2020年9月発売
魔王軍元四天王のアメリアを雇い始めたノンの治療院だったが、近ごろ平和すぎて経営が傾き気味。そこでノンは運転資金を稼ぐため出張営業を始めるが、訪問先に現れたのはかつて自分を追放した勇者パーティーのメンバーだった。何でもリーダーのマリンを助けてほしいと言うのだが…。憎きマリン。しかしノンは彼女のために一肌脱ぐことを決意する。
藤堂直哉が異世界に転移してから一年が経とうとしていた。男女13人の神候補たちは突然届いた神からの招待状に従い神界へと招集される。ささやかな宴が催され久々の再開に沸き立つ神候補たち。しかし団欒も束の間、神候補たちでパーティを結成し、ダンジョンの最深部を目指すことに!!最強装備片手に複製能力でやりたい放題!
“眠らない迷宮”と呼ばれるツボルト迷宮に挑んだレカンとアリオス。最強の武器を手に入れるため迷宮踏破を目指して進んでいくレカンはニケの愛剣である“彗星斬り”を手に入れる。ついに最強の剣を持つことができたと喜ぶレカンに剣を賭けて決闘の申し込みがくる。その相手は同じ“落ち人”の冒険者ゾルタン。己の強さと自由を求めて“狼”は戦うー!
年末の大掃除に勤しむデクたち雄英高校A組の生徒たち。そんな中、ゴミ捨て場で地下に広がる謎の通路を発見する。 奥に進むとそこは、ダンジョンのような作りになっており…!? 他、サンタに扮する教師たちや轟家の年越しなどをお届け!!
不美人な妾ばかりを囲う六兵衛。その一人、先行きに不安を覚えていたりきは、六兵衛が持ち込んだ張形に、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして…(「閨仏」)。飯屋を営む与吾蔵は、根津権現で小さな女の子の唄を耳にする。それは、かつて手酷く捨てた女が口にしていた珍しい唄だった。もしや己の子ではと声をかけるがー(「はじめましょ」)他、全六編。生きる喜びと哀しみが織りなす、渾身の時代小説。第164回直木賞受賞。
世界のベストセラー作家が、シェイクスピアの名作を語りなおすシリーズ第一弾。 M・アトウッドによって、傑作『テンペスト』が現代に蘇る! 『テンペスト』の演出に心血を注いでいた舞台芸術監督フェリックスは、ある日突然、部下トニーの裏切りにより職を奪われた。失意のどん底で復讐を誓った彼は、刑務所の更生プログラムの講師となり、服役中の個性的なメンバーに、シェイクスピア劇を指導することに。 12年後、ついに好機が到来する。大臣にまで出世したトニーら一行が、視察に来るというのだ。披露する演目はもちろん『テンペスト』。フェリックスの復讐劇の行方は!? --天才シェイクスピアと現代文学界の魔女アトウッドの才気が迸る、奇跡のような物語の誕生! 【著者略歴】 マーガレット・アトウッド カナダを代表する作家・詩人。その著作は小説、詩集、評論、児童書、ノンフィクションなど多岐にわたって60点以上にのぼり、世界35か国以上で翻訳されている。1939年カナダのオタワ生まれ。トロント大学、ハーバード大学大学院で英文学を学んだ後、カナダ各地の大学で教鞭を執る。1966年に詩集「The Circle Game」でデビューし、カナダ総督文学賞を受賞。1985年に発表した『侍女の物語』は世界的ベストセラーとなり、アーサー・C・クラーク賞と二度目のカナダ総督文学賞を受賞。1996年に『またの名をグレイス』でギラー賞、2000年には『昏き目の暗殺者』でブッカー賞、ハメット賞を受賞。2016年に詩人としてストルガ詩の夕べ金冠賞を受賞。そして2019年、「The Testaments」で2度目のブッカー賞を受賞した。トロント在住。 【訳者略歴】 鴻巣友季子(こうのす・ゆきこ) 翻訳家・文芸評論家。1963年東京生まれ。訳書『恥辱』『イエスの幼子時代』『イエスの学校時代』J・M・クッツェー、『昏き目の暗殺者』M・アトウッド(すべて早川書房)、『嵐が丘』E・ブロンテ、『風と共に去りぬ』M・ミッチェル(ともに新潮文庫)、「灯台へ」V・ウルフ(河出書房新社 世界文学全集2-1収録)など多数。編書に『E・A・ポー ポケットマスターピース』(共編、集英社文庫ヘリテージシリーズ)など。『全身翻訳家』(ちくま文庫)、『翻訳ってなんだろう?』(ちくまプリマー新書)、『謎とき「風と共に去りぬ」』(新潮選書)ほか、翻訳に関する著作も多数。 【原書】HAG-SEED
舞台はニューヨーク。青年技師マック・アランには、長年温めていた壮大な計画があった。アメリカとヨーロッパを24時間で結ぶ“大西洋横断海底トンネル超特急プロジェクト”-。老獪な大銀行家ロイドの協力を仰ぎ、投資家からの資金集めに成功する。完成期限は15年…。未曽有の大工事に18万人の労働者を動員、人類史上かつてないプロジェクトがはじまった。爆発事故の大惨事、株の取り付け騒ぎ、労働者の暴動…。技師マック・アランがトンネルに捧げた挫折と歓喜の四半世紀を描く、ドイツSFの嚆矢!手塚治虫、筒井康隆両氏のエッセイも収録。
転校先でサッカースクールに入ることになった小学5年生のぼく。コーチに大変なミッションを与えられたり、仲間とケンカもしたけど、サッカーが、ぼくにいろんなことを教えてくれたー。
三上啓介は、センサー技術に特化したセンテック社に勤めている。南アフリカ地域への輸出問題をきっかけに、三上は営業課へ異動となり先輩である山田、結城に教わりつつ貿易実務について学びはじめる。センサー業界での主導権を握りたいと考える商社・白角商事からの数々の圧力や嫌がらせを乗り越え、三上は一人前に成長できるのかー。
恋に落ちること、それは事故に遭うようなものだ。いつ、どこで、誰の身にそれは降り掛かってくるか分からない。誰にも止めることができない。出会ってしまえば、それは運命である。ある人妻が切なくも激しく追い求めた、真実の愛とはー。
魔石作りの天才少女エルは大切な師や家を失い、苦難の旅の末に王都でダークエルフの魔技巧士イングリットと運命の出会いをはたす。2人で魔石工房を開き、平和な暮らしを送っていたエルだったが、突如、自身が国中に広まる疫病の原因だと濡れ衣を着せられてお尋ね者となってしまう。王都までの旅の途上で出会った紳士に保護され安堵したのも束の間、エルは行方不明の父、そして自身の出生にまつわる悲劇について、衝撃的な真実を知らされるー!
持ち前の回復スキルを活かして世界一の回復術師を目指していたパック。国一番の救護院に職を得たものの、来る日も来る日も腹黒聖女モリヤに無理難題を押しつけられ、こき使われた挙げ句に無能と罵られて追い出されてしまう!失意に落ち込むパックだったが、幼馴染の少女剣士リリに励まされて共に冒険者として活動を始める。そんな再スタートを切ったパックはやがて大業を成し、人々に大いなる癒やしを与える存在になるのだったー!
伯爵令嬢にはめられ、濡れ衣なのに王太子から婚約破棄されてしまった令嬢・ペトラ。国外追放されて人生詰んだと思いきや、ひょんなことから魔法家畜たちの牧場を任され、隣国でスローライフを満喫することに。するとある日、ペトラがとある偶然の産物を生み出して、牧場は大繁盛!?ストレスゼロ&のんびり平和な牧場ライフで、王太子と伯爵令嬢をぎゃふんと言わせてみせます!
友愛でも共感でもなく、この刹那に集う女たち。作家志望のライター美玖、共働きで女性誌の編集をつづける弓子、インテリアデザイナーのユリ。都内きってのナンパ街となった銀座のコリドーで、三人は互いのプライベートに踏み込まない距離感を保ちながら、この場かぎりの「ともだち」として付き合いをつづけている。気ままな飲みともだちに見えるが、彼女たちが抱える虚無は、仕事でもプライベートでも、それぞれに深い。結婚したばかりの男に思いを寄せ、不倫によって日常が一変する美玖。サレ妻となった弓子は、夫の監視に疲弊しながら仕事と家庭と自尊心を守ることに必死だ。ユリの生活はリア充に映るが、まったく不透明で真実を見通すことができない。愚かしく、狂おしく、密やかにーー彼女たちの日常にひそむ罠と闇と微かな光。女性の生き辛さと新たな連帯をを鮮やかに切りとる著者の到達点。
知らないのは、人間だけー。どのくらい時間が経ったか分からなかったけど、急に目が覚めた。何かを聞いたのだ。ガラス戸からの薄明かりの中で、息を殺して聞くと、確かにカローン、カローンという音がはっきり聞こえた。「何、これ」と、寝たまま、天井に向かって小さな声で言ってしまった。「うん、何だろう」トトの声が斜め上から聞こえ、彼がすでに窓際に立って外を見ているのが分かった。音はだんだん大きくなり、違う音も混ざってくるような気がした。絶対にこの家の中から聞こえると思った。