2022年10月28日発売
「逃げなきゃ。この女のそばにいるのは危険すぎる」 新人作家、汐田聖が目にした不倫妻の独白ブログ。ありきたりな内容だったが、そこに登場する「不倫相手の母親」に感情をかき乱される。美しく、それでいて親しみやすさもある完璧な女性。彼女こそ、聖が長年存在を無視され、苦しめられてきた実の母親だった。ある時は遠い異国で、ある時は港の街で。名前も姿さえも偽りながら、無邪気に他人を次々と不幸に陥れる……。果たして彼女の目的は、そして、聖は理解不能の母にどう向き合うのか? プロローグ 奈落の踊り場 馬鹿馬鹿しい安寧 戯れ カゲトモ きみに親はいない
大人気VRMMO『Frontier World Online』で可愛くて最強な幼女召喚獣ダリアをパートナーとしたダイキ。楽しく遊んでいるものの、エリア攻略においてどうしてもヒーラー役の必要性を感じ始めていた。しかし新しい召喚獣の話をしたところ、ダリアの態度がよそよそしくなってしまう。そんなモヤモヤを抱えながら迷い込んだダンジョンで、アンデッドモンスターと楽しく暮らす女性・菖蒲と出会う。召喚獣の情報交換をしているうちに、ダリアの本当の気持ちをダイキは知ることになりー。新召喚獣に“姫の王”マイヤも登場!ますます穏やかに、幼女召喚獣とほのぼの満喫プレイする第3弾!
異世界「ヒルデベルト」に転移させられたアリサ。私が『聖女』でこの国の三人の王子のお妃候補?漆黒の髪で不愛想な第一王子イザヤ、銀髪で麗しい第二王子キリアン、赤い髪で人懐っこい第三王子ハルト。アリサは三人と交流を深めていくが、イザヤだけは「俺は聖女を認めない」と頑なに拒む。しかしアリサは彼の抱える苦悩に気づき次第に惹かれていく。そんな折、アリサが聖女特有の魔力障害で倒れてしまう。アリサを助けられるのはー王子の口づけだけ!?
無事にキリクとアマリアのお見合いを成功させ旅先から帰ってきたシウたち。だが二人の婚約によってラトリシア国の勢力図は大きく変化し貴族の間で大規模な政争が起こってしまったという。さらにヒルデガルドが悪評を吹聴したことも相まって、シウとアマリアは一部の貴族生徒から目の敵にされるようになっていた。そんなある日シウはヒルデガルドと偶然鉢合わせ口論となってしまう。その場を何とかやり過ごしたシウは騒動の最中に、ヒルデガルドを唆した黒幕がいることに気づく。シアはその黒幕の正体を突き止めようと動き出すのだが…!?大人気異世界スローライフ物語、第13弾!
幼馴染から婚約破棄されてしまった貧乏子爵家令嬢のセシリア。家族のため、没落を免れようと模索していた矢先、領主の娘の身代わりとして、国の英雄の相棒だった元竜騎士エリアスと婚約するよう命じられる。変わり者と噂されながら隠遁生活を送る彼のもとに向かうと、出迎えたのはーボサボサ頭に無精髭の大男!?不遜な態度で「婚約者はいらない。俺付きのメイドになれ」と言われたセシリアはお屋敷で働くことに。臆せず彼に接するセシリアに「お前、俺が怖くないのか」と詰め寄っていたエリアスにも徐々に変化が…。そんな中、セシリアたちは領主から突然呼び出される。
国務長官経験者にしか描けない、米国安全保障戦略の複雑な内幕!「政治と外交の舞台では、あらゆることが見た目どおりではない」当選したばかりの大統領は、予備選でライバル候補を支援してきた最大の政敵を国務長官に選んだ。新たな国務長官エレン・アダムスは、過去四年間、前政権が犯罪的な無能ぶりを発揮して合衆国を死に体にしていくのを目の当たりにしてきた。新大統領が議会で一般教書演説を始めた頃、国務省南・中央アジア局の女性職員のデスクに数字と記号だけが並んだ奇妙なメールが届く。そしてその日の深夜、ロンドンで大規模な爆破事件が起きる。翌朝、米国+英連邦4か国の諜報部門からなる“ファイブ・アイズ”の緊急会合が始まるが、そのさなか出席者の携帯電話が一斉に鳴った。次なる爆発は、パリで起こった。元アメリカ合衆国国務長官+英国推理作家協会新人賞・アガサ賞受賞作家による、先読み不能!超一級国際政治スリラー!!
言葉とお話を売る娘“暁のベリーサ”から大統領選用の演説を買った大佐、サーカス一座の団長がひと目惚れした宝石商夫人に捧げた最高の贈り物、イラ族の娘の魂とともに旅をした先住民の狩人、独裁者最後の恋と密林に埋もれた幻の宮殿、土石流に襲われた村で顔だけを残して泥に埋まった女の子…お話の名人エバが言葉の糸を紡いで織りあげた様々な人生の物語。長編『エバ・ルーナ』から生まれた珠玉の物語集。
フィリピン出身のミステリー作家兼翻訳者マグサリンは、訳あってニューヨークから帰郷し、新作小説の案を練り始める。そこへ一件のメールが届くー送信者はなんと、その小説の主人公である映画監督キアラ・ブラージだった。キアラの父親も映画監督であり、1970年代にベトナム戦争中の米軍による虐殺事件を扱った映画をフィリピンで撮影したのち失踪していた。その謎を抱えるキアラは、米軍の虐殺事件が1901年にフィリピン・サマール島のバランギガでも起きていたことを知り、その事件をみずから映画化するためにマグサリンに現地での通訳を願い出たのだ。こうして始まった二人の旅の物語に、キアラが書いた映画の脚本の主人公、1901年当時のサマール島に上陸したアメリカ人の女性写真家カッサンドラ・チェイスの物語が絡み合う。彼女が目撃するのは、米比戦争で駐屯する米軍部隊と服従を強いられる島民という、支配と被支配の構図である。マグサリンはその脚本に、実在の女戦士・フィリピン人のカシアナ・ナシオナレスを登場させる。かくして物語は、アメリカとフィリピンの視点がせめぎ合い、現代の比政権の麻薬戦争も加わって、過去と現在、現実と虚構、支配と被支配が境界を越えて交錯していく…。
風が強く吹きつける日本海最北の離島、礼文島。昭和29年初夏、動物学者である土橋義明は単身、ここに赴任する。島の出身者から相次いで発見された「エキノコックス症」を解明するためだった。それは米粒ほどの寄生虫によって、腹が膨れて死に至る謎多き感染症。懸命に生きる島民を苛む病を撲滅すべく、土橋は奮闘を続ける。だが、島外への更なる流行拡大を防ぐため、ある苦しい決断を迫られ…。
優秀な一家でのけ者にされて育った気弱なキャリー。ある日、高級ホテルの屋上レストランで、ブロンズ色の肌の逞しい大富豪マッシモと出会って、ひと目で恋におち、妊娠した。彼は投資の世界で一大帝国を築いた大物。私など相手にされないわ。悩んだ末連絡したマッシモの冷淡な反応に、キャリーは傷つく。その直後に出血し、子供を失った…。7カ月後、市場で失神した彼女は、突然現れたマッシモに救われ、運ばれた病院で女児を出産するー妊娠は継続していたのだ!「結婚しよう。それが子供にとって最善だ」なんて悲しいプロポーズ。だってあなたを愛してしまったから。
オーラはずぶ濡れの下着姿で、異国の皇太子カリムの前にいた。皇太子は負債を返せなくなった彼女の牧場を買いに来たのだ。並はずれて凛々しい男性に、こんな姿を見られるなんて。屈辱感に震えつつも、オーラは着替えて契約の話し合いに臨んだ。ところがカリムは彼女に年齢を尋ね、22歳という答えを聞くと驚くようなことを言った。「僕の婚約者になってくれ」毎日泥と汗で汚れてばかりの、ろくにデートの経験もない私が?オーラが真っ赤な顔であわてていると、皇太子は冷笑した。「君と結婚するつもりはない。恋人らしいことをするつもりもだ」
なぜ、アレクサンドロスがここにいるの?パリのホテルに足を踏み入れたカリーは目を疑った。優しかった初恋の人は、いまや冷酷な海運王になっていた。アレクサンドロスは傾いたカリーの叔父の会社を後押しし、資金援助も約束した上で、交換条件を突きつけたーカリーに強引に結婚を迫ったのだ。彼は私を愛してなどいない。ただ、罰を与えたいだけ…。7年前、17歳だったカリーはアレクサンドロスに想いを伝え、キスをせがんだ。そのせいで彼が大切な物を失うとも知らずに。これが唯一の償いになると信じて、カリーは花嫁になると決めた。
夕暮れの田舎道で、フロリナは高級車に乗った父娘と出会った。背が高くハンサムな男性と、かわいらしい女の子。それからひと月後、父娘は村の屋敷を買い取り、引っ越してきた。病みあがりの父をかかえて生活に追われているフロリナは、料理の腕を買われ、その屋敷で働くことになる。週末を田舎でのんびりと過ごす医師の主人、サー・ウィリアムのために心をこめて食事をつくるーそれが彼女のささやかな喜びになった。雇い主の彼から見れば、フロリナはただの使用人にすぎないし、彼は再婚相手も決まっていたのだけれど。
私の心は、空白のノート。 わが子の存在さえ、知らない。 事故で1カ月も昏睡状態にあったメイブは、記憶を失っていた。 退院した彼女を迎えたのは、夫のダリオ・コスタンツォ。 世界的大企業の創業者一族の御曹司で、とびきりのハンサムだ。 自家用ジェットで飛んだ静養先は楽園のように豪華なヴィラで、 メイブはともに過ごすうち、ダリオに強く惹かれていった。 こんなにもすてきな大富豪が、わたしの夫だなんて……。 ダリオは彼女を気遣い、情熱的に見つめても、触れようとはしない。 もし記憶が戻ったら、本当の夫婦に戻れる? 子どもを作れるかしら。 だがまもなくして、メイブにとって衝撃的な事実が明らかになる。 二人にはすでに赤ん坊がいた。夫はそれを、ひた隠しにしていたのだ! ダリオと一緒に過ごすものの、寝室は別。“本当の夫婦”としての実感がないまま、メイブは彼の誠実さや類いまれなる魅力にみるみる心を奪われていきます。衝撃の展開をスパイスに、切なさと情熱を織り込んだロマンスを描いて人気の、C・スペンサーの珠玉作!
「君はそうとう変わった小娘だ。自覚はあるのかい?」伯爵に見つめられ、オリビアは逃げ出したい衝動を懸命にこらえた。物憂げな黒い瞳と漆黒の髪。危険な魅力にあふれた強烈な存在感。彼がシンフル・シンクレアー罪深きシンクレア伯爵と呼ばれるのは、名字の語呂合わせと黒い噂のせいだけではないらしい。オリビアは勇気をかき集め、ある私的な調査に行きづまったこと、その調査で先代伯爵の汚名を晴らせる可能性があることを説明した。一笑に付されながらも必死に協力を仰ぐオリビアだったが、ふいに伯爵は身をかがめ、彼女の柔らかな唇に指をすべらせた。「帰ってくれ。夜の楽しみを台無しにした償いをさせたくなる前に」
貧しくも女手一つで懸命に幼い娘を育てるエリー。ある雪の夜、家の前に見知らぬ男性が倒れていた。記憶喪失の彼を看病するうち、いつしかエリーは彼を愛するように。しかしそれも彼の素性が明らかになるまでのこと。まさか、彼の正体が伯爵とはつゆ知らず…。(『雪のプロローグ』)。もとはレディでありながら家庭教師に身をやつすセーラの前に、思いもよらない人物が現れたー公爵の弟にして“サファイア王”と呼ばれるほど富を築いた大富豪レヴィールだ。かつては愛し合ったのに、セーラを捨て去った男との6年ぶりの再会。彼女の心は複雑に揺れた。だが今、一介の使用人と上流階級の来客という身分の壁に阻まれ、セーラは彼と自由に話すことさえままならないのだった。(『サファイアの魔法』)。男爵の娘ベスは生涯独身を通すと決めている。自分勝手な人間の多い貴族社会にはもううんざりだから。そこで、父が決めた意に染まぬ婚約者をかわすため、幼なじみの貴族ジャックに求婚者のふりをしてほしいと頼み、偽りの婚約劇を繰り広げることに。実のところ、ジャックはベスを本当の妻にするつもりでいるとは思いもせずに。(『クリスマスは伯爵と』)。リージェンシー・ロマンスの名手たちが贈る、愛の奇跡がきらめくクリスマス短篇集!
まさかセバスチャンが、重要な取引先の社長だったなんて…。デザイナーの卵のジェシカはセビリアにある会社を訪れ、服作りに最高の素材と出合うが、社長が誰かを知って愕然とした。豪壮な館に住むスペイン伯爵のセバスチャンとは、従妹の恋の不始末を巡って激しい言葉の応酬を繰り広げたばかりだった。彼は、話をするため伯爵邸を訪れたジェシカを従妹だと思い込み、金目当ての性悪女と、一方的に罵ったのだ。商談の席でも侮辱を続ける相手の頬を、ジェシカが思わず平手で打つと、セバスチャンは気高い顔に軽蔑と怒りの色を浮かべ、言い放った。「我が一族に手をあげた者は、必ず報いを受けるぞ!」
仕事を失ったうえ恋人にも裏切られ、キティの心はぼろぼろだった。そんななか、友人と立ち上げた引っ越し会社に思わぬ依頼がー依頼人は由緒正しき准男爵家の新当主セバスチャン・デルフォント。ロンドンの高級住宅街にある屋敷へ移り住むのだという。黒髪に精悍な顔だち、たくましくて長身の彼を一目見た瞬間、キティは心を奪われてしまった!そして丁寧な仕事ぶりが認められたのか、爵位の継承を広く知らせるための仕事もすることになる。6週間の契約でセバスチャンが催すパーティを手伝ううち、いつしかキティは彼の“恋人”として寄り添える日を夢見るように…。