2018年9月発売
「本と友達になれるなんて、とっても素敵なことだと思わない?」本好きの高校生・紙山ヨミは、司書教諭の紹介で「まほろば屋書店」で夏休みのバイトをすることに。そこは、魂が宿り生きている“まほろ本”を扱った、世にも不思議な書店だった。お店で出会った同僚の青年・サクヤは金髪で無愛想、不良みたいな見た目。しかし彼はいつも、ヨミが見たこともないほど美しい本を持っていてー。青春書店ファンタジー開幕!第2回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞受賞作!
霊が見えるホラー作家・熊野惣介は、担当編集者の善知鳥の異動話を耳にしてしまう。善知鳥本人からの説明がないまま、ふたりはいつもの心霊取材へ。廃墟の水族館に現れる巨大未確認生物や、温泉に伝わる不死身の男の噂話を調べていくうちに、「不死鳥の胆嚢」という謎の薬の存在を知る。やがてある記憶がよみがえった熊野は、善知鳥の前から姿を消すー。熊野のデビュー作に隠された謎が明らかになる、シリーズ完結編!
三軒茶屋にある小さなビストロには、お決まりのメニューが存在しない。好みや希望をギャルソンに伝えると、名探偵ポアロ好きの若きオーナーシェフ・伊勢が、その人だけのコースを作ってくれるオーダーメイドのレストランだ。個性豊かな先輩ギャルソンたちに気後れしつつも、初めて接客した元舞台役者の隆一。だが担当した女性客は、謎を秘めた奇妙な人物であった…。美味しい料理と謎に満ちた、癒やしのグルメミステリー。
亡き父と同じ大工になった環奈がやっと就職した半間建築社は、無理難題や原因不明のトラブルが絡んだ「欠陥案件」ばかりが持ち込まれる奇妙な設計事務所だった!住みづらくなる増改築を繰り返す老婦人、巨人の幽霊が出ると噂の旅館、古い公衆トイレを彼氏だと言い張る女子高生、恩師の新居にこめられたある想いー。推理力だけは一級のヘタレイケメン建築士・半間樹が建物にまつわる謎を解き明かす、痛快建築ミステリ!
北海道・旭川。平凡な高校生だったはずの僕、館脇正太郎の周辺は、近頃何かと騒がしい。九条家に、盗聴器がしかけられていたのだ。まさか、あいつが…。しかし櫻子さんは、恥じることは何もないからと、それを外そうとはしなかった。そんな中、僕たちはばあやさんの故郷であるぬかびら源泉郷に旅行に行くことに。しかし、湖の近くで若い女性の遺体を見つけ…。史上最高に奇妙で美しい名探偵櫻子さんと僕の物語、最終章開始!!
都内の中学校で、3年生の佐田が同級生の石村を刺す事件が起きた。所轄署の取り調べで佐田は、以前と人が変わったような口調になり、係員を簡単に振り切り警察署から姿を消してしまった。被害者の石村を訪ねた警視庁の富野輝彦は、石村が佐田の狐憑きを除霊しようとして刺されたことを突き止める。そして旧知のお祓い師・鬼龍光一とともに佐田を捜し、除霊に向かう富野。だが、次に豹変したのは、なんと石村の方だったー。
手も触れずカネを倍にしてくれる男がいる!あやしげな噂に大規模な詐欺の臭いを嗅ぎつけた刑事・舛城は、天才的なマジックの才能を持つ少女・沙希の助けを借り捜査を始めた。舛城は防犯カメラがとらえた現場映像を入手。そこには確かに倍に増えていく札束の山が映っていた!いったいどんなトリックなのか?そして裏で進行する金融詐欺の真相は?スリリングかつリアルな知的頭脳戦の“最終形”が開幕する!
青年ながらもどんな手口も見破ると話題の“万引きGメン”椎橋彬。だが、彬にはもう一つの悪魔的な顔があった。マジックの知識を利用して周囲や防犯カメラを欺き大胆不敵な犯罪を繰り返していたのだー。刑事・舛城と天才マジック少女・里見沙希が捜査を開始。見えてきたのは彬の見事な手口と、暗い過去だった…。彬vs沙希、マジシャン同士の究極の頭脳戦の行方は!?知的エンターテインメントの“最終版”!
魔法もスキルもない「ゆうしゃ」として放り出された異世界で、苦労とピンチの連続だった陣内陽一にも、少しずつ理解者が増え、なにより心強い仲間の狼人美少女ラティやハーフエルフのサリオと力を合わせ、確固たる「居場所」を築き始めていた。しかしある日、戦闘中にダンジョンの最奥へと転落した彼は、追ってきたラティと共にそこで、この異世界と、勇者の秘密を知る…。ハードモードな「ゆうしゃ」ライフはまだまだ波乱含み!!
マイムという料理のライバルが登場したことで、やる気を見せるアスタやレイナ=ルウたち。サイクレウスが独占していた食材が使えるようになったことで、アスタはついに故郷の味、カレーの再現に挑む!!そんな折、かまど番の勉強としてドムの集落から女衆がやってくる。しかし、彼女・レム=ドムの目的は、アイ=ファのような狩人になることでー
お家に帰ってお茶でも飲みながらまったりしたい系伯爵令嬢ルルリーア。しかし周囲(主に偉い人たち)はそれを許してくれず、数々の事件解決を経た結果“竜騎士の花嫁”という本人的には非常に不本意な呼び名が広まってしまっていた!今度こそはトラブルに巻き込まれないようにと決意を新たにするルルリーアだが、ほどなく自宅に、超大物(竜)が訪ねてきてー!?
総統の自死、戦勝国による侵略、敗戦。何もかもが傷ついた街で少女と泥棒は何を見るのか。1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅出つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になりーふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。最注目作家が放つ圧倒的スケールの歴史ミステリ。
高校生の岡崎直樹を殺人者へと仕立て上げた川上邦明の遺体が発見された。刑事企画課特別捜査官の東堂定春は、ミハンシステムにおける過去2件のテストケースで関わった人物が事故死、失踪している点に注目する。彼らに共通しているのは、法で裁けなかった犯罪者だということだ。妻と娘を殺された井沢範人をはじめ、犯罪被害者となった過去をもつミハンメンバーの関与が疑われる。捜査が進むなか、川上殺しの重要参考人として連行されたのは井沢だった。犯人は井沢なのか、それとも別の人物か。そして桜木泉の“死”の真相は…?数々の謎が解明されていき、いよいよ物語は衝撃のクライマックスを迎える!
第二次世界大戦中のアメリカで、強制退去によって追われた日系人の一家。彼らはユタ州の砂漠にある収容所に送られる。家族それぞれの視点から語られる、有刺鉄線の内側で過ごす日々…。オオツカの長編デビュー作。
直樹、専業主夫になるべきか悩む30歳出版社社員。慎一、離婚して孤独をもてあます35歳広告マン。幸太郎、モテないアイドルオタクの25歳公務員。家事は得意、でも専業主夫にはなりたくない。女性にモテない、けど男としては見られたい。強くありたい、から弱音を吐けない。男のプライドの新しいかたちを探る、“問いかけ”の物語。
現職知事の後継者が、選挙告示前に急死。後継候補を巡る争いに、突然名乗りを上げたオリンピックメダリスト、地元フィクサーや現職知事のスキャンダルを追う記者の思惑が交錯する。これまで四期連続当選してきた現職県知事・安川(76歳)は、今期限りでの引退を決める。後任については副知事の白井に任せるということで内々に話がまとまっていた。しかし、選挙告示の2ヶ月前に白井が急死し、次期知事候補は白紙に戻る。一方その頃、地元出身でオリンピックメダリストの中司涼子(42歳)が、突如知事選への出馬を表明する。公約に「冬季オリンピックの招致」を打ち上げ、一気に有力候補に躍り出る。混沌とした様相はさらに加速しー。隠された利権、過度な忖度、県民性の謎…。圧倒的な権力を持つ「地方の王様」を決める熾烈な争い。選挙小説の新機軸!