2019年7月18日発売
少年マルコが母親を捜してイタリアから遠くアンデスの麓の町まで旅する「母をたずねて三千里」の原作を収録。どこの国でも、いつの時代でも変わらない親子の愛や家族の絆、あるいは博愛の精神を、心あたたまる筆致で描く、エドモンド・デ・アミーチス(1846-1908)の代表作。世界中の人びとに愛読されつづけてきたイタリア文学の古典的名作。
捕鯨の大成果を挙げ、航海の途中で一等航海士に昇格し、フランクリン号で3年4ヵ月ぶりに晴れがましく帰港した万次郎。しかし、漂流仲間の重助の死、さらに深い哀しみが彼を襲う。そして心に誓った。必ず仲間と日本に帰ることを。息もつかせぬ第7弾!
おばあちゃんは背中が一番美しかったこと、下校中知らないおじさんにお腹をなめられたこと、自分の言い分を看板に書いたりする「やりかた」があると知ったこと、高校時代、話のつまらない「ニシダ」という友だちがいたこと…。大人になった「私」は雨宿りのために立ち寄ったお店で「イズミ」と出会う。イズミは東京の記録を撮りため、SNSにアップしている。映像の中、デモの先頭に立っているのは、ドレス姿の美しい男性、成長したニシダだった。第161回芥川賞候補作。
私はこの手で、どこまでいけるのかなー。夕陽ノ丘高校「エステ科」2年園部友麻の毎日は、なんだかとっても波乱万丈。美容科・看護科・調理科など職業に関わる学科が揃う「仕事を学ぶための高校」で、疲れたお母さんを癒すためエステティシャンを目指す友麻。実家が離島で寮暮らし、家は貧乏で、肝心のお母さんは行方不明でも、楽しい学園生活を満喫中!世間の価値観に振り回されず、素の自分のままで問題にぶつかっていく彼女がたどりついた場所とはー。オタク、ツンデレ、ギャル、ジコチュー…すべての青春を肯定する成長物語。
あの夏、ぼくは「勇気」を手に入れた。稀代のストーリーテラーによる約3年ぶり、渾身の長編小説。人生で最も大切なもの。それは、勇気だ。ぼくが今もどうにか人生の荒波を渡っていけるのは、31年前の出来事のおかげかもしれないー。昭和最後の夏、ぼくは仲の良い友人2人と騎士団を結成する。待ち受けていたのは、謎をめぐる冒険、友情、そして小さな恋。新たなる感動を呼び起こす百田版「スタンド・バイ・ミー」、遂に刊行。
秀吉の配下となった八人の若者。武勲を上げた七人は「賎ケ岳の七本槍」とよばれるようになる。「出世」だけを願う者、「愛」だけを欲する者、「裏切り」だけを求められる者ー。己の望みに正直な男たちは、迷いながらも、別々の道を進んだ。残りのひとりは、時代に抗い、関ケ原で散る。この小説を読み終えたとき、その男、石田三成のことを、あなたは好きになるだろう。共に生き、戦った「賎ケ岳の七本槍」だけが知る石田三成の本当の姿。そこに「戦国」の答えがある!
ペリー・ローダンと無限アルマダが銀河イーストサイドの次に通過すべきポイントは、二百の太陽の星だ。ところが、そこにもエレメントの十戒による危機が迫っていた。ハンザ・スペシャリストやGAV¨OK要員はポスビの協力を得て対策を練るが、指揮エレメントのカッツェンカットがプラズマを操作したため、ポスビたちは有機生命体に憎悪をいだきはじめる。さらにカッツェンカットは中央プラズマの母星にも手を伸ばした!
ヴェガ星系でフェロン人とトプシダーの戦争を終結させたローダンたちには、テラニアで執政官を選任する総会が迫っていた。病が進行するクレストは、地球遠征の真の目的である“不死の技術”の存在の手がかりを海底都市で掴み、独断で調査を開始する。ローダン達もまたそれを追うがー世界最長スペースオペラのリブート新シリーズ、時空を超えて地球とヴェガ星系に秘められた謎に迫る第3シーズン開幕!
魔法剣士ゲラルトがトゥサン公国で足止めされているころ、彼が捜すシリは“ツバメの塔”の“門(ポータル)”を使って追っ手から逃れたのち、魔法に満ちたエルフの世界で囚われの身になっていた。だが運命の子シリはみずからの力を信じ、北方諸国とニルフガード帝国の戦争が激化する元の世界に脱出。戦いのなかゲラルトと再会する。そしてシリは邪悪な魔法使いに、運命に立ち向かっていく…!波瀾万丈の大人気シリーズ、堂々完結。
あなたはこのお話のオチ、想像できますか?宇宙に放り出され生死をさまよう男たちが取った究極の選択とは?恐竜を探しに降り立った惑星で取材陣が出会った衝撃の真実とは?幸せな生活を願って二人の未来をシミュレートしたカップルが手に入れた真実の愛とは?思わずあっと驚く結末が、じわりと心に余韻を残す、すこしふしぎなお話が盛りだくさん。1話5分で読めて、いつでもどこでも楽しめるSFショートショート。
名門中等院に通うテオは文明国エイヴァリーの粋を集めた国際寝台列車“千マイル急行”で向学の旅に出た。都市鉄道の社長を務める父親と「本物の友達を作る」という約束を交わしてーだが出発して間もなく、列車は強国ルテニアとレーヌスの連合軍に襲撃されてしまう。豪華な寝台列車とその乗客たちに為す術などないと思われたとき、密かに連結されていた装甲列車メイドン・カースルとエイヴァリー都市軍が反撃を開始した。
危機を脱したテオたちにもたらされたのは、祖国占領の報だった。エイヴァリー政府は事態を予測し、千マイル急行を脱出させたのだ。一夜にして難民となったテオは、ローライン、キッツ、アルバートらの少年少女とともに援軍を求めて東半陸の采陽を目指す決意をする。帰る国すら失った寝台列車が立ち寄る町々で嫌悪を向けられ、他国軍から執拗に狙われる理由を何も知らないまま…小川一水の描く「陸」の名作、待望の復刊。
アナ・ケリガンは、幼いころから海に魅了されてきた。潜水士を志す彼女は、ある晩友人に連れられて行ったクラブで、オーナーのデクスター・スタイルズに会う。アナは彼を憶えていた。幼いころに行ったマンハッタン・ビーチの砂浜にある屋敷の主だったのだ。そして、そのとき彼とひそやかに言葉を交わしていたアナの父は、数年前に消えたー。彼は父の失踪の鍵を握っているのではないか?そう考えたアナは、彼に近づくが…第二次世界大戦下のニューヨークを舞台に、海に魅惑された女性の軌跡を描き出すピュリッツァー賞作家の傑作長篇。アンドリュー・カーネギー・メダル受賞作。
ホラー小説大賞&日本推理作家協会賞受賞作家が、令和元年にお届けする最も恐いSF小説集。スマートデバイスで嫁を監視する姑、高級ブランド化する金髪碧眼のデザイナーズチャイルドと育児ハザード、次世代型婚活サイトとビジネス婚に待ち受ける陥穽、自律型看護ロボットを溺愛する娘と母親の対決…。ホラーとミステリ、両ジャンルの若き旗手たる著者が克明に描く、明るい未来を待ち望むすべての家族に捧げる、素晴らしき悪夢。
生まれた直後に養子に出された徳川秀忠の庶子、保科正之。不遇にも見える生い立ちの陰には、彼を思いやる多くの人々がいた。養母となった武田信玄の娘、見性院。人徳の高さを買われ、養父となった高遠藩主・保科正光。そして、陰日向に見守ってきた老中、土井利勝ー。江戸城の外で育った「将軍の子」はいかにして稀代の名君と呼ばれるに至ったのか。その来歴を爽やかに描きだす、傑作連作短編集。
乳酸菌飲料を配達するラクトママたちが見つけた、ちいさな奇跡とたしかな幸せ。配るのはラクトルだけじゃない、集めるのは代金だけじゃない…かもしれない甘くてほろ苦い4つの物語。甘くてほろ苦い連作短編集。
波瀾万丈の人生を生きた、遠縁のおじさん。自分との関係性もはっきりしない彼の遺留品を、思いがけず手に入れた私は、彼の人生を探る旅に出る。それは、まるで私自身の来し方を辿っているようだったー。虚実のあわいから人生の意味がしみわたる、異色の幻想譚。