2022年11月24日発売
初めて「売文」を試みた文学少女時代。挫折を噛み締めた学生漫画家時代。高揚とどん底の新宿・六本木時代。作家デビュー前夜の横田基地時代。誹謗中傷に傷ついたデビュー後。直木賞受賞、敬愛する人々との出会い、結婚と離婚、そして…。積み重なった記憶の結晶は、やがて言葉として紡がれる。
古いフランス製の家計簿に書きこまれた膨大な文書を翻訳してほしい、と文化人類学者河島からの依頼。最後にVincent van Goghと署名があって、ゴッホ直筆かもしれない。しかも署名付き家計簿は二冊存在するという。贋作ならば、なぜ複数必要だったのか。ぼくは翻訳を進めるいっぽう、家計簿の来歴を追った。だが、謎は深まるばかりだった。
「了見の餅」同じアパートに住む友人が元気ないっぽい。「イトコ」イトコという存在の不思議についてバズり記事書きたい。「最終日」美術展の最終日に駆け込んでマウントとってくる奴。「宵」映画研究会の言い伝え、〆切間近になると現れる怪奇。「ファシマーラの女」駅がいっぱい生えてくる変な町で。「カーテンの頃」失った両親の友人“にしもん”と二人暮らし。ちゃうか?ちゃうことないか?全6篇の陽気な短編集。
ここ、「メゾン・ソレイユ」には、わけありな人ばかりが住んでいるの。…あら。あんたも入居資格は充分あるみたい。もしかして小説家の梅野優作の都市伝説を聞いてやってきたの?推理小説が好きな人も多いのよ、このアパート。あっちで事件、こっちで事件…管理人のわたしが休む暇もないんだから。何か悩んでるっていうなら、三階の心理カウンセラーに相談するのがいいわ。「眠れるようになる本」を紹介してくれるみたい。たしか、題名は『グッドナイト』だったはずよ。
国内トップの大学を卒業し一流企業に就職したものの退職、現在はフリーランスの翻訳者として慎ましく暮らす凛子。姪の莉緒は、読書と昆虫が大好きで論理的思考が得意だが、融通が利かずコミュニケーションに難がある、危うい小学生だ。莉緒の中学受験に伴走することになった凛子は、周囲の期待にうまく応えられなかった自分の半生を振り返るー。頭がいい女子だから、いくつもの幸せを受け取れなかった。そんな私が、彼女の背中を押していいのだろうか。
遺体の入った棺が、市内で次々に発見された。動機の見えない一連の殺人を繋ぐものは、現場に残された中国妖怪「地羊鬼」の名前のみ。新米刑事・八木沢は、オカルト担当を自称する警部補・林原とコンビを組み捜査を進める。だが、過去の連続児童誘拐殺害事件、密室変死事件との関連が浮かびはじめ、事件の全容はもはや人間の手に収まらないものになっていたー。
都会の片隅で人目を忍んでひっそりと暮らすひとりの女。何かから逃れるように、誰にも気づかれないように、孤独で単調な日々を送る。パチンコ景品交換所、連れ込み宿の清掃、惣菜店の裏方、訪問介護の現場。自宅も仕事も転々とするのは何か理由があるらしい。実は彼女にも、かつて幸せな暮らしがあった。仲のよい友人、家族との時間。充実した日々は、ある違和感から少しずつ壊れていく。そして、ついにある事件を発端に、彼女の人生は破滅するー。秘密を抱えた女が決意する、愛憎の果てにあるものとは。
人をゾンビ化する悪夢のウイルス・HSCCを殲滅するため、感染者を乗せた豪華客船クイーン・マム号が太平洋の孤島・黄血島近海に沈められてから約1年半。船を引き揚げ、QM号に残された最後の灰人(ゾンビ)を回収する極秘プロジェクトが動き出す。警視庁刑事部の巡査長・天城由羽は、QM号をともに沈めた海保・SST(特殊警備隊)の来栖光と黄血島へ向かう。島で出会った潜水士・菊田吾郎は、長年交流のない由羽の父親だった。母との離婚後、父へのわだかまりを抱えたままの由羽はー。極限状態にほとばしる慟哭!究極のゾンビアクションノベル再び!
リーダーを決めずに活動する地下ネットワーク「金石」の幹部、高川が警視庁公安に保護を求めてきた。正体不明の幹部“徐福”が、謎の殺人者“黒石”を使い、「金石」の支配を進めていると怯えていた。「金石」と闘ってきた新宿署生活安全課の刑事・鮫島は、公安の矢崎の依頼で高川と会う。その数日後に千葉県で“徐福”に反発した幹部と思しき男の、頭を潰された遺体が発見された。過去十年間の“黒石”と類似した手口の未解決殺人事件を検討した鮫島らは、知られざる大量殺人の可能性に戦慄したー。どこまでも不気味な異形の殺人者“黒石”と、反抗する者への殺人指令を出し続ける“徐福”の秘匿されてきた犯罪と闘う鮫島。“新宿鮫”シリーズ最高の緊迫感で迫る最新第十二作!
魔法適性が皆無の落ちこぼれ貴族・ナハトは、ある日、森の中で突然男たちに襲われ、瀕死の重傷を負ってしまう。駆け付けた護衛であるアウレールの魔法で、なんとか死は回避できたものの、氷漬けのまま仮死状態にーそれから一年が経過し、彼が目を覚ますとなんと、最強の氷魔法使いになっていた!?一族の汚点だと疎まれ、命まで狙われていたけれど腐った貴族は全員、凍らせてこれからは自力で幸せになってやる!元・落ちこぼれ貴族が氷原世界で繰り広げる成り上がりストーリー!
異世界に迷い込んだ猟師兼料理人のヒュウガ。誘拐されていた兎族の孤児・ノエルを保護した彼は、子フェンリルのセツとともに、三人で家族として暮らしはじめる。彼は子供達を鍛えながら、未知なる食材を求め、ハンターとして依頼をこなして生活していた。そんなある日、ヒュウガは子供達のおやつにパンケーキを作ることに。ついでに広場で販売しようと告知すると、今や町のみんなのアイドルになっているセツの人気もあって、とんでもない行列ができてしまう!?
居眠りから目が覚めると、別の世界に転移していた高校生の冴島凪。辺りは見知らぬ湖ーというより、彼は湖そのものになっていた!?流れ込む知識を頼りに、自分が湖の大精霊に転生したことを理解したナギは、怪我や病で苦しむ者たちを治していく。そんなある日、ナギは願いの声に導かれて、ある少年のもとに召喚される。奴隷となっていた少年たちを救い出すと、その後も彼を慕ってどんどん仲間が増えていき…湖畔開拓ファンタジー、開幕!
所属パーティーに裏切られ、ダンジョン最下層に置き去りにされた少年・セドリ。“アイテム無消費”の力を駆使して無事生還した彼は、Sランクパーティーに返り咲いていた。ある日彼は、ナビゲーターのピータンから迷宮のエネルギーが枯れつつあると告げられる。放っておくと大陸全土のダンジョンが朽ちて、人類の生活に欠かせない魔石も産出されなくなってしまう。セドリは嫌々ながらもダンジョンの管理者ー魔王になることを決意する。
子供を救って命を落とし、異世界に転生した少年ライル。ワイバーンゾンビの事件が一段落し、気ままな学園生活を送る彼のもとに、ある日一通の手紙が届く。それは友達の身柄を盾に、ライルを呼び出す脅迫文だった!?友達を助け出すため、閉ざされた砂の国・チマージルへの潜入を決行するライルたち。砂漠の巨人や、首都を覆う特殊な結界…難所を攻略し、秘境の島に辿り着いた彼らの前に、チマージルの守護神が姿を現す。彼が語るのは異世界神話と瘴気の真実でー?
異世界転生し、7歳になった俺ーアルフレッド。トラブル体質なので心配だけど、優しい家族たちと一緒にのんびりした異世界生活を送れるように頑張ってます!そう思ってたのに、王様に頼られまくった結果、気付けば男爵に任命されて、故郷の村を治めることに…!それだけでも大変なのに、突然魔蟻のスタンピードが発生!周りの村が壊滅して、難民が大量発生してしまった。その後なんとかして魔蟻は討伐できたんだけど、難民のために開拓した俺の領地は、スライムから作った水道設備や薬で大繁栄!?さらにトラブルは続き、魔法大国の竜討伐や、帝国の流行り病解決にまで駆り出されることになっちゃった。も〜、トラブルに巻き込まれるの、こりごりなんですけど!?