2019年5月発売
注文されたお菓子はなんでも作る博多の“和洋”菓子店「お気に召すまま」はサボリ癖のある店主・荘介とアルバイト・久美のコンビで今日もほっこり営業中。ぶらりと立ち寄った蚤の市で高額な一丁焼きの鯛焼き器を手に入れた荘介。それを知った久美から「経費節減!」と叱られる。しかしその金型は荘介が幼い頃に祖父に連れられて食べていた鯛焼き屋のものだった。荘介は、鯛焼きを焼きながら思い出を語ることにー。大人気の菓子店シリーズ第七弾!
派遣の継続契約もとれず、途方に暮れていた川伊地麻衣は初めてのひとり居酒屋で伊達炊亨という男に出会う。 その場の雰囲気と伊達の口車に乗せられて、伊達が経営する派遣会社に社員登録をすることに。 後日事務所へ行ってみると、その派遣会社はオカルトや心霊現象を専門に扱う特殊な会社だった。 麻衣はそういった力がないから辞めたいと懇願するが、居酒屋で取り交わした契約書を盾に辞めさせてもらえない。 そんなある日、心霊現象に悩まされている「紅湯邸」での仕事が舞い込んできてーー。 一癖も二癖もある社長と個性的なスタッフたちが巻き起こすオカルトお仕事コメディ!
彼女を想うと、僕はいつでもはじめに、あの真っ白な月のことを思い出すーー『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』の浅原ナオトが瑞々しく描く、これ以上ない熱くて切ない、僕たちの青春。その夏、いつもブルーハーツの曲が流れていた……。 「月に人が住む王国があるの、知ってる?」--青春を無防備に過ごすヒロトの前に現れた一人の少女。何でも自分は月の王国の女王の娘で、間もなく月に帰らなければならないという。しかし、現実にはそんなことはあるはずもなく、何か事情がありそうで……。謎の少女に逆ナンされた少年と、特別な友情で結ばれた中学生たちが織りなす、卒業までの青春の熱きかけがえのないひと時。中学卒業と一緒に、僕たちは何を卒業するのだろう……。話題作『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』の浅原ナオトが描く、誰も見たことのない感動の青春群像劇。 【目次】 第一話「戦士の詩」/第二話「武闘家の詩」/第三話「魔法使いの詩」/第四話「盗賊の詩」/第五話「月姫の詩」/第六話「騎士団の詩」
フリースクール〈静鈴荘〉に通う岩瀬知香は、中学校への復学を強要する母親との問題に悩んでいた。彼女が学校に行けない「本当の理由」を告げられた新米教師の佐伯道成は、先輩教師の舞原杏と救済の道を探す。そして明らかになる杏に隠された「世界で一番かわいそうな夫婦」の秘密。戦後最大の未解決事件が起きた十年前に時計の針は巻き戻され、すべての罪は白日の下にさらされる。シリーズ完結巻!
美貌の怪異コレクター小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の青春と友情 閉ざされた聖堂に現れた変死体。最も罪深き者は誰か? 真相は怪異か、人の業かーー。 親族に疎まれ失意のまま辺境の神学校に編入したオーランドは、この世の怪を蒐める不思議な少年と出会う。のちに日本で『怪談』を著したラフカディオ・ハーンーー小泉八雲が英国で過ごしたまばゆい青春と友情の記録。日に日に恐るべき速さで成長する子どもが彼らのもとをおとずれる奇譚「名もなき残響」、姿を消した黒猫と死を呼ぶ青い蝶を巡る「Heavenly Blue Butterfly」、他一編。
〔仏最高峰ゴンクール賞受賞〕弁護士のノラは、長年会っていなかったアフリカ系の父のもとに帰郷するが、最愛の弟の姿が見えず……。アフリカからヨーロッパに渡ろうとするカディ・デンパは、数々の苦難に……。芥川賞作家の翻訳で贈る、フランス文学の極北!
ある日突然、魔法が普通に使われている“ファンタジー”な異世界に転移してしまった女子高生の美咲は、自分で買ったことがあるものなら呼び出せる不思議な能力と膨大にあるらしい魔力を頼りに、食堂の主人と傭兵の兼業生活を開始。美咲と同じく、気が付けばこちらの世界に転移していたという茜や広瀬、小川といった“同郷”の友人たちもでき、落ち着いた生活を送るはずが、さまざまな騒動が舞い込み!?SFは大好きだが、ファンタジーの知識はほぼない女子高生による、異世界手探りライフ!第6回ネット小説大賞期間中受賞作。
シリーズ累計92万部 『居酒屋ぼったくり』の著者、最新刊! 元ツアコン・万智の 絶品「郷土料理」教室は 「思いやり」に溢れている…… お題は『どんどろけ飯』『トンテキ』『冷や汁』etc. ざっくりだけれど、楽しく、美味しく、親切に。 ツアーコンダクターとして15年間、国内外を旅してきた常磐万智(ときわまち)は、 義母の介護のため退職。旅先で料理について学んだ経験を生かし、 義母の死去後、自宅で料理教室を営むことに。 珍しい郷土料理を扱う教室には、亡き妻を偲び、あるいは両親のため、 老若男女の生徒たちが通ってくる。そして万智の家庭にもある事情が……
「お前はそれほどにわたしが恋しいか。人間を捨てゝもわたしと一緒に棲みたいか」 「おゝ、一緒に棲むところあれば、魔道へでも地獄へも屹とゆく」 岡本綺堂の稀少な長編小説で、「婦人公論」に連載された。世紀末のファムファタールを思わせる金毛九尾の妖狐と若き陰陽師との悲恋は、人形劇やコミックの原作になるなど人気が高い。 「殺生石伝説」を下敷きに、時代は平安朝。妖狐に憑かれ国を惑わす美女になった娘と、幼なじみの若き陰陽師、権力に憑かれた殿上人や怪僧らが活躍する。付録として同じく妖狐が登場する短篇「狐武者」を収載。
【各紙誌で話題を呼んだ哀しくも愛しい幻想譚、待望の文庫化!】 その人は、もういないかもしれない。 もういなくてもーー確かにここにいた。 お針子の齣江や向かいの老婆トメさんが、 いつ、どこから来て棲み始めたのか、長屋の誰も知らない。 正体不明の男「雨降らし」が門口に立つとき、 そこには必ず不思議が起こる。 少しずつ姿を変える日々の営みの中に、 ふと立ち上る誰かの面影。 時を超え、降り積もる人々の思い。 路地にあやかしの鈴が響き、 彼女はふたたび彼と出会うーー。 「いつかの人々」が囁きかけてくる感動長篇。
極限の貧困の中、シベリアに売られた青年・南雲凱は帰国後、些細なことをきっかけに新格闘技団体に入門。自身の強靭さを手段として一攫千金を夢みる。一方、裕福な家庭に育ち、空手道場に通う大学生、麻生英治郎は流派への漠然とした違和感の中で、フルコンタクト空手師範の黒沢と出会い、空手の真の姿を探し始める……。 果たして対照的な二人の目指す先には何が待ち受けるのか。そして、「真の強さ」とは何か……。
あらゆる格闘技大会で勝ち続け「不敗神話」を作り上げる凱。それでも満たされない虚しさに豪遊を繰り返す彼の肉体はいつしか蝕まれる。一方、弟子の格闘技トーナメントへの参戦を許した英治郎は、マスコミに「常勝軍団の総帥」と祭り上げられる。理想とは正反対の現実に苦悩する彼は、いまや頂上を極める凱と対決し、その事態に終止符を打つことを決断する。 両者激突。果たしてその結末は。感動の完結!〈解説・夢枕獏〉
どの被害者も顔を“壊された”状態で発見される、多摩連続殺人事件。事件を捜査する夢川時勇はある朝、自分の身体に妙な傷と痣があるのに気づく。そして殴殺魔による新たな被害者がー。「あいつがやったのか?」実は時勇は、深夜数時間だけ別人格に入れ替わるのだ。犯人は“ハイド”と名付けたこの人格なのか。その目的とは?
その執念深さで捜査一課の名物刑事と謳われた奥田が、退職直後に木曽路で失踪した。さらに実在しない奥田の娘から捜索依頼の手紙が、十津川警部のもとに届く。奥田の妻も入院先の病院で不審な焼死を遂げ、事件は混迷を深める。木曽路に向かった十津川・亀井コンビを待ち受けていたものは…!?
山中で育ち、熊をも仕留める大力を持つ坂田公時。彼は武門の頭領・源頼光に従い、武人として都へ上る。身分の境に塗れた都に戸惑う公時は、夜な夜な現れる鬼の噂を耳にする。一方、神の棲まう山・大江山では、人々がしきたりに囚われず自由に暮らしていた。しかし、山を訪れた不審な男を追い払った日から、食糧たる獣たちが姿を消す。頭目の朱天は、民たちの命を守るため、都で盗みを働く決断を下す。公時と朱天。都と山。人と鬼ーー。交わるはずのない二つの思いが交錯するとき、歴史を揺るがす戦が巻き起こる! 平安史に突如現れる「酒呑童子伝説」の謎。その実像は、生きる権利をかけた人と人との戦争であった。