2022年3月25日発売
「非業の死を遂げる運命の少女を守れ」 それが、天界から私と【先輩】に与えられた使命。 地上に降り、愚かな人間なんてものを守るのが仕事なんて……。 しかも、普通の少女を守る……? なんで美しき天使である私たちがそんなことをしなくちゃいけないの!? 【先輩】もずっとそう考えているに違いない。そう信じていたのに、なんであんなーー。
遙か銀河の彼方ー賞金首として悪名高いアモンと、その相棒でエルフの魔法使いエルは、欲望のまま宇宙を旅するギャラクシーギャング。願いを叶えるという秘宝「レリック」を盗み出した二人は、追手から逃げるため惑星ヴェノルの荒野を駆けていた。そこで出会ったのは、ギャングに追われる謎の美少女シーカ・ドルレオーネ。彼女は、銀河を支配する組織「アヴィド」のボス・ドルレオーネの娘だった。そんなシーカに特別ギラギラしたものを感じたアモンは、危険な香りを感じながらも近づくのだが…!?無茶と無媒を貫き通す弾丸ギャングスターが、欲望まみれの大騒動を引き起こす!
おれのせいで人が死ぬ。それでも生きたかったーー。 生まれてこの方、須磨軒人(すま・のきひと)に安心できる場所はなかった。 どこにいてもお化けに苛まれる。人に憑りつき、人を殺す“真っ黒なお化け”に。 そのために友達もできず、お化けに対して理解を示そうともしない父親とも縁を切るはめに。 しかし、結婚し、家族を持った軒人はもう逃げるわけにはいかない。 なぜ自分にばかりお化けが出てくるのか? 父は本当にお化けが見えなかったのか? お化けとは一体何なのか? 謎を抱えたまま、軒人はある霊能者を頼ることになるがーー。 ーー次はおれが、殺される。 Twitterで話題の新星が放つ本格オカルトホラー。
まだ見ぬ恋人エンドに向かって、悪役令嬢一家の没落フラグ除去は順調に進み、 攻略対象たちと過ごす学園生活も充実のひとこと。 ヒースクリフとの距離もちょっとずつ近づいてきた…かも? 未来は変えられそうだけど、こんなにもすんなりいくものかしら…?
「遠くない未来に、私は死ぬ」。病とは無縁だった著者・花村萬月が、このままでは2年後の生存率が20%の骨髄性異形成(こつずいせい・いけいせい)症候群に罹り、骨髄移植を受けることになった。それは現在まで続く地獄の始まりだった。これは、現世の報いなのか? 発症から骨髄移植、GVHD(移植片対宿主病)、間質性肺炎、脊椎四ヵ所骨折など、副作用のオンパレードへと到る治療の経過を観察しつづけた作者自身によるドキュメンタリー・ノベル! 「血液検査の結果、完全に血液がO型からAB型に変わった。爪のかたちや体毛、髭など、ずいぶん外見上の変化がある。食べ物の好みもまったく変わってしまった。加えて精神が大きく変貌したのかもしれない。自分の血液をすべて殺して、他人の血液を迎えいれる。凄いことだ。」(本文より) 【著者略歴】 花村萬月(はなむら・まんげつ)1955年、東京都生まれ。89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に「百万遍」シリーズ、「私の庭」シリーズ、『弾正星』『信長私記』『太閤私記』『ニードルス』『花折』『帝国』『対になる人』『夜半獣』など著書多数。
金国の完顔遠理は影徳隊を組織し、モンゴル国への抵抗を続ける。礼忠館のトーリオは、商いのため南へと向かう。その先には岳都があった。そして、チンギスがホラズム国に送った使節団に異変が。
月刊「文藝春秋」2021年1月号から5月号にかけて短期集中連載された「司馬遼太郎『坂の上の雲』大講義」に、新たに書き下ろしたコラム、人物事典、関連年表、詳細な脚注などを追加。昭和の「国民文学」と呼ばれた司馬氏の代表作を、令和の読者も楽しめるように完全読解した決定版。筆者の佐藤優氏と片山杜秀氏は、現代きっての読書人。歴史への洞察も深い。この両者が丁々発止、司馬作品に切り込んでいく。平成以来、沈滞を続ける日本社会に、もう一度、明治の清新な風を吹き込む1冊です。これから『坂の上の雲』を読もうという読者はもちろん、何度も読んだという読者にも、新鮮な作りになっています。本書を読んだ後、書棚からもう一度、『坂の上の雲』を取り出してみてはどうでしょうか。明治が、昭和が、そして近代日本の姿が甦ってくることでしょう。
出会いなおして、恋をして、 そしてふたたび傷ついてーー 「起きろ! ぼくの別荘でいったい何をしている?」 リーズが驚いて顔をあげると、目の前に初恋の人がいた。 12年前より背が高く、たくましくて魅惑的なケイドーー 彼はいまや成功した実業家で、わたしとは別世界の住人だ。 その証拠に、フロリダのこの高級リゾート一帯は彼のものだという。 たがいに戸惑いながら言葉を交わすうち、 ケイドの父親によって引き合わされたのだと気づいたときには、 ふたりは嵐のせいで彼の別荘から出られなくなっていた。 1週間の間だけーーそう自分に言い聞かせ、リーズは夢見ることにした。 美しく静かなこの場所で、かなうことのない愛の続きを。 すべてを忘れて、昼夜を問わず自由奔放に愛し合うふたり。やがてケイドが愛を告げ、リーズはかつて彼のもとを去った理由と秘密をついに告白せざるを得なくなり……。救いのない世界で生き延びた乙女の、切なくも美しい恋物語。『孤高の富豪を愛したら』関連作。
18歳の頃、ジュリーとテイトは熱烈な恋におちた。大きな街に出てそれぞれの夢をかなえ、必ず結婚しようーそう誓い合っていたのに、二人は悲しい誤解によって別れてしまった。しかし10年後、ジュリーは捨てたはずの故郷へ戻ることにした。密かに産み育てた、愛しいテイトの娘のために。白血病に冒された娘のドナーになれるのは、テイトしかいない。娘の存在は明かさずに、なんとしても彼の協力を取りつけないと!万が一うまくいかなかったとき、残る手段はただひとつ。今もわたしを憎んでいるであろう彼に、こう頼むのだ。きょうだい間の輸血のために、“あなたの子どもを産ませて”とーシークレットベビー物語。10年ぶりに再会したジュリーの頼みに驚き、心乱れるテイト。結婚を条件に提案を受け入れるが…。胸が締めつけられるほど切ない感動作。
彼の瞳に宿る愛が軽蔑に変わり、 私は絶望の淵に突き落とされたーー 児童養護施設に暮らすフェイスは、同じ施設の少女にいじめられて つらい思いをしていたが、病母に心配をかけまいと我慢していた。 そんななか、近くの豪奢な屋敷ハットンハウスで夏を過ごすことになり、 トパーズのような瞳を持つ青年ナッシュと出逢って、恋におちた。 7歳年上の彼と一緒にいると世界のすべてが薔薇色に見え、 フェイスは純粋な想いを打ち明けたが、彼の反応は冷たかった。 きみには自分の言っている言葉の意味がわかっていない、と。 さらに、件のいじめっ子に謀られ、とんだ濡れ衣を着せられて以来、 ナッシュにも誤解されて疎遠になり、彼女の初恋は終わったのだった。 あれから10年。思い出のハットンハウスで、二人は再会を果たすが……。 生まれる前に亡くなった父の背中を追うように建築士の資格を取り、仕事でハットンハウスと再び関わることになったフェイス。貧しい彼女が大学を卒業できたのは、匿名の支援者のおかげでしたが、それが今や大実業家となった初恋の人ナッシュとは知る由もなく……。
クリュザンダーの子が、わたしのおなかの中にいる。その事実を知ったマーリーは、彼に打ち明けるべきか悩んだ。同棲しているものの、セクシーなギリシア大富豪の彼は、いまだにふたりの関係をはっきりさせようとしないのだ。マーリーはさっそく、仕事から戻ったクリュザンダーに問いかけた。「僕は“関係”なんて結ばない。わかってるだろう、きみは愛人だ」返ってきた辛辣すぎるその言葉にマーリーが失望する暇もなく、クリュザンダーは30分以内にこの家を出ていけと彼女に命じた。訳もわからず放り出された彼女は、ほどなく何者かに誘拐されてしまう。3カ月後、ようやく解放されたマーリーは、記憶を失っていた…。病院からマーリーを引き取るため、クリュザンダーは彼女の婚約者と名乗る。けれども、彼との“関係”を望んでいたはずのマーリーは皮肉にも、彼の顔を忘れているのだった。この人が私の恋人。赤ちゃんの父親。でも心が乱れるのはなぜ?そう不安になり…。
勇猛な男が乙女に施したのは、 驚くほどやさしい愛の導きだった。 両親を亡くし天涯孤独となった王女エルフィンは、 非情な叔父に故郷を追い出され、修道院へ向かっていた。 道中、突然目の前に筋骨たくましい長身の男が立ちはだかる。 「その女をいただきに来た」男は高らかに宣言し、彼女を連れ去った。 ソールブランドという名の彼は王女を遠くへさらい、 無垢な彼女を妻にするつもりだった。 だが、無理やり純潔を奪うつもりはない。ゆっくり教え込むのだ……。 一方、エルフィンはソールブランドの考えなど露知らず、 自分は彼の奴隷になったものと思い込む。しかし、心は乱れていた。 私をかごの鳥にした彼を嫌ってもいいはずなのに、胸が甘く疼いて……。 ハーレクイン・ロマンスの大人気作家にしてUSAトゥデイのベストセラー作家、ケイトリン・クルーズが満を持してヒストリカルに初登場! 若きヒロインに心を奪われるつもりはなかったヒーローが、純真な彼女を溺愛せずにいられなくなる様子が巧みに描かれます。
君はなぜ、隠していたんだ? これほどまでに美しいことを。 英国屈指の富豪で有力者でもあるボウリュー伯爵は、 弟が田舎で銃の暴発事故に遭って瀕死と聞き、急いで駆けつけた。 見ると、ベッドに力なく横たわる弟のそばに、 不格好な茶色のドレスに頭巾といういでたちの老婆がいた。 なんでも、この村に暮らしている薬草医だという。 今は夜で、目深にかぶった頭巾の陰になって顔がよく見えないが、 こんな老婆にだいじな弟の命をまかせられるものか! 苛立ちを募らせるボウリュー伯爵はしかし、朝の訪れとともに、 思いがけない光景を目にしたーー陽の光を浴びた“老婆”は、 なんと若く美しい知性に富んだ顔の淑女だったのだ! ヒロイン、ローラが身をやつして、ひっそりと暮らしているのは、以前の不幸せな人生から逃げ出してきたからでした。それを誰にも知られないようにしてきたのに、“謎解き名人”としても知られるヒーローは、何やら秘密を抱えている様子の彼女に興味深々で……。
アリスは陽性の妊娠検査薬を手に絶望した。私が妊娠した?ローンが払えず、家を奪われそうな今?最後の手段として、彼女はおなかの子の父親に手紙を書いた。ロンドンで情熱の一夜を過ごした、ギリシア富豪ニコスに。彼から返事がきたときは、天にも昇る気持ちだった。よかった、ニコスも赤ちゃんの父親になりたいんだわ!しかしギリシアへ招かれたアリスは、現実を思い知らされた。現れたニコスはにこりともせず、ただ妊娠が本当か確かめた。彼女は金目当てと誤解されたまま、冷徹にプロポーズされ…。ヒロインは屈辱的な求婚に耐えられず、ギリシアから故郷へ帰ろうとするが、ヒーローにつかまり、ひどいパニック状態に陥ってしまう。そんな彼女を見てヒーローは態度を改め、償いをさせてほしいと申し出るのだった。
モンローヴァの王女ジュノは16歳のとき、憧れていた隣国の王子レオに、舞踏会でキスをせがみ、冷たく拒まれた。「子供にキスしたいと思う男など、どこにもいないよ」と。その後、両親の離婚で母とともに国を追われ、8年。ある日、祖国で父と暮らす生き別れの双子の姉が、誰あろうレオと政略結婚すると聞き、矢も盾もたまらず、ジュノは祖国へ向かった。姉と瓜ふたつの顔を怪しむ者はなく、姉妹は抱き合って再会を喜んだ。やがてジュノは言った。結婚を阻止する方法は一つー自分と入れ替わることだと。「昔、手ひどくふられた私なら、レオが気に入るはずないもの」-王にプロポーズされた物静かな女性が、突如セクシーに大変身?!人工授精でもうけるはずだった世継ぎを、自然な方法で授かることに!はたしてヒーローは、ふたりの入れ替わりに気づいているのか…?
偽りの恋人に心まで捧げるなんて。 わたしを利用する、と言った男性に。 ミアは仕事の依頼があると言われて、指示された店へ行った。 現れたのは見たこともないほど魅力的な億万長者ダミアンだった。 彼は安っぽいバッグを抱えたミアを座らせ、いきなり切り出した。 「ぼくの恋人として、家族の家へいっしょに行ってほしい」 報酬はわたしの年収の10倍? 本気なのかしら? けれど同じ部屋に泊まり、同じベッドを使うと聞くと、 男性経験のないミアにはとてもできるとは思えなかった。 どうしてダミアンは初対面のわたしに恋人のふりをさせたがるの? 「ほかの誰かじゃない、きみがほしい」と情熱的な目で。 ヒロインに“恋人”という仕事を依頼するヒーロー。人目に触れるようにおしゃれしてデートしたり、彼の家に泊まったりするうち、ヒロインは偽りの恋に夢中になってしまいます。週末が終われば、魔法が解けたシンデレラみたいに貧しい自分に戻ると知りつつも。
地味で冴えない私が、 ゴージャスなボスの花嫁にーー? ウィニーがモーガンの秘書になって5カ月。 ニューヨークでいちばんセクシーな男性と言われる彼は、 いつも美女たちに囲まれ、ウィニーの名前はおろか、 毎夜、彼を想って眠れぬ夜を過ごしているとは知る由もない。 職場を変われば、きっと彼のことを忘れられるーー ウィニーはついに転職を決意した。 ところが、新しい会社での採用が決まったばかりのウィニーを 空港で迎えたのは、ほかならぬモーガンだった! 呆然とする彼女をリムジンに乗せると、彼は切り出した。 「僕と結婚してくれ。ただし、これはビジネスだ」 数多の名作を生みだしてきたベテラン作家、ジェイン・ポーターが筆をとる、大人気のボス&秘書テーマの作品をお贈りします。
ーー「世界」が生まれてくるのが、ここに、あるみたい。 わたしのめいのサイェは、今日もあらゆるものに耳を澄ませて、ちょっとずつ大人になっていく。おもいだすこと、はじめてしること。誰もが一度は感じたことのある心のふるえや温もりを、春夏秋冬の「音」に寄せて描き出す、静かな物語の集積。
午後九時すぎ、塾からの帰り道。学校では優等生で優しい人物を演じ続けている高校生の雨月は、橋の上で真っ暗な夜空を見上げながら、「死にたい」と呟いていた。不注意で落ちそうになったところを、同じ電車でよく見かけていた他校の男子・冬夜に助けられる。心の中を簡単に見透かしてくる美しい彼に、最初は苦手意識を持つけれど、じつは彼もまた生きる理由を見出せずにいた。そして、冬夜から「“死にたがりこじらせ部”を作らない?」と提案される。死にたがりの自分を大事にできるように、二人は夜にだけ会う約束を交わし、少しずつ心を通わせていった。しかし、ある出来事がきっかけで、突然冬夜が目の前から消えてしまう。そこには、悲しすぎる壮絶な理由が隠されていた。「約束して、もうひとりで泣かないって」-悲しい過去と孤独な夜が二人を繋ぐ、奇跡と希望の物語。