2021年5月13日発売
総理官邸と電力開発会社、建設会社が描いた巨大ダム建設をめぐる錬金の仕組みは、入札時にリーズナブルな額を提示した業者を失格させることで完成。突出して高い額を入札した竹田建設が請け負うことになった。その結果、官邸には巨額のカネが献金という名目で還流し、関係者らは歓喜の声を上げたが、突然総理が病に倒れてしまい、歯車は逆回転を始める。無頼派の国会議員・神谷直吉は、政財界の裏情報を握る石原参吉、政治新聞社の古垣常太郎の協力を得て、国会の場で不正を暴こうとするが…。実際の事件を題材として社会派作家・石川達三が描いた名作の完結編。
クルマに跳ね飛ばされたらしい、ちょっと変わった青年・松平陣太郎を自宅に連れ帰った浅利圭介。失業中で妻から尻を叩かれっぱなしの圭介は、目撃したナンバープレートを手掛かりに一発逆転を狙っていた。しかし、ボーっとしていると思われた陣太郎が意外としたたかで、徳川家の末裔を名乗り、賠償金を巡る工作の主導権を握りはじめる。加害者として浮上したのは、公衆浴場の主人と流行作家の2名。そこに浴場同士の争いや作家の美人秘書、浴場主人の愛人らが絡んできて…。渥美清主演で映画化もされたユーモア小説の前編。
台湾発、私立探偵小説の新たなる傑作が登場! 監視カメラの網の目をかいくぐり、殺人を続ける犯人の正体は? 劇作家で大学教授でもある呉誠(ウーチェン)は若い頃からパニック障害と鬱に悩まされてきた。ある日、日頃の鬱憤が爆発して酒席で出席者全員を辛辣に罵倒してしまう。恥じ入った呉誠は芝居も教職もなげうって台北の裏路地・臥龍街に隠棲し、私立探偵の看板を掲げることに。 にわか仕立ての素人探偵は、やがて台北中を震撼させる六張犂(リョウチャンリ)連続殺人事件に巻き込まれ、警察から犯人と疑われる羽目に陥る。呉誠は己の冤罪をはらすため、自分の力で真犯人を見つけ出すことを誓う。 監視カメラが路地の隅々まで設置された台北で次々と殺人を行う謎のシリアルキラー〈六張犂の殺人鬼〉の正体は? 探偵VS犯人のスリリングなストーリー展開と、ハードボイルド小説から受け継いだシニカルなモノローグ、台湾らしい丁々発止の会話。 台湾を代表する劇作家が満を持して放った初めての小説は台湾で話題を呼び、台北国際ブックフェア大賞を受賞したほか、フランス、イタリア、トルコ、韓国、タイ、中国語簡体字版が刊行された。
黒船の圧力おびただしい幕末。信州飯田で生まれ育った田中芳男は、巴里で行われる万国博覧会に幕府の一員として参加する機会を得た。その衝撃は大きく、諸外国に比して近代文化での著しい遅れを痛感する。軍事や産業を中心に明治維新が進む中、日の本が真の文明国になるためには、フランス随一の植物園ジャルダン・デ・プラントのような知の蓄積を創りたい。「己れに与えられた場で、為すべきことをまっとうする」ことを信条とする芳男は、同じ志をもつ町田久成や大久保利通らと挑戦し続け、現代の東京国立博物館や国立科学博物館、恩賜上野動物園等の礎を築いていく…。
斯界の権威・浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授がテレビ番組に出演した。日本の司法解剖の問題点を厳しく指摘し、「世の中の問題の九割はカネで解決できる」と言い放つ。翌朝、放送局のホームページに『親愛なる光崎教授殿』で始まる奇妙な書き込みが。それは、自然死に見せかけた殺人の犯行予告だった。早速、埼玉県警捜査一課の古手川刑事とともに管内の異状死体を調べることになった助教の栂野真琴は、メスを握る光崎がこれまでにない言動を見せたことに驚く。光崎は犯人を知っているのか!?やがて浮かび上がる哀しき“過ち”とは…?法医学シリーズ第四弾!
駅のホームで見知らぬ老紳士から声を掛けられた美織。謎の人物が記した短編を18本読んで簡単な感想を書くだけの仕事。報酬は1字10円、総額143万円。新手の詐欺かと訝しみつつも押し切られる形で前金を受け取った美織は、1日1話ずつ届けられる物語に次第に追い詰められていく…。最後に明かされる驚くべき真相とは?
トランスフォーマー ザ・ムービー35周年記念、伝説の映画を大特集。貴重な資料、関係者の証言を収録した永久保存版。最新キングダムシリーズから史上最大の変形トイたるユニクロンまで、トランスフォーマーを網羅する世界唯一のTF研究イヤーブック完成!!