2017年9月発売
楽しさを追求したら、こういう小説になりました。最新書き下ろし長編は、予測不能の籠城ミステリーです! 仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。SITが出動するも、逃亡不可能な状況下、予想外の要求が炸裂する。息子への、妻への、娘への、オリオン座への(?)愛が交錯し、事態は思わぬ方向に転がっていくーー。「白兎事件」の全貌を知ることができるのはあなただけ! 伊坂作品初心者から上級者まで没頭度MAX! あの泥棒も登場します。
夫の両親と同居する塔子は、可愛い娘がいて姑とも仲がよく、恵まれた環境にいるはずだった。だが、かつての恋人との偶然の再会が塔子を目覚めさせる。胸を突くような彼の問いに、仕舞い込んでいた不満や疑問がひとつ、またひとつと姿を現し、快楽の世界へも引き寄せられていく。上手くいかないのは、セックスだけだったのにー。島清恋愛文学賞受賞作。
母の仇を討ち、横浜に戻った朝丘剛は、マリアが消えたことに大きなショックを受ける。無為な日々を送る剛に声をかけたのは、またしても松任組の組員だった…。異形の強者が集まる「闇試合」。松任組が仕切る秘密の格闘技興行への誘いに乗った剛は、賭け金の舞う流血の真剣勝負に挑む。勝つために非情に徹し、邪拳の様相を帯びる剛の拳。その前に立ちふさがった男とは!
英国でこの世を去った大伯母・玉青から、高級住宅街にある屋敷「十六夜荘」を遺された雄哉。思わぬ遺産に飛びつくが、大伯母は面識のない自分に、なぜこの屋敷を託したのか?遺産を受け取るため、親族の中で異端視されていた大伯母について調べるうちに、「十六夜荘」にこめられた大伯母の想いと、そして「遺産」の真の姿を知ることになりー。
いつ何処ともしれぬ森の中のペンションー。オーナーなる人物に監禁された父と子は、双子が驢馬に乗って助けにくるのを信じて待ち続けていた。双子が辿るであろう道のりを地図に描き物語を紡ぎあげ、時に囲碁を打ちながら、父子はこの不条理の中、辛うじて精神の均衡を保っていた。いっぽう生まれつき旅と救済を宿命づけられた双子の少年少女は、驢馬ナカタニを得て旅立つが、行く先々で寄り道ばかり。畜獣の如く蹂躙されている人々がいるという噂を聞きつけ、二人は意気揚々と救出に向かうがー一通の手紙が二つの世界を繋ぐ時、眩い真実が顕れる。
戦場カメラマンの大城は、海外取材中に妻子を惨殺されて生きる気力を失い熱海に隠棲した。ある日、助けを求めてきた少女、千種を保護した縁で、大城は金沢に本部のある救命組織ライフリンクまで彼女を送り届けることになる。ライフリンクの活動に共感した大城はしばらく金沢に滞在するが、台風一過の翌朝、能登金剛ヤセの断崖下の海に自殺防止ボランティアの樽井が死体で浮いているのが発見される。一方、警視庁捜査一課の棟居は、捜査本部が縮小した後も大城の妻子が殺害された事件が気になっていた…。
警視庁保安課の上月は、中国人売春組織の摘発から“赤い虎”を知る。中国語の通訳捜査官・城は、池袋で起きた殺人事件から“赤い虎”に迫る。そして、ある男は、“赤い虎”に接触する…。警察小説の進化系!
応募総数4898 作品! 第1回「モーニングスター大賞」受賞作! 天使にもらった猶予は六ヶ月! 後悔なんてしたくないから…… 残りの人生、好きにやらせてもらいます! It’s a wonderful magical life! 期間限定で“生き直し” 『魔法』と呼ばれる特殊な力を持つ者だけが入れる高校で、憂鬱な毎日を送っていた落ちこぼれの野花三葉は、ある日の放課後、何者かに階段から突き落とされ、命を落としてしまう。「もっと好きに生きればよかった」──後悔する三葉の前に白猫の姿をした天使が現れ、あと六ヶ月だけ時間をくれるという。かくして、三葉は六ヶ月の“余命”を手に入れるのだが!? 第1回「モーニングスター大賞」受賞作!
応募総数4898 作品! 第1回「モーニングスター大賞」受賞作! 私を突き落したのは誰!? 犯人捜しに、学校行事に、大忙し! 残りの命、思う存分使います! みんな大好き、ありがとう ……さようなら! 階段から落ちて死んでしまったものの、猫の姿をした天使シラタマに余命六ヶ月を与えられた三葉は、悔いのないよう充実した毎日を送っていた。気がかりなのは、自分を階段から突き落とした犯人は誰なのかということ。文化祭の準備に奔走するなか、とうとう三葉は犯人の手掛かりを掴むが、三葉の“時間”も残り僅かで……。ついに涙と感動のクライマックス! 第1回「モーニングスター大賞」受賞作。
異世界アザワルドに転移した無職の青年、楠一之丞(イチノジョウ)。白狼族の少女ハルワタートと元誘惑士のキャロルのふたりに加え、もとは日本人の仮面少女マリーナという新たな仲間も得て、イチノジョウの旅は続いている。次に向かった町で、イチノジョウたちは魔物の群れと対峙することに。その背後にはある存在がー?「小説家になろう」開催「ネット小説大賞」金賞受賞作、シリーズ第4巻!
「あの時代、私たちは誰もが恐ろしい力を持っていたーー」 名士である実父による著書への激越な批判、その父の病と交通事故での死、愛人の告発、昔馴染みの女性の証言、そして彼が密告した家族の生き残りとの時を越えた対話……。父親の隠された真の姿への探求の果てに、第二次大戦下の歴史の闇が浮かび上がる。 マリオ・バルガス=リョサが激賞するコロンビアの気鋭による、あまりにも壮大な大長篇小説! 私、どうしてもガブリエルの顔を見る気になれなかったの。ガブリエルのことを軽蔑していたの。だって、そんなことができる人だなんて考えたこともなかったから。ただいっぽうでは、ガブリエルがああしたことをやったのは当然だ、とも思っていた。当時はおそらく、どんな人でも、ガブリエルがやったことを知ったとしても別に驚かなかったと思う。ガブリエルを軽蔑する気持ちと肯定する気持ち、その両方が私の中で綯い交ぜになって、自分でももうどうしていいかわからなくなっていたの。恐ろしくてたまらなかった。なにがどう恐ろしかったのかと言われるとわからないのだけれど。(…)けっきょくのところ、密告する人なんてどこにでもいるということなのよね。戦争中であろうがなかろうが、人はいつだって、自分の置かれた状況次第では、平気で誰かを密告してしまうものなのよ。(本書より)
映画『64-ロクヨンー』(横山秀夫/原作)を手掛けた瀬々敬久監督により2017年秋、実写映画化! 現役AV女優・紗倉まなの小説デビュー作が待望の文庫化。 AV出演歴のある母親を憎む少女、あやこ。家族に黙って活動を続ける人気AV女優、彩乃。愛する男とともに上京したススキノの女、桃子。夫のAVを見て出演を決意した専業主婦、美穂。四人の女優を巡る連作短編小説。
高校生、藤沢大和(ふじさわ・やまと)はある日ーー死んだ。 しかし、幼なじみの少女、青山凛虎(あおやま・りんこ)はこう告げる。 「わたしがちゃんと生き返らせる。死なせないよ『今度は』」と。 ーーこれは『終わりの物語』だ。郡上踊りが終わるまでの間、死と生が入り混じるこの場所で、『なぜ死んでしまったかも忘れ』そこに存在している大和。そして、『ある秘密』を抱えながらも、大和を生き返らせようとする凛虎。不器用で、真っ直ぐで、凛としたひと夏が今ーー「終わる」。 雑誌『ダ・ヴィンチ』で好評を博した、恋愛小説の名手が紡ぐ、夏の奇跡の物語、待望の書籍化!
北海道綾志別町の妖怪課職員となった秀也のもとに、前任地での恋人・ゆいが赴任してきた。仕事と恋の狭間で揺れ動く微妙な距離感の中、立て続けに起こる妖怪騒動。馬の飼い葉を盗み、壁をすり抜ける妖怪、捨てても帰ってくる人形、伊里菜をつけまわす怪しいフードの男、ゆいを襲う恐怖の赤い実…騒動にかかわる帝政ロシア時代の秘密が明かされるとき、秀也に思いもよらない別れが…。お仕事&妖怪物語“北国の巻”、解決編。
激動の幕末。若き神官の祝井信吾は、「常勝の御太刀」の霊験を以て日の本を統べるべき人物を一年に亘り各地で探していた。諦めかけた矢先、桂小五郎、坂本龍馬と出会った信吾は、無私の精神で日本の将来を語る彼らを見て心動かされ、独り長州へ向かう。そこでは、異国からの襲撃を受け混乱する中、高杉晋作が抜群の統率力を誇っていた。彼こそが御太刀を託すべき者なのか。だが直後、信吾は大器・西郷隆盛と邂逅するー。