2019年5月27日発売
酒井老中の飛駕籠に、郡上の百姓衆が直訴! 訴えの核心と狙いは? 徳川の直領美濃の郡代が、郡上藩の徴税法に口出し! 背後に公儀重臣らと組んだ藩主金森兵部の悪しき企み。 将軍家重の怒りが弾けて…。 郡上へ遠国御用の旅、第10弾! 老中の駕籠行列は、登城の際、走るのが慣例だ。事件が起きたときだけ走れば、人々に異変を知られる。 いつも走っていれば、気づかれようがない。そのために走ることが定着し、飛駕籠と呼ばれる。 その飛駕籠に六人の百姓衆が駆け込んで直訴した。郡上藩からの者であった。御庭番の加門がそれを目撃していた。 加門は本丸中奥の将軍家重の御用取次・田沼意次の部屋を訪ねた。 ◆ 著者について 氷月 葵 ひづき・あおい 東京都生まれ。出版社勤務などを経て、フリーライターとして独立。 秋月菜央の筆名で『虐待された子供たち』(二見書房)、『Relax in Blue』(経済界)等、 福知怜の筆名で『タイタニック号99の謎』(二見書房)など、歴史、心理、ドキュメント系などの著書を多く執筆する。 小説では第四回「北区内田康夫ミステリー文学賞」において「師団坂・六0」筆名・井水怜で大賞を受賞。
父は切腹、母は後追い。 津軽藩を逃れ江戸へ! 孤独な闘いが始まった。 鹿取寒九郎、前髪の十四歳。 「江戸にてある御方に渡せ」父の書状の宛名と中身は? 十万石の津軽藩で何が…? 父母の死の真相に迫れるか!? 剣客相談人(全23巻)の森詠、新シリーズ第1弾!! 旗本武田作之介家の門前に行き倒れがあった。まだ前髪も取れぬ侍姿の子ども。 小袖も袴もぼろぼろで土や泥塗れ、腹が空いているらしく息も絶え絶えの薄汚い小僧。 津軽藩士・鹿取真之助の一子、寒九郎と名乗り、叔母の早苗様にお目通りしたいという。 父が切腹して果て、母も後を追ったので、津軽からひとり出てきたと叔母に告げた。 こうして寒九郎の孤独の闘いが始まった。 ◆ 著者について 森 詠 もり・えい 栃木県旧大田原町出身。那須地方に育つ。 東京外国語大学卒。主な著作に『振り返れば、風』『燃える波濤』『雨はいつまで降り続く』『夏の旅人』『冬の翼』、戦争小説『日本朝鮮戦争』、 警察小説『横浜狼犬』『清算』、青春小説『オサムの朝』『少年記オサム14歳』『那珂川青春記』『日に新たなり』『はるか青春』『パートナー』等がある。 最近、歴史時代小説『七人の弁慶』や『坂東三国志』も書いている。
昇介は、会社の倉庫を使って女性社員を相手に快感を貪っていた。ある日、社長である夫を亡くして新社長となった貴梨子から、倉庫の件を問題にしない代わりに、夫の浮気相手だった女を捜せとの命が。手がかりは、録音されていた女の喘ぎ声のみ。疑わしい女性に接近し、声から特定しようとするが、意外な真実がー。巨匠の傑作官能!
ビートルズの「ホワイト・アルバム」と呼応する物語がゆるやかにつながる、吉田篤弘のデビュー連作短篇集、待望の復刊! 書き下ろし解説などを含む最新リマスター版。
事業に失敗し、妻とも離婚した尾崎周一郎は、あてのない傷心の旅に出る。旅の途中、昔ながらの銭湯に惹かれて入るも、湯あたりで倒れてしまう周一郎。気がつくと、番台にいた清楚な美女に優しく介抱されていた。彼女の名は鶴本美佳、この「鶴の湯」の看板娘であった。周一郎は美佳への恩返しに、人手不足の鶴の湯で働き、彼女の力になろうと決意する。そんな周一郎だったが、お客の未亡人や美佳の義姉の由布子などから次々と淫らな誘いを掛けられて…!?レトロな銭湯を舞台に聖女と淫女の官能美を圧倒的な筆致で描く、絶品回春エロス!
1枚の美しい切手をめぐり、すれちがい、めぐりあう人間模様。ささやかでいとおしい一度きりの旅を、だれもが懸命に生きている。『100万回生きたねこ』の佐野洋子が贈る奇跡のラブストーリー。幻の名作、待望の新装復刊。大切な人へのプレゼントにも!