2019年7月24日発売
江戸四宿に数えられる、甲州街道最初の宿場町“内藤新宿”。品川宿に次ぐ繁華街として発展するこの町に、遊廓帰りの客を当て込み夜通し営業する居酒屋があった。その名は“夜中屋”。浪人、やくざ者、大店の若後家、そして同心ー一流料理人だった先代から店を継いだ主の丹吉の酒肴目当てに訪れる訳ありの常連客たち。だが丹吉には、彼らも知らぬ隠された過去があった…。実在した呑み屋を舞台に描く、人情グルメ時代小説!
江戸時代中期。三日月村は極秘の派遣忍者業を営んでいた。村で育った孤高の女忍び・コウ。旗本・加納家の依頼で彼女に課された任務は、加納家の嫡男と、10万石の大名である下妻藩主・藤代家の末娘の重姫の“誘拐見合い”だった。絶世の美女と噂の重姫はここ10年、姿を見せていない。ある夜、屋敷へ忍び込んだコウが見たものは!?不可能を可能にするコウのまっすぐな生き方が心を打つ。笑って感動の時代劇エンタメ!
非業の死を遂げた父の無念を晴らすため江戸中を彷徨い、野垂れ死にしかけた高井伊八朗。彼を助けた命の恩人は長年捜しあぐねていた仇討ちの宿敵と瓜二つだった。『忠孝園』という孤児院を営むその男、室生祐源の正体は?施設の運営金の出所は?祐源を知るほどに伊八朗は確信と迷いを深くしていく。父を思う子の情、生き別れた子の幸せを願う親の情。ままならない人生の因果をスリリングに描く待望の新シリーズ、始動!
夫婦で営む養生所“毛玉堂”にやってくるのは、病める動物たちと悩める飼い主たち。“人情”という妙薬が、傷ついた心と体を癒やしていくー。江戸の世でも、ペットを思う気持ちは変わらない。もふっと可愛くほっこり温かい傑作時代小説。
解剖室で感染症発生!発疹、出血、痒み。腐乱死体の解剖に立ち会っていた法医昆虫学者・赤堀らが原因不明の症状に見舞われる。だが彼女は意外な見解を示し、事件解明の糸口を…!
デビューしたばかりの青年作家・日高は、勝負の2冊目執筆のため、かつて親しかった3人の美女を訪ねようと思い立つ。その間にも、創作の素材となる出会いが次々に舞い込んできて…。小説はどのように発生し、形になるのか。めぐり逢いから生まれる創造の過程を愉しく描く。瑞々しい感性を持つ80歳の“永遠の青年”片岡義男、4年ぶりの最新長篇。
中国の孤児院で育ち、富裕なドイツ人夫婦の養子となった盲目の青年、阿大ことベンヤミン。中国で六歳の少年が木の枝で両目をくり抜かれる凄惨な“男児眼球摘出事件”が発生。ベンヤミンは被害者の少年を力づけ、同時に事件の真相を暴くべく、お目付け役のインターポール捜査員・温幼蝶とともに中華文明発祥の地・黄土高原へと旅立ったー。第4回〓瑪蘭(カバラン)島田荘司推理小説賞受賞。