2017年発売
太宰作品を元NHKアナウンサーが読む珠玉の朗読集。「ヴィヨンの妻」(朗読/山根基世)、「桜桃」(朗読/広瀬修子)、「女生徒」(朗読/好本惠)をCD4枚に収録。
笑いあり涙あり、「猫弁」著者の新たな傑作 弁当屋の看板娘、おたふく顔の原之内菊子には特殊な能力がある。その顔を見た者は皆、”自分語り”が止まらなくなってしまうのだ。 弱小編プロ「三巴企画」の戸部社長は、菊子の力に惚れ込み、インタビュアーとして採用する。ただ頷いているだけで次々に特ダネを取ってくる菊子だが、ヤクザの組長の取材をしたことから、とんでもない事件に巻き込まれてしまいーー!? 大ヒット作『のぼうの城』『超高速!参勤交代』などを生んだ城戸賞でデビューし、累計40万部を超える『猫弁』シリーズで熱烈なファンをもつ大山淳子の新たなる傑作。 笑って、ほっこり癒されて、最後はホロッと涙が出る。前代未聞の”おしゃべり小説”! 【編集担当からのおすすめ情報】 コテコテ関西人の戸部社長、東大卒で文学オタクの桐谷くんという「三巴企画」の仲間のほか、個性的で愛すべきサブキャラクター達のやりとりが最高に楽しい! 『にんじん』『ライ麦畑でつかまえて』『赤毛のアン』など、名作があちこちに登場するのも本好きにはたまらない魅力です。
脚本界の名匠、入魂のエンタテインメント巨編 「年上の女が憧れなんスよ。駄目ですか。ラブしてくれませんか」 周囲の大事な人が次々と死んでいったことから、死神と呼ばれてきた人妻、斎(いつき)。冷え切った夫との生活に倦んでいた時、しなやかでいて荒々しい筋骨と濃密な体臭をまとった男・志田に出会う。 思いがけず落ちた年下男との恋、そして第三の男の登場。天国とはかくやと酔いしれる斎。しかしその恋と性愛が巻き起こしたさざなみは、次第に大波となって、裕福な病院長一家に集う女たちを巻き込んでいくーー。その果てに惨劇と憎悪の宴が幕を開けた! 氾濫する美意識と諧謔で描く、生と性、死と詩のジェットコースター・ロマンス小説。週刊文春連載で読者を唖然とさせた作品が大幅改稿のうえ満を持して登場! 第一章万引き青年 「年上の女が憧れなんっスよ。駄目ですか。ラブしてくれませんか」 第二章病棟の魔女 「わたしたち親子の絆は誰が断ち切ろうとしたって、ぶっちぎれやしない」 第三章天国へ行きたい 「奥さん、天国に行こう。おれたちもあっちの世界へ行こう」 第四章喪服の似合う女 「わたしは愛する人を食い殺してしまう死神なのよ」 第五章黄金のペンダント 「こっちのオッパイは潮のもの、こっちのオッパイはおれのもの」 第六章血の婚礼 「結婚しても、もうぼくは誰ともセックスはしない」 第七章超常現象 「恐ろしいばかりの因縁の符号。これは尋常のことではございません」 第八章棺の中の天国 「お殺しになるんなら、斎じゃありませんの。全ての元凶はあの死神女なんですから」 第九章万引き青年ら天上に達す 「あんまりじゃないの。これが霊力の正体だとでも言うの」
「不謹慎」「不健全」「奇怪」「退廃的」…世紀末、すべては賛辞の裏返し。その悪徳とスキャンダルで時代の寵児となった作家オスカー・ワイルドと、イギリス画壇に彗星のごとく現れた夭折の天才画家、ビアズリーの愛憎を描く。
コーヒー陶と和食器の店「小蔵屋」の敷地に、山車蔵を移転する話が持ち上がった。祭りの音が響く真夏の紅雲町で、草は町全体に関わるある重大な事実に気づくー日常の奥に覗く闇にドキリとする、シリーズ第5弾。
犯人は、水底から現れて、水底へ消えて行った。ある大雨の夜に殺された冴えない中年男。不倫相手の妄想女、残された妻子、そして男の家族の苦い思い出となった、キャンプでの出来事…。事件の周縁をなぞるような捜査は、決して暴いてはならない秘密をつきとめる。女たちの心の奥底にうずまく毒感情が、少しずつ溢れ、歪み、凶器となって、人の命を奪うまでを描いた、イヤミスの衝撃作!
熊本藩の大秀才、井上多久馬(後の井上毅)は、戊辰戦争によって傷ついた会津若松城を見上げ、学問を用いてこの国を豊かにすることを誓う。やがて欧州各国の法律を学び帰国した多久馬は、統一した法を持たぬ未開の地として不平等条約を結ばされた日本にも、独自の憲法が必要だと痛感する。多久馬は岩倉具視や伊藤博文などの理解者と憲法草案の研究を進めるが、諸外国には決してない「二千五百年も続く皇室」の信頼に応えられるか苦悩する…。国のために才を尽くした井上毅の実直な生き方と、家族愛に溢れた人間性を丁寧な筆致で書き下ろした、長編時代小説の傑作誕生!!
享保十一年、茅ヶ崎は浄見寺。今は亡き夫の跡を継ぎ、桃は寺子屋で子供たち相手に師匠をして暮らしている。ある日、酒匂川の氾濫で両親を亡くした春が訪ねてくる。すでに大人の身でありながら、もう一度学問を学び直したいという。はじめは戸惑っていた桃だったが、春の素直さと見え隠れする才能に次第に魅せられていく。しかし、寺子屋一秀才な生意気娘・鈴が黙っているはずがなく…。爽やかでほんのり温かい、“時代×お仕事”エンターテインメント!
スマホが便利になるなんて小さい小さい!「技術開発こそ生命線だ」という創業者の言葉を胸に、大手電機メーカーで新技術の研究に没頭してきた真崎直人。景気後退により自らの夢とも言える「見えないガラス」完成への道を閉ざされた彼は、進境著しい韓国メーカーの誘いに乗り、単身現地に身を投じる。日本では実現済みの「低反射フィルム」開発から手がけた真崎だったが、社内での反発や経済風土の違いに苦しめられ、次第に追い詰められてゆくことに。
人間が一番怖いー。あなたの日常を侵食する究極のサイコ・サスペンス!ホラー小説の新人賞を獲得し、僕は出版に向けて準備をはじめた。隣にはいつも支えてくれる最愛の妻・キリカ。順風満帆な日々が続くと思われたが、友人の一人が「作家とは人格破綻者である」「作家は不幸であるべき」と一方的な妄想を僕に押し付け、嫌がらせをはじめる。ストーカー行為、誹謗中傷の手紙、最悪の贈り物。やがて不幸は、僕とキリカのとある「秘密」を暴き出すがー。
「傭兵」。その勇ましい呼称とは裏腹に、この時代において最底辺とされる職業である。世界最高峰の教育機関である王立大学院の学生、ウィラード・シャマリ。将来の高級官僚、宰相を目指す彼のもとを、伯父である傭兵団長ガイアスバインが訪れる。その目的は、自らの傭兵団で事務長をさせることだった。彼は入団を決意し、王立大学院を休学する。しかし、そんなエリートに向けられる傭兵たちの目は厳しかった。「お前らが毎日パンと肉を食べるようにしてやる」。大勢の前で大見得を切るウィラードだったが、団の運営は想像した以上に破綻していたー。
戦時中のグラース国に転移した須山一樹は、年下の少年、ルーナ・ホーネルトと恋に落ちた。しかし、長かった戦争が終わった夜、気がつくと日本に帰っていた。それから十か月後。何の因果か、カズキは再び異世界にいた。だがそこは、敵対関係にあったブルドゥス国の王都。しかも、自分が消えた夜から十年が経過していた。行き場のないカズキは、偶然出会った少女リリィが経営する娼館で下働きとして過ごすことになる。二度目の異世界生活に慣れてきたある日、カズキはこの十年で名が知れ渡った「黒曜」という存在を知る。それは、終戦の夜に消えた異世界人の自分が、終戦の女神だと担ぎ上げられたものだったー。
17歳の日下部虎次が乗っていた飛行機が墜落。目を覚ますと、機内に一人取り残されていた。外に出た虎次は、事故から生き延びたのに、崩れてきた飛行機の翼に潰されて死んでしまうーかに思えた。が、虎次は機内で目を覚ます。それは死して生き返る能力、リスポーンによるものだった。非現実的な状況に混乱しながらも再び外に出るが、今度は異形の存在、魔物に殺されてしまう。またも機内で生き返った虎次は、ここが異世界であり、自分に異能が宿ったことを理解したのだったー。
アイドルに憧れて上京したものの、なかなかチャンスに恵まれないルミ。平凡な高校生だったはずなのに、修学旅行でスカウトされてアイドルの階段をのぼる寿子。二人の運命が交錯するとき、強盗殺人犯が現れて事態は思わぬ方向へ……。盗むことにかけては右に出る者のいない淳一と美人刑事真弓の夫婦が今回直面したのは、卑しい大人たちの事情による、とある策略だった。大好評「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ堂々の第二十巻!
私立探偵・影乃は相棒の雪永とともに谷内義光の惨殺死体を発見。ほどなく蔵主グループ会長・蔵主喜一郎の豪邸で、金庫を狙った窃盗団を撃退する。蔵主は、影乃の仕事仲間の私立探偵・唐渡美知子に、出奔した長男・清太郎の捜索を依頼した。家族の内紛に揺れる蔵主グループには、企業乗っ取りをたくらむ証券仕手筋の奸計が迫っていた…。金と欲の渦巻くバブルに踊る80年代末の東京を舞台に、「影の探偵」が凶悪犯罪を追うハードボイルド・ミステリー!
就活連敗中の楠一之丞・20歳。いつものように面接会場に向かっていたある日、暴れ馬の群れに巻き込まれて死んでしまう。ところが10億人にひとりの大チャンスで異世界に転移。女神から400倍のスピードで成長する能力も授かり、一之丞は「イチノジョウ」の名前で無職のまま異世界生活を始める。迷宮の町フロアランスで、白狼族の奴隷少女ハルワタートと出会ったイチノジョウは、手に入れたスキルと職業を駆使して迷宮を攻略。成長チートと無職チートで、冒険の旅に出ることに!「小説家になろう」開催「ネット小説大賞」金賞受賞作、シリーズ第2巻!
北アフリカでティランは囚われの身となるも、ついにはイスラム教国を軍事的に征服したばかりかキリスト教に改宗させることに成功する。そして、ギリシャ帝国への帰途につき、想い姫とめでたく婚約したのだが、好事魔多し…。騎士道小説の金字塔、全四冊完結。