニエル博士とクリーヴランド牧師を捜査してほしいという依頼を受ける。ところが両者との面談の後、旋錠された温室内で切断された首が発見される。扉には血文字が書かれ、バラの蔓が壁と窓を覆った堅固な密室状態の温室には、縛られた生存者が残されていた。各種年末ミステリベストにランクインした、『ジェリーフィッシュは凍らない』に続くシリーズ第二弾!
その古書を開いた者は跡形もなく消えてしまうーそう伝えられるとおりの奇怪な事件が起きる「古書の呪い」を始めとして、閉ざされた現場での奇妙な殺人の謎がこのうえなく鮮やかに解かれる傑作「“ブルー”氏の追跡」など、いずれもチェスタトン特有のユーモアと逆説にあふれた全9編を収録する。全編が傑作にして必読であるという、奇跡のような“ブラウン神父”シリーズ最終巻。
大学講師の職を得て、高校生の娘を連れ故郷へ戻ってきたジョージアは、親友のシド(世にも不思議な、歩いて喋る骸骨だ!)と再会した。人間だったときの記憶のない彼が、見覚えのある人物と遭遇したのをきっかけに、二人はシドの“前世”を調べはじめる。だが、その過程でできたての死体を発見、殺人事件も背負いこむことに。たっぷり笑えてちょっぴり泣ける、ミステリ新シリーズ。
大怪盗ロータスが盗みに失敗した!浅草の高層建築・凌雲閣に飾られた油絵を盗もうとした怪盗は、番人に見つかり絵を置いて逃げたという。一報がもたらされたちょうどそのとき、高広と礼は安西と再会した。ロータスが起こした一連の事件の主任検事となった安西は怪盗の昔馴染みであり、かつて共に駆けた時代があったー。決別した二人が今相まみえる。大好評シリーズ第四弾。
今のわたしは、あの頃なりたいと望んだ自分になれているのだろうか。 遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても、屋敷の大人たちや、自分を導いてくれる言葉、小さな友情に支えられて子ども時代を生き抜いてきた。 時が経ち、時代の流れの中で凋落した遠藤家。常夏荘はもはや見る影もなくなってしまったが、耀子はそのさびれた常夏荘の女主人となりー。 ベストセラー『なでし子物語』待望の続編。 ドラマ化、映画化、舞台化など話題作続々、伊吹有喜最新刊!
静岡県の海辺、あさぎ町にある喫茶店『猫の木』。そこには猫のかぶり物を被った風変わりなマスターがいる。恋愛不精のOL・夏梅は、二年間通い続ける常連だが、彼の素顔はいまだ知らない。そんなある日、ひとりの男が猫を預かって欲しいと店を訪れるー。猫頭マスターと夏梅のジレジレ恋がいよいよ動き出す!?そして、猫のかぶり物に隠された秘密とは!?大人気シリーズついに完結。
呉市で護衛艦の調理を担当する海上自衛官の利信は、パッとしない艦内の食事、とくに海軍カレーに思い悩んでいた。改善が必要なメニューと、調理員同士の微妙な人間関係に苦悩するなか、レストラン・オーナーの友理恵と出会う。同じ料理を愛する者として友理恵に悩みを聞いてもらいつつ、開催が決まった「呉海自カレーグランプリ」で、艦の名誉をかけた勝負に挑むことに…。
毎夜、同じような悪夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことで性的興奮を覚えるという夢だ。その夢はまるで自分がやったかのような錯覚に陥るほど、リアルなのだ。ある日、自分が見た夢と同じ殺人事件の犯人がつかまったニュースが流れた。そこには自分と同じ顔の、違う名前の男が映っていたー。行き止まりの人間たちを描いた全九篇。
京都・宇治。古田織部の覚えめでたい朝比奈家の一人娘・綸は、病に倒れた父の跡を継ぎ、極上茶を作る御茶師の修業に励んでいた。そこへ徳川・豊臣決戦近しの報が。大名と縁の深い御茶師たちも出陣を迫られる。茶薗を守り、生き抜くにはどちら方につくべきか。さらに家康に疎まれた織部の身を案じる綸のもとへ、悪夢のような知らせがー。乱世に凛として立ち向かう女御茶師のひたむきな半生。宇治・茶薗主の知られざる闘いを描く本格時代長篇。
出版社に勤務する松原とマッサージ師のさくら、二人は、付き合いはじめ、やがて別れる。それで終わりのはずだった。婚約までした男と女の関係は、はじめから狂っていたのかもしれない。加害者と被害者、ふたつの視点から「ストーカー」に斬り込んだ、残酷にして無垢な衝撃作!!
夫の両親と同居する塔子は、可愛い娘がいて姑とも仲がよく、恵まれた環境にいるはずだった。だが、かつての恋人との偶然の再会が塔子を目覚めさせる。胸を突くような彼の問いに、仕舞い込んでいた不満や疑問がひとつ、またひとつと姿を現し、快楽の世界へも引き寄せられていく。上手くいかないのは、セックスだけだったのにー。島清恋愛文学賞受賞作。