小説むすび | 2021年7月26日発売

2021年7月26日発売

スペイン内戦と国際旅団スペイン内戦と国際旅団

ポーランドで育ち、早くから共産主義運動にコミットしたステインにとって、1936年8月のモスクワ粛清裁判は背筋の凍る衝撃だった。ソヴィエト権力の中枢にいたジノヴィエフやカーメネフがスターリンによって粛清されたのだ。 スペイン内戦が勃発したのはそんな時だ。「ファシズムと解放勢力の戦い……世界はふたつの陣営に分かれようとしている。古くて反動的な者はフランコ将軍側につき、夢と自由を担う者は、危機にあるスペイン共和国と隊列を組むだろう」。彼はスターリンに対する「疑念の叫びを戦場で叩きつぶすため」に、国際旅団の志願兵となった。 世界中から、理想を同じくする何千という若者が、聖なるオーラを漂わせて集結した。迎えたバルセロナ市民も熱狂した。若いオーウェルもヘミングウェイもいた。 しかし日を追うごとに、「国際旅団」がスターリン主義のプロパガンダにもってこいの神話にされたことが見えてくる。「私はベールをはぎとり、国際旅団をその現実の姿で描きだすつもりだ。……革命という語に託されたイメージは共産党の最悪のウソのひとつであり、類をみないほどの事実の歪曲であることをしめすためだ」。この回想記は、筆致を抑えて書かれた稀有な参戦記だ。ステインが属したユダヤ人部隊には武器も食糧も支給されず、肉弾戦を強いられた。部隊は壊滅し、彼自身は奇跡的に生還した。 はじめに 地図 1 スペインへの出発 2 モスクワ裁判 3 共産党幹部とのスペインに関する議論 4 パリ! ポーランド部隊に編入される 5 なんという驚きーーバルセロナ号にロシア人招待客 6 無政府主義者たちとの出会い 7 アルバセテーー国際旅団司令部 8 検閲の邪悪な役割、不吉な悪夢 9 国際旅団のユダヤ人 10 アルバセテの殺し屋 11 酒宴と乱痴気騒ぎ 12 ヴィクトル・アルテルがアルバセテに来る 13 危いところで抹殺を免れる 14 わが友、ヴィリニュスのレシェク・パサッキの死 15 ロシアの支援とは 16 スペイン共和国はフランコに対してどんな防衛手段をもっていたか? 17 博物館からきた鉄砲と大砲 18 血にまみれた五月の日々 19 ラ・パシオナリア、スペイン革命の母 20 ムルシアの病院に入院 21 ウッチの御者とブエノスアイレスの医師 22 看護師カルメン 23 二度目のバルセロナ 24 パリ近郊のスペイン病院 26 謎の将軍ゴメスとは何者か? 27 ボトヴィン中隊の壊滅 シグムント・ステインの一生(オデット・ステイン) あとがき(ジャン=ジャック・マリ) イディッシュ語原典への謝辞 仏訳者による謝辞 日本語訳者謝辞

横溝正史少年小説コレクション2 迷宮の扉横溝正史少年小説コレクション2 迷宮の扉

出版社

柏書房

発売日

2021年7月26日 発売

没後40年、いまなお読者を魅了してやまない横溝正史の少年探偵物語を全7冊で贈るシリーズ第2弾に当たる本書には、おなじみの名探偵・金田一耕助が登場する3長篇と短篇2作を収録。  シャム双生児として生まれてきた兄弟をめぐる一族の愛憎劇と遺産相続争いが引き起こす連続殺人を描く表題作、ダイヤの入った黄金の小箱を狙って暗躍する仮面の怪人に金田一と少年が立ち向かう『仮面城』、奇術師姿の怪老人の予告通りに起きる児童連続消失事件の謎に少年探偵たちが挑む『金色の魔術師』--いずれも活劇的展開とミステリとしての意外性が横溢した傑作長篇3作に、短篇「灯台島の怪」「黄金の花びら」を収録。大人向けミステリの金田一耕助のイメージとはまたひと味違う存在感が魅力的な一冊。  今回も初刊時のテキストを使用、従来版でなされていた改変をオリジナルに復すとともに、刊行時の雰囲気を伝える挿絵を多数収録して完全復刻! 仮面城 金色の魔術師 迷宮の扉 灯台島の怪 黄金の花びら 巻末資料 『仮面城』(1952年版)まえがき 『金色の魔術師』(1952年版)まえがき 「横溝正史のジュヴナイルと金田一耕助」 山村正夫

飛ぶ教室 第66号 あの物語とその周辺飛ぶ教室 第66号 あの物語とその周辺

■創作 <「シンデレラ」のその周辺> 「ふたりは、おねえさん」おくはらゆめ(絵本作家) <「桃太郎」のその前> 「みちすがら」大塚健太(絵本作家) <「三匹の子ぶた」のその後> 「こぶたとオオカミ」大前粟生(小説家) <「浦島太郎」のその周辺> 「浦島次郎のゆううつ」村上しいこ(児童文学作家) <「ポリー やかんを火にかけて」のその周辺> 「やかんはうたう」蜂飼耳(詩人、作家) ■表紙 tupera tupera(絵本作家) ■特集『森の歌が聞こえる』刊行記念インタビューーーー 「書くこと。そして森と子どものこと」小手鞠るい(作家) ■読み切り 「文の手紙」櫻井とりお(小説家) 「これはきみへの手紙」佐々木愛(小説家) ■連載 新連載! 童話「りすねえさんのおはなし 1」大久保雨咲(児童文学作家) 対談「本屋さん探訪 2」ブックハウスカフェ/探訪者:しおたにまみこ(絵本作家) 漫画「さんぱつやきょうこさん 65」長谷川義史(絵本作家) 映画コラム「子どもたちによろしく 46」長崎訓子(イラストレーター) 絵エッセイ「日々臆測 20」ヨシタケシンスケ(絵本作家) ■BOOKS 〈絵本〉及川賢治(100%ORANGE)/〈児童書〉安藤由希(児童文学作家)/ 〈YA〉金原瑞人(翻訳家)/〈大人の本〉幅允孝(ブックディレクター) ■表紙 tupera tupera

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