2020年5月発売
正体不明の「病原体」アンドロメダ因子による人類絶滅の危機に、招集された4人の科学者たちが立ち向かった「第一次アンドロメダ事件」から50年ー。アメリカ、フェアチャイルド空軍基地にて“永遠の不寝番”計画は、アンドロメダ「病原体」が再び現れるのを監視し続けていた。計画が打ち切りになる直前、地形マッピングドローンが、ブラジルのジャングルにて奇妙な物質を検出、それはあの「病原体」と同じ科学的特徴を持っていた!この衝撃的な発見により、世界中から集まった多様な専門家による調査チームが、アマゾン密林へ派遣された…。人類は再び未曾有の脅威に立ち向かう!マイクル・クライトンの出世作にして革新的なテクノスリラーを、気鋭の著者が発展昇華した遺族公認の公式続篇。
ロボット工学者ジェイムズ・ストーン、材料科学・ナノテクロノジーの専門家ニディ・ヴェーダラら「ワイルドファイア計画V2」のメンバー4人と護衛部隊は、国際宇宙ステーションの宇宙飛行士ソフィー・クラインによる上空からのサポートを受けつつ、ブラジルのアマゾン奥地を目指した。無数のホエザルの死体を検分し、未接触部族の襲撃から逃れた調査隊のメンバーは、ついに怪現象の発見現場に到達する。そこにあったのは、見たこともない形状と性質を持つ漆黒の大構造物だった!アマゾンの密林から、正体不明の構造物の深部へ、そして宇宙へと話は導かれていく。そして、謎の「病原体」はかつてより進化し、人類を恐怖に陥れる…。『アンドロメダ病原体』原書刊行50周年企画、遂に登場!
人語を話す猫、蛾に話しかける妹、殺人ウイルス、繰り返される映像規制。人間が「食文化」で分断された世界。日本は肉食主義者と菜食主義者が対立する国になっていた。惑星srijpから日本に帰国して初めて状況を知ったなおゆきは戸惑い、次第に周囲とのズレを覚え始める。そんなある日、なおゆきはふとしたきっかけで「ベジタリアンの集い」に参加することになる。享受する側と、虐げられる側。この狂騒の果てに待ち受けているものとは。この物語はフィクションか、それとも未来への啓示か。平穏と狂気が交差する、次世代のエンタメ小説。
二〇五一年。日本は観光立国として成功を遂げ、福島第一原発の廃炉作業は終盤を迎えていた。おもてなしの店で働く妹と廃炉作業員として汗をながす兄の目を通して綴られる日本、そして福島再生の物語。「おもてなし」が切り拓く次世代の群像を表した近未来小説。
戦争で夫を亡くし足のケアサロンを営むペイジ。斜向かいに住む大学教師ベンの密かな楽しみは、ペイジの生活の一部始終を観察することだった。ある日ベンは、意を決し初めて店を訪れる。足を洗ってもらっているあいだに、ひとり語りを始め、忘れ得ぬ事故のことを打ち明けるベン。悲惨な体験を通して、孤独な二人の心は結びつくのだが…(「初心」)。人生の情景が鮮やかに浮かび上がる、めくるめく10篇。
民を想い、民を信じ、正義を貫こうとした青年武将は、なぜ稀代の悪人となったか?時は天正五年(一五七七年)。ある晩、天下統一に邁進する織田信長のもとへ急報が。信長に忠誠を尽くしていたはずの松永久秀が、二度目の謀叛を企てたという。前代未聞の事態を前に、主君の勘気に怯える伝聞役の小姓・狩野又九郎。だが、意外にも信長は、笑みを浮かべた。やがて信長は、かつて久秀と語り明かした時に直接聞いたという壮絶な半生を語り出す。大河ドラマのような重厚さと、胸アツな絆に合戦シーン。ここがエンターテインメントの最前線!
2018年、陸上日本選手権。ある選手の活躍が、観客を魅了する。7人制ラグビーの日本代表・神崎が円盤投に出場、日本記録に迫る成績を残したのだ。もし円盤投で東京オリンピックへの出場を手にすれば、1964年の東京五輪以来の奇跡ー。前代未聞の「二刀流」アスリートの登場に世間は熱狂、神崎は瞬く間にスターダムに駆け上がっていく。一方、新興スポーツ用品メーカー「ゴールドゾーン」の岩谷は神崎の才能に着目、彼のスポンサードに向けて動き出す。長年取材し続けた著者だからこそ到達した、スポーツの「本質」がここにある。
数年前に有名料亭の料理人をある事情から辞めた章は、素泊まり温泉旅館「猫柳苑」の食事処「ヒソップ亭」の主人に。厳選素材の料理に、名酒を揃える店は評判となるが、史跡めぐりの定年退職者、ひとり旅の女性、出張の中年男性など、店を訪れる客たちは様々な事情を抱えていて…。
幕府を倒すために、差別制度を撤廃すると約束した朝廷。民の安定のため、倒す鬼を選別していた幕府。五人衆のため。吉原のため。江戸のため。今度は、わっちが「鬼」になろう。物語は、いよいよクライマックスへ。
世紀末の今年、社会人生活4年目。まだ25歳だけど、直属の部下67人(年上の猛者ばかり)の、警察本部公安課長になる、らしい。最重要任務は、テロ防止と、絶対回収しなければならない「落とし物」-大先輩の(だけど部下の)相棒と一緒に、任務を果たす、僕は警察キャリア。2年未満をかぎりの、渡り鳥ですー選民思想、そして殺人容認思想。日本を窮地に陥れる可能性が高い、最凶カルトの総本山が、その県にはあった。赴任直前、恐るべき先制攻撃がー起こってはならない、毒殺テロ。発生場所は、警察本部のとある部屋だったー日本警察小説史に刻み込まれる、圧倒的な現実と、驚愕と、感動!
1999年、カリフォルニアで死んだ男が書き残した「アコーディオン弾きの息子」という回想録。親友である作家は、バスク語で書かれたこの手記を元に、彼ら二人の物語を紡ぎはじめる。死んだ幼なじみが、家族にも読めない言葉で綴り、向きあおうとした過去とは何だったのか。故郷の美しい自然、朴訥で生気あふれる人びと、名士として知られた幼なじみの父のもう一つの顔…。スペイン内戦とフランコ独裁、そしてテロの時代へ。暴力の歴史にさらされた若者たちの震える魂、痛ましい記憶を力強く繊細に描きだす。多彩な人物が躍動する、バスク語現代文学の頂点。
「文藝」86年ぶり3刷の2019年秋季号特集小説がパワーアップ!日韓最前線、12人の作家たちが響きあう。ベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョ・ナムジュが贈る、夫と別れたママ友同士の愛と連帯を描いた「離婚の妖精」をはじめ、覆面SF作家デュナ、松田青子による初邦訳作&書き下ろしを収録した決定版。
天才的な耳を持ち、人気ヒップホップグループで大活躍していた啓史。ところがメジャーデビュー直前に病で視力を失った。絶望の中、幼なじみの彩に連れられてブラインドサッカーと出合う。仲間との交流で少しずつ自分の居場所を見つけてゆくが、大舞台の最中に思わぬ事件に巻き込まれ…啓史は壁を乗り越え、自分を、そして仲間との絆を取り戻せるのか?超絶の“音”の世界で繰り広げられる、感動の青春ストーリー!
狙われた大学公印、学生自治会長選挙の不正疑惑、大学御用達の定食屋の後継者問題、女子生徒の洋服盗難、学生への不公平な単位付与ー森川とハンナが辿り着いた、事件の裏にある切なくて苦い真実の数々とは?優しい涙が溢れる傑作!
15万人のアフリカキャンプ難民が砂漠を超えてドイツへ向かって歩き出した!なんと50キロの行列を作って。テレビ史上最大のライブ・ドラマと化した大事件。世界の視聴者を巻き込み、ドイツ政府を恐怖に陥れ、国境封鎖か開放かに揺れる巨大スケールの小説。
東京の救命救急センターで働いていた、62歳の医師・咲和子は、故郷の金沢に戻り「まほろば診療所」で訪問診療医になる。「命を助ける」現場で戦ってきた咲和子にとって、「命を送る」現場は戸惑う事ばかり。老老介護、四肢麻痺のIT社長、6歳の小児癌の少女…現場での様々な涙や喜びを通して咲和子は在宅医療を学んでいく。一方、家庭では、骨折から瞬く間に体調を悪化させ、自宅で死を待つだけとなった父親から「積極的安楽死」を強く望まれる…。