2019年7月発売
大資産家の妻を目指して、知性と打算の見事な結晶の手紙を送ったドイツ人女性ヒルデガルト。手紙が功を奏してカンヌに呼ばれた彼女は、資産家の妻の座を前に秘書の男から、ある申し出を受ける。そこには、思いも寄らぬ企みが隠されていた。これ以上ないほど精緻に仕組まれた完全犯罪小説。これからこの一冊に出会う皆さんは幸せです。素晴らしい楽しみが待っています。ミステリ史上に燦然と輝くフランス発の傑作ミステリを新訳で。
ロンドンに住むケイトは、又従兄のコービンと住まいを交換し、半年間ボストンで暮らすことにする。だが到着の翌日に、アパートメントの隣室の女性の死体が発見される。女性の友人と名乗る男や向かいの棟の住人の話では、彼女とコービンは恋人同士だが、まわりに秘密にしていたという。そしてコービンはケイトに女性との関係を否定する。嘘をついているのは誰なのか? 第二部で真相が明かされた瞬間に第一部を思い返し、驚きで戦慄するーー。『そしてミランダを殺す』の著者が放つ衝撃作!
日中戦争中の上海。日英間の開戦を機に日本軍が上海のイギリス租界を制圧し、少年ジムは避難民の大混乱のなか両親とはぐれてしまう。独りぼっちになったジムは混乱する都市を彷徨う中、ほかのイギリス人とともに日本軍によって龍華捕虜収容所へ送られる。信用できる大人も庇護もないまま、飢餓、病、孤独、絶望に晒されながら、ジムは生と死の本質を学んでいくーースピルバーグによる映画化で知られる、二十世紀の歴史に名を刻むバラードの代表作を新訳決定版で贈る。
バロネス・オルツィの「隅の老人」、オースティン・フリーマンの「ソーンダイク博士」と並ぶ、あまりにも有名な“シャーロック・ホームズのライバル”。シリーズ作品数50篇を、世界で初めて確定!初出紙誌の挿絵120点超を収録!著者生前の単行本未収録作品は、すべて初出紙誌から翻訳!初出紙誌と単行本の異同も詳細に記録!
かつて花街だった古い町の実家に戻ってきた貴樹。書斎として定めた部屋の鏡を何気なくずらしてみると、芸妓のような女が見えた。徐々にその女から目が離せなくなり…。(「芙蓉忌」より)。佐代は『通りゃんせ』の歌が嫌だ。子供のころ、夕暮れの闇が迫る中、怖いのを我慢して神社への石畳の道を走っていると、袴を穿いた鬼に出会いー。(「関守」より)。三毛猫の小春は交通事故で死んでしまった。あるとき息子が裏の古い空家から小春の声がするという。得体の知れない「何か」は徐々に迫ってきてー。(「まつとし聞かば」より)。住居にまつわる怪異や障りを、営繕屋・尾端が、いとも鮮やかに修繕し、解決へと導くー極上のエンターテインメント。
第六十二番監獄。明治の初めに北海道の奥地に建てられたその監獄は、収監されれば二度と出られないという噂から、“黒氷室”の異名で恐れられていた。“黒氷室”行きとなった青年・北浦は、奇妙な囚人たちに出会う。三度目の脱獄を目論む不死身の男・赤柿、帝都の私立探偵だという浮世離れした美青年・御鷹、そして閉ざされたはずの監獄に、ある日突然現れた記憶喪失の男。こいつは誰で、どこからやってきたのか?謎を探るうち、北浦は監獄の“本当の目的”を知る!思惑と「時間」の絡み合うプリズン・ミステリー!
「私が絞首台に吊されるその時、日本の正義は亡びるのです」。新人弁護士・日高正義が初めて担当する事件は、2年前、手術室での連続殺人として世を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」だった。被疑者の黙秘に苦戦し、死刑に追い込めない検察。弁護をも拒み続ける被疑者に日高正義は、ある提案を持ち掛けた。こうして2人は、被疑者の死刑と引き換えに、それぞれの戦いを開始するー。(「氷獄」)『チーム・バチスタの栄光』のその後を描いた表題作を含む、全4篇。待望のシリーズ最新作。田口・白鳥も登場!
前世の乙女ゲーそっくりな世界なのにイケメンそっちのけで魔術の研究に励む、アラサー女子からの転生幼女・アリス。廃塔に隠棲する朱眼の青年アベルも巻き込んで魔獣研究を進めていたが、なんとライバル・ガブリエラが復活!?しかも妖しげな雰囲気を纏うイレ皇子を味方につけて…学園上げてのイベント「天体観測」で何かが起こる!?
日本の政治は終わってる! だったら私が変えてやる! 国のため、社会のため、企業のため、 個人が人知れず犠牲を強いられるのは絶対におかしい。 私物化された権力の横暴を前に、新米政治家秘書が見出した道とはーー? ベテラン衆議院議員・久富隆一の秘書を父に持つ藤木花織は、十年近く働いた一流商社を辞め、久富事務所に転職。慣れない業務に慌ただしい毎日を送る中、突然久富から呼び出され、父と一緒に財務秘書ーー<金庫番>になるよう打診される。 実は政治が好きでもなければ、興味もなかった花織は、誰にも明かせぬ理由を胸に、この世界に飛び込んでいたのだが……。
おじいちゃんが推理作家で、おばあちゃんが法医学者、父さんが検事で母さんが弁護士、お兄ちゃんが刑事でお姉ちゃんがニュースキャスター、弟が探偵役者で妹はVR探偵。名探偵一家のサポートに徹するぼくだけれど、ある日強烈な「首吊り死体」を発見し、連続殺人事件を追うことに。被疑者は怪人・ヴェールドマン。布に異様な執着を示す犯罪スタイルからそう呼ばれているー。
日本で働く台湾人の私、台湾に渡った友人の実桜。平成最後の夏の日、二人は東京で再会する。話す言葉、住む国ー選び取ってきたその先に、今だから伝えたい思いがある。募る思い、人を愛するということ。そのかけがえのなさを繊細に描き出す21世紀の越境文学。第161回芥川賞候補作。
ようやくクロに想いを告白し、晴れて恋人同士となった快人は、ある重大な決意を固めていた。それは「この世界で生きていく」こと。そして、死王アイシスから寄せられる好意に対してどんな答えを出すべきか…考え続けていた快人が出した答えに、アイシスが見せたものとはー!?新しい出会いが新しい物語を生み出すー「モーニングスター大賞」大賞受賞作、第7巻!
VRMMO「ギャラクシー・オブ・プラネット」の世界から、ゲーム内に創った宇宙要塞で一緒に戦ったアンドロイドたちとともに、戦国時代に飛ばされた主人公・一馬。若き織田信長と出会い、家臣となった一馬は、自らの知識とアンドロイドたちの技術と知能で、戦乱の世で存在感を増していくように…。「小説家になろう」の人気戦国SF作、待望の第二弾登場!
イギリス南部のリゾート都市ブライトンで、男性の惨殺死体が発見される。身元不明の死体の背中には、えぐられたような大きな傷があった。検死の結果、まだ生きているあいだに皮膚を剥がされた痕と判明する。捜査指揮官に任命された若き警部補フランシス・サリヴァンは、被害者の全身を覆っていたタトゥーを手がかりに捜査を開始する。第一発見者で、タトゥー・パーラーの経営者マーニー・マリンズの協力を得て、被害者がタトゥー愛好家であることが判明するも、犯人につながる手がかりは掴めなかった。早くも捜査が行き詰まったかと思われたとき、第二の死体が発見される。やはり全身にタトゥーを入れていた男性の頭部だけが切断され、持ち去られていた…。国際犯罪小説祭「ブラッディ・スコットランド」の勝者が贈るサイコスリラー、日本上陸!