2018年3月9日発売
イゾベルが初めて彼に会ったのは、18歳の誕生日だった。 ラファエル・ロメローー傲慢で冷酷な大金持ちの若き実業家。 彼こそは、イゾベルがまだ8歳のときに決められた許嫁なのだ。 ラファエルの支援がなければ、彼女の家は破産の憂き目に遭う。 「あなたと結婚するくらいなら、死んだほうがましよ!」 爪を立てる仔猫さながら言い放ったイゾベルを、あろうことか ラファエルは抱き寄せて濃厚なキスをし、再会を約束した。 3年後、パリ。実家を出たイゾベルは貧しくも自由に暮らしていたが、 21歳の誕生日の夜、彼は現れたーー妻を迎えに来たと言って。 忘れもしないあのキスが、戦慄となってイゾベルの体を駆け抜けた。 アビー・グリーンの描くラテンロマンスは、まるでタンゴのリズムのように熱く激しく、速いテンポで読者を虜にします。「政略結婚なんかいや!」と抗うヒロインですが、心はあの18の夜、若く傲慢な富豪に既に奪われていて……。初恋と愛なき結婚の物語です。
内気なケイトは、旅先のミラノで出会った男性、 ジャンルカ・デ・ロッシと激しく惹かれ合い、一夜をともにした。 だがいたたまれなくなり、翌朝何も言わずに逃げ出してしまう。 どんな代償を支払うことになるのか、知りもせずにーー それは、予期せぬ妊娠と、ジャンルカとの思いがけない再会だった。 数カ月後、悪阻に苦しみながら新しい派遣先に向かったケイトは、 ジャンルカが世界的に有名な実業家だったことを知る。 「なぜ黙って僕のベッドから出ていった?」彼は激怒している。 彼のもとで働くなんて……ケイトは何も言えず、ただ震えていた。 いまも消えない彼への想いと、込み上げる吐き気と闘いながら。 初めて愛した男性に「ただの情事だ」と言われるのが怖くて、逃げ出してしまったヒロイン。けれど実はヒーローも、彼女に去られたことに傷ついていてーー。マギー・コックスが贈る大人のロマンスは、予期せぬ妊娠をきっかけにした、癒やしの物語です。
ジェシカは、勤め先の経営者であるライアンとつき合っている。 ライアンはハンサムで裕福で、まさに女性が理想とする男性だ。 関係を始める際、彼は4つのルールを定めた。 1彼に猫を近づけないこと。 2スキャンダルを避けるため、二人の仲は内密に。 3子どもは絶対につくらない。4もちろん結婚もしない。 ライアンを愛しているジェシカにとってはつらいが、 彼のそばにいられるならと、けなげにルールを守り続けた。 だが、交際も2年が過ぎたある日、ジェシカは衝撃によろめく。 わたし、妊娠している……愛するライアンの子を……! 秘密のオフィスラブで、もしも妊娠してしまったら……? そんな衝撃的な展開をテンポよく描くのは、HQディザイアの人気作家、テッサ・ラドリー。筋金入りの独身主義者が、恋人とおなかの子への愛に目覚め、誠実な男性へと変貌を遂げるさまは感動的です!
牧師の娘フィリーは気立てがよく、家族の面倒をみている。ある日、道に迷った魅力的な医師ジェームズを案内し、密かに心をときめかせるが、彼には美しい婚約者がいた。富も名声もある彼と、ただの家事手伝いをする村娘の私では、そもそも釣り合わないし…。あきらめようと思っても、その後も彼と偶然の再会をし、フィリーの心は切なさを増すばかりだった。(『ドクターにキスを』)。目が覚めると、フィリッパはすべての記憶を失っていた。聞けば、挙式直後に車で失踪し、事故を起こしたらしい。そんな彼女の前に、魅力的だが謎めいた実業家コラッドが現れるーこの人が私の夫?体が熱く反応し、自分が彼を愛していると本能的に悟った。だが、亡父から相続した遺産を、結婚と同時に彼へ譲るという契約書を発見し、彼女は胸騒ぎに襲われ…(『愛だけのために』)。母が死に際に詳細を明かした実の父に会うため、キャサリンはイタリアへ飛んだ。そこで待ち受けていたのは、ダビデ像のように美しい大富豪アレッサンドロ。父の若き友人である彼は、妻に先立たれて男手一つで息子を育て、もう結婚はしないつもりだった。そうとは知らないキャサリンは、父を待つ間、親身に話を聞いてくれる彼にどうしようもなく惹かれていく。(『結婚はナポリで』)
各地を転々としながらその日暮らしを続けるクィン。里親からの虐待、孤独、人間不信。彼女の人生は試練の連続だったが、新天地ラスベガスへ向かうその道中でも、新たな試練がクィンを襲う。交通事故現場で少年を保護した直後、何者かの発砲を受けたのだ。しかし、瀕死で警察署に逃げ込んだ彼女は知らなかった。たくましい腕で抱きとめてくれた刑事が、かつて一人だけ心を許した少年ー20年前に同じ里親のもとで絆を結んだ、ニック・サルダーノであることを。あの頃の少年少女は、一人の男と女として、いま再び巡り逢った。
16歳のとき、クリスタベルは酒に酔った父親から手ひどい暴力をふるわれた。窮地を救ってくれたのはテキサス州騎馬警官のジャド・ダン。父親はすぐに逮捕され、病弱な母親と幼くして残されたクリスタベルだが、そんな彼女を守るためにとジャドは名目だけの結婚を提案するークリスタベルが21歳になるまでの期限つきで。あれから5年、いまだ二人はキスすらしたことがなく、クリスタベルは純潔のまま。夫ジャドへの想いをひそかに募らせる日々だ。気がつけば二人が他人同士に戻る期限の日まで、あと2カ月になろうとしていた…。
灰かぶりの乙女は、ある夜、社交界一の放蕩男爵と出逢ったーー 情熱のシンデレラ・ヒストリカル・ロマンスをご堪能あれ! 両親の死後、アレグラを引き取ってくれたおじが、献身的な看病の甲斐なく亡 くなった。悲しみにひたる間もなく、翌日アレグラは、意地悪なおばの仕打ち で埃まみれの使用人部屋に追い払われる。やがて、ようやく夜会で社交界デビ ューを果たすことができたが、悪名高き放蕩男爵ウィリアム・タヴァナー卿に 目をつけられてしまった! “うぶな生娘を手玉に取るなど彼にはたやすいこ と”--悪評に震え上がるアレグラは、案の定ウィリアムに求婚される。実は ある事情から都合のいい花嫁を探している彼に、熱く唇を奪われた瞬間……。
アニーがカバーモデルを務める高級モード誌が、 世界的な宝飾デザイナー“エダマス”との契約に成功した。 だが素顔が謎に包まれた彼は、一つの条件を提示してきた。 撮影は彼が指定する地で、極秘裏に行うこと。 不安を覚えつつも、アニーは指示どおりに飛行機を乗り継いだ。 そうしてたどり着いた孤島には、思わぬ人物が待っていたーー 先日、あるパーティで怒りに満ちた視線を浴びせてきた謎の男。 まさか、あの人が“エダマス”だったなんて! 驚くアニーに、君を呼んだのは復讐のためだ、と彼は告げた。
大学を休学中のアンジーは独り立ちの必要性に迫られていた。 そんな折、あるお屋敷でメイド頭を探していると聞き、 なんとか面接してもらえないかと知人を通じて頼みこんだ。 噂では、屋敷の主マーク・アレンはとても気難しい人物らしい。 若い女学生ではとても信用を得られないだろうと考え、 アンジーは一計を案じた。地味な服に身を包み、髪を引っ詰め、 眼鏡をかけて、貫禄ある年配女性に変装したのだ。 自信満々で乗りこんだアンジーだったが、結果は予想外だった。 知的で気品漂うアレン様に、ひと目で恋してしまったのだ!