2019年9月発売
和漢比較文学研究の基本的論集。勅撰漢詩集の成立をめぐる論、『菅家文草』の本文の誤写を指摘し、道真漢詩の解釈に新たな三論、書の「三蹟」と漢詩世界との関わり、見過ごされてきた『屏風土代』などの表現を解読する二論、『本朝無題詩』『中右記部類紙背漢詩』と『白氏文集』の関係を明らかにする二論、漢詩の多様な飲酒詠の表現世界の特質を論じ、白詩と比較対照する二論を収録。また、王朝漢詩と海外をめぐる二論では、朝鮮半島や宋朝との関係から東アジア世界の交流に注目し、「筧」をめぐる漢詩と和歌の表現の相違に視点を当て、近代詩歌(若山牧水・高村光太郎)と漢詩の関係の論を所収。
仕事とセクハラでストレスだらけの生活を送る水樹琴音。浴室で足を滑らせた彼女は、妃を探す魔王ゼオンフィルドによって異世界に召喚された上、混濁する意識の中処女を捧げてしまった!正気を取り戻した琴音だが、元の世界には帰れないと知り王宮から逃亡、故あって、もふもふな魔獣の世話係にー!?一途でワンコな魔王さまと元ブラック会社員女子の、異世界トリップラブファンタジー!
大手IT企業で公私に充実していた有希は、突然のクビ宣告に茫然自失する。自分を捨てて、アイドルとの結婚に走った社長を見返すべく、ラーメン店起業へと走り出す。有希はプライドを取り戻せるのか?
虚弱体質を乗り越え、なんとかギリギリの成績で魔法学園を卒業したジョシュア。これでやっと、魔法使いとして働けると思った矢先に、伯爵家令嬢ウェンディに目を付けられて、危険な「死徒のダンジョン」への攻略メンバーにスカウトされてしまった。アンデッドばかりが襲い来るというその迷宮は、危険なことで有名だ。武術に優れるメイドのアリンや、学園でも天才として噂されていた少女ローナはレベルも高く、ウェンディ自身も剣士としての実力がある。しかし、体が弱く、魔力も少ないジョシュアには、きびしい冒険となった。そして当然のようにピンチとなったことで、ウェンディはあっさりと、ジョシュアを迷宮内で見捨ててしまう。そんな最大の危機ではあったが、ジョシュアは偶然から、「吸血」スキルに目覚めるのだった。本来であれば吸血鬼だけが持つはずのこのスキルなら、相手の血を吸うことで、無限にパワーアップ出来る。強力なモンスターの血や、美しい処女からの奉仕を受けることで、破格の能力を手にしたジョシュアは、逆にウェンディたちを従えて、ハーレムとなったパーティーとともに、迷宮の完全攻略を目指すことに!
「応仁の乱」勃発の原因となった武将・畠山義就。その戦に明け暮れた怒濤の生涯を描く稀有な歴史小説!畠山義就を中心に描くことで見えてくる「応仁の乱」とは?
大正十一年、社交の殿堂として丸の内に創業。東京會舘は訪れる客や従業員に寄り添いつつ、その人の数だけ物語を紡いできた。記憶に残る戦前のクラシック演奏会、戦中の結婚披露宴、戦後に誕生したオリジナルカクテル、クッキングスクールの開校ー。震災や空襲、GHQの接収など荒波を経て、激動の昭和を見続けた建物の物語。
井上靖、三島由紀夫らの小説でも描かれ、コーちゃんこと越路吹雪は多忙ながら東京會舘でのショーには永く出演した。七〇年代はじめに改装。平成では東日本大震災の夜、帰宅できない人々を受け入れ、その翌年には万感の思いで直木賞の受賞会見に臨む作家がいた。そして新元号の年、三代目の新本館が竣工する。
2020年テレビアニメ化決定 快速IWGPシリーズ第13弾! 真冬の池袋で、超高給短期バイトの情報が駆けめぐる。 たった半日で報酬は10万円以上。 怪しすぎる誘惑に若者たちは浮き足立つ。 その裏に隠された目的は何なのか。 そして、募集に使われた闇サイトの運営をめぐり、 マコトのもとにはある財団から依頼が持ちこまれるーー。 (表題作「裏切りのホワイトカード」) ほかに、 「滝野側炎上ドライバー」 「上池袋ドラッグマザー」 「東池袋スピリチュアル」の3篇を収録。 巻末に掲載の 作家・朝井リョウさんとの対談では、 朝井さんから 「『IWGP』はひとつの発明です!」と熱いコメントが。 必読です!
移動デリを経営するバツイチでアラサーの夏都。借金を返しながら、海外赴任中の姉の息子・智弥を預かる生活はぎりぎりであった。ある日突然、中学生アイドル・カグヤのファンたちに車ごとさらわれた夏都は、芸能界の闇に巻き込まれていく。カグヤとファンの暴走に思われた事件は、思いもよらぬ結末を迎える。
「君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?」亡くなった姉の未咲の代わりに同窓会に出た裕里は、初恋相手の鏡史郎と再会し、姉のふりをして文通を始める。手紙は姉妹の娘たちをも巻き込み、二つの世代の時間を動かし始めたー不朽の名作『ラヴレター』から24年の時を経て贈られる、岩井美学の到達点。
会社の出向で移り住んだ岩手で、ただ一人心を許したのが同僚の日浅だった。ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。いつしか疎遠になった男のもうひとつの顔に、「あの日」以後触れることになるのだがー。芥川賞を受賞したデビュー作に、単行本未収録の二篇を収録した、暗い燦きを放つ三つの作品。
捕縛したものを取り調べる仮牢兼調所「大番屋」の元締を勤める鏡三郎が今回遭遇する事件は、町会所の押し込み強盗。町会所とは幕府が貧困や災害時の救恤のため民間に設けさせた機関で、そこから二万両が奪われたという。鏡三郎らは犯人の行方を追うが、事件は幕閣が震撼するスキャンダルへと意外な展開を見せて…。
とある事情から地下アイドルを辞め、マスクを手放せなくなっていた奈々子は、ある日ラジオ局のディレクター黒木から、番組アシスタントにスカウトされる。初日の生放送は後に「伝説の十秒回」と呼ばれる神回となるがー。絶望を抱える中学生、子どものいない夫婦、切実な日々を生きるリスナーに、奈々子の声は響くだろうか。
燕飛び交う初夏に、将軍家治は日光社参を決行する。浪人の坂崎磐音は、路銀出納のために随行する今津屋老分番頭の由蔵らと、勘定奉行の配下として江戸を出立する。しかし、真の使命は密かに同行する家治の嫡男家基の影警護だった。襲い来る下忍・雑賀衆蝙蝠組と、その背後で暗躍する幕閣の権力者の影…。磐音の戦いが始まった!
坂崎磐音の父で豊後関前藩家老の正睦は、日光社参の無事を祝って城中で催された猿楽に異例の招きを受ける。背景には、磐音と将軍家との交わりがあった。息子の江戸での暮らしに想いを馳せる正睦は、おこん親子との対面も果たしたが、その帰路、何者かに襲われる。それは、関前藩の新たな病巣を斬るときを意味していたー。
不動産会社に勤める桜木紫野は、同僚に誘われ初めてワイン会に参加する。口慣れないワインと人間関係に意気消沈する紫野だったが、織田一志というベンチャーの若手旗手と出会う。紫野のワインに対する敏感な感覚に興味をもった彼は、新たなワイン会に紫野を誘うが、ある事件がおきてー。『神の雫』の原作者が描くワイン小説。