2019年11月発売
関ヶ原の戦いから7年後。第一の武功をあげながら、その才ゆえに次第に家康から遠ざけられる黒田長政と、事実上の長子でありながら養子に出され、実父・徳川家康より疎まれてきた結城秀康が手を組み、渾身の策で天下獲りを狙う、戦国歴史ロマン。
ホワイトハウスの厨房を視察するため外国からシェフたちがやってくる! 知らないレシピや文化を学びたいけれど、急に決まった晩餐会の準備もあるし、人手不足だし……忙しいエグゼクティブ・シェフのオリーを助けようと、デザート担当のシェフが視察団のガイド役を引き受けてくれることに。彼が作り出すのは甘く美しい飴細工に絶品のホットチョコレート。誰もが感嘆のため息をもらしながらデザートの味見をしていると、突然彼が倒れてしまい!?
アメリカ人の父と日本人の母のもとへ、養子としてやってきたアイ。 内戦、テロ、地震、貧困……世界には悲しいニュースがあふれている。 なのに、自分は恵まれた生活を送っている。 そのことを思うと、アイはなんだか苦しくなるが、どうしたらいいかわからない。 けれど、やがてアイは、親友と出会い、愛する人と家族になり、ひとりの女性として自らの手で扉を開けるーー たとえ理解できなくても、愛することはできる。 世界を変えられないとしても、想うことはできる。 西加奈子の渾身の叫びに、深く心を揺さぶられる長編小説。 累計21万部!巻末に又吉直樹氏との対談を収録 残酷な現実に対抗する力を、この優しくて強靭な物語が、与えてくれました。--又吉直樹 読み終わった後も、ずっと感動に浸っていました。なんてすごいんだろう。この小説は、この世界に絶対に存在しなければならない。--中村文則
<内容紹介> 湯島天神坂にある隠れ宿・如月庵。絶品料理に舌鼓を打って風呂に入れば、旅の疲れも浮世の憂さもきれいに消えると噂だ。 ある日、非凡な記憶力で如月庵を支えてきた下足番の樅助が、客の名前を思い出せなくなってしまいーー。 温かくて元気が出るお江戸人情シリーズ第3弾! <プロフィール> 中島久枝 東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業。フードライターとして活躍中。『日乃出が走る』で第3回ポプラ社小説新人賞の特別賞を受賞しデビュー。著作に「日本橋牡丹堂 菓子ばなし」「一膳めし屋丸九」シリーズなどがあり、両シリーズで第一回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞。
長崎の油商・大浦屋の女あるじ、お希以ーのちの大浦慶・26歳。黒船来航騒ぎで世情が揺れる中、無鉄砲にも異国との茶葉交易に乗り出した。商いの信義を重んじるお希以は英吉利商人のヲルトやガラバアと互角に渡り合い、“外商から最も信頼される日本商人”と謳われるようになる。やがて幕末の動乱期、長崎の町には志を持つ者が続々と集まり、熱い坩堝のごとく沸き返る。坂本龍馬や近藤長次郎、大隈八太郎や岩崎弥太郎らとも心を通わせ、ついに日本は維新回天を迎えた。やがて明治という時代に漕ぎ出したお慶だが、思わぬ逆波が襲いかかるー。いくつもの出会いと別れを経た果てに、大浦慶が手に入れたもの、失ったもの、目指したものとはー。円熟の名手が描く、傑作歴史小説。
外国人を狙った襲撃事件が相次いで起こり、単独捜査を開始した伊丹。その窮地を救うべく特命係が動き出す「刑事一人」、凱旋帰国した世界的歌姫が誘拐事件に巻き込まれ、さらなる殺人事件へと繋がっていく「ディーバ」、警察密着番組のディレクターが現場に現れた右京と亘をメインに撮影し、お蔵入りになってしまった映像が事件を解く鍵となる「密着特命係24時」など6篇を収録。(連続ドラマ第17シーズンの第8話〜第13話を収録)
東日本大震災の翌日、子宮体ガンの宣告を受けた「わたし」は、家族と離れ、特殊なエックス線照射治療を受ける。この治療に反対する身内、肺ガン闘病中の元同僚、放射線宿酔の夢に現れる今は亡き祖父母たち。著者の実体験をもとにした病と魂の変容をめぐる傑作長編。
銀行強盗の訓練で起きた出来事の顛末(「共犯者」)。殺人犯が改心した理由とは?(「手紙」)。数多ある警察小説を黎明期から覚醒期まで3期に分け、各時代の名手による傑作短編を厳選したアンソロジー。信念を貫きながら組織で揺れ動く等身大の刑事の姿が、多彩に浮かび上がる。
立入制限区域をパトロールするロボット「ウルトラエイト」の居住区に、国税庁から派遣されたという謎の女・財護徳子が現れる。だが彼らには、人間の訪問が知らされていなかった。戸惑いながらも、人間である徳子の命令に従うことにするのだが…。
2020年1月テレビアニメ化! 空を旅する捕龍船クィン・ザザ号と、龍を狩ることを仕事とする乗組員たちの日常を描いた、累計70万部突破の人気コミックが完全オリジナルストーリーでノベライズ! クィン・ザザ号運行史上、初の異常事態発生! 原因不明の病により全男性クルーが倒れる中で、突然現れた龍に応戦するヴァナベル。 緊急着陸した霧深いネーベル市で彼女が出会ったのは、龍捕りを嫌う料理人の少女、ラスヴェットだったーー。
病気の妹を救うためには大金が必要になった小鳥遊夕人は、賞金総額2700億円のVRMMOゲーム『Abyss』の存在に挑む。上級プレーヤーのアリサに勝利し、チームに加えた夕人だったが、次から次へと現れる敵やクリアせねばならないミッションの連続で思うように攻略が進まない。そんなあるとき、夕人は偶然出会ったプレーヤーに、何かただならぬものを感じる。そのプレーヤーの正体を知るため、夕人は一つの賭けに出るのだった。モラル無用の超高額賞金ゲーム、運命の第2巻!
上級職の「ニンジャ」でありながら、「冒険者の酒場」で無為な日々を過ごすプレーヤーがいた。彼の名は「ああうあ」。実戦経験なし、レベル1。冒険者のアイテムを管理するだけにパーティーに所属している補欠メンバーだ。 「ああうあ」の正体は、現世でプログラマとして働くサラリーマンだったが、不幸な事故で命を落とし、女神の力によって、この世界に転生していたのだった。そんなある日、女神に再会した「ああうあ」は、この世界がレトロゲーム風に改造されたことを知る。女神が世界をアップデートするまでに自分のレベルを上げなければ、命が危なくなってしまう! 冒険者としての自我に目覚めたああうあは、似たような境遇で過ごすレベル1の「司教」職の「ああういあ」と共に、新たな歩みをはじめるが……。 懐かしの名作RPGを彷彿とさせる新感覚の冒険ファンタジー誕生!
孤高のミュージシャン、そして小説家。 魂の最新長編書き下ろし。 「十四歳。私は父を殺すことに決めた」 孤独と怒りを抱えた少女が、崩壊寸前の家族を捨て、 全寮制の中学校へ行くのは圧倒的なひらめきだった。 家を出て行った父と、それを受け止めた母、静かに悲しむ弟。 四人家族の輪から最初に抜けたのは、私。 それでも私は「父親」という存在にいつまでも囚われている。 許せない、苦しい、わかってほしい。 私は「特別な子ども」になりたかったーー。 「この話を書かずに、のうのうと作家人生を送れたら良かったのにーー黒木渚」 4年ぶりフルアルバム「檸檬の棘」同名小説、ついに刊行!
ついに作者が登場し、主人公と哲学問答 前巻で描かれた、アキレスとアキレスの馬による「トロイ戦争の原因」に関する考察は本巻でも延々と続き、一向に出口が見えない。 と、そこに白い馬が現れ、ようやく物語は動き出すーーかと思いきや、突然「作者特別回」が始まり、『別れる理由』という小説そのものについての考察がなされる。 しかし、主人公・前田永造が作者に「ねえ、小説家」と電話で語りかけ哲学問答を始めるなど、物語は再び混沌の世界にーー。 文芸誌「群像」に150回にわたって連載された、小島信夫“執念の大作”の第5巻。当巻には第101話から第125話までを収録。
聖地巡礼スポット・台南を舞台にした表題作ほか、珠玉の短編5編。明治、大正、昭和の3つの時代にわたって、詩歌や小説、文芸評論など幅広い分野で足跡を残した佐藤春夫の、珠玉の小説アンソロジー。表題の『女誡扇綺譚』は、日本時代の台南を舞台に、鄙びた町の姿や、没落豪族の娘の霊との出会いを描いた作品で、作者自ら「五指に入るであろう」と評した幻想的な傑作。改稿を重ねた渾身の一作『田園の憂鬱』は、田舎に移り住んだものの周囲と溶け込めず、次第に病んでいく文学志望の青年を描く。他に処女作品『西班牙犬の家』のほか、『のんしゃらん記録』『美しき町』を収録。『大正幻影』で佐藤春夫を掘り下げた評論家の川本三郎氏が解説。
妻を池の端の出合い茶屋で惨殺された同心・凶四郎は不眠症となり、夜回り同心として江戸の町を見守っている。「武家屋敷に化け猫が出た」「神社の石灯籠が動く!?」-江戸の夜は意外と賑やかだ。一方妻の実家の主が蝦夷地の交易に密かに手を染めているらしいと判明した。果たして妻が殺された真相に迫ることが出来るのか!
寄り添う事で、人の人生は変えられるかーー 『孤狼の血』『盤上の向日葵』『慈雨』の次はこれ!! 柚月裕子が描く感動作!! 裁判所職員採用試験に合格し、家裁調査官に採用された望月大地。 だが、採用されてから任官するまでの二年間ーー養成課程研修のあいだ、修習生は家庭調査官補・通称“カンポちゃん”と呼ばれる。 試験に合格した二人の同期とともに、九州の県庁所在地にある福森家裁に配属された大地は、当初は関係書類の記載や整理を主に行っていたが、今回、はじめて実際の少年事件を扱うことになっていた。 窃盗を犯した少女。ストーカー事案で逮捕された高校生。一見幸せそうに見えた夫婦。親権を争う父と母のどちらに着いていっていいのかわからない少年。 心を開かない相談者たちを相手に、彼は真実に辿り着き、手を差し伸べることができるのかーー。 彼らの未来のため、悩み、成長する「カンポちゃん」の物語。 ●柚月裕子は正義が似合う。 調査を通じて、なぜ罪を犯したのかを考えさせる。 ここがうまいんです。とても泣けます。 だから『あしたの君へ』という作品がいちばん好きなんです。 --今野敏氏