2018年8月発売
伝説の吸血鬼、神にさえ刃向かうという真なるバケモノー。そう呼ばれたのも昔の話。現在の彼は、王国のかたすみ、幽霊屋敷と笑われる古城でヒキコモリ生活を送る、さえないおっさんだった。平和で怠惰な毎日ーしかし、そんな平穏はある日唐突に崩れ去る。「おじさん、朝ですよー!」「朝日が痛い!」教会から来た聖女は、おじさんを吸血鬼と信じず社会復帰を笑顔で迫る!伝説のドラゴンは犬と勘違いされ、コウモリの眷属は孫娘扱い、そして吸血鬼はヒキコモリのおじさんに。これは『吸血鬼』がお伽噺にしか出てこなくなった平和な時代。善意100%の聖女と吸血鬼との、平和なやりとりの記録である。
人生、「逆から」たどってみたら…?「私」の死後を生きる夫、「私」のお葬式のときの次男、「私に」挨拶にやってきた長男の婚約者…人生の共演者たちの視点から描かれる7編の連作短編集。
愛するベイビー、いつになったらまたあなたをこの腕に抱けるの? 43歳独身のシェリルは職場の年上男に片思いしながら快適生活を謳歌。運命の赤ん坊との再会を夢みる妄想がちな日々は、衛生観念ゼロ、美人で巨乳で足の臭い上司の娘、クリーが転がりこんできて一変。水と油のふたりの共同生活が臨界点をむかえたときーー。幾重にもからみあった人々の網の目がこの世に紡ぎだした奇跡。待望の初長篇。
月旅行を目指す高校時代からの四人組。西部戦線からの帰還兵のクリスマス。変わり者の億万長者とその忠実な秘書。男と別れたばかりの女がつい買ったタイプライター。離婚した父母のあいだをゆききする少年。内戦で祖国を追われ、ニューヨークに上陸した移民。ボウリングでパーフェクトスコアを出し続け、セレブに上り詰めた男ー。世界が驚いた、小説家トム・ハンクスのデビュー作。良きアメリカの優しさとユーモアにあふれ、人生のひとコマをオムニバス映画のシーンのように紡いだ、17の物語。
地球へと向かう快速艇の中に恵一とロボの姿があった。恵一は今、すべての任務を解かれ、強制休暇中だった。粛清者の本拠地への第一次偵察作戦は成功したが、そのさい恵一に抗命行為があったとの申し立てがあったためだ。ひさしぶりに帰った地球で地表に降りる恵一。そこには奇妙な地衣類の繁茂する泥の大地が広がっていた。一方、シュリシュクでは、アンドロメダ星雲に対する第二次偵察作戦が実施されようとしていた…。
家の前に母親と住む汚い子供、酒浸りの高校時代、幽霊屋敷、子供と小動物の殺し屋、通りで見つけた頭蓋骨、鎖で脚をつながれた子供、黒い水から生まれた奇形児たち、「燃える女たち」の反乱…。読み進めるうちに、底知れぬ恐怖に満ちた現実に囚われていく。ラテンアメリカ新世代の“ホラー・プリンセス”が作りだす濃密なゴシックワールド。
プーやその仲間たちの無邪気で安穏とした世界とあまりに対照的な影と真実。それを知ることで、プーやクリストファー・ロビンの魔法の森の安らぎと輝きは増し、いっそう愛おしくなる。人間の幸福の真実を映し出す名著、待望の翻訳!
月の無数の破片が落下する“ハード・レイン”により地球が滅亡し、それから5000年の月日がたった。その直前に宇宙に脱出して生き残った人類、「七人のイヴ」の子孫たちは、月が元あった軌道上に無数のハビタットや宇宙エレベーターを建設して、七つの人種による新しい文明を築きあげていた。一方、いったんは不毛の地と化した地球では、ふたたび地上で暮らすために、テラフォーミングが進められていた。だが、思いがけない発見により、“ブルー”と“レッド”二陣営に分かれた地球の覇権をめぐる戦いへと発展していく…。全滅の危機に立ち向かう人類の未来を描き上げたSF巨篇、堂々の完結へ!
「ミサイルに核弾頭を装着させるその日まで」-犠牲となった長閑な山村、原子力研究所の核科学者たち、金一族が核実験にかけた野望。豊渓里で暮らした脱北作家が暴く衝撃のドキュメンタリー小説!
蘇る初期SFの一大金字塔!鉱脈探査機、空気鉄道、水中鉄船、人造太陽、超光線透視機、引力遮閉機…。蒙古の奥より南米にまで及ぶ大地底国。インカの末裔の支配する神秘郷に展開される科学戦。日本SFの嚆矢となった“幻の作家”蘭郁二郎の閃光の生涯に遺された、地球空洞説に拠る代表傑作。
ジジリアから始まった長い旅も終わりを迎え、ついにドラニアス帝国へと辿り着いたハル。ドラニアスでは将軍達をはじめとした、国を挙げての歓迎ムードの中、父エドモンドのお墓参り、そしてラッチの親との対面を果たす。その後国民へのお披露目となる即位式でハルは15代皇帝に即位。ドラニアスで皇帝としての生活をスタートさせたハルだったが、地方へのパレードなど休む間もなく忙しい日々が続いていた。そんなある日、クロナギがある紙の束をもってくるのだが…。平凡な少女と竜族の物語、ついにフィナーレ!
謎の死を遂げた後輩の妹に招かれ、軽井沢の別荘に集まった四人の男女。過去と現在、そして未来ーそれぞれが自らの人生を語るうちに、愛と憎しみの感情が渦を巻き始める。究極の会話劇が紡ぎだす新文学!
新しい日本を世界に示した日本万国博を発案、実現。石油問題に警鐘を鳴らし、「団塊の世代」を命名した。予測/歴史小説家、評論家、経済企画庁長官として、著者の卓越した思考と行動は、常に時代を牽引してきた。団塊の世代の2028年までを描く『団塊の秋』と、多彩な半生とその時代を語り尽くした自伝。『堺屋太一著作集』全18巻、堂々完結!