2019年8月30日発売
凶弾にに斃れた選手は、日米韓の安全保障を根幹から揺るがす情報を掴んでいたー。デビュー以来、社会問題に真っ向から切り込み、骨太でエンターテインメント性を兼ね備えた作品を発表し続けている著者の、王道謀略小説!
東京本郷で生まれ育った弘は、悪ガキ仲間たちとともに、伸び伸びと子ども時代を謳歌していた。だが戦況の悪化は日常を変えていく。巧妙につきまとう特高警察、姿を消した外国人の友人、代用品になったお菓子ー。芸術を愛し、自由の尊さを説く先生は学校から去り、替わりにやってきたのは軍国主義の先生たちだった。軍隊式のしごきに耐え、疎開先ですきっ腹を抱えても、弘たちは未来を見ていた。だが、1945年3月、中学受験のために東京に戻った彼らを待ち受けていたのは、想像を絶する大規模な空襲だった。『ウルトラQ』『ウルトラマン』『泣いてたまるか』の監督が自らの戦争体験をもとに、「少国民」と呼ばれた子どもたちの姿を鮮烈に描きだす、自伝的小説。
北陸のコンビニで高齢ドライバーによる死亡事故が発生した。86歳男性の運転するトラックが店舗に突っ込み、店員を轢き殺したのだ。アクセルとブレーキを踏み違えたという加害者は認知症を疑われている。事故に違和感を覚えたライターの俊藤律は、加害者の村を訪ねるが、村人の過剰な緊張に迎えられてー「この村はおかしい。必死で何かを隠している」。取材に乗り出した律は、目撃者の少女をきっかけに、続々と予想外の事実を知ることに…。
下級文官の柳弦は、宮中で氷の美貌と噂の王族・玲侑のあまりの顔色の悪さを見かねて、無意識のうちに癒しの力を使ってしまう。その力を見込まれて玲侑の許に日参するよう命じられるが、その“癒し”は、玲侑の強すぎる魔力と、真逆の性質を持つ柳弦の魔力の相性が為す“奇跡の業”であった。ならば直接魔力供給しようと、次第に柳弦への接触と執着を深めてくる玲侑だが、柳弦は自身の体に異変が起きていることに気づきー。
実は『神子』かもしれない、影の薄い妹レルンダは、いつもどおりモフモフに埋もれる生活を楽しんでいた。しかし、王国の人間たちに獣人の村が見つかりそうになってしまい、急いでお引越しをすることに。森の湖で出会ったエルフの村に招かれるも、なんだか様子が変?どうやら大事な精霊樹に魔物が棲みついているらしい。人間嫌いのエルフたちとも仲良くなりたいレルンダは、みんなで協力して魔物を退治しようとするがー!?「精霊と、契約できるかな…?」新たな仲間は精霊!?捨てられ幼女の成長物語、第二巻!
レムリア帝国再建に奔走する皇帝エルキュール。彼の提案した電撃作戦によってハヤスタン王国の侵攻に成功する。しかしエルキュールは亡国を憂いたハヤスタン王女ルナリエ姫が仕掛けた体を張った奸計に嵌ってしまい、ハヤスタン王国を属国化させる道を余儀なくされる。この調停は軍事大国であるファールス帝国へ反旗を翻すことを意味していた…。これは後にレムリア帝国中興の祖であり三大陸の覇者『聖光帝』として歴史に名を残す若き皇帝の物語である。
帝国航宙軍兵士のアラン・コリントは航宙艦が不時着した先の“剣と魔法の惑星”を滅びの運命から救うため、星ごと接収し支配者となることを決意した。クレリアの忠臣たちと合流しクランを立ち上げ、目的に徐々に近づいていくアラン。そして、さらなる力をつけるため貴族になろうとする彼だったが、そのためにはドラゴンを狩るのが一番の近道だと知り…!?異星ファンタジー超大作、第三弾登場!!
幼馴染でハイスペック・ハイスキルの勇者×広大無辺の包容力を持つがゆえに「鈍感」な宿屋の息子。 『最初の村』っぽい村の『宿屋の息子』として異世界転生をしたルース。前世では外見が「熊男」で女性にモテず、童貞のまま三十一歳で世を去ることになってしまったが、今世では夢にまで見た「美青年」に! 田舎でスローライフを楽しみながら、前世では叶わなかった「女性との恋愛&結婚」を夢見るものの玉砕ばかり。なぜならば、今世は前世と違って、スレンダーな美形よりも筋肉モリモリの熊男がモテ基準の世界らしく……。女性との恋愛フラグは立たぬものの、ルースの知らぬところで「男性」との恋愛フラグが乱立しまくっている始末。そんな中、『勇者』だと発覚した幼馴染のアレクが「世界を救うために旅から帰ってくるまで待っていてほしい」と懇願してきて……。大事な親友の願いを聞き入れ「帰りを待つ」と約束したルースだったが、初体験はなぜか勇者に奪われて!?
面白くてたまらない、そして妖しくも美しい、文豪「泉鏡花」の“怪異・幻想”の世界を、原文に忠実な、ストレス0の美しい現代語訳でー秋山稔氏(金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長)が1文1文まで完全監修&解説をした、制作陣入魂の一冊!
長かった外交使節団の旅も、ついに終焉を迎えるーだかしかし、ミツハの歩みは留まることを知らない!地球では、ついに個人事業主として開業しギャラリーカフェのオーナーに!かたや異世界では、リサーチも兼ねて新大陸へ単身乗り込むというアクティブさ。新大陸でもこっそり、新しいお店を開いたヨ!もちろん、ぬかりなく外堀も埋めることも忘れない。『我が名はナノハ、流浪の神の名の下に、次元を越える者なり!開け、異次元世界への道!』地球と異世界、各地で着々と信者たちを増やし、いけいけゴーゴー!の第5巻。
火災で注目される大聖堂、 そこで繰り広げられる大スペクタクル 1831年に書かれた本作。原書が読まれるのはもとより、いまも翻案や改作という形で演じられ続けるのはなぜなのか。その魅力を、仏文学界随一の切れ味を誇る著者が読み解いた番組テキスト(2017年2月号)に、大聖堂が建てられた経緯と技術、歴史的背景について綴った特別章とカラー口絵を加えた、『100分de名著ブックス』特別版。
毎年10月に池上本門寺で行われるお会式は、日蓮上人入滅の法要です。当日には、全国から30万人もの人々が集まり、池上は、盛大なお祭り空間と化します。この小ぢんまりとした門前町に越してきた美咲は、古くからくず餅の商売を商う老夫婦、飲み屋横丁に集う人々、美咲同様に新しくこの町に住みついた「新住人」、そして池上本門寺の子院である本妙院の住職と知り合い、すこしずつ、この観光化されていない、含羞に満ちた門前町に自分の居場所を見つけていきます。史上初のお会式小説!
貧しいグレイシーは病気の友人に頼まれ、富豪の屋敷に赴いて、豪華な庭園の薔薇に水やりをしていた。そこへ屋敷の主ラファエルが現れて不法侵入だと咎めると、縮みあがるグレイシーにこう命じた。「罪滅ぼしとして、今夜のパーティに僕と同行してもらう」ラファエルの美貌と尊大さに圧倒され、彼女は思わず承諾する。用意された白いドレスをまとい、夢のようなキスを交わすうち、情熱に溺れたグレイシーは気づけば薔薇園で純潔を捧げていた。だがラファエルには一夜の戯れ、身分の違いは明らかで…。
失業中のアイラは、故郷のスコットランドの農場に戻っていた。貧しさゆえ、シチリアでの姉の葬儀にも行けずに悲しんでいると、突然、大富豪アリッサンドルが彼女のもとを訪ねてきた。会うのは6年ぶりだけれど、姉の義兄は相変わらず魅力的だ。どんなに無視されても、アイラは彼を目で追うのをやめられず、初めて興味を示された喜びから、純潔を捧げてしまう。だが翌朝、彼女を亡き弟の愛人と思いこむアリッサンドルは、昨夜のすべてを“不覚”と切り捨て、一顧だにせずに立ち去った。報われぬ愛と、小さな命をアイラに授けたとも知らずに…。
「この人は本当にわたしのパパなの?」ああ、愛しい娘に真実を話す日がついに来てしまった。7年前、アナの人生は魅惑的な若者キャスに一変させられた。激しい恋に落ち、夢のような1週間を過ごしたふたりだったが、キャスは突然姿を消したー素性も連絡先も告げないまま。妊娠9カ月のときに新聞の写真で彼が王国の次期国王だと知り、アナは娘とふたりでひっそりと生きていく決意をしたのだった。なのに今さら現れて、娘を差し出せと迫るなんて…。記憶よりもさらに魅力的な彼を前に、アナの心は千々に乱れた。
「なんてかわいい人だ」富豪アレクセイの声に、ミナは緊張した。昨日、私の親友は泣きながら語った。出世したい父親により、自分は花嫁として富豪に差し出されるのだと。傲慢なアレクセイが妻となる女性の顔も知らないことに賭けて、ミナは親友を救うために、身代わりになろうと決意していた。そのアレクセイは、奴隷でも買ったような目でこちらを見ている。けれど相手のまなざしに体が熱くざわめき出し、ミナはあわてた。女性を物としか思わない男性に惹かれてどうするの?二人のあいだには嘘しかなく、彼は私の名前さえ知らないのに。
親もなく、孤独と貧苦のなかで育ったブリアナは、あるとき大富豪マルコと電撃的な恋に落ち、妊娠して結婚した。だが夫は仕事人間で家庭を顧みず、彼女と違って交友関係も派手。すぐに結婚は破綻し、ブリアナは息子と共にイタリアを逃げ出した。半年後のある日、2歳になった息子と暮らす家にマルコが突然現れ、離婚には応じるが、息子の共同親権を求めると言いだした。子どものために時間を使う気すらないのに、何を言うの?すると両親の緊張を察したか、息子が珍しく激しい夜泣きを始めた。いたたまれず、ブリアナは言ったーイタリアへ一度帰ります、と。そこには愛も、自分の居場所もないとわかっていながら…。
結婚式の前日、助産師のポリーは婚約者から一方的に別れを告げられた。花嫁になるはずだった翌朝、車の接触事故を目撃した彼女は、その一方が自分が担当する、過去に流産の経験がある妊婦だと気づく。しかし、そこに居合わせた高名な小児外科医エリオットは、ポリーの経験も知識も信用せず、彼女に冷淡な態度をとり続けた。二人で協力して妊婦を病院に運んだあと、あらためて自分に起こった大事件を思い出し、ポリーが青ざめた顔で歩き出したときだった。呼びとめる声がして振り返ると、先ほど会ったばかりのエリオットがいる。「きみは悩みごとがあるようだな。ぼくに話してみないか?」その声に、彼女は不思議と慰められ、心の傷も少し癒えた気がした…。