2021年6月25日発売
4年前、ミッシーは夫に捨てられ、幼い三つ子を抱えて途方にくれた。母はすでに亡く、酔いどれの父に頼ることもできないなか、ほそぼそとウエディングケーキ作りの仕事をして暮らす毎日だ。そんなある日、隣家にたくましくセクシーな男性がやってきた。ハイスクール時代、親切に勉強を教えてくれたワイアット。魅力的な大富豪となった彼の変貌ぶりに、ミッシーは密かに息をのんだ。と同時に、ワイアットから卒業式後のデートに誘われていたのに、父にドレスを汚されて行けなかった哀しい思い出もよみがえる。今や男性不信になってしまったミッシーは恋など求めていなかったが、子供たちに優しく接するワイアットを前に、胸がときめいて…。
社交界デビューの夜、バイオレットの夢は砕け散った。幼なじみのセスと最初のダンスを約束していたのに、彼女のドレス姿を見たとたん、彼は何も言わずに背を向け、そのまま別れの言葉もなく戦地へ行ってしまったのだ。わたしが美しくないから、きっとセスは幻滅したんだわ…。それからの月日は絶望のうちに過ぎ、6年が経った。夫を見つけられないなら出て行けと父に叱られたバイオレットの前に、戦地から帰還したセスが現れる。罪深いほどすてきな男性になって。兄亡き後ダルトン伯爵の称号を継いだ彼は、近く妻を迎えるという。そして、彼はバイオレットにきいたのだ。「なぜ君はまだ独身なんだ?」。
病でもう長くない母を安心させるため、社交界にデビューしたボニー。田舎育ちで持参金もない彼女に、夫を選ぶという贅沢はできないので、最初に申し込んできた人と結婚するしかないことは覚悟していた。そんなある夜、ラドクリフ公爵とワルツを踊り、恋におちてしまう。公爵ほどの人が、地位も何もない娘に興味を持つはずがないのに…。恋心を戒めるものの、翌日の夜会でも気づけば彼の姿を捜していた。しかし、ラドクリフ公爵を見つけて胸を弾ませたのもつかのま、母の容体が危ういとの報せがもたらされ、ボニーは激しく動揺した。すると驚いたことに、公爵が馬車でボニーを実家まで送り届けると、病床の母にこう告げた!「お嬢さんとの結婚を認めてください」。
メラニーは、近ごろ亡くなった見知らぬ老人から、チェシャーに立つ広大な屋敷を遺されたという報せを受けた。謎めいた遺産など受け取れない。慈善事業に寄付しようと決め、屋敷を訪れると、ルークという魅力的な男性と出会った。近所に滞在しているから、内装の修復を手伝ってくれるという。優しく、気品をたたえる裕福そうな彼に強く惹かれていき、あるときついに情熱を分かちあったメラニーは舞いあがった。ところが直後、ルークの婚約者を名乗る女性が訪ねてきて、「彼の目的は、この屋敷を取り戻すことだけよ」と言ったのだ。
“48時間以内に結婚し、最低1年は夫と一緒に暮らすこと”亡き祖父がケイシーに課した、遺産相続の条件。その狙いは、一家の顧問弁護士と彼女を結婚させることだった。だが鼻持ちならない弁護士を忌み嫌うケイシーは、屋敷を飛び出すと、男性客でごった返す街のバーに飛び込み、声を張り上げた。「夫が必要なの。独身で、最初に立候補した人と結婚するわ!」静まり返る店内に、たったひとり名乗りを上げた男がいた。奥の暗闇から現れた美しい顔と世にも冷たい瞳を見た瞬間、ケイシーは心を奪われたーその男、ライダー・ジャスティスに。こうして、昨日まで他人だった夫との、奇妙な結婚生活が始まった…。
高2の朝葉は、勉強も部活も要領よくこなす優等生。部員の仲を取りもつ毎日を過ごすうち、本音を飲み込むことに慣れ、自分の意見を見失っていた。そんなある日、朝葉は自分の顔が見えなくなる「青年期失顔症」になってしまう。しかも、それを同級生の聖に知られ…。クールで自分の考えをはっきり言う聖に、周りに合わせて生きている自分は軽蔑されるはず、と身構える朝葉。でも彼は、「疲れたら休んでもいいんじゃねぇの」と言って、朝葉を学校から連れ出してくれた。聖の隣で笑顔を取り戻した朝葉は、自分が本当にやりたいことや好きなことを見つけはじめるー。あの頃、そして今、誰もが感じている痛み。青春の息苦しさにそっと寄り添う、感動の恋愛小説。第5回野いちご大賞大賞受賞作!
自由のために生き抜いた革命的詩人像。フランス革命は彼とその仲間たちをどう衝き動かしたのか?本書は、現代と過去を自由に往き来し、やがて狂気の道を辿るこの魅力的な詩人の人生を描ききり、読書の喜びへと誘う。
過去からの光は背後から射すのだから、きっと背中を押すのだろう。…38年間共に生きてきた夫がある日突然倒れ、別れの日までの9か月間、ついに言葉をかわすこともかなわなかった体験から生まれた、5つの短編。
動物が大好きな7歳の女の子・れんとそんな妹が大好きな姉のミレイ。病気のせいで病室から出られないれんのため、姉妹で一緒にもふもふなモンスターがいっぱい登場する人気VRゲームで遊ぶことに。ドキドキわくわくしながらプレイを始める姉妹は、さっそく小さなウルフと遭遇。逃げ足が速くテイム不可能なレアモンスターらしいけどー無邪気に駆け出していったれんがあっさりとテイムに成功!実は敵意がなければどんなモンスターとも仲良くなれるこのゲーム。無自覚で敵意などないれんはエリアボスのウルフさんや伝説のドラゴンさんもテイムしてしまい!?さらに、れんが可愛くてたまらないミレイは妹を自慢するためにプレイ動画を配信。すると、見たこともないモンスターに囲まれる姉妹の様子が注目を浴び、一躍大人気チャンネルに…?テイムに配信に大活躍!?最強の姉妹が楽しむゆるもふゲームライフ、のんびりスタート!
前世の記憶を取り戻した“底辺職”テイマーのヴァリウス。邪神の一柱・朱雀の襲撃からメルケルスの街を護った彼は、その功績が認められ、国王から王都に招かれることに。そこで、強者だけが出場を許される「戦技大会」の出場権を意図せず獲得してしまったヴァリウスだが、テイマーの実力を広く民衆に示す絶好の機会だと意気込む。しかし、対戦相手は長らく出場停止になっていたルール無用の超危険人物で!?時を同じくして、ヴァリウスを排除すべく結託した残り三柱の復活が迫りつつあった。「玄武」、「青龍」、そして邪神最強と謳われる「白虎」。邪神たちから世界を護るため、ヴァリウスは新戦力を求めて未開の大陸へ旅立つがー出会ったのは自らを「ベヒーモス」と名乗るちょっと捻くれた魔物で…?全ての常識を覆す、もふもふ&チートなテイマー冒険譚!新たな従魔との出会いーそして、底辺職テイマーの真の力を示す第3幕!!
自宅の庭に出現したダンジョンに踏み入ったことで、「ダンジョン群発現象」の引き金を引いてしまった江副和彦。彼は「魔物大氾濫」による世界滅亡を阻止すべく「株式会社ダンジョン・バスターズ」を設立し、仲間達と共に初のダンジョン討伐を成し遂げた。そんなダンジョン・バスターズに、バチカン教国からカソリック教徒によるダンジョン討伐チーム「十字軍」の育成依頼が届く。十字軍メンバーは個性的な若者揃いだったが、江副は厳しく鍛え上げていくのだった。ダンジョン対策で日本が世界を牽引する一方で、ガメリカ合衆国は孤立を深め、大東亜人民共産国は反日政策を捨てる決断を下す。世界が大きく変わっていく中、南米のベニスエラ共和国で魔物の大群による暴動が発生。それを引き起こしたのは、もう一人の討伐者ー「魔王ジョーカー」を名乗る男だった…!圧倒的リアリティで贈るダンジョン攻略譚、世界に激震が走る第3巻!
マルトの街を襲った吸血鬼を、ニヴやイザークらと共闘し、事態を収めたレントたち。眠りについたラウラの血を飲むことで存在進化したレントは、事件に巻き込まれ眷属となったリナとともに、さらに身体能力が上昇したことを確認していく。そして、吸血鬼の代表的な特殊能力である“分化”をイザークから教わることに。蝙蝠の姿となったイザークを参考に訓練を行う二人。リナは猫の姿に。かたやレントは移動できない樹木の姿をとり始め…!?そしてマルトの街は、新たに発生した迷宮の調査をすべく“塔”や“学院”の人間が大挙して押し寄せ、にぎわいを見せはじめる。レントもまた、冒険者組合長ウルフから専用の仕事を依頼されー。強大な魔物と戦い、多くの謎を解き、そして強くなる。死してもなお遥かなる神銀級を目指す、不死者レントの『冒険』、第9弾ー!
前世の記憶を取り戻した公爵令嬢のイリス。彼女は薬剤師だった自分が病気で短命に終わり、大好きな乙女ゲームの世界に転生したことに気づく。実は破滅フラグの多すぎるこのゲーム。悪役令嬢として断罪されたり、ヤンデレな攻略対象から命を狙われたり、疫病流行で財政の傾いた公爵家ごと滅びたりと、ロクな未来が待っていない!?でも、次こそ長生きしたいとイリスは行動開始!手始めに公爵家の経営改善を決めたイリスは、薬剤師の知識で目覚めた万能調薬スキルを使い、香り付きの石鹸を制作。評判が広まり、国内では石鹸ブームが起きるほどに!?さらに、使用人の持病を薬で治したり、領内の水質改善に取り組むイリス。領民の健康を第一に行動していただけなのに、意図せず攻略対象達の好感度も上がってーいつの間にかイリスを巡る恋のバトルが勃発し…?「私、ただ長生きしたいだけなのにー!?」前世薬師のチートな乙女ゲーム転生譚、開幕!
隣国・オルーヴァとの騒動も過ぎ、レンディア王国にも春の足音が聞こえ始めた。そんな中、凄腕の魔道士であるユリウスと婚約し、共に穏やかな日々を過ごしていたライラは昔の友人と再会。彼女の結婚生活の様子を聞き、夏に控えた結婚に向けて自身も花嫁修業をすることに。世話係のヘルカと相談し、『非魔道士』の自分にできることを探す裏側で、ユリウスも花婿修業を始めており…?それぞれの修業が進む折、ある日隣国の小国・ミュレルの王女、シャルロットがレンディアへと遊学にやってきた。その付添いを務めることになったユリウスとライラ。魔道士至上主義のミュレルで育ったシャルロットだったが、魔道士と肩を並べて話す『非魔道士』のライラと交流を深め、彼女を認めるように。だが、遅れてやってきたシャルロットの兄・トリスタンはそれが面白くないようで…?
ループ7回目の人生が始まり、皇太子アルノルトのもとへ嫁ぐことになったリーシェ。コヨル国との技術提携の話も進み、二人の距離は縮まった。そんな中、ある目的から聖王国ドマナの大神殿へ向かうことになったリーシェたち。未来のアルノルトが焼き払う神殿には、侍女人生で仕えた幼き令嬢ミリアが訪れていた。ミリアがリーシェだけに懐く中、司教は「アルノルト・ハインと結婚してはなりません」と意味深な警告をしてくる始末。アルノルトも教団に敵意がある様子で…?「『教団の人間は、妻に一切近寄ることのないように』と命じていたはずだが?」一方リーシェは、アルノルトからお仕置きのキスをされそうになったり、悪妻の演技をしたりと大わらわ。さらに、他人を呪う力があると自称するミリアの周囲で不穏な事件が巻き起こりー。そしてついに、謎多きアルノルトが抱える過去の一端が明らかに…!?
元・兄であるネイトと晴れて婚約したユフィ。彼の過保護が甘やかし体質は相変わらずで、悪魔なのにユフィと交わした契約を律儀に守ろうと、清く正しく美しい男を目指しているらしい。最強の騎士でありながら男としてのアレやコレやを抑えて「清廉潔白な騎士のままで、ユフィとイチャイチャするためにはどうすればいい?」と斜め上に悩む姿にもときめいてしまう。そんな時、王都を騒がす魔物事件が勃発。ネイトに憧れていたという悪魔が現れて!?
「義姉だなんて、絶対に認めない!!」名門公爵家の養女になったルーシーは、義弟のジュードに拒絶され絶句。それもつかの間、「違う!嫌だとか、仲良くしたくないとかじゃなくて…」赤面して口ごもるジュードのいじらしさに、ルーシーのツンデレ萌えが覚醒!外では眉目秀麗で完璧な公爵令息なのに、義姉にだけ素直になれないジュード。そんな彼を愛でていたルーシーだったが、ジュードが成人を機に態度を一変させて!?