2021年3月発売
東沙島を失ったものの、島から奇跡の脱出を成し遂げた海兵隊の帰還に沸く台湾。だがその裏では、速度が出ない台湾海軍の旧式潜水艦を護衛し、やむなく解放軍のフリゲイトを撃沈した海自潜水艦“おうりゅう”の働きがあった。しかし台湾側は“おうりゅう”を乗っ取るという暴挙に出て、台湾にいる司馬をいらつかせる。一方、“サイレント・コア”土門陸将補のもとには、ある不穏な一報が入った。尖閣に味方部隊が上陸したというのだ。探りをいれると、島に上陸したのは意外な部隊だとわかる。日本、台湾兵士が上陸し、そして解放軍も艦隊を向けた尖閣での、三つ巴の戦いの行方はー!?
三カ月限定「テオドール・ダナー」シティ出張店は奇妙な店だ。すべての客に「食事したこと及び住所を公にしない」という誓約書を求め、提出しないと予約は取り消され入店を拒否されてしまう。しかも、連邦主席直属の特殊部隊の手によって産みたて卵が他惑星から運びこまれ、人類の秘宝と呼ばれる名画『暁の天使』がエレメンタル近代美術館から極秘に運びこまれる。このあり得ないレストランに、ルウは会話が破滅的な料理長テオの通訳兼支援としてほぼ常駐し、リィとシェラは週末に駆けつけて助手をこなしている。しかしおかしな店にふさわしく(?)、厄介な客と面倒な事件が次々と…。
「なごり雪に願い事をすれば叶うって、小学生の頃に読んだ本に書いてあったの」トップモデルの海斗の密着取材をするため、スイスを訪れたファッションライターの小野寺古都。季節外れのなごり雪が舞うチューリヒ湖畔で、古都は露悪的に振る舞う海斗の真の姿を探ろうとする。やがて似た者同士の二人は惹かれあうが、幸せも束の間、海斗が交通事故で半身不随となってしまった。死を望む海斗と、生を望む古都。究極の選択を迫られた二人の愛の行方は?選んだ「最愛」の結末は?『忘れ雪』から18年。感動が甦る至高の純恋小説。書き下ろし。
19世紀末、階級社会のイタリア。お屋敷に通って針仕事を請け負うなかで知った、上流家庭の驚くべき秘密とはーミシンひとつで自由に力強く人生を切り開いた小さなお針子の波瀾万丈の物語。
異世界賢者(文鳥・ペット)のピーちゃんに世界を超える機会と強力な魔法の力を与えられた佐々木。 現代と異世界の価値観や文明の違いを利用して一儲け→悠々自適なスローライフを目指す二人だったが、その目論みは異世界以外、異能力者や魔法少女などの思惑も手伝い、万事順調には進まない。 せっかく国家公務員となったのに上司との駆け引きで神経をすり減らし、パートナーの職場の先輩(現役JK・異能力者)に振り回される毎日だった。 ある日のこと、佐々木が異世界魔法で異能バトルに励んでいると、魔法少女の急襲に遭って事態は急転。 二人静は内閣府超常現象対策局に入りたいと言い出し、異世界からは人やモノが現代に迷い込み、お隣さんは悪魔の囁きを聞いてしまい、魔法中年佐々木の周囲には厄介事が大渋滞していくーー! 早くも半分以上書き下ろしの第二弾!
中学時代に陸上で夢を追い求めていた町田圭祐は、交通事故に遭い高校では放送部に入ることに。三年生引退後、圭祐は同期の正也や久米さんたちとテレビドキュメント部門の題材として陸上部の活動を撮影していく。するとドローン動画の中に、煙草を持って部室から出てくる親友・良太の姿が映りこんでしまう。圭祐が事件解決のため奔走すると、計画を企てた意外な人物が明らかになって…。仲間とは、伝えるとは何か。湊かなえの部活小説。
名探偵・皋所縁に解決不可能な事件はない。たとえ起きた悲劇の後始末しか出来ないとしても、自分のやっていることには意味がある。なによりも人間の可能性を信じている。その思いが、彼を動かしていた。しかし、皋所縁はとある事件をきっかけに探偵を辞めた。(「線上の十三階段」)他、全6話を収録。奇縁・約束・代償ー。これは6人の青年がそれぞれの“宿命”と出会い、対峙するまでの物語。
男として生きてきたユーリにお城からのお迎えが!コワ〜い魔族王からのご指名?私が専属従者に!?「私の従者は、なんと可愛い小鳥だろう」女であることは隠しているハズなのにー男装して翻弄されて溺愛されるラブファンタジー。
ファンタジー、青春、エンタメ、児童文学、歴史・時代小説、BL、純文学、動画、ミステリ、漫画、詩、SF…豪華絢爛62人の著者が描くワクワク、ドキドキ、ビックリの62編!
わたしはなぜここに連れてこられたのだろう?中流家庭の一人娘として育った13歳の「わたし」は、それまで両親と思っていた人たちから突然手放され、理由も知らされぬまま、貧しい実の家族のもとに帰された。母親は冷たく、父親と兄たちの暴力が絶えない家のなかで、自我を覆された「戻ってきた娘」が唯一感情を分かちあえたのは、奔放な妹のアドリアーナだった。世界28か国で翻訳、2021年映画化。心を鷲掴みにする少女たちの成長の物語。カンピエッロ賞受賞。イタリアで30万部のベストセラー。
多度津から大歩危へ。二つの死亡事件と極秘技術開発に隠された謎を十津川警部が暴き出すー秘境を行く観光列車で美人秘書はなぜ狙われたのか。
平穏な町フリントシティで少年の惨殺死体が発見された。だが刑事ラルフの目に、真相は明白だった。数々の目撃証言がハイスクールの教師であり少年野球のコーチであるテリーが犯人だと指し示していた。ラルフは彼が犯人と断定、野球の試合のさなか、衆人環視のもとで逮舗する。テリーは否認を続けるも、逮捕の一幕を目にした町の人々は殺人犯への怒りと憎しみを燃やし、テリーの妻と娘たちにも冷たい目が注がれはじめた。そのとき衝撃的な事実がもたらされる。事件があった夜、テリーは同僚の教師たちと遠い町での講演会に出席しており、それを裏づける動画も発見されたのだ。一人の人間が二つの場所に同時に存在した?そんなことはありえない。だが、テリーがあんな残虐な事件を起こすだろうか?とまどうラルフ刑事をよそに、町民はテリーを町の歴史はじまって以来の異常殺人犯とみなし、新たなる悲劇へのカウントダウンがー。恐るべき緊迫感がページを繰るたび高まってゆく。矛盾する証拠が心優しい教師テリーを追いこんでゆく。読む者の心を不安と恐怖で締めつける前半。この不可能犯罪の背後に何が隠れているのか?恐怖の帝王が容赦ないスピード感で物語を臨界点に向けて疾走させてゆく!
裁判所の悲劇で惨殺事件は幕を閉じた。しかしラルフの気持ちは晴れない。あの日にテリーが遠い町にいたことは証拠が示していた。ならば犯行当夜にテリーを見たという証言は何だったのか。血まみれの服で目撃者と言葉を交わしたのはテリーではなかったというのか?ラルフは別の署の刑事ユネルと探偵のホリーの手を借りて、密かに再調査を開始する。新たな証拠、新たな証言が、新たな不可解をつぎつぎにラルフに突きつける。そしてついに、彼らは同じような事件が過去に複数起きていたことを突き止める。同様の惨殺事件。無数の証拠が指し示す「犯人」。しかし逮捕された容疑者は犯行を否認する…。テリーだけではなかったのか。テリーの幼い娘の前にあらわれた「目の代わりに藁がついている男」は現実のものなのか?ユネルが言う、メキシコの伝承に「エル・クーコ」というのがいる、それは黒い袋を持った黒い男、子供を犠牲にする悪鬼ーついに恐怖があふれだす。アウトサイダー。エル・クーコ。そいつはまた子供を殺すだろう。その正体を知るのはラルフたちしかいない。読む者の心を苛む恐怖と、それに戦いを挑む勇気。『呪われた町』『IT』などの初期に回帰したかのごとく巨匠がフルスロットルで描き出すノンストップ・モダン・ホラーの登場。
戦時中に負傷し記憶を失った少女・七恵は、指物職人の坪倉夫妻に引き取られた。六年後、縁談が舞い込むが、彼女に降りかかった不幸により破談となってしまう。さらに、坪倉が建て替えの仕事を請けた酒蔵で一人の男が殺される。凶事が続く中、七恵が出会う画家・古屋敷圭介。彼もまた、一連の事件に関わる身であったー。記憶の澱みに潜む真相が明かされた時、七恵は何を思う!?戦後間もない時代を背景に、小布施の町並みや縁の深い葛飾北斎の絵画、そして信州の峰々が織りなす謎に満ちた人間ドラマ。