2019年発売
・日本先行発売! ポール・アルテ五年ぶりの新作! ・わが国の本格ミステリ愛好家は、世界中どこよりも早く読める! ・傑作『あやかしの裏通り』に続いての、「名探偵オーウェン・バーンズ」シリーズ第二弾。 ・『2020本格ミステリ・ベスト10』 第5位 一九一一年の冬ーー霧深い森にそびえる山荘「レヴン・ロッジ」。貿易会社の辣腕社長ヴィクトリアが招いたのは、いずれも一癖も二癖もある男女。ヴィクトリアの弟・ダレン、アーティストから転身した副社長アンドリュー・ヨハンソン夫妻、アンドリューの秘書のシェリル。アンドリューはシェリルとの浮気に溺れ、妻のアリスはとうにそれに気づいている。ダレンは金と女にだらしない男で、山荘で出会ったシェリルにも気がある様子……そんな顔ぶれが揃った朝、森の中で死体が発見される。現場は完全な「雪の密室」だった。 一九九一年の初夏ーー劇作家アンドレは、子供の頃に観たサスペンス映画を探していた。スランプに陥っていたアンドレは妻のセリアの助言もあって、自身の創作の原点といえるほどの影響を受けながら、タイトルすら忘れてしまったその映画にもう一度向き合おうとしたのだ。隣人の勧めで、アンドレは映画マニアの哲学者モローを訪ね、彼の精神分析を通じて少年時代に立ち返っていく……。 金の懐中時計、磔刑像、そして“存在しない戯曲"『黄衣の王』--魅惑的な小道具を通じて、80年の時を隔てた「過去」と「現在」が奇妙に呼応する、アルテ・ミステリの新境地! プロローグ 1 蜘蛛の巣 2 金時計 3 オリエントのイヴ 4 らせん階段 5 磔刑像 6 未知の色 7 黄衣の王 8 奇妙なまなざし 9 アリスとアンドリュー 10 リタの家で 11 ダレン 12 姿なき殺人者 13 チャンドラとシェリル 14 古い採石場 15 星々 16 星雲 17 カウボーイの話 18 モロー博士の訪問 19 鉄のアリバイ 20 再びブルターニュへ 21 出発 22 風車小屋 23 最後のチャンス 24 説明 25 リヴァプール 26 逃走 27 完璧な計画 エピローグ 訳者あとがき -- アルテ『金時計』
犯人と探偵役である市公安局所長との二視点で描く倒叙物の中国ミステリ。 中国を舞台にしていながら「官僚連続殺人」という設定にやられた! 何よりもリーダビリティに優れており、犯人VS探偵の決着の付け方も上手い! ーー作家 三津田信三さん推薦! ◎累計20億PV、中国で社会現象となった大ヒットサスペンスドラマ「推理之王」三部作(『バーニング・アイス 無証之罪』『バッド・キッズ 隠秘之罪』『ロング・ナイト 沈黙的真相』)の原作者・紫金陳の原点! ◎人気作家が東野圭吾『容疑者Xの献身』に挑んだ意欲作! 中国ミステリ作家・紫金陳『官僚謀殺』シリーズ 邦訳第一弾『知能犯之罠』 ・本格×社会派 両立する傑作! ・全てを欺く犯人の罠!! 真の狙いとは?! ・現在中国の社会システムをあざ笑う「殺人トリック」の数々 ・戦慄の官僚連続殺人を描いたミステリ ・生き生きと描かれた警察官僚の行動や思考から、中国独特の犯罪捜査や解決方法が見えてくる。 ◎あらすじ 「十五人の局長を殺し、足りなければ課長も殺す」--殺された公安局副局長の死体の傍らには、そんな“予告状"が残されていた。警察幹部が殺害され、拳銃が奪われる大事件。しかし、当初は誇大妄想的な衝動犯の犯行とみなされ、解決は容易と思われていた。だが、捜査が進むにつれ犯人は、警察の人海戦術の弱点や科学捜査の限界、そして防犯カメラネットワーク「天網」の盲点すら熟知して周到な計画を練り上げていたことが明らかになる。そして予告通り起こる、第二、第三の殺人。 暗礁に乗り上げた捜査を立て直すべく、指揮官の高棟は学生時代の旧友・徐策に協力を乞う。徐は数理論理学の天才と称され、アメリカに渡って心理学に転身、論理的思考のエキスパートとして成功したバンカーだ。 「友達のためだと思って、事件を分析してみてくれないか?」 だが、高棟は知らなかった。徐策こそが、一連の事件の真犯人であることを。 そして高棟は、現代中国の社会システムそのものを嘲笑うかのような、恐るべき徐策の「殺人トリック」に直面することとなる……。 実際の事件に着想を得た、官僚連続殺人事件をリアルかつスリリングに描く、「官僚謀殺」シリーズ第一弾! 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 終章 訳者あとがきーー 防犯カメラが鳥瞰する中国社会
酒井老中の飛駕籠に、郡上の百姓衆が直訴! 訴えの核心と狙いは? 徳川の直領美濃の郡代が、郡上藩の徴税法に口出し! 背後に公儀重臣らと組んだ藩主金森兵部の悪しき企み。 将軍家重の怒りが弾けて…。 郡上へ遠国御用の旅、第10弾! 老中の駕籠行列は、登城の際、走るのが慣例だ。事件が起きたときだけ走れば、人々に異変を知られる。 いつも走っていれば、気づかれようがない。そのために走ることが定着し、飛駕籠と呼ばれる。 その飛駕籠に六人の百姓衆が駆け込んで直訴した。郡上藩からの者であった。御庭番の加門がそれを目撃していた。 加門は本丸中奥の将軍家重の御用取次・田沼意次の部屋を訪ねた。 ◆ 著者について 氷月 葵 ひづき・あおい 東京都生まれ。出版社勤務などを経て、フリーライターとして独立。 秋月菜央の筆名で『虐待された子供たち』(二見書房)、『Relax in Blue』(経済界)等、 福知怜の筆名で『タイタニック号99の謎』(二見書房)など、歴史、心理、ドキュメント系などの著書を多く執筆する。 小説では第四回「北区内田康夫ミステリー文学賞」において「師団坂・六0」筆名・井水怜で大賞を受賞。
父は切腹、母は後追い。 津軽藩を逃れ江戸へ! 孤独な闘いが始まった。 鹿取寒九郎、前髪の十四歳。 「江戸にてある御方に渡せ」父の書状の宛名と中身は? 十万石の津軽藩で何が…? 父母の死の真相に迫れるか!? 剣客相談人(全23巻)の森詠、新シリーズ第1弾!! 旗本武田作之介家の門前に行き倒れがあった。まだ前髪も取れぬ侍姿の子ども。 小袖も袴もぼろぼろで土や泥塗れ、腹が空いているらしく息も絶え絶えの薄汚い小僧。 津軽藩士・鹿取真之助の一子、寒九郎と名乗り、叔母の早苗様にお目通りしたいという。 父が切腹して果て、母も後を追ったので、津軽からひとり出てきたと叔母に告げた。 こうして寒九郎の孤独の闘いが始まった。 ◆ 著者について 森 詠 もり・えい 栃木県旧大田原町出身。那須地方に育つ。 東京外国語大学卒。主な著作に『振り返れば、風』『燃える波濤』『雨はいつまで降り続く』『夏の旅人』『冬の翼』、戦争小説『日本朝鮮戦争』、 警察小説『横浜狼犬』『清算』、青春小説『オサムの朝』『少年記オサム14歳』『那珂川青春記』『日に新たなり』『はるか青春』『パートナー』等がある。 最近、歴史時代小説『七人の弁慶』や『坂東三国志』も書いている。
昇介は、会社の倉庫を使って女性社員を相手に快感を貪っていた。ある日、社長である夫を亡くして新社長となった貴梨子から、倉庫の件を問題にしない代わりに、夫の浮気相手だった女を捜せとの命が。手がかりは、録音されていた女の喘ぎ声のみ。疑わしい女性に接近し、声から特定しようとするが、意外な真実がー。巨匠の傑作官能!
ビートルズの「ホワイト・アルバム」と呼応する物語がゆるやかにつながる、吉田篤弘のデビュー連作短篇集、待望の復刊! 書き下ろし解説などを含む最新リマスター版。
事業に失敗し、妻とも離婚した尾崎周一郎は、あてのない傷心の旅に出る。旅の途中、昔ながらの銭湯に惹かれて入るも、湯あたりで倒れてしまう周一郎。気がつくと、番台にいた清楚な美女に優しく介抱されていた。彼女の名は鶴本美佳、この「鶴の湯」の看板娘であった。周一郎は美佳への恩返しに、人手不足の鶴の湯で働き、彼女の力になろうと決意する。そんな周一郎だったが、お客の未亡人や美佳の義姉の由布子などから次々と淫らな誘いを掛けられて…!?レトロな銭湯を舞台に聖女と淫女の官能美を圧倒的な筆致で描く、絶品回春エロス!
1枚の美しい切手をめぐり、すれちがい、めぐりあう人間模様。ささやかでいとおしい一度きりの旅を、だれもが懸命に生きている。『100万回生きたねこ』の佐野洋子が贈る奇跡のラブストーリー。幻の名作、待望の新装復刊。大切な人へのプレゼントにも!
痛みがあってこそ回復がある 『菜食主義者』でアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞し、『すべての、白いものたちの』も同賞の最終候補になった韓国の作家ハン・ガン。本書は、作家が32歳から42歳という脂の乗った時期に発表された7篇を収録した、日本では初の短篇集。 「明るくなる前に」:かつて職場の先輩だったウニ姉さんは弟の死をきっかけに放浪の人になる。そんな彼女を案じていた私に3年前、思わぬ病が見つかる。1年ぶりに再会した彼女が、インドで見たというある光景を話してくれたとき、小説家の私の心は揺さぶられるーーウニ姉さんみたいな女性を書きたい、と。 「回復する人間」:あなたの左右の踝の骨の下には穴があいている。お灸で負った火傷が細菌感染を起こしたのだ。そもそもの発端は姉の葬儀で足をくじいたことだった。ずっと疎遠だった姉は1週間前に死んだ。あなたは自分に問いかける。どこで何を間違えたんだろう。2人のうちどちらが冷たい人間だったのか。 大切な人の死や自らの病気、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、再び静かに歩み出す姿を描く。現代韓国屈指の作家による、魂を震わす7つの物語。
ラビの村の開発を田原たちに任せた魔王は、冒険者のユキカゼ&ミカンのコンビとともに北へと向かった。目的は、魔法に対抗する武具を探すためだったが、そこで勇者と遭遇する!? 一方、村の開発の方は、マダムを抱き込み周辺諸国を巻き込みながら順調に進んでいくーー「小説家になろう」発、見た目は魔王、中身は一般人の勘違い系ファンタジー第三弾!新装版オリジナルストーリーも!!
クジラの形をした神代の船「トヨクモ」と同化した冒険者キートは、この世界で虐げられている獣人たちの街をトヨクモの背に作ることに。神代知識や技術で多少の手助けをしながらも、獣人たちは自分たちの手で新たな文明を築いていく。そんな「トヨクモ」の前に突如現れた、大陸と見まごうほどの空飛ぶ島。キートは「空島」への上陸を決意するー。
晴輝がカゲミツと「ちかほ」へ遠征している間、火蓮と朱音による小競り合いが勃発。決闘が始まるが、気付くと一緒にダンジョンに潜ることになっていた。潜った先で、二人はとんでもない魔物と出会い、滅茶苦茶にされてしまう。そんななか、ランカーである美人剣士・時雨が現れてー。新たな仲間もやはりクセのあるやつでした…。ますますエスカレートする、第六回ネット小説大賞受賞の大人気冒険ファンタジー第三弾!
アルバイトを掛け持ちしながら独り暮らしを続けてきた井川幹太27歳。気楽なアパート暮らしのはずが、引っ越してきた「戸田さん」と望まぬ付き合いがはじまる。夫婦喧嘩から育児まで、あけっぴろげな隣人から頼りにされていく幹太。やがて幹太は自分のなかで押し殺してきたひとつの「願い」に気づいていくーー。誰にも頼らず、ひとりで生きられればいいと思っていた青年が、新たな一歩を踏み出すまでを描いた胸熱くなる青春小説。
無気力に日々を生きている高校生の春子は、線路に落ちそうになった人を庇って命を落としてしまう。死後の世界で出会ったのは死神・薊。なんと春子は彼の手違いで殺されてしまったのだ。だが、生きることに執着のない春子。彼女はそのまま、この世に彷徨う死者を成仏させる死神の仕事を手伝うこととなり…。様々な死者の想いに触れた春子を待ち受ける運命とはー。感動のラストは圧巻!読後、きっとあなたの明日が生きる希望で満ち溢れる。「エブリスタ×スターツ出版文庫大賞」部門賞受賞作!
他人の感情に敏感で、言葉の中の嘘が見えてしまう女子高生・向葵(こうき)は、そんな"ふつうじゃない"自分に悩んでいた。ある日、1枚の絵をみるために訪れた美術館でひとりの青年に出会う。向葵とは対照的に、彼は他人の気持ちを汲み取れないと言う。「ふつうになりたい」--正反対なのに同じ悩みを持つふたり。この出会いが、運命を変えていくーー。ふつうとは何か。苦しみの中で答えを探し続ける姿に、そして訪れる奇跡のラストに心揺さぶられ、気がつけば…涙。
本当は君を、心から愛したいのに…。高2の蘭花は自閉症で心を読みづらい弟・稔(みのる)を持ち、周囲の目に悩む。そんなある日、彼に特別な力があると気づく。悲しみの色、恋する色…相手の気持ちが頭上に咲く“花の色”で見える稔は、ちゃんと“誰かを想う優しい心”を持っていたーー。混じり気のない彼の心に触れ、蘭花は決意する。「もう逃げない。稔を守る」しかしその直後、彼は行方不明に…。物語のラスト、タイトルの意味が明かされる瞬間、張り裂けんばかりの蘭花の叫びが心を掴んで離さない‼
東京で就活に失敗し、地元の京都に呼び戻された衣都。そこで待っていたのは、老舗呉服屋の跡取りで8歳年上の幼なじみ・志貴との政略結婚だった! 衣都は反発するが、いきなり1年間のお試し同居が始まる。4年ぶりの再会にもかかわらず、愛情深い志貴との暮らしは穏やかで心地よく、次第に衣都の心も解きほぐれていく。同時に呉服屋の仕事にも夢を見い出し、ここ京都に自分の居場所を見つけるが、やがて“政略結婚”の裏にある思いもよらない事実が明らかになって…⁉ 一途な愛が織りなす、切なくも優しい物語。
辺境の村を旅立ち、冒険者になった少年アレク。いくつかのパーティに加入するが数度のクエストの後には追い出されることを繰り返し、今では彼を迎え入れてくれるパーティすらなくなった。 スキルが習得できないという致命的な欠陥を突き付けられたアレクは故郷に戻り、幼馴染の少女、ナージャと結婚し、小さな畑を耕して日々を送る。 そうして平穏な生活を送る彼の村にモンスターの大軍が忍び寄ってきた。 冒険者時代の片手剣を引っ張り出し、迎え撃つアレクは絶体絶命の危地に陥るが体に浮かび上がった龍の紋章の力によりモンスターの大軍を撃退することに成功する。 この日からアレクとナージャの平穏からほど遠い日々が始まるのだった。