2017年発売
新宿歌舞伎町裏のホテルで大蔵省キャリア官僚が墜落死した。自殺か、他殺かー。「特命」で捜査に加わる強行犯六係の松浦洋右は、他殺の証拠を手にする。しかし、大蔵省と取引した上層部が自殺と断定し、捜査は中止に。組織と対峙し私的な捜査を続ける松浦は、政官財癒着を象徴する陰謀にたどり着くが…。ブームの先駆となった傑作警察小説。
捜査一課の松浦警部補は、リゾート開発絡みの不正融資を暴くため、墜落死した官僚が残した「白鳥メモ」の行方を追う。盟友の女性検事や元刑事らとともに、利権をむさぼり自分たちに都合のいいように犯罪を隠蔽する巨悪に立ち向かう松浦の身に、危険が迫っていたー。誇り高き者たちを迫真の筆で描く、警察小説の金字塔。
佐渡島に現れた「ピノキオ」と呼ばれるスーパー・ソルジャー。それを作ったのは、世界最大の民間軍事会社だった。極秘に開発された人間兵器のおそるべき「性能」に翻弄される警察、自衛隊、そして“サイレント・コア”のメンバーたち。脅威の身体能力、殺傷力をもち、戦うためだけに生み出された「ピノキオ」への対抗手段は…?
大戦後の不況に苦しむ惑星リェータでは自由市民同盟が「クローン排除、地球連邦の強圧的な支配からの自由」を掲げ急速に勢力を拡大していた。自治政府が有効な手を打てない中、ついにデモ隊が“平和と流血の境界”を踏み越え警官隊と衝突。惑星全土をテロリズムが席捲する!SF巨篇、いよいよ佳境!!
「蛇不老だ、捕まえろッ」火星辺境の町で素密素は荒くれ者から逃げる娘を助けるが…(第一話「火星の白蛇伝説」)。金星に降り立った怪人・達達の目的を突き止めて欲しいとの依頼を受け、素密素は謎の古代遺跡へと潜入する(第二話「金星“〓歌(ミンガ)城”の秘密」)。スリルとロマンに満ちた幻想SF冒険譚!短篇「“嵐”エンジン開発秘話」を併録。
ある日、美術館に出かけた曇天先生。ダ・ヴィンチの『受胎告知』の前に立つや画面右隅の暗がりへ引き込まれ、以来、絵の中に入り込んで冒険を繰り返す。絵の奥では「見えなかった背中」も「曖昧だった背景」も明らかに…。はたしてこれは夢か現か。文庫あとがきとして著者の“打ち明け話”付き!
徹底した史料博捜と批判精神、史実にのみ忠実であろうとする厳しい姿勢…。『レイテ戦記』の作者が切り拓いた歴史小説の新境地。「吉村虎太郎」「姉小路暗殺」ほか長篇『天誅組』へと連なる佳篇、「高杉晋作」「竜馬殺し」など幕末維新期を舞台にした作品群、さらに「将門記」「渡辺崋山」まで網羅した短篇集。
彼氏いない歴=年齢のOL、直美29歳。仕事も家庭も手に入れたいと願う、陽子30歳。お嫁さんになりたい歴女、麻衣子27歳。自分とお金しか信じない女、聡子33歳。女子会好きの現代っ子、愛21歳。仕事に疲れてしまった、千草37歳。どこにだっている、ごく普通の私。普通に恋だってしたいのに、なんで恋人ができないの?いったいどこに、私の「恋」はあるの?今を生きる女性たちの声が連作短編になりました!
テストに文化祭、修学旅行と高校生らしい行事を終え、鍵屋へ顔を出したこずえ。祐雨子との関係は気になるものの、ひさびさに淀川と会えてうれしい。和菓子屋から来た客へお茶を出し、時々は淀川の助手として駆り出されるー平凡な日々が続くかと思いきや、淀川の元カノが現れる。過去に苦しむ淀川、そして、そんな彼を見守るこずえは…?人気シリーズ、完結!
小料理屋「ゆきうさぎ」でアルバイトをしている大学生の碧。秋のある日、店に訪れた女性客と店主の大樹が何かを話していた。女性は大樹の弟、瑞樹の奥さんだという。わざわざ店を訪ねてきたことには理由がありそうだが、話したくないようで?“おいしい”シリーズ第3弾!思い出のおでん、恋を応援する練り切り、心をときほぐすおやき…などをご用意しています。
それは、私が小学校二年生のある日のこと。同じ学童に通う香奈枝ちゃんが、お姫さまみたいな人形を持ってきた。金色の巻き毛に、青いガラス目。丸みを帯びた桜色の頬に、控えめな微笑みーえもいわれぬ美しさを持つ彼女の名前は『ミーナ』。そんな彼女との出会いが、すべての不幸の始まりだった…。五体の人形にまつわる、美しくも哀しいノスタルジック・ホラー。
入社前に就職先が倒産した渚。ひとまずバイトに励んでいたが、「どうせお前が就職できるのはうちの会社ぐらいだ」と家族はバカにするだけ。ある夜、すさんだ気持ちで家出した渚は、神社で迷い猫チャーと出会う。入れ替わりを願ったところ、翌朝、渚たちは本当に入れ替わってしまう。チャー(中身は渚)を探しにきた男・上小路に拾われる渚(中身はチャー)だが…?
金軍総帥・兀朮が梁山泊の北に展開すると同時に、撻懶の軍も南進を始めた。戦いの幕がついに切って落とされた。呼延凌率いる梁山泊軍との全面対決となる激突だった。史進の遊撃隊の奇襲により、大打撃を蒙った金軍は後退し、戦いは収束。梁山泊は若い宣凱を単身金に差し向け、講和の交渉に入った。一方、岳飛は来るべき戦いに向け準備を開始する。それぞれの思惑が交錯し、血の気配漂う第三巻。
友人の生死を決める衝撃的な現場で霧子が出会った黒ずくめの男。彼は修羅場をよそに、消えるようにいなくなってしまった。後日、霧子は男に再会し、徐々に魅かれていく。彼の名は椿林太郎。学習障害児の教育に才能を発揮し、本気で世界を変えようと目論む、抜群に優秀な小学校教師。人は彼のことを「神の子」と呼ぶ。しかし、彼にはある大きな秘密があって…。生への根源的な問いを放つ傑作長編。
終戦の年に生まれた“わたし”は九段の花街で育った。家は置屋から芸者を呼ぶ料亭「八重」。母も評判の芸者で、客として訪れた父は母と知り合い、わたしが生まれた。踊りや唄の練習に励み、幼くして芸者になることを夢見たわたしは、小学二年生のときに置屋「鶴ノ家」の子、哲治と出会う。それは不可思議な運命の糸が織り成す長い物語のはじまりだった。数奇な人生と燃え上がる情熱を描く長編。
勤め先が倒産し、再就職活動中の苑子。生来の地味さゆえか連敗中のある日、面接会場の窓から遠くのビルの屋上に建つ神社を見つけ、神頼みをする。数日後、採用が決まったのは、なんとその神社があるビルの受付だった。初出勤日の昼休み、何気なく屋上に上がった苑子はモッズコート姿で掃除をする神主の幹人と知り合い、弁当を分け合うことになり…。すこし不思議で心温まるお仕事ミステリー。
盗作疑惑が持ち上がる中、美人イラストレーターsacraが失踪した。彼女の幼馴染みでライターの朝倉は、クラスメイトや恩人、恋人などsacraに関わってきた人々にインタビューすることで彼女の真実に迫ろうと考える。盗作、経歴詐称、結婚詐欺など、息をするように繰り返した嘘の果てに姿を消したsacraは今、どこで何をしているのか。そして、彼女が本当に欲しかったものとはー?
“ロマノフ王家の宝冠をかざりし大金剛石六個を無償にてゆずりうける決心をした”という旨の予告状が、実業家・羽柴壮太郎氏のもとに届く。送り主は近ごろ新聞を賑わせていた怪人「二十面相」だった!外遊中の明智に代わり、小林少年がその機転で撃退し、盗まれずにすんだ。しかし予告状は次々と届くー。(「怪人二十面相」)少年探偵団が活躍し、日本中の少年少女たちを熱狂させた二編を収録。