2020年9月発売
「あの日」から、世界は変わった 実力派の脚本家が書き下ろした、 愛と欲望渦巻くサスペンスの傑作!! はじまりは、美人研究者による新物質発見の記者会見だった。 だが次々に明らかになる論文不正は、ついに最悪の事態を迎える。 いったい彼女は、絶世の天才科学者か、世紀の悪女かーー。 モテ薬は本当にあるのか、論文の不備が示唆するものとはーー。 関係者の証言を積み重ねて浮かび上がる衝撃の真実から目をそむけてはいけない! 「一粒の薬が人の心をコントロールする。 この世に、そんな薬が現れたらとしたら いったい私たちはどうなると思いますか?」--本文より 著者略歴… 旺季志ずか(おうき・しずか) 徳島県阿南市出身。立教大学卒業後、脚本家に。テレビドラマ脚本に「特命係長只野仁」「カラマーゾフの兄弟」「ストロベリーナイト」「屋根裏の恋人」「女帝」「佐賀のがばいばぁちゃん」 など多数。また小説『臆病な僕でも勇者になれた七つの教え 』刊行、古事記ミュージカル『天の河伝説』の作・演出、2018年からは吉本坂46メンバーとしてもCDをリリースするなど幅広く活躍。
ギタリストの倉石が、マドリードの古本屋で入手した古楽譜の束。その裏には、十九世紀の文豪ホフマンの行動を辿る謎めいた報告書が綴られていた。倉石の妻・麻里奈の依頼を受け、古閑沙帆はドイツ文学者の本間に、古文書の解読を託すが…。解読が進むにつれて、ホフマンの知られざる人生と共に、彼ら自身にも繋がる不可解な暗合と因縁が浮かび上がる。この古文書は一体ー?予測不能の結末68頁は袋綴じ仕様。
今度こそ、大切な人を守りたいーあの夏、逃避行の果てに、流花は自ら命を絶った。そして十三年後、生き写しの瑠花が現れる。破滅に向かう瑠花と同級生の武命。千尋は、中学時代の十字架を乗りこえて二人を教えるか。戦慄の決行日は二学期の始業式。命を懸けた、ひと夏の闘いが始まる。
ジョン・ソーンダイク博士は、20世紀初めに数多登場したシャーロック・ホームズのライヴァルたちの中でも最も人気を博した名探偵である。当時最新の科学知識を犯罪捜査に導入、顕微鏡をはじめ様々な実験器具を用いて証拠を調べ、事件の真相をあばいていく法医学者ソーンダイクの活躍は読者の喝采を浴びた。また短篇集『歌う骨』では、最初に犯人の視点から犯行を描き、次に探偵が手がかりを収集して謎を論理的に解き明かす過程を描く「倒叙ミステリ」形式を発明した。真相解明の推理のロジックに重きを置いた作風は、現在も高く評価されている。本全集は、ソーンダイク博士シリーズの中短篇42作を全3巻に集成、初出誌から挿絵や図版を収録し、完全新訳で贈る、探偵小説ファン待望の決定版全集である。 第1巻は、「アルミニウムの短剣」他の有名作を含む記念すべき第一短篇集『ジョン・ソーンダイクの事件記録』(1909)と、倒叙形式の発明でミステリ史における里程標的短篇集『歌う骨』(1912)に、作者自身による名探偵紹介「ソーンダイク博士をご紹介」を収録。 《ジョン・ソーンダイクの事件記録》 まえがき 鋲底靴の男 よそ者の鍵 博識な人類学者 青いスパンコール モアブ語の暗号 清の高官の真珠 アルミニウムの短剣 深海からのメッセージ 《歌う骨》 まえがき オスカー・ブロドスキー事件 練り上げた事前計画 船上犯罪の因果 ろくでなしのロマンス 前科者 付録 ソーンダイク博士をご紹介 解説 渕上瘦平
死と破壊、そして革命。 人々は今日をどのように記憶するのか。 「セウォル号沈没事故」「キャンドル革命」という韓国で起きた社会的激変を背景に、人が人として生きることの意味を問う最新作。 多くの人命を奪った「セウォル号沈没事故」、現職大統領を罷免に追い込んだ「キャンドル革命」という社会的激変を背景にした連作小説。 孤立し、閉塞感が強まる日常の中で、人はいかに連帯し、突破していくのか? 行く先に真の〈革命〉はもたらされるのか? 私たちが望む未来とは? ーー人は誰もが唯一無二の存在という事実をあらためて突きつけていく。 デビューから15年。たくさんの読者を獲得すると同時に、文壇の確固たる支持を受け、名実ともに韓国を代表する作家となったファン・ジョンウンが放つ、衝撃の最新作。 「d」と「何も言う必要がない」の2作品を収録。 2019年〈小説家50人が選ぶ“今年の小説”〉第1位に選出。5・18文学賞、第34回萬海文学賞受賞作。 ・d ・何も言う必要がない ・あとがき ・日本の読者のみなさんへ ・訳者解説
獣頭アルファの王が支配するバシュロ王国。年老いず何代もの王に仕える異端のオメガであるリュリュは、王子ラウールの守り役でありながら、現国王に淫らなオメガの身を嬲られる快楽から逃れられずにいた。だが、成人を迎えたラウールに召された閨で「俺が王になりお前を王妃にする」と思いを告げられ、彼の楔からほとばしる熱を最奥で受ける喜びを知ったリュリュは、ラウールの未来を案じ王宮を去る決意をする。自分に宿る新しい命に気が付かず…!?
パンデミック到来! 自粛するしか手立てはないのか! ウイルスと人間との攻防を描いた17世紀の記録小説が現代新訳に。 “自粛する”しか手立てはないのか! 17世紀、ロンドンで10万人の死者を出したペスト。都市は閉鎖され、政府は自粛を要請、それでも感染はとまらない。病院は死体であふれだす。ウイルスという見えない敵に恐怖する人々。公文書や膨大な記録を基に再現されたあまりにも現代的な記録小説が、平易でわかりやすい現代語訳で登場! 18世紀に書かれた現代の予言書!
現代台湾文学選、始動。 近代台湾史を貫く民草の悲哀を重層的に捉えた作品だ。勇気と保身、執着と後悔、正義とその代償。何かを得るために何かを失うのが人生なのだとしたら、彼らは誰ひとり間違ってなどいない。 ーー東山彰良(小説家) よどみなく流れる物語に心を打たれる。徐嘉澤は優れたストーリーテラーなのだ。そして知らぬ間に読者は、複雑で入り組んだ台湾の歴史の記憶のなかに引きこまれてゆく。 ーー郝譽翔(作家) 『次の夜明けに』は徐嘉澤の野心作である。台湾の大きな歴史と個人のささやかな欲望を一本の辮子(ピエンツ:お下げ)あるいは鞭子(ピエンツ:鞭)へと巧妙に編み上げて、苦悶の暗黒時代のなかに、ヒューヒューと音をたてながら、一すじ一すじの光明の所在を明らかにしていく。 ーー紀大偉(作家) 台湾の新世代作家の一人、徐嘉澤 本作が本邦初訳 1947年、二二八事件に始まる台湾激動の頃。民主化運動で傷つき、それまでの生き方を変えなければならなくなった家族。新聞記者の夫とともに、時代の波に飲まれないよう、家族のために生き、夫の秘密を守り続けて死んでいった春蘭(チュンラン)。残された二人の息子、平和(ピンホー)と起義(チーイー)は、弁護士と新聞記者として、民主化とは、平和とは何かを追求する。起義の息子、哲浩(ジョーハオ)は、歴史にも政治にも関心がなく、ゲイだと告白することで一歩を踏み出す。三代にわたる家族の確執を軸に、急激に民主化へと進む時代の波に翻弄されながらも愛情を深めていく一家の物語。
VRMMORPG「ドールズ・オーダー」の世界で、強敵ズィークに勝利し、虐げられていた戦闘妖精9号を救出したいろは。新たな主となったいろはの元で9号はナインと名を改め、戦闘妖精ミコトとともに、修行におしゃべりにケンカに(?)励む日々を過ごしていた。そんなとき、いろはは大規模なレイドイベントが実施されることを耳にする。レイドイベントに挑むため、いろははミコトのレベリングを開始。二人は修行先で、とある一体の正体不明のナイトメアと遭遇する。強敵だがぎりぎり勝てない相手ではないと踏んだミコトが、拳で相手を捉えたと確信した瞬間ー敵の凶器がミコトの瞳を貫いてしまう!
剣と魔法で戦う仮想現実“アナザー・フロンティア・オンライン”で、総額50億円の賞金が貰えるクラン戦争が開催された。誰もが優勝を目指す中、とあるプレイヤーのハヤトは所属クランを追放されてしまう。生産職ゆえ戦闘力がなく、ひとり頭を抱えていたがーふと、NPCを仲間にできないかと思いつく。料理、鍛冶、製薬、木工など、あらゆる生産系スキルを駆使して勧誘を開始!結果集まったのは、食いしん坊の駄メイド、シスコンの傭兵、手癖の悪い執事と、どいつも癖のある厄介者ばかり。こんな奴らで大丈夫かよ、と胃を痛めるハヤトをよそに、ここに史上最強(?)の急造チームが誕生!果たして彼らは勝ち進むことができるのか!?熾烈な戦の幕が上がる!訳ありどものVRMMOファンタジー!!
月の欠片が地球に旅をした。そこは、広大久遠の銀河の一点に浮かぶ生命の星。46億年前に生まれ、やっと20万年前、人が大地を歩いていた。23,000分の1(20万年/46億年)の時間で人は、地表を作り変え、文明を築き、宇宙にも少し飛び出した。一方で、貧困も犯罪も戦争も絶えない。核兵器もなくせない。なぜ悪があるのだろう?しかし、人は疑いを振りほどき、生活に追われ、学校に職場に向かう。命が尊いって本当だろうか?なぜ悪があるのだろう?月が、捨て犬のポチが、鶏のタマ子が、熱くしなやかに答えを探ります。
第一次大戦期の英仏を舞台にした傑作長編四部作の最終巻。ウエスト・サセックスの田園風景を背景に、主人公たちの生き様を通して、戦後英国の変容を描く。イギリスBBCとアメリカHBOが、Parade's Endの題名でドラマ化。 主要人物一覧 第一部 第二部 訳者あとがき 訳注
<b>その道は、韓国・済州から九州、東北へ繋がり、 さらに海を越えていくーー。 民主化運動から「済州オルレ」まで ソ・ミョンスクの激動の人生! </b> 家々の庭先から村の通りへとのびる小道、それを済州島では「オルレ」と呼ぶ。 暮らしとともにあるその道は、私的空間と公的空間を結ぶ道でもあった。 2007年、歩くことに魅せられたひとりの女が トレッキングコースに「済州オルレ」という名をつけた。 オルレのひとつずつは細く短くもあったが、 それらが少しずつつながることによって 誕生から5年で、島を一周できるまでになった。 女ひとりではじめたつもりだったが、 いつしか家族を巻き込み、 気づくと済州海洋警察や西帰浦市庁を動かしていた。 アショカ財団が選定する、社会に変革をもたらす 〈世界有数の社会起業家〉である アショカ・フェローにも、韓国ではじめて選ばれた。 オルレはやがて海を越えて日本へとわたり、 2012年には九州オルレ、2018年には宮城オルレが誕生した。 その地ならではの風土、海山の姿、人の温もりとともに歩くオルレに、 今日も多くの人が集い、汗を流し、風に吹かれている。 ...................................................... 〈はじまりの人〉は新しい発想と実行力で 私たちの人生をより豊かにしてくれた人々を紹介する、 クオンのノンフィクション・シリーズです。 ...................................................... CHAPTER 1 済州の娘 CHAPTER 2 激動の渦 CHAPTER 3 次なるステージ CHAPTER 4 歩く人 CHAPTER 5 道をつなぐ CHAPTER 6 声なき声 CHAPTER 7 オルレ旋風 あとがき 訳者あとがき 著者紹介 訳者紹介 カバー裏面:済州島オルレマップ一覧