2019年9月19日発売
19世紀末、ロンドン。画家のモデルをつとめるドリアンは、若さと美貌を映した自らの肖像画を見て、自分自身はいつまでも若々しく、年をとるのは絵のほうであってほしいと願うーー。快楽に耽り悪行に手を染めながらも若さを保ちつづけるドリアンと、かれの魂そのままに次第に恐ろしい醜悪な姿に変貌する肖像画との対比を描く。新訳。 ドリアン・グレイの肖像 序言 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 第八章 第九章 第十章 第十一章 第十二章 第十三章 第十四章 第十五章 第十六章 第十七章 第十八章 第十九章 第二十章 * 訳 注 解説(富士川義之)
「彼女に恋していたから、彼は苦痛だった」--裕福な趣味人マリオルは、心ならずもパリ社交界の女王ビュルヌ夫人に魅惑される。マリオルの繊細な愛情を喜びながらも、夫人がなにより愛するのは自らとその自由……。独立心旺盛な女と、女に振り回される男のずるさ、すれ違う心の機微を、死期の迫った文豪が陰影豊かに描く。 第一部 第二部 第三部 地 図 解 説
神田小柳町の裏店で暮らす、廻り髪結の姉・お松と妹・おれん。おれんは両替屋の手代になったばかりの弥吉から所帯を持とうと告げられる。だがある日、誤ってやくざ者を殺してしまった弥吉は、遠島を申しつけられる。哀しみに暮れながらも、帰りを待つと誓うおれん。しかし、なぜか姉妹にあやしい影がつきまといー。「おまえらは見なくていいものを見てしまった」そこへ助けに入ってきたのは、同じ髪結の郷太だった…。髪結姉妹の波瀾万丈な恋模様を描く人情時代小説
築30年の「大泰荘」で8人の大学生が共同生活を送っていた。ある朝、マッチョな男性住人が鍵のかかった自室において遺体で発見される。深夜には建物の玄関にチェーン錠がかけられるため、たとえ鍵を持っていても中には入れない二重の「密室」で誰が彼を殺したのか?住人の誰もが怪しく、誰にも動機が…。「7つの選択肢」から犯人を選んで下さい。先行読者投票の結果も収録!
ある医療事故をきっかけに都心の大病院を飛び出した女医・菜々子は、兄が経営する東京近郊の個人病院で働き始める。それから間もなく、中学時代の同級生に誘われ地元の市民会館で、ステージに立つ出演者たちの医療サポートを請け負うことになってしまう。最初に担当したのは高齢のお笑い芸人。転倒による大腿骨骨折を疑われたが、予定のステージにどうしても立たなければならないという。だが検査の結果、ほかの病気が見つかる。菜々子は彼をステージに立たせてあげられるのか!
昭和・平成のミステリの技法をフル装備し、 乱歩デビュー前の大正時代半ばに転生して本格探偵小説を書いたら……。 そんな夢想が現実のものになったかのような極上の逸品。 この作者は、令和のミステリを支える 太い柱の一つになるだろう。 有栖川有栖 分厚い世界に緻密なロジック、第60回メフィスト賞受賞作 ☆☆☆ 謎が謎を呼ぶ怪死事件。元泥棒が導く真相に瞠目せよ。 和洋入り交じる大正の東京。 秘密結社「絞首商會」との関わりが囁かれる 血液学研究の大家・村上博士が刺殺された。 不可解な点は3つ。遺体が移動させられていたこと、 鞄の内側がべっとり血に濡れていたこと、そして、 遺族が解決を依頼したのが以前村上邸に盗みに入った元泥棒だったことーー。 頭脳明晰にして見目麗しく、厭世家の元泥棒・蓮野が見つけた 四人の容疑者の共通点は、“事件解決に熱心過ぎる”ことだったーー。
第65回江戸川乱歩賞受賞作! それは破戒の罰なのか? 大手医薬品メーカーに仕掛けられたデモを鎮圧すべく市民団体に潜入した西澤奈美。 そこでリーダーから同志として紹介されたのは、恋人の雪江だった。 新ヒロイン誕生! 西澤奈美。自宅は大久保の雑居ビル。冷蔵庫にはビールと栄養ゼリー。日課は筋力トレーニング。音楽はオールディーズ。話し相手はAIのユキエ。仕事は企業の炎上鎮火請負人。服は黒尽くめ。 <内容紹介ー 日本有数の医薬品メーカー美国堂は、傘下に入れた韓国企業の社長による過去の反日発言の映像がネットに流れ、「美国堂を糺す会」が発足して糾弾される事態に。 かつて美国堂がトラブルに巻き込まれた際に事態を収束させた西澤奈美は、コーポレートコミュニケーション部次長の市川から相談を持ちかけられる。新社長の意向を受け、総会屋から転身して企業の危機管理、トラブル処理を請け負っている奈美のボスの原田哲を排除しようとしていたものの、デモの鎮静化のためにやむを得ず原田に仕事を依頼する。 早速、林田佳子という偽名で糺す会に潜り込んだ奈美は「エルチェ」というハンドルネームのリーダーに近づくと、ナミという名前の同志を紹介される。彼女は児童養護施設でともに育ち、二年前に再会して恋人となった姫野雪江だった。雪江の思いがけない登場に動揺しつつも取り繕った奈美は、ナンバー2の男の不正を暴いて、糺す会の勢いをくじく。 その後、エルチェは美国堂を攻撃する起死回生の爆弾をナミから手に入れたというが、ナミ(=雪江)は奈美と約束した日に現れず、連絡も取れなくなった。起死回生の爆弾とは何なのか?
“本物”のハンター頼られまくり!? 北海道でハンターをやっていた僕、中島進。 いろいろあって無責任女神様のナノテスさんに、異世界へと招かれ、ハンターとしての日々を送っています。頼れるエルフ嫁・サランとのゆったりイチャイチャした日常……というわけにもいかないらしく。 女神様、巨大スライムに、魔王の復活阻止に、対物ライフルまで敵に回して、おまけに人狼退治? そんな異世界転生ファンタジーをですね、猟銃だけでなんとかしろって、いくらなんでも無理ありすぎ! こっちの身にもなってくださいよ! 実銃ウンチク&狩猟知識満載。知られざる猟銃とハンターのお仕事を、異世界で楽しく学ぶ第2巻! 【編集担当からのおすすめ情報】 「小説家になろう」にて日間ランキング1位を獲得! 累計PV数は1000万を突破! リアル(すぎる?)な現代ハンター事情と銃ウンチクの数々を扱った異世界ファンタジー待望の第2巻!頼れて、ちょっぴりエッチなエルフ嫁とのスローライフ!……とはいかず、今回もいろんな騒動に巻き込まれます!
グリッドマンの知られざるもう一つの戦い。 記憶喪失の少年・響裕太は、"ハイパーエージェント"グリッドマンと合体。世界の神である新条アカネが創り出す怪獣から人々を守るため、日々戦っていた。 そんな折、裕太たちグリッドマン同盟は、ツツジ台高校の学園祭に合わせて現れた怪獣メカグールギラスを撃破し、アカネの挑戦を退ける。これでしばらくは平和な日々が続くかもしれないと、安堵したのも束の間。裕太が目を覚ますと、そこは彼が過去にグリッドマンと初めて出会った日だった。そしてさらに、倒したはずの怪獣が再び現れる。 何が起こっているのかわからず困惑する裕太たち。しかもアカネは、「その世界」では自分たちの知る彼女とは雰囲気の違う存在になっていた。やがて同じ時間を繰り返しているのではと予想する一同だったが、今度は体験した覚えのない出来事が次々と起こるようになり、ついには未知の怪獣が襲いかかってくる。 この世界は、誰の手によって生み出されたものなのか。果たして裕太たちの運命はーー!? 話題沸騰の人気作SSSS.GRIDMANが、ついに小説化! 完全オリジナルストーリーで、グリッドマンのもう一つの戦いが描かれる!!
囚人に仏道を説く教誨師の顕真。ある日、拘置所で一人の死刑囚が目に留まる。それは、大学時代に顕真を雪山の遭難事故から救った、無二の親友・関根だった。人格者として知られていた友は、なぜ見ず知らずのカップルを殺めたのか。裁判記録に浮かび上がる不可解な証言をもとに、担当刑事と遺族に聞き込みをはじめた顕真。一方、友として、教誨師として、自分にできることとは何か。答えの見出せぬまま、再び関根と対峙することとなる。想像を絶する、事件の真相とは。そして、死刑執行直前、顕真が下した決断はー。人間の「業」を徹底的に描く、渾身のミステリ長編!
窓のない閉鎖空間に、対立する政治団体の男女が二人。 この部屋と、民主主義という密室に出口はあるのか? 政権打倒を標榜する若者団体で活動する凛は、気付くと薄暗い部屋にいた。両手首を縛られ動けない。一方隣の部屋では、外国人排斥をうたう「AFPU」のメンバー大輝が目を覚ましていた。二人に直前の記憶はなく、眼前には横たわる人体。一体、誰が、何のために? 民主主義の根幹を問う、新時代の本格ミステリ。
応仁の乱前夜、室町の天才絵師は都を騒がす怪異の闇に、何を見たか。異能の絵師土佐光信は、将軍足利義政から、人心を惑わす妖異の謎を解くよう命じられる。御所をさまよう血塗れの女、奇怪な呪詛屛風、「影喰らい」という妖物、笑い小鼓、人の悲しみから生まれた石……。果して彼が見極めた化生の者の正体とは。異界から現れ、乱世の歯車を陰で操る妖童子とは。不穏な時代を描く傑作歴史小説。
真打ち昇進を控えた二つ目・佃家花蔵が高座で「犬の目」を口演中、酔客に左眼を殴打され、廃業の危機に。佃家傳朝と梅蔵は長年の不仲を改め、弟弟子を援助することを誓うが、その直後、夜道で傳朝が命を狙われる。相次ぐ噺家受難の陰には思いもよらぬ真実が…。文庫書き下ろし。
元新選組副長・土方歳三は新政府軍の銃弾に斃れたーはずだった。頭部に被弾した土方を救った時枝ゆらは、敵軍の目をかいくぐり、米国へと密航する。だが意識を取り戻した土方は、記憶を失っていたのだった。全てを無くしたサムライは、果たしてどこへ向かうのか?海を、大地を駆けめぐる、壮大なる旅がここにはじまる。
密航者として追われる隼人(土方歳三の変名)とゆらは、西部の大地で離別してしまう。ゆらを探し旅をする隼人は、アリゾナの荒野で先住民の襲撃を受ける。一方、ゆらの前には彼女を追う悪徳保安官・ティルマンが現れ、絶体絶命の危機がー。運命に引き裂かれた二人は、生きて巡り会うことができるのか?巻末に逢坂剛×月村了衛対談を収録。
ある月の夜、十六歳の風谷小十郎は、山中の樹にもたれて嗚咽を漏らす奇妙な坊主と出会う。「いい眼だ。しかし、けだものの眼だ。おまえは、これから思い悩むことが多いだろう」-本願寺蓮如その人の言葉に導かれるように、若鹿の運命は動き出した。加賀の地に燃え広がる一向一揆の炎と、闘いに身を投じた小十郎の青春を描く血潮滾る歴史巨篇。
蓮如の吉崎退去、小十郎の恋、そして守護・政親の強権。戦場を覆い尽す念仏が、かつて共に闘った者たちを、別々の明日に追い立ててゆく。加賀の雪が、ふたたび血に染まる時が近づいていたー著者積年の構想がついに結実、加賀一向一揆を生きた男たちの雄叫びがこだまする感動巨篇、完結!