2020年10月1日発売
あなたの書いたものは、良い小説ですか、悪い小説ですか。小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末はー。
助けてくれた青年を置き去りにしたことで被害者だったはずの少年は、世間から集中砲火を浴びた。大人になった今、心を閉ざした彼の身に危険な出来事が次々と迫るー。話題作『ジャッジメント』の著者が放つ哀しみと衝撃のミステリー!
ぼくはたぶんゲームに向かってパスをだす。なぜならこれはぼくのゲームだからだ。大学受験に失敗し、浪人をしながらアルバイトを転々として暮らしている松永おん。かつて双子の弟がいたことから、自分は半分だけの存在だという意識を持って生きている。ある日、おんは高校時代の友人に誘われ、はじめてフットサルをする。それはおんにとって「まったく新しいなにか」だった。新時代の青春小説。
電波天文台が三百万光年離れたM33さんかく座銀河からの人工電波を捉え、史上初めて地球外知的生命体が確認された。感動を分かち合いたい中学二年の芦川翔は、高等部の先輩で天文学者を母に持つ朱鷺丘昴の存在を知る。しかし朱鷺丘は極端に無口な変人だった。一方、宇宙から謎の「声」を感知する人々が現れる。呼び集められた彼らは、ある実験を試みた…。十七年後、研究者となった朱鷺丘が、電波信号の解析に成功する。人類に向けて、宇宙の彼方から信号を送り続ける“彼ら”の目的とは?
目覚めると何故か子犬になっていた俺。一方、元の身体は、眠ったままの俺に一目惚れしたという貴族・フェルディナントによって、彼の屋敷に運び込まれていた。人間の身体に戻るため、ペットショップを脱走した俺は、マッチョな騎士・アレックスに助けられ、彼に飼われることになり!?鋭いアレックスに、ただの子犬ではないことを見破られ、何とか意思疎通を図るために文字を覚えようとするも、「チビ」と優しく呼ばれ、アレックスの大きな手で撫でられると、ついうっとりとしてしまい…?
アンヌ・カペスタン警視正率いる特別班に、新たな殺人事件が舞いこんだ。被害者はパリ司法警察の元警視正で、捜査は捜査介入部、刑事部との三つ巴に。さらにこの被害者、アンヌの元夫の父親だった…!捜査を進める特別班はプロヴァンス地方の村とリヨンで起きた二つの未解決殺人事件に辿り着く。これらの事件を繋ぐ因縁とは?他部局よりも先に事件の真相に迫れるのか?自らを近世の銃士と信じ、パリの街中でポニーを駆る新メンバーも登場。パワーアップ、スピードアップした特別班の名捜査をご堪能あれ!
『侍女の物語』から十数年。ギレアデの体制には綻びが見えはじめていた。政治を操る立場にまでのぼり詰めたリディア小母、司令官の家で育ったアグネス、カナダの娘デイジーの3人は、国の激動を前に何を語るのか。カナダの巨匠による名作の、35年越しの続篇。
イルヴァーンでオフィリアの想いを知ったリディ。ヘンドリックとの兄妹のわだかまりを取り払うための話し合いに同席したヴィルヘルム王太子夫妻は、その席でイルヴァーンの王位継承に関して二人が納得する答えが出たことに安堵する。しかしそこでエドワードの謀略に気付いた矢先、オフィリアが行方不明になってしまいー!アベルの過去も明かされる、緊迫のシリーズ第4巻!
『韓人が鞍作の入鹿を殺した』日本書紀記載の乙巳の変描写の驚愕の真相が今解き明かされる。万葉集誕生の秘密に迫る歴史浪漫シリーズ第3弾。