2017年発売
安政の大地震、高波、大火、疫病コロリで傷ついた江戸の町を健脚たちが駈け巡る。益満同心が飛脚問屋江戸屋に持ちかけ、十社巡りが実現した。富ヶ岡八幡宮、神田明神、王子権現…。女飛脚をふくめ五区間、競うは十組。力めし処あし屋で腕をぶす江戸屋の面々だが、思わぬ暗雲がたれこめて!?
怪しげな曰く品を扱う皆塵堂で、連助という男が働き始めた。だがこの連助、幽霊や呪いや祟りの類を絶対に信じようとしない。幽霊が見える太一郎などは天敵だ。連助の婿入りが決まっている紅白粉問屋六連屋では、なぜか跡継ぎの婿が次々と早死にしていた。主の伊平次らは、祟りの正体をつきとめられるか!?
「レミングは自殺しない。集団で移動して、海や川を渡るんだ。必死で……新天地に向かうために」。計画の先に辿り着く。必ず、全員でーー。誰の心にもある、中学時代の甘く、苦く、切ない思い出。江戸川乱歩賞受賞作家が、読む者の心の奥を揺さぶる。映画化もされた青春群像劇。ミステリアスな事件の結末とは? 夏の始まり 第一章 二〇一〇年七月 第二章 レミングスの夏 第三章 悪魔の真贋 第四章 死地と新天地 エピローグ 木陰
古本屋と共に世界旅行に出かけた夕士は、南米を経て北米ラスベガスへと向かう。そこに千晶ら多くの仲間が集い、夢のような日々が始まった。カジノ、グルメ、新年のカウントダウンパーティー。新たな発見を繰り返し、成長していく19歳の夕士と、「妖アパ」主要人物の後日談が収録された、ファン必読の1冊!
猫町に暮らす野良猫のミスジは、憧れていた順松の後を継いで傀儡師となった。さっそく、履物屋の飼い猫・キジから、花盗人の疑いを晴らしてほしいと訴えられる。銅物屋の隠居が丹精していた朝顔の鉢がいくつも割られるという事件が起こり、たまたま通りがかったためにその犯人扱いをされているという。人が絡んでいるとなれば、人を絡めないと始末のしようがない。ミスジは傀儡である狂言作者の阿次郎を連れ出すことにしたーー。
和田秀樹さん(精神科医)、書店員さん大絶賛。-------------------------------------------------------自己責任社会の不条理と希望を描いた、まさに今読みたい一冊!------------------------------------------------------- 和田秀樹さん(精神科医)、書店員さん大絶賛。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自己責任社会の不条理と希望を描いた、まさに今読みたい一冊! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この冷たい国に、温かい涙は流れるか? 参院選が迫るある日、日本人女性がトルコでIHOの人質になった。解放のため多額の身代金を要求された官邸と外務省は、しかしさほど慌てなかった。「人命は地球より重い」なんて昔の話。日本はアメリカの方針(=テロリストに何も与えない)に、従うまでだ。 さあ、「自己責任」の世論を盛り上げて。公安に彼女の身内を探らせれば、ホコリぐらい出るでしょうーー解決の算段をつけ、選挙での圧勝を目論む冷徹な官房長官・安井聡美だったが、およそく予測できない展開が待ち受けていた! :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 複雑な社会に、複雑な希望を。 いまイチバン映画化したい、注目の小説! 第一章 人質 第二章 二人目 第三章 転進 第四章 混乱 第五章 噴出 第六章 戦場 第七章 桜の木の下で
羽野千夏は、民俗学の「口頭伝承」を研究する大学生。“消えない記憶”に興味を持ち、認知症グループホーム「風の里」を訪れた。出迎えたのは、ひと癖もふた癖もある老人たち。なかでも「くノ一」と呼ばれる老女・ルリ子は、夕方になるとホームから脱走を図る強者。ほとんど会話が成り立たないはずの彼女が発した「おろんくち」という言葉に、千夏は妙な引っ掛かりを覚え、相棒・大地と記憶の森に潜り込むが……! 羽野千夏は、民俗学の「口頭伝承」を研究する大学生。“消えない記憶”に興味を持ち、認知症グループホーム「風の里」を訪れた。出迎えたのは、「色武者」や「電波塔」などとあだ名される、ひと癖もふた癖もある老人たち。なかでも「くノ一」と呼ばれる老女・ルリ子は、夕方になるとホームから脱走を図る強者。ほとんど会話が成り立たないはずの彼女が発した「おろんくち」という言葉に、千夏は妙な引っ掛かりを覚える。記憶の森に潜り込む千夏と相棒の大地。二人を待っていたものは……! 第一章 むかしむかし、あるところに 第二章 「おろんくち」の意味を知りませんか? 第三章 手続き記憶 第四章 まだ息がある 第五章 赤ん坊の泣き声と木 第六章 伝えたい、伝わらない
「私たちはね…異世界に、トリップしたんだよ」。実家のパン屋ごと異世界にトリップしたサトコ、18歳。「大きな地震のたびに先祖代々トリップしてる」と母に聞かされ、大混乱!戸惑うサトコをよそに、15年ぶりの営業にお店は満員御礼の大賑わいだった。ある日、配達先のお城でサトコは一人の美しい姫君・コズサ姫と出会う。“王の中の王”への輿入れをひかえたコズサ姫は、悪い魔法で子どもの姿に変えられてしまっていた。天下泰平のためのこの縁組、実現させないわけにはいかない。相手は悪の大魔法使い、このままでは姫の身が危ないと遠方に避難することになるがー。「一緒に来てほしいのじゃサトコどの!旅先でもそなたの焼いたパンが食べたい!」
皇帝の魔の手から逃れた日下部虎次と仲間達は、辺見朱夏の案内で、亜人であるネコネ族の集落にたどり着いた。長であるバーバの厚意で、しばらく集落で過ごすことに。やがて、元皇女であるサラ・サラディーン・エシュトが周囲との軋轢を生むようになっていた。やるべきことをせず居丈高なサラに対して誰もが不満を抱き、特に結城八重は爆発寸前。虎次自身にもくすぶる思いがあった。また、一行は変装魔術の使えるネコネ族のニースと行動を共にする。追われる身となった虎次達は、変装しなければならなかった。他の日本人達を捜すため、日本に戻る手段を探すために、商業都市リーンガムへ向かうのだがー。
十歳で両親を亡くして以来、幼馴染達に支えられてきた南条翔は、この春から高校生になった。ある日、頻繁に約束を破る幼馴染達を翔は怪しみ、後をつける。すると山中のあばら家で見たこともない、おぞましい化け物を退治する、幼馴染達を目の当たりにした。彼らのことは家族同然と思っていたが、翔の知らない姿がそこにはあった。彼らの秘密を知った同じ日。翔は、この世のものとは思えない、美しい銀色の狐と出逢う。あばら家に侵入してきた迷い狐は、くくり罠に捕まり、怪我を負っていた。それを救った翔は狐から懐かれ、その夜を一緒に過ごすこととなったのだがー。
宮本武蔵。弁之助は自らをそう名乗った。名付け親は佐々木小次郎。 小次郎はまさに天才的武芸者だ。翻って、自分はこの京にあふれる無数の牢人のなかでどう抽んでればよいのか。 北白川城趾に向かう最中、気配を感じ振り返る。頬に切先。取り囲む野臥せりたち。だが次の瞬間、武蔵は意外な態度を取る。物思いに沈んだのだった。 死。死。死。際限のない死と引き換えに武蔵が手にするものとは。傑作大河小説、圧倒の第五巻!
零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まったーー。◆2017年7月9日(日)よる10時スタート、向井理×斎藤工W主演!WOWOW連続ドラマ原作。
若き天才女性ヴァイオリニストの凱旋コンサート会場からこつ然と消えた、時価数十億の伝説の名器。突如容疑者と化した1800人の観衆。場内の不満が最高潮に達したとき、チャイコフスキーのあのメロディがー真犯人は?そして犯人が用いた、驚くべき犯行手口とは!?書下ろし表題作はじめ、全ページに美しい旋律が鳴り響く、珠玉の3篇。
ゴージャスな大富豪マックス・ヴァシリコスにエスコートされる鏡の中の自分を見て、エレンは息が止まりそうになった。これが“象みたいに大柄で醜い”と継姉に嘲られている私なの?マックスが手配した美容師たちの手で美しく変身したエレンは華やかな慈善舞踏会で彼とワルツを踊り、その翌日からは彼に誘われるままカリブ海の島で夢のようなバカンスを過ごす。夜ごと情熱的な愛撫に溺れながら、エレンは自分に言い聞かせた。世慣れた彼にとって、これはビジネスの一環にすぎないー私が命より大切にしている屋敷を奪うための策略なのだ、と。
私の宝物を目の前でかすめ取った盗人に、 なぜ心まで盗まれてしまったの? PR会社を経営するビアンカは、病に臥す祖父から 家宝のブレスレットを取り戻してほしいと懇願された。 ところが、オークションに出品されていたその品は、 彼女が落札する寸前に高値をつけた人物に競り落とされてしまう。 リーヴ・ドラグノフ──ビアンカの兄の仇敵である大富豪に。 ニューヨークの社交界入りを狙う野心家の彼は、 ビアンカの弱点を見て取り、屈辱的な交換条件を持ちかけてきた。 3カ月間彼の婚約者のふりをすればブレスレットは譲る、と。 承諾したビアンカは、早速彼から責め苦のようなキスを受け……。 イタリアの名門ディ・シオーネ家の秘宝が呼びよせる奇跡のロマンスを描いたシリーズ〈ディ・シオーネの宝石たち〉第3話をお届けします。大富豪リーヴがビアンカに近づいた哀しい理由とは……?
宮殿のバルコニーで、アジザは偶然に初恋の人と再会した。当時は12歳だったナビルも、今や立派なラスタンの国王だ。アジザのことを覚えていない彼に名を尋ねられ、彼女はとっさにアファリム家の長女付きのメイドだと嘘をつく。ほどなく、跡継ぎをもうけるため結婚を迫られたナビルは、アファリム家の次女を花嫁に指名する。その次女こそバルコニーで唇を奪いかけた娘とは知らずに。婚礼の夜、ベールを外した花嫁の顔を見てナビルは激怒した。「シークたる僕が、メイドと結婚するとは!」
たいせつな人はみな去っていった。 もう涙は涸れたはずなのに、再び……。 教師のリーサは事故に遭い、友人を失ったうえ、体に大きな傷を負った。 退院後は、人前に出るのが怖くて教職に復帰できず、 婚約者もそんな彼女を見捨てて去っていった。 悲しみに沈むリーサは、傷心を癒やすため遠くの地で新生活を送ろうと、 叔母の旧友一家のもとで住み込みのナニーをすることにした。 両親を亡くした幼い双子の世話は楽しかったが、 子供たちの伯父アダムだけは彼女に容赦なく厳しい目を向けた。 秩序ばかり求める彼の姿勢には、幼子への同情や思いやりは微塵もなく、 まだ足を引きずる彼女の能力に関しても疑念を口にしてはばからない。 思わず悔し涙が溢れ、リーサの瞳に映る彼の冷たく美しい顔が歪んだーー 名匠Y・ウィタルの稀少な未邦訳作品をお届けします。事故の後遺症に悩むヒロインは、年上の冷徹な雇い主に泣かされ、1カ月の試用期間のあいだに仕事を全うできなければ即解雇という厳しい条件を突きつけられます。けなげな彼女の頑張りにぜひご注目ください。