2020年6月18日発売
すべてにおいて普通で、自分は“永遠の脇役”だと思っている高校生・影子。同じクラスには、世間を賑わすアイドルで、学校でも人気者の真昼がいる。そこにいるだけで目立つ彼は、まさに“永遠の主人公”。影子とは別世界すぎて親しく話したこともなかったが、一緒に図書委員をすることになったのがきっかけで、真昼の陰の部分を知ることになるー。読み終えた後、きっと世界が輝いて見える、希望の物語。
戦争、拷問、結核を超えキリストもマルクスも彼は信じない。仏像を床の間に置き天皇を叱る。一日に四百人の眼球を診察し茶碗が空を飛ぶ私小説を書いた。宇宙的私小説作家藤枝静男の人と文学。
現代、パリ。大きな挫折のあと、弁護士のソレーヌはある保護施設で代書人のボランティアをはじめた。女性会館というその施設には、暴力や貧困、差別のせいで住居を追われた人々が暮らしている。自分とはまるで異なる境遇にいる居住者たちの思いがけない依頼に、ソレーヌは戸惑った。それでも、一人ひとりと話して、手紙を綴るなかで、ソレーヌと居住者たちの人生は交わっていく。ここで自分の役割を見つけたと思った矢先、事件は起きた。約100年前、パリ。救世軍のブランシュは街中の貧困と闘っていた。路頭に迷うすべての女性と子供が身を寄せられる施設をつくるー彼女の計画は、ついに政治家・財界人も動かしつつあったが…。実在する保護施設と創設者を題材に、時代を超える女性たちの連帯を描く、『三つ編み』の著者による長篇小説。
1937年の大晦日、25歳のケイティはルームメイトのイヴと訪れたグレニッチ・ヴィレッジのジャズバーで、若き銀行家ティンカー・グレイと出会う。紳士的でチャーミングな彼との偶然の出会いは、つましく暮らしていた読書好きのケイティを、ニューヨークの上流社会への旅に導くことになる。ニューヨークの四季、そして30年代に生まれた文学や音楽の名作とともに綴られる、友情と恋愛、自尊心と臆病さが織りなす人間模様の行方は…。ベストセラー小説『モスクワの伯爵』の著者エイモア・トールズのデビュー長篇。
一九四八年、フランス。五ヵ月後の七十二歳の誕生日で引退することを決めた精神科医のもとに、最後の新患がやってくる。希死念慮や自傷の衝動に苦しむ彼女の名前は、アガッツ。カウンセリングを重ね、彼女に問いかけるなかで、精神科医は、患者の苦しみから目をそらし他者とのかかわりを避けてきたみずからの人生と、近づいてくる老いや死に対する恐怖を見つめなおす。デンマーク人臨床心理士による、孤独な魂の交流を描いた小説。
「わたしが取り返してほしいものとは…鶴屋南北なのです」不可解な依頼から事件に巻き込まれた森江春策。大道具の上に突如現れた男、振り子のような死に様、紙吹雪の中の女…鶴屋南北に操られているかのような連続死と芝居そのものの謎を追い森江は奮闘するのだが…。
東京の高級住宅街・松涛で窃盗事件発生との報を聞き、萩尾警部補は相棒の秋穂と現場に向かった。被害者でIT長者の館脇によると、盗まれたのは神から与えられたという伝説をもつ「ソロモンの指輪」で、四隠円かけて入手したものだという。キュレーターの音川は、指輪の盗難に暗殺教団が関わっており、館脇が命を狙われていると指摘。古代文明に精通した探偵・石神が館脇の警護につくがー。
侯爵家の嫡男として生まれたテオドールは、自分が異世界転生したことはわかっていても、そこが乙女ゲームの世界で、自分も攻略対象者のひとりだとは気づかずにいた。運命の相手・ミュリエルとも出会い、新しい人生を順風満帆に送っていたが、本人の意図しない行動が次々とシナリオ改変に繋がることに。乙女ゲームの世界に転生した自覚がある公爵令嬢のカトリーナやゲームのヒロインであるアイリーンが困惑する一方、魔王一派の暗躍はとどまることを知らず…!?風雲急を告げる待望の第3巻!
各種族を巻き込んだ争いも落ち着き、平和な日常を取り戻そうとするジル。およそ1年半ぶりにリビティウム皇立学園に戻ることが決まり、友人たちとの再会を果たすが、直後、ジルの父親であるオーランシュ辺境伯襲撃の噂を聞く。犯行声明を出した『亜人解放戦線』を調べるうちに、気になる人物の存在が浮かび上がる…。一方、学園では創立記念の皇華祭が賑やかに開催。皇華祭の『プリンセス』候補になったジルは、選考のための競技に参加することになってー!?「小説家になろう」の話題作、シリーズ書籍化第11弾!
ハリーたちは、分霊箱を探す旅の途中で、古い童話に記された伝説を知る。それは、ニワトコの杖、蘇りの石、透明マントという3つの「死の秘宝」。その一つを手に入れたヴォルデモートは、さらに勢力を増していく。死喰い人を総動員し、ホグワーツを包囲する。激しい戦いの中で、ハリーはついにすべての真相を知る。「一方が生きるかぎり、他方は生きられない」。最後に「死」を制する勝者は、はたして……。