2019年7月24日発売
江戸時代、内藤新宿で一晩中営業する居酒屋〈夜中屋〉には、さまざまな人々が集う。ヤクザ者、同心、罪人……それを取り巻く女たち。そして店主にも暗い過去があった。実力派が描く、人情時代小説!
江戸時代中期。その存在すら極秘の忍者派遣業を営む三日月村で育った女忍び・コウ。見た目は美しく成績も優秀。今回コウに課された任務は、旗本・加納家からの依頼で、加納家の長男と、十万石の大名である藩主・藤代家の末娘・重姫を見合いさせること。かつて絶世の美少女と噂されていた重姫はここ10年、人前に姿を見せずにいた。そのまぼろしの姫を誘拐してお見合いさせようというのだ。前代未聞の“誘拐見合い”という密命を受けて三日月の夜、屋敷へ忍び込んだコウが見たものは……! 時代劇ミッションインポッシブル!女忍びのまっすぐな生き方が心を打つ。「猫弁」「あずかりやさん」シリーズで大人気の話題の著者による、美とは親子の情愛とは、友情とは恋とは? 笑いあり、感動ありの、女性大満足の時代劇エンターテインメント。 映画界でもっとも権威ある脚本賞「城戸賞」2006年 受賞作の小説化。
非業の死を遂げた父の無念を晴らすため江戸中を彷徨い、野垂れ死にしかけた高井伊八朗。彼を助けた命の恩人は長年捜しあぐねていた仇討ちの宿敵と瓜二つだった。『忠孝園』という孤児院を営むその男、室生祐源の正体は?施設の運営金の出所は?祐源を知るほどに伊八朗は確信と迷いを深くしていく。父を思う子の情、生き別れた子の幸せを願う親の情。ままならない人生の因果をスリリングに描く待望の新シリーズ、始動!
夫婦で営む養生所“毛玉堂”にやってくるのは、病める動物たちと悩める飼い主たち。“人情”という妙薬が、傷ついた心と体を癒やしていくー。江戸の世でも、ペットを思う気持ちは変わらない。もふっと可愛くほっこり温かい傑作時代小説。
東京・杉並区で男性の腐乱死体が見つかり、法医昆虫学者の赤堀と岩楯刑事が司法解剖に立ち会うことになった。岩楯の相棒となる深水巡査部長、高井戸署署長、鑑識課長らも同席するなかで、大柄で肥満した遺体にメスが入れられていった。と、そのとき、立会人たちが発疹や出血、痒みに襲われ、感染症の疑いでパニックが起きる。岩楯らは隔離されるが、赤堀には心当たりがあった。赤堀は騒ぎの原因を解説し、殺人と推定された被害者の死亡推定月日に迫ろうとする!
江國香織さん、陶酔! 小説風に書くと、“「革新的? 確信犯的? なんといっていいかわからないわ、でも、すみずみまでほんとうにおもしろい」と香織は言った。「小説のなかで何度も発生するのね、小説が」そう続け、「それにしても、きび団子」と感に堪えたように呟いて、「こんな小説、片岡義男にしか絶対に書けないわ」と、幸福そうなためいきをついた”のでした。 デビューしたばかりの青年作家・日高は、勝負の2冊目執筆のため、かつて親しかった3人の美女を訪ねようと思い立つ。その間にも、創作の素材となる出会いが次々に舞い込んできて……。 小説はどのように発生し、形になるのか。めぐり逢いから生まれる創造の過程を愉しく描く。 瑞々しい感性を持つ80歳の “永遠の青年”片岡義男、4年ぶりの最新長篇。 1 ラプソディック担担麺 2 裸の彼女を西陽がかすめる 3 笑ってはいるけれど 4 エリカの花、アカシアの雨 5 ため息をつく幸せ 6 発想して組み立てる 付録短編 踏切を渡ってコロッケ
中国の孤児院で育ち、富裕なドイツ人夫婦の養子となった盲目の青年、阿大ことベンヤミン。中国で六歳の少年が木の枝で両目をくり抜かれる凄惨な“男児眼球摘出事件”が発生。ベンヤミンは被害者の少年を力づけ、同時に事件の真相を暴くべく、お目付け役のインターポール捜査員・温幼蝶とともに中華文明発祥の地・黄土高原へと旅立ったー。第4回〓瑪蘭(カバラン)島田荘司推理小説賞受賞。