2021年1月28日発売
長男の智晴を産んだ由紀子は、優しい夫と義理の両親に囲まれ幸せな家庭を築くはずだった。しかし、双子の次男・三男が生まれた頃を境に、次第にひずみが生じていく。死別、喧嘩、離婚。壊れかけた家族を救ったのは、幼い頃から母の奮闘を近くで見守ってきた智晴だった。智晴は一家の大黒柱として、母と弟たちを支えながら懸命に生きていく。息苦しいこの時代に、一筋の光をともしてくれる家族の一代記。
ムーミンママの明るくてほっとする一言にいやされましょうームーミン谷の知恵をいっぱいつめこんだ、あなたへの一冊。
小田原を抜けてしばらく経った頃、国道沿いに元プロレスラーが営む「ルート517」という店が見えてくる。 ドライブインというより、大衆食堂というのにピッタリなため、「国道食堂」という名もある。 この店の食事は、どれも美味しいが、ちょっと変わっているのは、プロレスのリングがあること。 さまざまな人々が集うこの店には、偶然か運命のいたずらか、とんでもないことが起きることがあって……。 好調シリーズの続篇刊行! CONTENTS 黒岩蘭子 三十三歳 トラックドライバー 加藤和美 三十八歳 保険外交員 池野美智 三十四歳 総合商社徳萬 アグリビジネス部一課マネージャー 高幡しずか 三十六歳 ネイチャーフォトグラファー 賀川みさ子 七十一歳 〈国道食堂〉従業員 賀川ふさ子 七十一歳 〈国道食堂〉従業員 鈴木みのり 二十四歳 株式会社日番印刷 インハウスデザイナー 桜川順子 三十六歳 巡査部長 武蔵野警察署大尽稲荷前駐在所 育休中 小村美也 十七歳 治畑市立東第一高校三年 久田亜由 二十七歳 株式会社ニッタ 機器オペレーター 夏川伊久美 六十九歳 元女優 有宮波乃 三十四歳 茶道講師 高幡しずか 三十六歳 ネイチャーフォトグラファー 黒岩蘭子 三十三歳 トラックドライバー 二方将二 二十九歳 マンキュラスホテル東京 料飲部企画課ディレクター 二方一(将一) 三十四歳 俳優 本橋十一 五十八歳 〈国道食堂〉店主(元プロレスラー) 黒岩蘭子 三十三歳 トラックドライバー
母と父代わりの伯父に会わせるため、初井希美は婚約者の千住光一を待っていた。だが時間になっても現れず、彼はそのまま姿を消した。光一は限界集落をテーマにしたフォトエッセイを連載しており、ふたりは結婚後、地方移住の計画を立てていた。自宅のPCに転送された写真を手がかりに、光一の妹・美彩と足取りを追う途中、希美は光一の元交際相手・優子も失踪していることを知る。二人は一緒なのかー?悲しみと怒りを抱えつつ婚約者の足跡を追う女性がたどり着いた衝撃の真相!『白砂』の乱歩賞作家が放つ書下し社会派サスペンス。
鬼一族の頭領息子・タオジロウのもとにやってきた美少女ナナカ。実は彼女は借金のカタに貴族の実家から売り飛ばされたという。実家に残してきた妹を守るため、何でもする覚悟でやってきたナナカをタオジロウが優しく包む。思いやりにあふれたタオジロウやその家族に心を開いていくナナカだが、それを阻むのは…!?鬼の少女と美少女のいちゃラブ和風ファンタジー開幕!!
1969年、ひとりの大学図書館員がサンフランシスコを訪れた。数百年ものあいだ行方不明の貴重な書物(予言の書という説も!)を見つけ出す使命を帯びて。エイジャックス・ペナンブラという風変わりな名前ののっぽの青年は、手がかりを求めて街中をさまよった末、真夜中に一軒の小さな書店に行き着く。薄暗い店内に異様に背の高い本棚が並ぶその“二十四時間書店”は、店名どおり終日休まず営業していたー“二十四時間書店”の誕生秘話をまじえて語られる、本にまつわる少し不思議な冒険の物語。本と書店を愛するすべての人に贈ります。
死神から与えられた余命十五秒をどう使えば、「私」は自分を撃った犯人を告発し、かつ反撃できるのか?被害者と犯人の一風変わった攻防を描く、第十二回ミステリーズ!新人賞佳作「十五秒」。犯人当てドラマの最終回、エンディング間際で登場人物が前触れもなく急死した。もう展開はわかりきっているとテレビの前を離れていた十五秒の間に、一体何が起こったのか?過去のエピソードを手がかりに当ててみろと、姉から挑まれた弟の推理を描く「このあと衝撃の結末が」。“十五秒後に死ぬ”というトリッキーな状況設定で起きる四つの事件の真相を、あなたは見破れるか?期待の新鋭が贈る、デビュー作品集。
「下意上達」の組織作り、世界初の児童手当、理想の藩校の創設ー何よりも「人」を大事にしたすごい名君がいた!ベストセラー『小説上杉鷹山』の著者が描く、鷹山の兄にして高鍋藩第七代藩主・秋月種茂(鶴山)の生涯とは。
働きながら幼い息子を育てるシングルマザーのマリサは、次の仕事場である高級ホテルに到着し、愕然とした。そこは、5年前にひと目で恋に落ちた大富豪ローマンと出会い、彼にそっくりな愛しい我が子を身ごもった場所だったのだ。その直後、なんと当のローマンがいきなりホテルに現れ、最近になって自分には息子がいることを知った、と言う。ああ、ついに秘密が漏れてしまった…おののくマリサに、子供は持たない主義だと明言していた彼は、脅すように言った。「息子はどこだ?僕から奪った4年の埋め合わせをしてくれ」
貧しい給仕係サーシャはパーティで大富豪アポロに見初められ、めくるめく熱い夜を過ごすが、翌朝、事態は一変する。ギリシアの神のごとく尊大な彼の不興を買い、部屋から叩きだされたのだー純潔を捧げたというのに。数カ月後、彼女は事故に遭い、病院のベッドで目を覚ました。傍らで見守る男性は夫だという。あれは…アポロ?それ以外のすべての記憶を失ったままサーシャは退院し、アポロの屋敷へ赴くが、なぜか彼も使用人たちもよそよそしい。私はほんとうに彼の妻なの?サーシャは不安に身を震わせた。
海辺の村に育った素朴な娘コーデリアは、嵐で転覆したボートから落ちて溺れた男性を助け、彼が意識を取り戻すまでの数日間、懸命に看病をした。目覚めた彼はルカと名乗り、イタリアから休暇で来たと言う。褐色の肌と逞しい体、セクシーな瞳。コーデリアは恋に落ち、彼にすべてを捧げた。やがて去っていく人と知りながら…。ところが、ルカがイタリアへ帰ったあと、妊娠が判明する。意を決して彼を訪ねるが、待っていたのは残酷な仕打ちだった。実はルカは億万長者で、ずっと前から婚約者もいるというのだ!
田舎町で生まれ育ったコリーは、地元の青年に失恋し、傷心のあまり転職して故郷をあとにした。ロンドンの一流企業に社長秘書として採用されたはいいが、初日から社長のマックス・ハンターに釘を刺されてしまう。「僕に対して、仕事の邪魔になる感情は抱かないでくれ」と。たしかに彼は恐ろしいほどハンサムだけれど、傲慢すぎるわ。仕事はやりがいに満ち、マックスはボスとしても有能だった。そんなマックスと1週間、二人きりの海外出張が決まる。初日の夜、緊張していたコリーに、なんと彼はキスをしてー。
私を妊娠して捨てられてもなお、父を想い続けて一生を無駄にした母。そんな母を見てきたので、シャーロットは恋愛に臆病になっていた。ある日、父の突然の事故死で、莫大な遺産を継ぐことになり、シャーロットのもとに警備会社経営の大富豪ジェイスが派遣されてきた。たくましくて男らしい、黒い瞳と髪を持つ端整な彼に、思わず胸が高鳴る。だが、働きながら大学院に通い、苦学の末に社会に出た芯の強い彼女には、護衛は必要なかった。疎遠な父の遺産なんて放棄するつもりだから。一方ジェイスにとっても、守るべき相手との特別な関係は禁忌だった。惹かれ合うはずのないシャーロットとジェイスだが、相続の話し合いのためNYへ向かう機上、唇と唇が触れ合い…。
ある日、事故で頭を打って救急搬送されてきたイタリア人を見るなり、看護師のジーナは凍りついた。なぜ、マルコがロンドンに?3年前、出張先のフィレンツェで医師の彼に出会って強く惹かれ、めくるめく6週間を過ごしたのに、あっさり別れを告げられたのだ。その後、ジーナは娘をーマルコの子を産んだが、彼はそれを知らない。妊娠を伝えようとしたが、電話でも手紙でも連絡がつかなかった。そこまで嫌われているのなら…。そう思い、あきらめたのだった。今、病室で意識を取り戻すも、記憶喪失に陥ったマルコの言葉に、ジーナはうろたえる。「なぜか、君とは親しい仲だった気がするが?」娘のことは言わないわ!冷たい彼にもう傷つけられたくないから。
テムズ川沿いの高級アパートメントで一人暮らしをするハナが、結婚より自立を望んだのは、子供時代、裕福ではなかったから。だがある日、上司のセクハラで退職を余儀なくされてしまった。幸い、大企業で職を得ることができ、ほっとするが、現れた黒髪の社長サイラスを見て、目をみはる。故郷の村の役所で会った、場違いなほどゴージャスな男性だわ!あのとき、生まれて初めて胸の高鳴りを感じた人が、まさか上司になるなんて!仕事に支障が出たらどうしよう?けれど、恋心を抑えようとするほどに思いはつのり…。
「社長から、電話を取り次ぐなと言われておりますので」ギリシア大富豪クリストの秘書の返答に、エリンは愕然とした。クリストと同棲していたのに、理由も告げられずに突然捨てられ、エリンは気まずくなって、彼が所有するホテルでの仕事も辞めた。すべて忘れよう…。そう思った矢先、妊娠しているとわかったのだ。収入もないので、せめて援助を、と必死で彼の実家にも連絡したが、息子はもうすぐ結婚するから関わるなと釘を刺されたのだった…。3年後。困っていたエリンに働き口をくれた現在のボスに呼ばれ、オフィスの中へ入ると、そこにいたのはーエリンの仕事場であるホテルを買収しにやってきた、クリストだった!
両親亡き後、エレナーは老婦人の付添人としてつましく働いていたが、ある日突然、婦人の親戚ラヴェナム伯爵からプロポーズされる。ハンサムでやさしい彼を密かに慕ってはいたけれど、話が合う君となら、ベッドで飽きてからも穏やかに暮らせるだろうから、などという理由で結婚なんて。ショックで逃げ出したエレナーは、ひょんなことから、さる公爵未亡人の町屋敷で世話になることに。事の顛末を聞いた公爵未亡人は面白がり、伯爵の追跡をかわすため、エレナーを豪華なドレスと宝石で飾り、架空の国の王女に仕立て上げた。変装の成果を試したい夫人に、あらゆる夜会や舞踏会に連れ出されるが、そこには必ず、怒りにたぎるまなざしのラヴェナム伯爵がいるのだった。
誕生日の夜、ロス侯爵グレイは社交界の集まりから屋敷へ戻り、書斎に足を踏み入れたとき、ただならぬ気配を感じて身構えた。そこには、薄汚い服を着たひどい身なりの少年が一人。少年は銃を構えて叫んだ。「妹の純潔を奪って孕ませた責任をとれ!」世間から罪作りな男と呼ばれてはいるが、まるで身に覚えがない。グレイは隙をついて銃をたたき落とし、少年を床に組み敷いた。よく見れば、艶やかな肌に、丸みを帯びた頬、豊かなまつげ…。少年のだぶだぶの上着の下に手を入れ、体に触れるーこれは、女だ!だが次の瞬間、銃を取り返そうとする“少年”ともみ合った勢いで弾丸が飛び出し、体を貫かれたグレイは、崩れるように気を失った…。