2020年10月1日発売
あなたの書いたものは、良い小説ですか、悪い小説ですか。小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末はー。
【Innocence:[名]無罪、潔白】 音海星吾は美術サークルに所属する大学生。中学生時代、不良に絡まれた星吾は、彼を助けようとして身代わりに刺された青年を見捨てて逃げてしまう。青年はその後死亡したため、星吾はネット社会を中心とした世間の誹謗中傷を浴び続ける。 大学入学後も星吾は心を閉ざして生きていたが、ある日、ホームから飛び降りようとした中年男性に「そんなに死にたいなら、夜にやってよ。朝やられると迷惑なんだ」と心無い言葉をぶつけてしまう。現場を目撃していた同じ大学の学生・紗椰にその言葉を批判されるが、それがきっかけで星吾は彼女と交流を持つようになる。星吾は心惹かれるようになった紗椰に思いを告げようとするが、自らの過去の重みのため、踏み出すことができない。コンビニのバイト仲間の吉田光輝、美術サークルの顧問・宇佐美ら周囲の人間との交流を通して、徐々に人間らしい心を取り戻しかける星吾。 そんななか、星吾を狙うように美術室の花瓶が投げ落とされ、さらに信号待ちの際、車道に突き飛ばされるという事件が起こる。星吾を襲う犯人の正体は? そして星吾の選択とはーー。 一度過ちをおかした人間は、 人を好きになってはいけないのだろうか。 魂を揺さぶるラストが待ち受ける、慟哭のサスペンス!
ぼくはたぶんゲームに向かってパスをだす。なぜならこれはぼくのゲームだからだ。大学受験に失敗し、浪人をしながらアルバイトを転々として暮らしている松永おん。かつて双子の弟がいたことから、自分は半分だけの存在だという意識を持って生きている。ある日、おんは高校時代の友人に誘われ、はじめてフットサルをする。それはおんにとって「まったく新しいなにか」だった。新時代の青春小説。
それは破滅への予兆か、人類への福音かーー。 電波天文台が奇妙な信号を捉えた。 調査の結果、三百万光年離れたM33さんかく座銀河からの人工的電波だとわかり、人類史上初めて地球外知的生命が確認されることとなった。 中学二年の芦川翔は、この人類史上最大の発見に大興奮するが、周囲の友人は冷めていた。 誰かと感動を分かち合いたい芦川は、高等部の先輩で天文学者を母に持つ男子生徒・朱鷺丘昴の存在を知る。 先輩なら、当然この大発見の意味も僕以上に理解しているはずだと確信し、朱鷺丘先輩に話しかけようと試みるが、先輩は極端に無口で滅多に人と交わらない変人だった……。 一方、宇宙から謎の信号を直接感知する人々が現れる。呼び集められた彼らは、ある実験を試みる……。 十七年後、研究者となった朱鷺丘が、シグナルの解析に成功する。 電波を発するようになって百年余りの人類に向けて、宇宙の彼方からシグナルを送り続ける「彼ら」の目的とは? 「彼ら」は地球にやってくるのか? 果たして人類の運命はーー。 『百年法』『代体』の著者が放つ“アオハル”SF長篇! 第一部 第一章 CONTACT 第二章 TRY 第三章 THEY 第二部 第一章 VISION 第二章 REIMS 第三章 REUNION 第四章 DIRAC 第五章 SIGNAL 終章 FUTURE
目覚めると何故か子犬になっていた俺。一方、元の身体は、眠ったままの俺に一目惚れしたという貴族・フェルディナントによって、彼の屋敷に運び込まれていた。人間の身体に戻るため、ペットショップを脱走した俺は、マッチョな騎士・アレックスに助けられ、彼に飼われることになり!?鋭いアレックスに、ただの子犬ではないことを見破られ、何とか意思疎通を図るために文字を覚えようとするも、「チビ」と優しく呼ばれ、アレックスの大きな手で撫でられると、ついうっとりとしてしまい…?
アンヌ・カペスタン警視正率いる特別班に、新たな殺人事件が舞いこんだ。被害者はパリ司法警察の元警視正で、捜査は捜査介入部、刑事部との三つ巴に。さらにこの被害者、アンヌの元夫の父親だった…!捜査を進める特別班はプロヴァンス地方の村とリヨンで起きた二つの未解決殺人事件に辿り着く。これらの事件を繋ぐ因縁とは?他部局よりも先に事件の真相に迫れるのか?自らを近世の銃士と信じ、パリの街中でポニーを駆る新メンバーも登場。パワーアップ、スピードアップした特別班の名捜査をご堪能あれ!
『侍女の物語』から十数年。ギレアデの体制には綻びが見えはじめていた。政治を操る立場にまでのぼり詰めたリディア小母、司令官の家で育ったアグネス、カナダの娘デイジーの3人は、国の激動を前に何を語るのか。カナダの巨匠による名作の、35年越しの続篇。
イルヴァーンでオフィリアの想いを知ったリディ。ヘンドリックとの兄妹のわだかまりを取り払うための話し合いに同席したヴィルヘルム王太子夫妻は、その席でイルヴァーンの王位継承に関して二人が納得する答えが出たことに安堵する。しかしそこでエドワードの謀略に気付いた矢先、オフィリアが行方不明になってしまいー!アベルの過去も明かされる、緊迫のシリーズ第4巻!
『韓人が鞍作の入鹿を殺した』日本書紀記載の乙巳の変描写の驚愕の真相が今解き明かされる。万葉集誕生の秘密に迫る歴史浪漫シリーズ第3弾。