2017年発売
鶴賀鶴八と鶴次郎は女の三味線弾きに男の太夫と珍しい組み合わせの新内語り。若手ながらイキの合った芸で名人と言われる。内心では愛し合う二人だが、一徹な性格故に喧嘩が多く、晴れて結ばれる直前に別れてしまう。裕福な会席料理屋に嫁いだ鶴八と、人気を失い転落する鶴次郎。三年後再会した二人の行く末を描く表題作に、『風流深川唄』など三編収録の傑作集。
舟運業者らが開いたご禁制の賭場から大金が奪われたとの噂が流れ、次いで勘定奉行所の役人が殺された。萬七蔵は事件の探索を始めるが、そんな中、かつての親友・連太郎が訪ねてくる。七蔵は再会を喜ぶも、友の様子は微妙に変化していた。やがて友に関する重大な事実が明らかになり…。納涼花火の夜陰に紛れ、暗躍する勢力と七蔵が対決する。傑作シリーズ第四弾。
駆け込み寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」に、大店の薬種問屋「小国屋」の内儀おきくが駆けこんできた。橘屋用心棒の塙十四郎が事情を調べると、お金と引き換えに嫁いだおきくは、亭主の卯之助に商売の手段に使われていたことがわかる。そして、おきくの身に危険が迫るー。表題作をはじめ、弱き者への慈しみが込められた三編を収録。著者の代表シリーズ第十四弾。
蔓延する違法薬物の陰で進む“完全な麻薬”の開発。犯人5名を“射殺”した元刑事と非合法捜査を厭わぬ女麻薬取締官が潜入捜査で炙り出す、“依存”の闇と驚愕のW計画とは?起こりうる近未来の薬物犯罪を描く、黙示録的警察小説!
一九九〇年。前年秋にベルリンの壁が崩壊し、愛犬のジョンが死んだ。平林健太、フリーター、30歳。逃げとごまかしが連続の人生だった。このままでいいのか?健太は一念発起し、小さな編集プロダクションを皮切りに、憧れ続けた「ギョーカイ」の門を叩く。90年代の広告・雑誌業界を舞台にした半自伝的小説。
2017年7月から連続テレビドラマ化! 大人気「警視庁いきもの係」シリーズ待望の第4弾! ピラニア、クジャク、ハリネズミが登場する傑作中編3作を収録! 学同院大学で起きた殺人事件の容疑者は、クジャク愛好会の奇人大学生! だが無実を信じる警視庁いきもの係の名(迷)コンビ、窓際警部補・須藤友三と動物オタクの女性巡査・薄圭子はアニマル推理を繰り広げ、事件の裏側に潜むもうひとつの犯罪を探り当てる!? 2017年7月から連続テレビドラマ化! 大人気「警視庁いきもの係」シリーズ待望の第4弾! ピラニア、クジャク、ハリネズミが登場する傑作中編3作を収録! 学同院大学で起きた殺人事件の容疑者は、クジャク愛好会の奇人大学生! だが無実を信じる警視庁いきもの係の名(迷)コンビ、窓際警部補・須藤友三と動物オタクの女性巡査・薄圭子はアニマル推理を繰り広げ、事件の裏側に潜むもうひとつの犯罪を探り当てる!? 犯人確定のカギはクジャクの「アレ」!? 警視庁の「いきもの係」というべき、総務部動植物管理係の名コンビ、窓際警部補・須藤友三(すどう・ともぞう)と動物オタクの女性巡査・薄圭子(うすき・けいこ)のアニマル推理が楽しめます! ピラニアを愛した容疑者 クジャクを愛した容疑者 ハリネズミを愛した容疑者
高校3年生の千紗は、横浜のタウン誌「ハマペコ」編集部でアルバイト中。初恋の相手、善正と働きたかったからだ。用事で元町の洋装店へ行った千紗は、そこのマダムが以前あった元町百段をよく利用していたと聞く。けれども善正によると元町百段は、マダムが生まれる前に崩壊したという。マダムは幻を見ていた?それともわざと嘘をついた?「元町ロンリネス」「山手ラビリンス」など珠玉の連作短編集。
新番組のレギュラー獲得を目指すオーディションが終了してから一ヵ月。“敗退”という現実は、メリーランドに重くのしかかる。先を行くライバルや先輩芸人。大学卒業後、それぞれの道を歩み始める恋人や友人。みんな進んでいるのに、自分達だけ進めずにいる…。夢にまで見た舞台の先、新城と溝口が見つけた未来とはー。このままじゃ終われない。どん底からの再スタートだ!シリーズ完結の第5弾!
話すぬいぐるみと出版社校正男子の友情物語 愛しい涙がとめどなく流れた。この本はきっとみんなの宝物。 --池田エライザさん(モデル・女優) 松本大洋氏がカバー装画が描きおろした、話すコアラのぬいぐるみと出版社校正男子の切なさMAXの友情物語。 小さな出版社で校正の仕事をしている森星太朗は、幼いころ他界した作家で母の文子が残してくれたコアラのぬいぐるみを大事にしていた。 そのぬいぐるみは、母が亡くなったその日、しゃべりだし、以来、無二の親友になっていたのだ(もちろん、世間には内緒にして)。 そんなある日、しゃっくりがとまらなくなった星太朗に大きな転機が訪れる。
ある夜、庭の暗闇からふいに現れた一匹の猫。壁を抜けて出現と消失を繰り返す猫は、パラレル・ワールドを自在に行き来しているのか。愛娘を失った痛みに対峙しつつ、量子力学と文学との接点を紡ぐ傑作。
近隣住民から信頼厚い第七明和銀行高田通り支店の庶務行員・多加賀主水のもとには、相談事が絶えない。商店街のシャッター街化問題、保育園の騒音問題、祭事の協賛金問題…。一方、世間では矢部内閣による「ヤベノミクス」が推し進められる中、国債の危機を訴える一派が何事かを企んでいた。第七明和銀行も吉川新頭取の息子が誘拐されるに及び、国家の危機に巻き込まれる!
GHQ占領下の昭和二四年、後に“昭和史最大の謎”といわれる事件が起きた。七月五日早朝、下山定則初代国鉄総裁が失踪。翌日未明、線路上で礫死体が発見された「下山事件」である。あの時、何が起きたのか…。政財界の大物、日米の諜報員と特務機関員、警察と検察。当時の関係者の動きを小説という形で追跡し、ノンフィクションでは描ききれない真相に迫った衝撃作!
「ゆっくりしてこい。休みたいだけ休ませてやる」鳴海署あげての大歓迎で休暇を得た刑事佐脇は、“社長”こと輝本に依頼された身辺警護の名目で、愛人・千紗とともに豪華客船「パシフィック・プリンセス」に招待される。食い放題飲み放題、金持ちの客をおちょくり放題とお構いなしの佐脇。ところが平和なはずのクルーズで、諍い、痴情のもつれ、遂には殺人も発生し…!?
殺人犯どころか、テロリストが同乗しているかもしれない!?突然の爆発で騒然とする豪華客船「パシフィック・プリンセス」。監視カメラが壊され、鑑識もおらず、殺人捜査は難航。おまけに偶然乗り合わせたTVリポーター・磯部ひかるが追うマネーロンダリングの噂が、思わぬ巨悪を炙り出し…!?洋上の孤島と化した豪華客船で、佐脇がテロリストたちと対峙する!
「巨大シーラカンス日本へ!」大東新聞に独占掲載されるはずのスクープがライバル紙の一面を飾った。“生きる化石”捕獲プロジェクトを後援する大東の一条記者が学術調査隊に同行しコモロ共和国へ特派されていたのになぜ?やがて帰国した調査隊員を狙った連続殺人が発生。姿をくらました一条に容疑がかかるが…。警視庁きっての名警部・岡部和雄の推理が冴える!
死体の足元に落ちた「黒い天使」のトランプー。カジノで借金漬けだった老人の死亡事故を探っていた刑事・諏訪光介は、その日本初のカジノを管轄下に置く聖洲署に異動になる。煌びやかな街の中を謎の自警団が跋扈し、警官は汚賄塗れ。だが、諏訪がその闇に踏み込んだ時、潜んでいた巨大な敵が牙を剥いた!未来を予測する、新警察ミステリー。
「手紙に描かれた風景を探してほしい」旅行作家・茶屋次郎が受け取った一通の依頼状。依頼人・朝波貴士は十年前に突然姿を消した元恋人の行方を捜していた。茶屋はその風景を、歌にもなった神田川とみて調査をはじめる。しかし、そこで見つかったのは朝波の他殺体だったー。過去の失踪と依頼人の死。茶屋が辿りついたのは、静かに深く、人の奥底に流れる心の闇だった。
「あたし、あの人がこんなにも好きなんだ」太物問屋『あたご屋』の一人娘・お八重はごろつきから助けてくれた“川獺”と名乗る男に想いを寄せている。もう一度逢いたい一心で江戸をさまようお八重は、裏長屋で川獺といた女の死体を発見してしまう。殺していないと言う川獺を信じるお八重は…。恋を知った少女が大人になっていく姿を描いた感動の時代小説。
「風神の子」と恐れられ、北条氏に仕える忍びの中でも、風魔の小太郎は、桁外れの巨躯と相まってその能力は抜きんでていた。その小太郎が武田を滅亡に追いやった織田信長より名指しで呼び出される。待ち構えた信長は、進上馬に乗り小太郎に銃口を向ける。そして、発射された銃弾の行方はー。戦国の猛将らと闘った希代の忍び『風魔』、その知られざる物語。