小説むすび | 2021年10月26日発売

2021年10月26日発売

塞王の楯塞王の楯

出版社

集英社

発売日

2021年10月26日 発売

どんな攻めをも、はね返す石垣。 どんな守りをも、打ち破る鉄砲。 「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、究極の戦国小説! 越前・一乗谷城は織田信長に落とされた。 幼き匡介(きょうすけ)はその際に父母と妹を喪い、逃げる途中に石垣職人の源斎(げんさい)に助けられる。 匡介は源斎を頭目とする穴太衆(あのうしゅう)(=石垣作りの職人集団)の飛田屋で育てられ、やがて後継者と目されるようになる。匡介は絶対に破られない「最強の楯」である石垣を作れば、戦を無くせると考えていた。両親や妹のような人をこれ以上出したくないと願い、石積みの技を磨き続ける。 秀吉が病死し、戦乱の気配が近づく中、匡介は京極高次(きょうごくたかつぐ)より琵琶湖畔にある大津城の石垣の改修を任される。 一方、そこを攻めようとしている毛利元康は、国友衆(くにともしゅう)に鉄砲作りを依頼した。「至高の矛」たる鉄砲を作って皆に恐怖を植え付けることこそ、戦の抑止力になると信じる国友衆の次期頭目・彦九郎(げんくろう)は、「飛田屋を叩き潰す」と宣言する。 大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、宿命の対決が幕を開けるーー。 【プロフィール】 今村翔吾(いまむら・しょうご) 1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビューし、同作で第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞を受賞。2018年「童神」(刊行時『童の神』に改題)で第10回角川春樹小説賞を受賞、同作は第160回直木賞候補となった。『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。2020年『じんかん』で第11回山田風太郎賞を受賞、第163回直木賞候補となった。2021年、「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第6回吉川英治文庫賞を受賞。他の文庫書き下ろしシリーズに「くらまし屋稼業」がある。

トーベ・ヤンソン 人生、芸術、言葉トーベ・ヤンソン 人生、芸術、言葉

大切なことは、いつも同じ。 仕事、愛、そして遊び── “ムーミン”の原作者であり、画家、イラストレーター、小説家…と多才に活躍した芸術家、トーベ・ヤンソンの決定版評伝が新訳で刊行。 本人とも親交のあった研究者が日記や手紙、草稿など膨大な資料から、その生涯を鮮やかに描き出す。 「私たちのトーベは、きっと偉大な芸術家になると思うんだ。とてつもなく偉大な!」 フィンランドで内戦が勃発していた頃、若き兵士ヴィクトル・ヤンソンは、前線から愛する妻シグネに宛てた手紙にこう記した。 父ヴィクトルの言葉どおり、トーベ・ヤンソンはやがて画家、イラストレーター、漫画家、小説家、そして「ムーミン」を生み出した偉大な芸術家として世界中にその名を知られることになっていく。 10代でイラストレーター、画家としてアーティストのキャリアをスタートさせたトーベは、戦禍の中で青春時代を過ごしている。最初はスノークという名だったムーミンは、そんな状況下で理不尽に対する怒りや自由への希望、表現への夢など、さまざまな想いの中から生まれてきた生きものだった。 「ムーミン」が世界的な人気を獲得したのち、トーベは「ムーミン」とその他の芸術活動のバランスに悩まされるようになる。 義務や責任、人々の期待と自身の想いとのあいだの駆け引きは、次第に苦痛を伴うようになり、その割り切れない気持ちは、生涯トーベを悩ますことになった。 「仕事と愛」はトーベの人生を表す最も重要な言葉だった。 トーベは人生の始まりから終わりまで働き続けた。 そして、最初に描いた絵から最後の本まで、トーベは生涯にわたって新しい芸術表現を追求したのだ。 トーベ・ヤンソン本人から私的な記録を自由に閲覧することを許された唯一の研究者である著者が、その膨大な資料(家族や友人への手紙をはじめ、覚書、草稿、物語、プレゼンテーション用の資料、分類表、キャラクター設定、スケッチ、ドローイング、さまざまなプロジェクトの計画、写真、日記、切り抜き、記事、パンフレット、カタログなど)を丹念に読み解き、トーベ・ヤンソンの豊かでダイナミックな人生を色鮮やかに描く。 家族や自然を愛し、自由を求め続けた芸術家トーベ・ヤンソンの生き様に迫った評伝の決定版。 1章 私は働く 2章 家族 3章 芸術家の卵 4章 旅する画家 5章 男たちの戦い 6章 ムーミンの物語と記念碑的絵画 7章 黙示録の時代 8章 ムーミンへの情熱 9章 トロールと人間と 10章 果敢な1950年代 11章 トロール、凍てつく世界に踏み出す 12章 表現への渇望 13章 島と恋に落ちた女 14章 石と物語 15章 谷を夢見て 16章 トーベとの旅 17章 言葉の時代 謝辞 訳者あとがき トーベ・ヤンソン 略年譜 図版クレジット

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