2018年発売
あの秘密の裏道を通って、わたしは本当の人生を漕ぎはじめる。一九二四年春、メイドに許された年に一度の里帰りの日曜日(マザリング・サンデー)に、ジェーンは生涯忘れられない悦びと喪失を味わう。孤児院で育ち、帰る家のない彼女は、自転車を漕いで屋敷を離れ、人目を憚らず恋人に逢い、書斎で好きなだけ本を読む。そこに悲報がーー。のちに著名な小説家となった彼女の、人生を一変させた美しき日をブッカー賞作家が熟練の筆で描く。
ボクことセリーヌ王国第二王子ジルクス。 ある日、突然前世の記憶(なんとアラサー女子!)が蘇ってからは、チートなスキル&魔力で、自由気ままに生きてくことに決めました! そんなボクも気づけば成人の歳に。愛しのミアとの婚約も決まり、まさに順風満帆と言ってもいいよねぇ。 でも、それだけじゃダメだ。もっと、この国のことを知りたい。 だから……お忍びで領地の視察旅行に行ってきま〜す! もちろんミアと一緒にね♪ てなワケで、護衛の召喚天使(!?)も引き連れて、未知の世界へいざ出発! 転生王子×侯爵令嬢の異世界フリーダムライフ新展開!
ある女性を観察してほしいのですー無職の中年男、新屋敷第六の元に舞い込んだアルバイトの依頼。しかし、真の狙いは第六のサイコ・パワーだった。どうする、第六!?十五歳の夏の夜、ある出来事をさかいに、頭に霧がかかったようになってしまった。インスタント・コーヒーに大量の砂糖をぶち込み、今日も市中徘徊と読書に精を出す。第六の魂はいつ漂流を終えるのか。
主人公は古物商の知識を持つ一青年。 なんの実りもなかった29年の人生を振り返りその肩を落とした矢先、1551年・激動の戦国時代に転生する。小商人の息子・弥五郎として生を受けた彼は、貧しいながらも両親と幼馴染の少女・伊与と共に幸せな生活を送る。だがある日、領内で猛威を振っていた野盗・シガル衆によって住んでいた村ごと滅ぼされてしまうのだった。 ーー行方不明となった伊与を助け、打倒シガル衆を決意した主人公は、転生前の知識を駆使し、商人として5000貫もの大金を稼ぐと決意する。 旅先、楽市楽座の町で出会ったのは、織田信長の下で立身出世を志す木下藤吉郎(秀吉)。歴史改変に繋がると葛藤するも、己の信念のために弥五郎は藤吉郎の相棒となる。 博多商人の娘・カンナと出会い転売交易にて資金を稼ぎ出し、彼は未来の武器を仲間に開発提供する。さらに蜂須賀小六や前田利家も仲間に加わり、弥五郎は道を切り拓いていく。 ーーこれは、戦国の世で共に成り上がりを夢見る、“武人”と“商人”の立身出世伝である。
脱サラしてコンビニオーナーになった林圭太。 ある日、自分の店舗がまるごと異世界に転移していたことに気がつく。 偶然通りかかったヴァンピール族の黒騎士・バルドと共に、異世界でコンビニ営業を始める。 店も異世界仕様に変化して、普段取り扱っていた商品の他に“やくそう”や“はがねのつるぎ”なども陳列できるようになっていた。 「“やくそう”っていくつ仕入れたらいいんですかー!?」 圭太は混乱しながらも、ずば抜けた品質や性能をもつコンビニ商品のおかげで またたく間に、冒険者やエルフ、ドワーフなどのお客様から注目を集める。 POSレジ、お取り寄せ、自販機など、現代のコンビニでは至極当たり前の仕組みにお客様から驚嘆される日々。 しかしコンビニが持つ異常な力が人間と魔族の争いに発展し、圭太もただのコンビニオーナーではいられなくなる!? 《コンビニは異世界を救う!》--コンビニチェーン化で世界平和を目指す異世界コンビニ経営譚、ここに登場!!
歴史ある女子校・凰西学園に入学した真矢は、怖がりの花音と友達になる。ひょんなことから、ふたりは「出る」と噂のピアノ練習室で、虚空から伸びる血まみれの白い手を目撃してしまう。その日を境に、ふたりが手をつなぐと、不思議なものが見えるようになった。保健室のベッドに横たわる首がないびしょ濡れの身体、少女の肩に止まる白いなにか、プールの底に沈むもの…。いったいなぜ、ここに出現するのか?少女たちが学園にまつわる謎と怪異を解き明かす、6篇の青春ミステリ・ホラー。
ツカサたちはミランダの依頼を受けてライズゴッド王国へとやってきた。しかし道中の怪しい罠や街に活気がないことに不信感を感じていた。国王から畑の不作による貧窮を改善してほしいと頼まれるツカサたち。実際に畑へと赴き、その調査を始めると、ただ畑に栄養が足りないだけ…簡単に治る症状だということが判明する。しかし、この国を蝕む病気はそれだけではなかった。仲間の中に幻惑薬による症状にかかる者が現れる。鑑定で調べてみるとこの薬は調合で作られたものではなくユニーク魔法で作られたものだということがわかる。その治療薬の調合を始めていると、とある人物が薬調合の力を持っていることがわかるのだった。
ポーランド西部のルヴフ(現ウクライナ領リヴィウ)の大学で美術史の教員をしていた筆者が、1939年のソ連侵攻から逃れた先で、次はナチスに捕らえられ、ドイツの強制収容所で過ごした日々を綴った回想録。ポーランドで大きな反響を呼んだ著書の待望の邦訳。 編者によるまえがき はじめに 第一章 ルヴフーー一九三九年九月二二日〜一九四〇年五月三日 第二章 クラクフーー一九四〇年五月〜一九四一年六月 第三章 総督府巡回ーー一九四一年七月〜一九四二年三月 第四章 スタニスワヴフーー一九四二年三月〜一九四二年七月七日 第五章 ルヴフのウォンツキ通りにてーー一九四二年七月八日〜一九四二年一一月二八日 第六章 ベルリンーー一九四二年一一月二九日〜一九四三年一月九日 第七章 ラーフェンスブリュックーー一九四三年一月九日〜一九四五年四月五日 第八章 イタリア エピローグ 写真ーーランツコロンスキ家のアルバムから 註 人物目録 付録1[ハンス・クリューガーによって殺害されたルヴフの教授名] 付録2[親衛隊大将カルテンブルンナーから国際赤十字総裁への手紙] 訳者によるあとがき 人名索引
「お母さん、いまわたしはどこにいるのでしょう? わたしが帰る場所はあるのでしょうか?」 こんな時代だから知ってほしいーー。 敗戦後、植民地から引揚げてきた日本人たちの 日本という国家や日本人に対する複雑な想いを。 日本の植民地だった朝鮮半島で「軍国少年」として育ち、敗戦のため生まれ故郷を追われ、その途上で祖母と父を亡くし、命がけで「38 度線」を超えて内地に引揚げてきた。しかし、敗戦から何年が経っても、心の奥底には「日本」という国家や「日本人」に対する違和感を抱え、自らを日本人でありながら「異邦人(エトランゼ)」のように感じていたーー。そんな引揚者たちの「失われた故郷」での美しき想い出、ソ連侵攻による恐怖、国家に対する幻想と崩壊、そして、不条理に奪われた「アイデンティティ」を取り戻すための葛藤……。作者自身の引揚体験を描いた『夢かたり』『行き帰り』『噓のような日常』の三作品を完全版で所収! ◉作者自身の引揚体験を描いた三作品を完全版で所収 ◉巻末解説:山本貴光(文筆家・ゲーム作家) ◉夢かたり 夢かたり 鼻 虹 南山 煙 高崎行 君と僕 ナオナラ 従姉 二十万分の一 片恋 鞍馬天狗 後記 ◉行き帰り 習志野(『行き帰り』に改題) 行き帰り 後記 ◉噓のような日常 大阪土産 三十三回目の夏 法事前の数日 花山里 夜に帰る 後記 ◉解説「帰る場所のない人類学者」山本貴光 ◉底本・初出一覧
『ONE PIECE』のエースを描いた初の長編小説。連載20周年を記念して刊行された『ONE PIECE magazine』にて大人気を博した小説が書籍化。カバーは尾田先生描き下ろし。
ソフトウェア会社の社長兼プログラマーのボブ・ジョハンスンは、SF大会の会場で交通事故にあい死亡した。目覚めてみると、なんと117年後、キリスト教原理主義国家となったアメリカで、恒星間探査機の電子頭脳になっていた!はからずもほぼ無尽蔵の寿命と工業生産力を手に入れたボブは、人類の第2の居住地を探して近隣の星系を探索し、つぎつぎに新発見や新発明を成し遂げていく!傑作宇宙冒険SF、3部作開幕篇!
「無の障壁」「勇者還る」など初期宇宙SFの傑作から「アマゾン砂漠」「火星人の道」など東キャナル市連作まで全15篇を収録。