2022年10月25日発売
死んでいたはずの男が地下の墓所で目を醒ます。男は名前を含め記憶のほとんどを失っていた。埋葬者たちは男の復活を予期し、墓場に閉じ込めようと目論むも、墓荒らしの侵入で封印が解かれたようだ。暗闇の中、転がっていた墓荒らしの死体が動き出す。男は無意識に左手から銀色の光を放ち、墓荒らしを葬り去る。すると男の中で何かが呼び覚まされたーーそうだ、おれは魔術の達人だったはずだ! 目の前に広がるのは夜の砂漠。天の星は男の死後はるかな時間が経過していることを示す。男は外壁に刻まれた文字「フェーラノス」を自分の名前を決め、嵐の予感が漂う砂丘へ、壮大な旅路への一歩を踏み出したーー。
神君家康がいかにして「関ケ原」を勝ち抜いたのか、考えを聞かせてほしいー寛永八年、三代将軍家光に伺候した立花宗茂は、剣呑な諮問を受ける。その真意はどこにあるのか、新たな大名取り潰しの意図が潜んでいるのではないか、下命に強い不安を募らせる。答え如何によっては、家光の勘気に触れる恐れもあった。だがー先代秀忠の病いが篤くなり、親政に気持ちを昂らせる家光が待つ御座の間で、宗茂はある決意をもって語り始める。やがて解き明かされる天下を分けた決戦の不可解さ、家康の深謀と西軍敗走の真相。勝敗の鍵を握った大名が召し出され、決戦前夜の深い闇がいま明らかになろうとしていた…西国無双と呼ばれた男の老境の輝きを描き出し、関ケ原の新たな解釈に挑む渾身の歴史小説。
医学生、看護学生、医師、看護師、技術者、研究者…。150年の歴史をもつ京都府立医科大学と附属病院における豊かな個性を活かした医療人としての多彩な選択肢。
大学卒業後定職につかずバイト生活をしていた山中幸太は父から将来について問われると、勢いで料理人になりたいと応えてしまう。すると父から旧知の料理屋「天倉」を紹介され、バイトすることになる。やる気のない幸太だが、出入りの魚屋「海原鮮魚店」の娘、海原波美や天倉五助のもとで修行をしたかった料理人、川上洋子との交流のなかで料理人になるという思いが強くなっていく。
嫌われたくなくて、本心を口にできない性格の菜奈。高校生になって急にあか抜けた千世と、SNSで友だちが多い香乃は、中学からの友達だけど、最近はどこかぎすぎすしてうまくいかない。そんな中、菜奈は他人の“嘘”や“怒り”が見える「光感覚症」になってしまう。じつはみんな嘘ばかりだと気づいて苦しむ菜奈だけど、唯一、まったく“嘘”が見えない伊原くんの存在に救われる。でも彼と親しくなるにつれ、千世や香乃との関係もさらに悪化して…。私たち、もうあの頃みたいに笑えないのー?
不死者、《刺客》と交戦する。 王都でオーグリーと臨時パーティーを組んだレントとロレーヌは、村娘フェリシーの助けを得て順調に依頼を消化していく。 最後の依頼を終え、村へ戻ろうとした矢先、老人と遭遇。 不審に思ったレントが声をかけたその瞬間、突如として老人の襲撃を受け、吹き飛ばされてしまう。 それは、《ゴブリン》と《セイレーン》の次に派遣された第三の刺客だった。 応戦するロレーヌとオーグリーに《分化》して復活したレントも加わり、巨大化した腕をふるう老人を相手に奮戦を続ける。 だが、さらに老人は全身を巨大化する『巨人』の姿で襲いかかってきて……!? 巨体に打ち勝つべく、三人は一計を案じることに。 眼前に迫る『死』にレントが取る手はーー!? 強大な魔物と戦い、多くの謎を解き、そして強くなる。 死してもなお遙かなる神銀級を目指す、不死者レントの『冒険』、第11弾ーー!
伝説の魔女だった前世の記憶を思い出し、王族にはびこる陰謀を退け、従僕ノアとの穏やかな生活に戻ったクラウディア。二年が経ち、8歳となったクラウディアのもとに、西の国クリンゲイトの王太子・ルイスとのお見合いが持ちかけられる。お見合いと聞いて複雑な感情のノアと赴くが、その国では美しい女性がいつまでも目覚めないという「眠れる美女」の事件が頻発していた。これを呪いだとにらんだクラウディアは、ノアとともに調査で入った美しい庭で、もう一人の引きこもり王子・スチュアートと遭遇。大人の姿で『アーデルハイト』と名乗ったクラウディアに、スチュアートは大きな反応を示し!?かつての弟子の名残があるこの国で、二人はどのように事件を解決に導くのか…!?「一緒にいてね。ノア」伝説の魔女と黒髪従僕が織りなす悠々自適な快適生活、第2幕!
公爵令嬢エリナと婚約し、ルベリア王国の王太子となったアルヴィス。結婚し夫婦となった二人は公務で訪れたリュングベルにて、穏やかな時間を過ごしていた。しかしそれも束の間。トーグによるエリナの誘拐事件が起き、アルヴィスも救出のため怪我を負ってしまう。負った傷は深く、臥せるアルヴィス。傍で支えるエリナは自分のせいだと責任を感じていた。そんなエリナの様子を見たアルヴィスは原因が自分にあると、トーグとの因縁に繋がる過去の出来事を話し始める。それはアルヴィスと一人の少女の話だったー。一方、王宮では水面下でアルヴィスの側妃について話が動いていた。国王をはじめとして、側妃を娶ることを望む貴族たち。彼らを前にアルヴィスの下す決断とは…?これはとある王国のお話。ふたりが恋を知り、愛を育んでいく物語。
藤原舞のためとは言え、陸上部の女子18人を監禁してしまった木島文雄。しかし調教の末、ついに舞の恥ずかしい写真を撮った犯人4人が判明する。4人はメイド見習いとしてフリージアに預けられ、少しでもミスをすると濃硫酸風呂という地獄の日々が始まった。また、黒沢美鈴との交合を粕谷純一の目の前で見せつけ、ついに復讐を完遂する。新たな寵姫を迎え、ハーレムもますます充実!監禁王、堂々の第4巻登場!
20世紀初頭のチェコを代表する革命詩人、イジー・ヴォルケル(1900-24)が短い生涯に遺した数多くの童話と詩から精選する、日本初の作品集。子どもや虐げられた者たちの低い視線に映し出された社会を描く物語5篇に、故郷モラヴィア地方や性愛をうたった詩24篇、さらに評論1篇を収録。この稀有な詩人の姿が、没後100年を前についにあきらかになる!
救われないから救いたい、そんな誰かと誰かが交われば、何かが始まる。死の淵で、なお「希望」を育むサークル、そこで起きた謎の殺傷事件を追って。愛ゆえの暴力と生き抜くことの不条理…そのあまりに人間的なヒダを描く。生きづらさのむこうへと招待する二つの物語、蜂蜜と遠吠え、ただしいクローバー。