2019年5月13日発売
【文学/日本文学小説】15歳の少女、翡翠命は王家の血が流れている自分の命を狙う天孫を名乗る御真木の存在を知り、隠れ里を逃げ出す。西へと向かう彼女が目にしたのはもがき苦しむ人々の姿だった──。20代の若き才能が新しい「卑弥呼」を描き切る。
八歳で逝去した第七代将軍徳川家継の骸が増上寺に納められてから二十年。その存在すら忘れられた世に、岡崎継次郎と名を変えた家継の姿があった。千代田城内で執拗に迫りくる暗殺の謀から逃れた彼は、葵の紋が彫られた名刀を手に、徳川の世を乱す悪漢どもに対峙する!
【文学/日本文学小説】福岡の夕筑市にある寺院・道然寺で暮らす中学3年生のランとレン。人の善意を信じるランと悪意を敏感にかぎ取るレン、正反対の視点を持つ双子が活躍するシリーズ第2弾。熊本地震から逃れ、転校してきた少年の秘めた思いが引き起こした事件の謎を解き明かす。
友だちはいますか?自分がちっぽけに思えることがありますか?-つらさ、寂しさと上手に付き合う方法教えます。“こころ”は扱いにくくて、でもあなたがあなたであることの証でもあるのです。個人心理学の創始者・アドラーの名著をまんが化。お互いを信じられない、絆がなくなってしまいそうな、ある家族の再生の物語。
俺はただの飲み屋の親父だ。 元刑事の立ち飲み屋の主人と、謎の家出少女、多彩な登場人物が織り成すハードボイルドコメディ ☆新・卵メニュー有☆ 転がり込んできたちひろとの同居が始まるも、朝倉の妻・遙香に高校入学準備を整えてもらうほど保護者役はイマイチな二宮。 そんなぎこちない暮らしにも形のようなものができ始めた矢先、常連客である「教授」の周辺に不穏な影が…。 一方、二宮が元捜査一課の刑事だということが客にばれ、今度は強盗殺人事件の捜査に関わることに!? 新宿の片隅に佇む立ち飲み屋「二宮」は今宵も主の本意と違う方向に営業中ーー…。 ◆ 著者について 谷崎泉 Izumi Tanizaki たにざきいずみ 1月9日愛知県在住。犬猫好き。 「月影骨董鑑定帖」「鎌倉おやつ処の死に神」シリーズ(KADOKAWA)「逆境ハイライト」(中央公論新社)など。 一 君に花咲け 5 二 涙雨、降りし 73 三 夏の尾 96 四 主任の主任 161 五 それぞれの真実 181
病神体質が死にたがり兄弟を救う!? 態度が大きくて怖い小学生、イケメンだけど得体の知れない恐ろしさを醸す店主、そして人間じゃない客が来る薬処ーー。 別れはね、すべきときに、しなくてはいけないんですよーー。 関わる人に不幸を招く疫病神体質で、大学進学を機に親戚宅を出た譲吉。 だが上京当日に下宿は燃え、再会した幼馴染のすず子の家は突風で半壊してしまう。 途方に暮れる譲吉が紹介されたのは作家・七雲静宅。出入りする小学生の舞人は静の兄だというし、副業の薬処の客は人じゃない。 譲吉を招き入れたのは「不幸を呼び込んで静を死なせてほしい」からーー!? ◆ 著者について 葵居ゆゆ Yuyu Aoi あおいゆゆ 宮城県出身、かに座。2012年『はちみつハニー』でデビュー。 古い家と薬草の匂いが好きです。兄弟姉妹も長い絆も大好物で、楽しく書かせていただきました。楽しんでいただけたら幸いです。 第一話 再会 5 第二話 つながり 100 第三話 さよならの前に 176
板橋宿の機織り「雁治屋」。羽振りはいいが、そこで働く娘たちは重労働に苦しんでいた。小夜も辛さに耐えきれず逃亡を図る。追われた小夜は土蔵に隠れるも見つかり、もみ合いの拍子に主人をかんざしで刺殺、隠していた書付けを持って逃げだした。武士の歴史を変えかねない謎を秘めた、その書付けの中身を知る北町奉行所の与力・巨勢は、布引左内を呼び出して、その回収を命じる。一方、やぶれかぶれの小夜は、札差屋の次男を名乗る扇太郎と知り合い、抜き差しならぬ仲となっていくのだが……。好評シリーズ第二弾!
亡き八代将軍吉宗より田沼意次の行う幕府の財政改革を手助けするよう命を受けた隠密のひとりで、ふだんは芸者姿に身をやつす村垣伊勢。村垣は、両替商分銅屋の用心棒である諌山左馬介を、その鉄扇術から、ただの浪人ではないと疑いだした。一方、改革を推し進める意次の動きを探ろうとする者たちに対し分銅屋が仕掛けた策には、次々と獲物がかかり始める。武家の駆け引き、野心を抱く商人の台頭ー江戸の世はどう動くのか。大好評シリーズ、第七作。
二つの腎臓を失くした「キドニー」と呼ばれる弁護士の宇野。若月真一郎はこの男を護衛するよう、街の権力者・久納義正から依頼を受けた。同じ頃、高岸と名乗る男がこの街にやって来た。高岸はN市にある酒場「ブラディ・ドール」の経営者、川中良一の部下で、ある強い決意を持ってキドニーを追い続ける。高岸の目的はいったい!?過去を背負い、今を生きる男たちの誇りをかけた戦いの幕が上がる時、強烈な個性がぶつかり合う。大人気シリーズ第十七弾!!
義父と古い付き合いのある古手屋の親分・勝五郎が殺された。入り婿で十手持ちの岡っ引き六兵衛は、勝五郎の娘と昵懇である妻のためにもと下手人捜しにやる気をみせるが、手がかりがつかめず途方に暮れる日々。そんな中、心中未遂騒ぎを起こした男女と知り合い、偶然にもご法度の巨砲の絵図面を手に入れた六兵衛と義父は、何者かから命を狙われ…。情けをもって悪を成敗する岡っ引きが、「どろぼう長屋」に住む怪しい仲間とともに活躍する、傑作捕物帳第三巻。
主・久兵衛の主菓子が幕府歌学方に気に入られ、照月堂は躍進の兆し。来たる夏に向けての主菓子も所望され、久兵衛はなつめにも案を出すよう言いつける。自分に新たな菓子など考え出せるのかと緊張しつつも、なつめはさっそく思いを巡らし始める。そんな折、照月堂では、出入りの薬売りの子を数日預かることとなった。ところがその富吉、妙になつめに懐いてくる。不思議に思っていたなつめだったが、ある時富吉が口にした「けいさま」という名を聞いて、驚き、動揺して……。続々重版の大人気時代小説シリーズ、第五巻!
涙の途中棄権から一年。大学三年となった走水剛は、翌年の箱根駅伝で因縁の5区走者に指名された。運命のレースを経て、人生が大きく変化していくー。大学卒業後に入団したのは、大阪・青葉製薬陸上競技部。曲者の監督から聞かされた、東京五輪制覇の秘策とは?箱根駅伝の雪辱とランナーとしての成長を描く、シリーズ佳境の中巻!
「天下の陣借り武者、島左近、死ぬまで治部殿の陣に陣借り仕る」──筒井順慶の重臣だった島左近は、順慶亡き後、筒井家とうまくいかず出奔。武名高き左近には仕官の話が数多く舞い込むが、もう主君に仕えるのはこりごりだと、陣借り(雇われ)という形で、豊臣秀長、蒲生氏郷、そして運命の石田三成の客将となる。大戦に魅入られた猛将は、天下を二分する関ヶ原の戦いでその実力を発揮する! 従来の「義の人」のイメージを塗り替えた新たな島左近。期待の歴史作家による渾身の作品、待望の文庫化。(解説・細谷正充)
歴史小説界に風穴をあけんとする作家集団「操觚(そうこ)の会」による 伝奇時代小説アンソロジー登場! 「夢みる力」を復活させんと、想像力の可能性に挑んだ13編の書下し作品を、ぜひお楽しみあれ! ■朝松健「夢斬り浅右衛門 --小伝馬町牢屋敷死罪場」 ■秋山香乃「草薙剣秘匿伝 --葛城皇子の章」 ■芦辺拓「浅茅が学問吟味を受けた顚末 --江戸少女奇譚の内ーー」 ■彩戸ゆめ「神楽狐堂のうせもの探し」 ■神野オキナ「ころりの木壺」 ■蒲原二郎「江都肉球伝」 ■坂井希久子「万屋馬込怪奇帖 月下美人」 ■鈴木英治「熱田の大楠」 ■新美健「妖しの歳三」 ■早見俊「ダビデの刃傷」 ■日野草「遠夜」 ■誉田龍一「血抜き地蔵」 ■谷津矢車「生き過ぎたりや」 ■操觚の会とは ■操觚の会・会員紹介 ■表紙/写真:堀江ケニー、モデル:Salsa、仮面:秋津屋