2020年9月発売
孤独な青年・莉央は、自身と瓜二つの異世界の王子と人生を入れ替えられ、獅子王・アルヴァロの花嫁となる。言葉の通じない獣人たちの国で、虎の執事や兎の侍従たちに囲まれ、別人だと発覚するのを恐れた莉央は、王宮から逃走しようとする。傲慢だと噂の王子がわざと騒ぎを起こしたと思い込んだアルヴァロは、怒りのままに莉央と対面するが、怯えて泣くばかりの莉央を思わず抱き締めてしまう。莉央もまた恐ろしい見た目に反して優しいアルヴァロに惹かれていき…?
人工知能が台頭する世界で「命の意味」を問う、衝撃の近未来SFミステリー。ある事件をきっかけにPTSDに苛まれていた「僕」は、友人の住む東アジアの小さな島国、ウズマキ共和国へ向かう。“自殺が存在しない国”と呼ばれる一見平穏なその国は、人工知能によって管理された新共同体主義社会だった。
写真家の宗像は、偶然訪れたロンドンの画廊で、一枚の肖像画に心を奪われる。絵画の名は、夭折した謎多き天才画家ピエトロ・フェラーラの「緋色を背景にする女の肖像」。フェラーラの足跡を追い求めてたどり着いたポルトガルの地で、宗像は美術界を揺るがす秘密に迫っていた。一方、時を同じくして、ロンドンの高級住宅街の一角で大物美術評論家の遺体が発見されていたー。美術界と建築界に燻るスキャンダル。その深部と絵の謎が交錯していく。アートに翻弄された人々の光と影を描き出す、壮大なミステリードラマ。
第二次世界大戦で負けた日本には平穏が訪れた。ぼくは妹を守れなかった後悔と敵国アメリカへの復讐心に苦しんでいた。そんなある日、アメリカ人一家に住居を提供するためにぼくの家族は突然立ち退きを命じられる。ぼくの家に住むアメリカ人の少女へと、復讐の矛先を向けるぼく。しかし、復讐を遂げたぼくを待ち受けていたのは、少女からの手紙と一つの画鋲だった。画鋲に込められた少女の想いとは?
疫病による人類滅亡を予言した驚愕のSF 柴田元幸氏推薦! 2073年のサンフランシスコ港の近く。文明を知る、ただ一人の生き残りの老人が孫たちに、“赤死病”による人類滅亡と文明崩壊の過程を話して聞かせる。感染率が極めて高く、顔や体中が深紅の色に変わり、短時間で死に至る“赤死病”が2013年に大流行した。老人は当時27歳で大学教授をしていたが、講義中に学生が発症し、教授は「感染が疑われる者」として急に避けられるようになる。やがて疫病が終息し、そこに現れた世界とは……。 人口が急増した中国の絶滅を図るため細菌兵器による戦争を描いた衝撃のSF「比類なき侵略」、二作に連なる地球規模の文明観が展開されるエッセイ「人間の漂流」を併録。 解説=大矢健 「ジャック・ロンドンは現在を凝視し、過去を透視し、未来を幻視した。 だから彼が、二〇二〇年の世界を予見していたかのように思えても驚くにはあたらない。 ……まあでも驚くけど。」--柴田元幸氏
「船頭なんてカッコ悪い。俺は船頭には向いていない!」 やる気ゼロの青年が配属されたのは、 平安時代から続く渡し船の船頭だった。 東海日日新聞好評連載小説 もくじ 第一章 千年の渡し船 第二章 戦火の若者たち 第三章 川べりの桃源郷 第四章 渡し船が廃止⁉ あとがき
「日本の美」の源流をたどればそこに彼がいる。応仁の乱のさなか彼が構想した東山殿(銀閣)は、当代一流の才能を結集した一大文化プロジェクトだった。乱世にあって政治に背を向け、己の美意識を追求した室町幕府八代将軍・足利義政の理想と苦悩を直木賞作家が描き切る歴史長編小説。
千年後の時代に転生した最強の魔導士クルトと、 クラスメイトのララ、マリーズ、シンシアたちは、 ロザンリラ魔法学園の地下に存在する、 《宝物迷宮》の最下層・百層をとうとう攻略する。 学園長ディアナによれば、百層を攻略したのは、 クルトたちの他にはもう一人だけらしい。 そのもう一人である、 大賢者アヴリルに会いに行くことにしたクルトたち。 だが、出会ったアヴリルは、どう見てもいたいけな幼女で……!? 最強魔導士の転生無双ファンタジー第三弾!
九州北部にある人口300人の小さな星母(ほしも)島。 そこで育った千尋は1年前に戻ってきて、託児所を併設した民宿を営んでいた。 島には「母子岩」と呼ばれる名所があり、家族・子供・友達のこと……悩みを抱えたひとびとがそのご利益を求めて訪れる。 複雑な生い立ちを抱える千尋は、島の人達とお客さんと触れ合いながら、自らの過去と今を深く見つめていく。 明日への新しい一歩を踏み出す「強さ」と「やさしさ」が心に沁みる、書き下ろし長篇小説。
養父カエサルを継いで地中海世界を統一し、ローマ帝国初代皇帝となった男。世界史に名を刻む英傑ではなく、苦悩するひとりの人間としてのその生涯と、彼を取り巻いた人々の姿を稠密に描く歴史長篇。『ストーナー』で世界中に静かな熱狂を巻き起こした著者の遺作にして、全米図書賞受賞の最高傑作。資料を読み込み、調査を進めるかたわら、その車でイタリア各地はもちろん、ローマ時代にマケドニア属州であったトルコやユーゴスラビア、さらにギリシャの島々も訪れた。登場人物たちが生きた土地の「空気感を味わいたかった」のだという。(…)それはみごとに成功した。読者は史実がわかっていてもなお、彼らの“いま”を感じ、登場人物のひとりひとりが胸にいだく希望や不安や恐れを身近に感じることができるのだ。しかしそれも、背景が生き生きと描写されているからこそ可能なのだろう。物語全体がひとつの生き物のように、圧倒的なスケールとパワーをもって息づいている。(「訳者あとがき」より)
池袋のアパートでシングルマザーの死体が発見された。真っ先に現場に駆けつけた神崎と黒木は、残された幼い娘を前に犯人検挙を誓う。ところが翌日、2人は突然、捜査本部から外されてしまいー。「池袋の治安を守るのは俺たちの仕事だ。困っている人がいたら見過ごすわけにはいかないだろ」。ドラマ原作、シリーズ最新作。
日本初の女性海保潜水士、挑戦と勇気の物語。 “初”だからこその悩みと光。絆の大切さを感じられる、感動の物語です!-岩崎恭子さん(オリンピック200m平泳ぎ金メダリスト) 母なる海の守護神たらんとする海上保安官の心を描いた傑作だ。-佐藤雄二氏(元海上保安庁長官) 女性の自立と家族愛は超ハートフル、手に汗握るサスペンスはVRシネマ級! (あらすじ) 女性初の潜水士として注目を集める、横浜海上保安部所属・忍海愛。兄は特殊救難隊、父もベテラン海保潜水士で血筋は折り紙付き。しかし、愛は現場には気を使わせるお荷物だ。覚悟して海に対峙する愛を待ち受けていたのは、とんでもない事件だった。 推薦・感動の声続々!! 期待を浴びて華麗にデビューした海の蝶。 音も色もない水の中で感情は研ぎ澄まされ、 喪失のトラウマは怪物となって命を脅かす。 それでも潜らなければならない理由がある。 覆すのは常識だけではない。救うのは人の命だけではない。 プロフェッショナルとしての決意と覚悟が伝わる。 前代未聞の感動がここにある! 内田剛氏 (ブックジャーナリスト・本屋大賞実行委員会理事) 「足かけ二年に渡る海上保安庁取材で見聞きした海上保安官の精神『正義仁愛』こそが、この本のテーマであり、矜持です」-吉川英梨(著者)
ドイツの富豪の跡継ぎが惨殺された。捜査にあたるのは過去の事件で心身に傷を負い、復帰したばかりのニエマンス警部。彼は新たな相棒とともにドイツに飛び、真相を追うが……。『クリムゾン・リバー』のニエマンス警部再登場! フランスの鬼才によるミステリ
1990年、トルコ。イスタンブルの路地裏にあるごみ箱の中で、娼婦が息絶えようとしていた。死後も続く10分38秒間の意識の中で、彼女は、5人の友人とひとりの最愛の人と過ごした日々を思い出す。居場所のない街の片隅でみつけた、汚れなき瞬間を映し出した物語
ーー闇の虐待ショーをぶち壊せ! ダークウェブの深奥にある「逆隊コロシアム」。 通常の手段ではアクセスできないサイトでは、 競うように児童虐待動画がアップされている。 「逆隊コロシアム」を潰して、 その一部始終をドキュメンタリーにしたいという テレビ・ディレクターの梅原から依頼を受け、 3人の虐待サバイバーの若者とともに 調査に乗り出したマコトは、 ある日テレビで見た子どもの虐待死のニュースが、 「逆隊コロシアム」の動画に映っていた少女のことだと気づく。 小さな命を救えなかった悔しさと怒りを胸に、 マコトはタカシや仲間たちと 巨大なウェブに巣くう獣たちに戦いを挑む。 表題作のほか、 池袋の路上で繰り広げられたタピオカ抗争の顛末、 日本屈指のラブホ街を狙った強盗団との闘い、 恋人のいない若い女性を狙ったバースデイコール詐欺を描いた4編を収録。 累計430万部突破のIWGP16弾!
シリーズ累計150万部突破! 「八咫烏シリーズ」第2部、ついに刊行開始 「この山を売ってはならない理由が分かるまで、売ってはいけない」 資産家である養父の奇妙な遺言とともに、ある「山」の権利を相続した安原はじめ。その途端、彼のもとに「山を売ってほしい」という依頼が次々と舞い込み始める。この山には一体、何が隠されているのか? その答えを知っていると囁く美女に誘われ、山の内部に入ったはじめは、そこで信じられないものを目にするーー。 舞台は東京から、八咫烏たちが住む異界「山内」へ。猿との大戦(『弥栄の烏』)より20年の時を経て、いま再び物語が動き始める。 動乱の時代を生き抜いた八咫烏たちの今。そして新たなる世代の台頭。第1部以上のスケールを持っておくる傑作異世界ファンタジーです。