2019年1月24日発売
東西の交易の中心として栄えるオアシス国家リオラン。ある日、アラバスをはじめとする3人の王子は、美貌の第二王妃カトラッカとその腹心エスクリダオにそそのかされ、この世を統べる力があるという〈竜鏡〉を探す旅に出る。しかし、それは世継ぎを追い出し、すべての権力を手中に収めようとする王妃らの陰謀であった。アラバスらは無事に国を救うことができるのか。魔法が飛び交い、陰謀が渦を巻く、東方異世界ファンタジー。
『鯖猫長屋ふしぎ草紙』の著者が放つ、ほろり痛快時代小説! 鎌倉・東慶寺は、幕府公認の縁切寺だ。 離縁を望む女が駆け込むその寺に、前代未聞の騒動が。 寺入りした人気役者の女房・お綱に会わせろと妾が乗り込んできたのだ。 寺の警固を担う女剣士・茜らは事情を聴くと、亭主をとっちめるべく江戸に赴く! 舌鋒鋭い秋山尼、記憶力抜群の桂泉尼、韋駄天と腕っ節が自慢の寺飛脚・梅次郎らとともに、茜は自身の過去と向き合いながら、女たちの幸せのために奔走する。 役者に大店主に、暴力男ーー。夫婦をとりまく様々な人間模様にひそむ謎。 心温まる痛快時代小説!
サラリーマンの秋山は恋人の明子に結婚を申し込むが「半年待って」と告げられる。叔母が癌のために余命わずかで、その莫大な遺産が入ってから結婚したいというのだ。だが、彼女はその晩に何者かに殺される。しかも彼女には叔母などいなかった。殺人の濡衣を着せられた秋山は刑事を殴り“夜”の闇の中に逃亡する。自らの手で真犯人を捕らえようとするが…(「夜の追跡者」)。「夜」に誘われた犯罪者たちを描く、ミステリ短編集。
数々の殺人の果てにテロをたくらむ組織「CBET(スヴェート)」は、センターに保護されている天才的プロファイラー・中島保を狙っていた。 比奈子のもとには、組織のアジトと思われる廃墟が燃えているという情報が入る。現場で複数の遺体を発見する捜査班の面々。 真相に近づく中、比奈子が組織のトップに拉致されて……。 連続ドラマ化もされた大人気シリーズ「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」、ついに本編完結! 上下巻で刊行。
スカイダイビング中のふたりの男が空中で溶けるように混ざりあい消失した!事故か超常現象か?(「ワームホールへのタンデムジャンプ」)リゾート地であると同時に米軍の戦略上の要衝でもあるグアムでは、観光客を狙った犯罪だけでなくスパイ事件もが発生する。日本では考えられない大規模かつ多様な犯罪にゲンゾー、デニス、レイの日系人3世代探偵が挑む。結末が全く予想できない知的ミステリの傑作短編シリーズ第3弾!
パパ友どうしの恋。きみとなら、地獄も怖くなかった。有田豪と鐘山明人は、同じ保育員に子どもを預けている。互いに顔見知り程度だったが、ある日、明人はLINEで豪を飲みに誘う。「お互いイクメンとして妻の悪口を言い合おうよ」と。その晩、ゲイ不倫という地獄の蓋が開いたのだったーー。ミソジニー、嫉妬、仕事ができない焦り、不公平感……ゴーギャンになりきれなかった男たちの思いが炸裂し、疾走する! パパ友どうしの恋。 ゴーギャンにはなれない、おまえも、俺も。一度きりの人生を、後悔して生きていく。後悔したことさえ忘れて。 有馬豪と鐘山明人は、同じ保育員に子どもを預けている。とはいえ、豪はファンドマネージメントのCEOで多忙を極めているため、朝、娘の亜梨を保育園に送っていくだけ。対して明人は、妻の美砂がタレント議員でこれまた多忙のため、ワンオペ、育児かつ家事全般を請け負っている。 互いに顔見知り程度だったが、ある日、明人はLINEで豪を飲みに誘う。「お互いイクメンとして妻の悪口を言い合おうよと」。その晩、ゲイ不倫という地獄の釜の蓋が開いたのだったーー。 これは復讐なのか? 完璧な妻に対して、自分より稼ぐ妻に対しての。 ミソジニー、嫉妬、仕事ができない焦り、不公平感……ゴーギャンになりきれなかった男たちの思いが炸裂し、疾走する!
幕末、京の街を守護する会津藩士・古畑手志朗は、父親を何者かに惨殺された。呆然とする手志朗に、会津藩の仲間たちは仇討ちのため新撰組に加盟するよう勧める。流されるままに新撰組隊士となった手志朗。そこは、野獣のごとき猛者どもが血の雨を降らせる、とんでもないブラックな集団だった。道場の稽古で叩きのめされ、夜の飲み会は慣れぬ花街。ひとを斬ったこともないのに市中巡邏で浪人と対決。泣きそうになりながら走り回る手志朗の前に、ひとりの少女があらわれた…。幕末の京でモテまくる新撰組の中で、地味な下女に惚れた会津武士の不器用な恋の行方は?
救えるだろか。僕を殺人犯だと知っている君を。この街には複数の殺人者がいる。彼らが出会うとき、法では裁き得ない者たちへの断罪が始まるーー。大藪賞作家が現代を舞台に描く、圧倒的犯罪小説! デビュー2作目『リボルバー・リリー』でいきなり大藪賞受賞! ミステリー界唯一無二の才能が放つ、圧倒的犯罪小説! この街には複数の殺人者がいる。 彼らが出会うとき、法では裁き得ない者たちへの断罪が始まるーー ストーカに襲われる女性を助けた夜から、商社マン・阿久津清春の日常は狂い始める。 ブラウンの瞳と褐色の肌を持つその女、柚木玲美は言った「あなたが殺人犯だと知っています」。 十七歳の夏、清春は人を殺していた。誰にも知られずーー。 意図的に清春に近づいた玲美は、その「事実」と引き換えに、母の死の真相と行方不明の姉の捜索を依頼する。 パートナーとなるのは、かつて実兄の殺害容疑をかけられた組対五課の刑事・則本敦子。彼女もまた、過去の事件の証拠を玲美に握られていた。 異様な関係で結ばれた三人の捜査は、いくつかの未解決事件を掘り起こし、やがて社会に潜む、起こしてはならない者たちを呼び寄せてしまう……。 この10年で日本全体の殺人認知件数は1万288。検挙率の平均は98%。単純計算で206人の殺人犯が捕まっていないことになる。 また、年間約17万人が死因不明の異状死として届けられるが、解剖に回されるのはわずか12%。 およそ15万の「異状死体」が、詳しく調べられないまま死因を特定されている。 イギリスでの解剖率は約40%、アメリカで約60%、北欧では90%を超えるところもあり、他の先進国と比べてこの数値は異様に低い。 つまり、この国では多くの「死」が見逃されている可能性があるーー
「命さえ惜しくない愛に巡りあったとき人はーー」 おっとりした菓子職人の晴太郎と、商才に長けたしっかりもの幸次郎の兄弟は、年老いた茂市に手伝ってもらいながら、江戸の菓子司「藍千堂」を営んでいる。 「菓子」一筋だった晴太郎が、佐菜に恋をして結婚。男所帯の藍千堂に、佐菜とその娘のさちが加わったことで、暮らし向きは華やかになった。 人気シリーズ第3弾となる本作のテーマは、「命がけの愛」 いとこのお糸の縁談が発端となり、彼女の実家「百瀬屋」が窮地におちいる。 命をかけて愛する相手に出会ったがゆえに、絶望の淵に突き落とされた人々を、晴太郎兄弟は、和菓子で笑顔にできるのか。 江戸菓子の魅力と、人情あふれる物語がたっぷりと詰まった時代小説短編集です。
空から風にのってやってきた、メアリ・ポピンズと不思議な世界へ。 安野光雅が描く、美しい絵の中へ遊びにゆきます。 ロンドンの美しい桜通りに住むバンクス家に、ある朝、こうもり傘を差した乳母、メアリ・ポピンズが東風に乗って現れます。彼女がやって来てから、子どもたちは大喜び。指をぱちんと鳴らすと魔法のように散らかった部屋が片づき、不思議な鞄からは何でも出てきます。大道芸人の描く絵の中に入って遊んだり、空中に浮いたままお茶会を楽しんだり……。 日常風景から、曲がり角ひとつ曲がるといつの間にか不思議な世界に入り、ひとしきり楽しむと、また当たり前の世界に戻る、空想物語の名作。日常の世界に現れる不思議な世界は、子どもらしさを、そっと閉じ込めて思い出させてくれます。
夢をあきらめるのは、よくないことですか? 古今東西から「夢のあきらめ方」にまつわる物語を集めたアンソロジー。 夢をあきらめた人へ、夢をあきらめようとしている人へ、そして夢をもつことさえできなかった人へ……。 「絶望書店」書店主からのご挨拶 書店にぶらりと立ち寄って、そこで思いがけない本と出会う。 それこそ、書店の楽しみではないでしょうか。 うちも、そういう書店でありたいと思っています。 ただ、小さな書店ですから、どんな本でも置いてあるわけではありません。 うちに並んでいるのは、「夢のあきらめ方」に関する本だけです。 「なぜそんな本を?」と思われるかもしれません。 でも、「夢をかなえる本」や「夢をあきらめない本」なら、他の書店さんにたくさんあります。 ですから、一軒くらい、こういう書店があってもいいのではないでしょうか? 夢がかなわなかったとき、夢をあきらめなければならないとき、この書店をぶらりと訪れてみてください。 本なんか読む気になれないかもしれません。でも、ひとつの物語との出会いが、もしかすると、あなたにとって、とても大切なものになるかもしれません。
邪馬台国はどこにあったのか、卑弥呼は一体どこからやってきたのかーー日本のルーツと歴史上最大のミステリーに迫る古代冒険小説、第2巻。セリカ(中国)の東方、海の果ての火山島に、人の成る木があるという。木の実は美しい女性の形をしており、熟すとワークワークと啼いて木から落ちるとか。故にその島の名は「ワク」という。この伝説に憧れたひとりの男が、「ワク」を目指してローマの都を旅立った。一方、「ワク」の島で“鬼道を事とし、よく衆を惑わ”す女王・卑弥呼は、ひそかに苦悩していた。このナカツクニ(邪馬台国)は大きくなりすぎたーー。人々を養うためには東の国との貿易が不可欠。しかし、その船団は、海霧に姿を隠した巨人に襲われ打ちしずめられたという。卑弥呼の命を受けた少年ワカヒコは巨人が棲むという東の国、蓬莱国の秘密を探る旅に出た。