2017年発売
教師のリーサは事故に遭い、友人を失ったうえ、体に大きな傷を負った。退院後は、人前に出るのが怖くて教職に復帰できず、婚約者もそんな彼女を見捨てて去っていった。悲しみに沈むリーサは、傷心を癒やすため遠くの地で新生活を送ろうと、叔母の旧友一家のもとで住み込みのナニーをすることにした。両親を亡くした幼い双子の世話は楽しかったが、子供たちの伯父アダムだけは彼女に容赦なく厳しい目を向けた。秩序ばかり求める彼の姿勢には、幼子への同情や思いやりは微塵もなく、まだ足を引きずる彼女の能力に関しても疑念を口にしてはばからない。思わず悔し涙が溢れ、リーサの瞳に映る彼の冷たく美しい顔が歪んだー
自分に自信のないララは、ある日、絶望の淵に突き落とされた。恋人の裏切りを目撃し家を飛び出したら、どしゃ降りに見舞われたのだ。よるべのない彼女は身も心もぼろぼろになり、やむなく雇い主夫妻を頼って、ナニーとして働く屋敷を訪れた。運よく、夫妻が休暇旅行で留守にするあいだ滞在を許されるが、そこには思いがけない人物がいたー雇い主の親友で大富豪のルーベン。彼も事情があって一時的にこの屋敷に滞在しなければならないという。こんなにハンサムな男性と二人きり、一つ屋根の下で過ごすなんて!だが、ララは思わず覚えた胸の高鳴りを戒め、もう恋はしないと誓った。片や取り柄のないナニーと、片や大富豪…分不相応な恋ならなおさら。
二人の兄が相次いで王位を捨てたため、シェルダーナの末の王子クリスティアンは急遽、妃を迎えなければいけなくなった。だが、国の存続にかかわる一大事とわかっていても、独身貴族を楽しんできた彼には、王家にふさわしい相手が思いつかない。そんなときパーティで、5年ぶりに思いがけない人物と再会する。王子の身分を明かさぬまま別れを告げた、かつての恋人ノエル。クリスティアンは、気まぐれにふらりと彼女の家を訪ねてみた。するとそこには、自分そっくりの幼い男の子の姿が…。
15歳以上の人間が忽然と消えてしまい、子供たちだけとなった町。不気味なバリアに周囲を覆われ、食料不足に加えて電気まで絶たれた今、さらなる絶望が子供たちの間に広がっていく。そんななか突如現れたのが“預言者”を名乗る少女ー少女はバリアの外の世界と交信できると言いだし、真夜中の浜辺で怪しげな集会を開くように。一人、また一人と少女を崇める子供がそこへ集まりだし…。
預言者を自称する少女が口にした“15歳での消滅は救い”という教え。町には徐々に波紋が広がり、ついにはその言葉を信じて“消滅”を受け入れる者まで現れる。自殺同然の行為がこれ以上広がらないよう、サムたち町の議会メンバーは緊急会議を開くのだが…。何が嘘で何が真実か。誰を信じたらいいのか?飛びかう嘘と募る疑念が、やがて最悪の事態を引き起こす!シリーズ急展開の第3弾。
リアーンは、4歳になる息子ジョナサンをひとりで育ててきた。公営アパートに住み、パートタイムの事務の仕事をしながら。今、リアーンは固い決意を胸に息子を連れてレブドン荘園をめざす。荘園を相続した著名な実業家ブリン・ソーンリイに会うためだ。観光客にまざって屋敷を見学している途中、こっそり“プライベート”と標示されたドアを抜けて奥に進む。5年ぶりに会ったブリンはリアーンのことを覚えておらず、「どこで会ったかな?」といぶかしそうな表情を浮かべた。「5年前、マンチェスターのパーティーで。あの夜私、妊娠して」自分の息子の存在を知って、ブリンは驚愕の表情を浮かべた。
ホテル付秘書のアルバイトをするクローディアは、日によってホテルのオフィスで働くこともあれば、宿泊客の要請で臨時の秘書を務める場合もある。今日の任務は、最上階のスイートルームに滞在する客の臨時秘書。客は世界的な億万長者のエリス・ルフェーブルだ。“彼はトラブルそのもの。気をつけて”-そんなホテル側の注意が的中し、クローディアはさっそくトラブルに巻きこまれた。部屋に入るなり、一方的にエリスから言い渡されたのだ。「今夜は、きみもここに泊まるように」
この人に出会うために、わたしは生まれてきた…。ルーシー・モンローやルーシー・ゴードンをはじめ、実力派作家のゴージャスで熱いロマンスが目白押し!
ジェシカは父親から信じがたい話を聞かされ、頭を抱えた。雇い主から貴重な美術品を盗んだ疑いをかけられたというのだ。父は大富豪セザリオ・ディ・シルベストリのもとで働いている。このまま誤解を解かなければ、解雇されてしまうだろう…。実は2年前、ジェシカはセザリオに誘われ、食事をともにしていた。だがそのあと当然のごとくベッドへ誘ってきた彼に驚き、逃げだしたのだった。もう二度と会いたくなかったが、父の汚名を晴らすため、ジェシカは勇気を振り絞って彼を訪ねた。セザリオは相変わらず傲慢な笑みを浮かべると、こう言い放った。「父親を許そう、僕の跡継ぎを産むという取引に応じるなら」
ロンドンの大学へ進学が決まっている18歳のペニー。けっして裕福ではない家計の事情もあり、彼女の父は広大な敷地の一部をイタリア人実業家ソロに売却することを決めた。ソロをひと目見た瞬間、ペニーは初めての恋に落ち、彼からプロポーズを受けたときは心から喜んだが、結局、ソロの隠された一面を見てしまい、涙を隠して立ち去った。4年後、事故で父を亡くしたペニーは驚くべき事実を知る。相続するはずの家と土地の半分をすでにソロが手に入れていたのだ。別人のように冷酷になった彼は、ペニーに結婚を迫ると、強引に海辺の隠れ家へ連れ去った。これはハネムーンだと告げて。
母親の押しつける結婚から逃れる手助けをしてほしい。広告代理店に勤めるローラは顧客からそう懇願され、言われるままに恋人を装って、イタリアを訪れた。ローラを待っていたのは、息子の恋人に敵意を抱く母親と、滞在先の館の主で、顧客の従兄にあたるラモンテッラ伯爵だった。伯爵は到着直後から何くれとなくローラの世話をやき、観光へも連れだしてくれた。黒い瞳に黒い髪。なんて神秘的なの?すっかり伯爵に夢中になったローラは彼の誘惑の罠に落ちるが、彼女がバージンだと気づいた伯爵にベッドから追いだされてしまう。いったいなぜ?伯爵の企みを知らないローラは困惑し…。
ジャンが本気のプロポーズ!!刻子の答えはー!?水狐に捕らわれた刻子を救うため、奔走するジャン。かつてない危機に、ジャンに憑く悪魔がついに動き出すー!?美形でオタクなエクソシストと霊感女子高生の恋愛怪奇譚、待望の第5巻!
私の病気は、有名な難病だ。あらゆるものにアレルギー反応し、発作を引き起こす。だから17年間、家の外には一歩も出ていない。ある日、引越しのトラックが隣の家にやってきた。私は窓からのぞいて、彼を見た。背が高くて、しなやかで、全身黒づくめの彼を。彼がこっちを見つめ、私も見つめかえす。私には、未来が予測できる。私はきっと彼と愛し合うことになる。そして、きっと不幸な結末をむかえるー。このラブストーリーの結末は、きっと誰にも予測できない。世界36カ国で出版!全米にて映画公開!!
ぼくの叔父さんテッラルバのメダルド子爵は、トルコ軍の大砲の前に、剣を抜いて立ちはだかり、左右まっぷたつに吹き飛ばされた。奇跡的に助かった子爵の右半身と左半身はそれぞれ極端な“悪”と“善”となって故郷に帰り、幸せに暮らす人びとの生活をひっくりかえすー。イタリアの国民的作家カルヴィーノによる、傑作メルヘン。
“都市伝説”を信じて猫殺し事件を企てた同級生、和久田悦史が行きたかったこの場所は、「現実」よりも過酷な世界だった。あの日から5年、言葉も通じない土地に飛ばされた長谷川歩巳は、過酷な労働を強いられ心を殺して生きる毎日に慣れはじめていた。しかしかつての級友、魚住二葉との再会で笑顔とともに閉じ込めていた記憶が溢れ出す。二葉が語る、世界の秘密を紐解く人物の存在とは?
地上に舞い降りて楽しく遊びすぎてしまった3人の天使達。天界に帰る力が溜まるまで身を隠すべく、彼女達が人間にもたらしたのは「言語混乱」という災厄だった!この世で誰も使っていない言語しか、話すことも理解することもできなくなった元起業家・椿を助けるために呼ばれたのは、輝く瞳に赤毛の高校生探偵・緋山燃と、彼をライバル視する極悪探偵・三途川理で…!?
新人記者の駿也は、我が子を傷つけていた母親の不審死事件を取材する過程で「トミーの呪い」という都市伝説を知る。こどもが失踪してから3日後に、家族などの近しい大人が謎の死を遂げるというのだ。こどもたちの間に流布する奇妙な歌を手がかりに調査を進める駿也だが恋人の尚美が呪いの標的にされてしまう。死の運命から逃れるため奔走する二人の前に漆黒のマントを纏う男の影がー。
父の死により莫大な遺産を相続した女子高生の一華。その遺産を狙い、一族は彼女を事故に見せかけ殺害しようと試みる。一華が唯一信頼する使用人の橋田は、命を救うためにある人物を雇った。それは事件が起こる前にトリックを看破、犯人(未遂)を特定してしまう究極の探偵!完全犯罪かと思われた計画はなぜ露見した!?史上最速で事件を解決、探偵が「人を殺させない」ミステリ誕生!