2019年9月27日発売
下北沢にあるバー“STRAY CAT”に出入りする雑誌記者の勝村は、希代の窃盗犯“山猫”の指示で、大手通信会社のシステム開発を担う中堅企業・ビルドに侵入した。だが、現場に残したはずの犯行声明が消え、勝村も何者かに拉致される。勝村と旧知の仲だった刑事のさくらは、彼が山猫と結託していたことを知りショックを受ける。監禁された勝村を救いに来た山猫は銃弾に倒れ、現場に仕掛けられた爆弾が爆発したー!彼らは正反対の信念を胸に袂を分かち、光と影は反転したー。痛快ピカレスク・アクション・ミステリー!絶体絶命の危機が山猫に襲いかかる、シリーズ最終巻!
変化朝顔の栽培が生きがいの同心・中根興三郎は、菊作りで糊口をしのぐ御家人・中江惣三郎と知り合う。だが帰り路、興三郎は中江と間違えられて、謎の侍たちに襲われかける。じつは中江は金のために菊を使って悪事を重ね、恨みを買っていたという。興三郎は憤りつつ、中江のしていることに疑問を抱く…。花を愛する人びとが織りなす江戸の人間模様。
巨大化企業モンサントを退社し、農業関係の仕事に携わる46歳のフロランは、恋人の日本人女性ユズの秘密をきっかけに“蒸発者”となる。ヒッチコックのヒロインのような女優クレール、図抜けて敏捷な知性の持ち主ケイト、パリ日本文化会館でアートの仕事をするユズ、褐色の目で優しくぼくを見つめたカミーユ…過去に愛した女性の記憶と呪詛を交えて描かれる、現代社会の矛盾と絶望。
学院ナンバー1美女の座を勝ち取ることはできるのか!?淑女となるべく王立学院で礼節を学ぶフィル。彼女の天真爛漫な性格と誰もが見惚れるかわいさで、学院内で瞬く間に人気者となり、ミス王立学院にノミネートされることに。審査項目は水着審査に弁論審査。優勝商品は学食で使用できる食事券!フィルは食べ物につられ、優勝を目指して特訓を始めるが、同大会の裏では、フィルの命を狙う王弟派が暗躍していてー。今回から、もふもふな狼も仲間に!小説家になろう発大人気ファンタジー第3弾!
初めての大規模パーティーに参加した石川さんたち三人娘は、一万匹のゴブリンを束ねるボスを倒しに、敵であふれる地下道へと突撃することに。一方、異世界での生活に少しずつ不満を募らせるクラスメイトたち。日本への帰還を賭け、それぞれの思惑が交差する、ダンジョン踏破コンテストが始まろうとしていた!勇者パーティーから追放されることが望み(?)の異世界ファンタジー第四弾!!
SEALだったマットは、監禁中の子どもを見捨てられなかったことが原因で不本意な除隊を余儀なくされ、かつての上官の経営する会社に籍を置く身となった。結局子どもを助けられなかった自責の念から世捨て人のような生活を送る彼はある日、山で助けた記憶喪失の美女にも似たような監禁の痕跡を認める。この人こそ絶対に守ると心に誓うのだが、彼女を監禁していたのは誰?その正体がわかるにつれ、マットとの因縁、LAを標的とするテロ計画までも明らかに…。愛と陰謀が絡み合う真夜中シリーズ第九弾。
妹たちと身を寄せ合って暮らす貧しいウィニーのもとに、ある日突然、ギリシア人大富豪イロスが現れた。「きみはなぜ、僕の子を産んだことを隠していたんだ?」2年前、専属シェフとしてイロスの屋敷に雇われたウィニーは、たちまち彼に魅了され、身も心もすべて差しだしてしまった。なのに、なんて酷い裏切り…彼に妻がいると耳にしたのだ。傷心のウィニーは黙って屋敷から姿を消したー身重の体で。幼子をかばって震える彼女に、イロスの厳しい言葉が飛んだ。「息子と暮らしたければ僕と結婚するんだ。口答えは許さない」
マディは、重い病を患う父の看病をしながらカフェで働く身。ある日、知り合った男性に頼み込まれて、恋人のふりをしているところへ、彼の兄レミレスが現れた。黒髪の優雅な男性にマディは目を奪われるが、それもそのはず、彼は世界中の女性の憧れの的、モンテゴヴァの皇太子だった。「君が弟と別れるなら、25万ポンド払おう。ただし…」彼は結婚を急かす母のため恋人役を演じるようマディに迫った。父の手術代の工面に悩んでいた彼女は、迷ったすえ承諾する。やがて、彼はなんと便宜結婚を申し込んできてー。
学費を稼ぐため清掃員をしていた世間知らずの少女シエナは、雇い主の大富豪ニコと恋に落ち、なすすべもなく純潔を捧げた。愛する彼の子を授かり、夢見心地で結婚したが、流産の末に破局を迎え、その後はずっと独りで生きてきた。そして今、子爵となった彼と再会したシエナは戸惑いながらも抗いがたい情熱に身を焦がすー無上の喜びに我を忘れ、小さな命を授かるほどに。だが医師が妊娠の診断を下すとなぜかニコは激怒して、情け容赦なく言い放った。「僕の前から消えてくれ。もう二度と君の顔は見たくない」
ジョージーナが田舎からはるばるロンドンへ出てきたのは、億万長者マティアスに恋人のふりをしてほしいと頼むためだった。昔から親しい、心臓の悪い彼の母の望みをかなえたかったのだ。ただし、マティアスはどんな女性も虜にするプレイボーイだが、地味なジョージーナはどんな男性の注目も集めたことがなかった。だから、彼が予想に反して恋人役を承知すると心配になった。マティアスが買ってくれた、驚くほど高価な服を着ていても、私は彼の好みのブロンド美人とは違いすぎる。それに…。あきらめたはずの恋心がよみがえるのは、なんて残酷で苦しいの。
アイルランドの懐かしい古城で、キアラはトムと再会した。十代のころ、夏の休暇のたびにこの城に仕える祖父母のもとを訪れ、キアラは当主である公爵の子息トムと愛し合うようになった。だが、互いにまだ18歳、主従の子同士の恋が祝福されるはずもなく、妊娠、流産と数々の誤解を経て、二人は引き裂かれたのだった。今、城の庭師として働くキアラは、近ごろ公爵位を継いだトムから、城と庭を売却すると聞かされる。あの日以来この地に寄りつかず、実業家としても大成功している彼には、思い入れなどないのだろう。そして、キアラが思い出に胸を震わせようと、身分違いは昔のままーところが翌日、大雪が城を襲う。二人きりで閉じこめられて…。
21歳のランツァは幼なじみの婚約者を事故で失った。親が決めた結婚から解放され、心の中で密かに安堵していたある日、運命は再び強いられる。亡き許婚の兄ステファノと結婚しろというのだ。しょせん、私は政略結婚の道具。自由に生きる権利はないのね…。病を患う父を喜ばせたい一心で、ランツァはその命令に従った。1年後、結婚式でようやくまともに顔を合わせたステファノは、昔と変わらぬ端整な容貌に大人の魅力をまとい、眩しいくらいだった。そう、ランツァは幼き日から、本当はこの兄のほうが好きだったのだ。だが、人知れず頬を染めるランツァに、ステファノは事務的に告げた。これはあくまでも形だけの結婚で、寝室は別だと。
実業家アダムのオフィスにある日、6カ月の赤ん坊を連れた女が現れた。彼の亡き弟の子だとの鑑定書を見せ、5万ドルで買ってほしいという。不届きな女を追い返してやろうと、アダムは金を払い、甥を引き取った。そうなると至急子守りが必要だー思いつくのはただ一人、弟の不義が原因で2年前に離婚した、かつての義妹シエナ。一方、突然目の前に現れたアダムの要求に、シエナはとまどった。縁を切った元夫の子とはいえ、不憫な赤ちゃんを助けてあげたいけれど、義理の兄だったアダムの大邸宅で一緒に暮らすなんて。彼がそばにいるだけで、体が熱くなる自分がシエナは怖かった。ずっと心の奥底に隠してきた彼への想いを、知られてしまいそうで…。
ブライズは2年前に親友の婚約パーティで出会ったアダムが嫌いだ。男の色香漂うこの大富豪は、会うたびに違う美女を連れている。今日だって、ブライズが親友の娘のために練ったパーティの計画を、彼は傲慢にもことごとく自分色に染め変えてしまった。口惜しい思いでアダムを見つめるブライズの瞳が、涙で曇る。彼なんか大嫌い…いいえ、本当はすごく惹かれているけれど、女を支配しようとする彼のような男性には近づかないほうがいいのだ。けれども、パーティ終了後に二人きりになり、この2年で初めて誘惑のサインを見せたアダムに、彼女はたまらず純潔を捧げてしまうー2カ月後、予期せぬ結果が我が身に訪れるとは、つゆも思わずに。
レイチェルと大富豪の夫ジャックの仲は冷えきっていた。度重なる流産を怖れ悲しみ、別の寝室を使うようになって2年。仕事人間のジャックも家の外で過ごす時間が長くなる一方だった。また彼と愛しあえる日はもう、きっとこないんだわ…。そんなある日、かつて夫の会社に勤めていた女性が現れ、自分はジャックの愛人だと豪語しつつ、得意げに言い放った。「彼の子を身ごもったの。早く離婚して、父親になるチャンスをあげて」決然と追い返したものの、レイチェルは激しく動揺した。愛する夫を失わないために、いったいどうすれば…?悩んだ末、2年ぶりの緊張に包まれつつ、寝室で夫の帰りを待った。
両親を亡くして以来、親戚に虐げられてきたソフィアのもとにゆうべ花火見物で出会った無礼でたくましい男性が訪ねてきた。彼はティークストン公爵を名乗り、彼女を馬車で連れ出した。あまりの驚きに圧倒され、気の利いた会話もできないソフィアを、公爵は名家の令嬢たちとともに1週間のハウスパーティーに招待した。花嫁候補を見比べるために大勢まとめて屋敷に滞在させるなんて、いったいどういう男性なの?結婚を急ぐ事情でもあるのかしら。とらえどころのない公爵の魅力に心乱されるソフィアだったが、ある朝、森の中で彼に生き写しの少女と出会う。それを知った公爵はソフィアを闇夜の密会に誘い出して…。
こんな寂れた路傍に、古ぎれのように行き倒れた女が…。爵位や本名をゆえあって隠して暮らしている騎士のウィリアムは、今にも息絶えそうな女性を捨て置けず、私宅へ運んで看護した。3週間後、ようやく意識を取り戻した彼女は、自分を介抱する男らしい彼をひたと見つめ、弱々しく口を開いた。「あなたは誰?誰なの…わたしは?」ウィリアムは名も生い立ちもわからぬ彼女を“イザベル”と名づけ、白魚のような指を見て、高貴な生まれかもしれないと考えた。そしてある日、イザベルが発した言葉に、彼は思わず息をのんだー「その振る舞いや話し方。あなたはまぎれもなく爵位を授けられた人ね」妹の命を守るため、ウィリアムはこの3年間、地位や特権を持つ騎士の爵位を隠し、風貌も変えて暮らしてきた。そんな彼の秘密を言い当てたイザベルの出自もまた、気になるが…?素性のわからない者同士、心と心が惹かれ合う、記憶喪失ロマンス。
大邸宅の一室と思われる豪華な部屋でカレンは目覚めた。ハンサムな浅黒い肌の男性が彼女の手を握り、こちらを見つめている。「あ、あなたは…?」カレンがおずおずと尋ねると、彼は一瞬言葉を失ってから言った。「僕はきみの夫、ルイスだ」このすてきな男性が…わたしの夫ですって?事故に遭い、記憶を失ったカレンには何も思い出せなかった。自分が世界的な大富豪の妻であることも。ルイスが言葉を継いだ。「きみは、別の男と駆け落ちするところだったんだ」そんな…嘘よ。わたしが浮気をしていたなんて。何も思い出せなくても、彼にはこんなに強く惹かれるのに。
カシアが侯爵に出会ったのは、グラナダの豪華ホテルでだった。スペインでも指折りの貴族、シモン・モンドラゴン侯爵は、そこで働くカシアを、自身の慈善事業の手伝いに引き抜いた。天涯孤独の彼女には、家もなければ相談する家族もない。ありがたく申し出を受け、カシアは侯爵のもとで働きはじめた。やがて彼女に好意を寄せる若者も現れたが、手でも握ろうものなら、必ずどこからか侯爵が現れ、気まずい雰囲気になるのだった。私が恋にうつつを抜かすと、仕事がおろそかになると思っているのね。カシアは侯爵をがっかりさせまいと、ますます一生懸命働いた。そんなある夜、カシアはとつぜん侯爵から熱く激しいキスをされ…。