2022年4月発売
目を開けたくない。いまはまだーそこにあの人がいるから。誰もが羨む、ハンサムで献身的な理想の夫アレハンドロ。でも、交通事故のショックで記憶喪失に陥り、病室のベッドに横たわる私には見知らぬ、怖い人。若くして多国籍企業の頂点に君臨し、社交界でも際立つ存在、スペイン系の大富豪が夫だと言われても、何も覚えていない。なぜかしら?出会ってわずか1カ月で熱烈な恋愛結婚をし、2カ月の赤ちゃんまでおなかにいるというのに、何も感じない。それどころか、夫の瞳の奥にくすぶる欲望の炎が私をおびやかす。今朝も彼は甘く囁き、私は目を開けた。「エリーズ、愛している」
1年あまり前、長身で逞しい企業家ジャスティンが、父のホテルを買いたいと訪ねてきた瞬間、セイディはひと目で恋におちた。夢のような2週間が過ぎ、ある夜、想いがあふれ出し、ささやいた。「愛しているわ」と。翌朝、彼は姿を消していた…。やがて妊娠に気づいた彼女は、生まれた赤ん坊をイーサンと名づけた。自分をごみのように捨てたジャスティンが財力に物を言わせ、息子を取り上げるかもしれない。だから息子の存在は秘密だった。でも父が倒れて高額な手術費が必要な今、彼に頼るしか道はない。連絡を受け即座に現れた彼は、セイディを鋭い口調で問いただす。「君は何か僕に隠していることがあるのかー?」
世界を旅してきた写真家が十年の時をまたぎ、フォークランドと広東省で経験した驚くべき偶然とは…(「スルメと空豆ご飯」)。職を失ったホステスとバンドマンがバーで出会い、店長の話をきっかけに、町に団子屋を復活させようと動き出す…(「これでいくほかないのよ」)。ふとした会話と、少しのつながりから生まれる八編。今なお斬新、最新短編集。
手芸店・八戸クラフトに勤めて10年の紬は、いろんなことに倦んでいた。仕事、恋愛、人間関係…気にし始めたらキリがないから、すべてに慣れることにした。すべてにフタをしながら生きていけばいいのだ。でも、羊毛フェルト用作業机に残された、タバコの焦げ跡を見つけたとき…30歳、紬の「私を取り戻す」物語。
昭和10年代から戦後までの文壇の舞台裏を描く。-個々の作品が独立した短篇であることはいうまでもないが、連続性を意図して執筆したことも事実であった。いわゆる連作であるが、変則的な長篇といえるかもしれない。文芸雑誌「行動」の編集者だった時代を描いた「浮きつつ遠く」、二・二六事件前後の作家たちとの交流を扱った「その日私は」、戦時中の文人たちの姿を活写した「暗い夜の私」、戦後の雑誌界や日本文藝家協会について触れる「真暗な朝」など、年代ごとの文壇の様子や作家の生の姿が垣間見える秀作短篇集。他に「ほとりの私」「深い海の底で」「彼と」の計7篇を収録。
アメリカ最北端の町で繰り広げられる人間ドラマ。-彼等はみんなその祖先に流れ者の血を持っているので、流れ者に対して寛容であり、理解もあった。-命からがらの逃避行でロシアから逃れ、中国、そしてアメリカ最北端へと流れ着いたマリヤ。マリヤの飼う4頭のシベリア犬に飼い猫を殺されたにもかかわらず、友人づきあいをするアヤ。そのアヤは、前夫との子を連れ日本に一時帰国するが、元夫とはやはり心を通わせることができず、親子ともどもさみしい思いを抱いてアメリカに戻る。アヤとも知り合いのカルロスはスペイン、中米から自作のヨットで漂着し、そのまま居着いてしまった印刷屋の主人。ある日フェリーでやってきた東洋系の女性と知り合うが、彼女もまた、韓国系の母親と日本人の父親を持つ“漂流者”の一人だったー。第14回女流文学賞を受賞した名作長編。
今日は子供たちの研修遠足。子供たちが年に一度、人間界に行ける特別な日。大人にならなければ勝手に行くことができない人間界に行けることで子供たちの顔はみな、興奮して上気していた。ミエミエ草を食べると、妖精たちの体は倍くらいの大きさになって人間にも見えるようになり、言葉も交わせるようになる。けれど、そのためにはいくつもの注意事項があって、子供たちに重々言って聞かせるのだが、それを聞いていない子供たちがいて、大変なことが起きた…
イイダ商業区画遺跡での自動人形との戦いで装備を失ったアキラは、新装備の調達を済ませるまでハンター稼業を再び休止することに。アキラとの共同依頼をこなす内に体感時間の操作を身に付けたユミナも、その実力を示したことでカツヤの下に戻ることが叶う。カツヤもまた、ユミナの帰還を喜んでいた。しかし、そこでクガマヤマ都市の幹部達の権力争いが激化する。巻き込まれたアキラ、カツヤ、ユミナ達は、その複雑な状況で己の意志と覚悟を示して戦い続けるが…。
魔術の才能がなかった少年時代から100年の努力を経て、世界で唯一の時魔術士となった少年・クロム。だが、彼が世界最強となった頃には、守りたかったものは全て失われていた…。クロムは決意する。“時魔術”で過去に戻り、“人生をもう一度やり直す”ことをー。世界最強のまま落ちこぼれだった少年時代に戻ったクロム。幼馴染たちの死の運命、強力な魔物たちの襲撃、敵の陰謀…。過去の悲劇すべてをクロムは未来の知識で先回りし、圧倒的な魔術で陰から解決するー!謎の英雄として町で崇められながら、命を救った少女たちと2周目の人生!最強タイムリープ・ファンタジー開幕!
「桐谷雅樹。殺人の容疑で逮捕する。午前八時十一分」。2015年2月、桐谷雅樹の“日常”は脆くも崩れた。渋谷区松涛の高級住宅地で飲食店経営者が殺害され、現金およそ二千万円を奪われる事件が起きた。凶器が購入された量販店の防犯カメラに映っていたのは、まぎれもなく自分自身の姿。犯行現場から検出されたDNA型は雅樹のものと一致する。紙で切ったはずの手の傷跡、現場付近で寄せられた目撃証言…。すべては雅樹による犯行を示唆していた。やはり俺が犯人なのかー自らの記憶、精神をも疑いはじめた矢先、雅樹の不在証明が偶然にも立証される。しかし、待ち受けていたのはさらなる苦難だった。
従業員5300人を擁する一部上場企業ジャパンテックパワー。日本の将来を背負って、再生可能エネルギーの発電施設を開発・運営する期待の企業が大きく揺れていた。株主総会を間近に控えたある日、社長が失踪。それに端を発した後継者争いが激化していく。混乱を極める会社に追い討ちをかけるように、中国系ファンドの介入も噂されはじめ…。社内派閥、恫喝、誘惑、陰謀、権謀術数、手練手管。保身と欲にかられた者たちが暗躍する権力闘争。
敵国に囚われの身となっていたアナスタシア。救出には成功するも、アナの意識は戻らずに眠り続けるままだった。アレンはラムズレット公爵とともにセントラーレン国王と交渉に臨むも、決裂。やむなくラムズレット王国として独立をはかることに…続く戦乱、アナの意識はそしてエイミーの末路は?怒濤の展開に目が離せないシリーズ完結作!
悪魔石トラブルもお役立ちアイテム開発も魔石屋アレキサンドライトにご相談を!!!魔石屋の経営も軌道に乗ってきたアレクは、何やら大変なことになっているらしい故郷のマテリ村に里帰りすることに。何とか騒動を治めたアレク達だったが、その発端は、人や魔物に悪い影響を与える謎の石だった。そして王都やエルフの里でも“悪魔石”による事件が次々と起こり始める。裏で糸を引く謎の騎士団“黒の狼竜”の目的は一体何なのかー??さらに、新たな魔石ウェポンを開発したり、ビジネスパートナーを見つけたり、商売からも冒険からも目が離せない異世界お仕事ファンタジー、待望の第2巻!!
「次は僕が頑張る番というわけか」 オリアナの死を目の当たりにした直後に意識を失ったヴィンセントは、気がつくと四歳の頃に巻き戻っていた。 次こそは死に戻りを乗り越えるために、入学するまでに着々と準備を進めていたが、今度は彼女に二巡目の人生の記憶がなかった。 「友人になってもらえるだろうか?」 「よろしくお願いしますね。ヴィンセント」 まずは友達として仲良くなり、自分を好きになってもらうーー 完全な不得意分野を、ヴィンセントはなんとか突き進む…! 前途多難な三巡目の魔法学校生活、スタート!
あのヴィンセント・タンザインが私なんかを好きになるはずがない。 私たちは“友達”--そう思い込むオリアナだったが、彼を思う気持ちは強くなるばかり。 そんな中、ヤナとアズラクの『試練』に問題が発生し、二人の関係も急激に変化する。 舞踏会前に、すれ違ってばかりのヴィンセントとオリアナは? そしてついに、竜木と死に戻りの謎の核心に迫るーー 大団円で迎える極上のハッピーエンド。 巻末に後日談の書き下ろしもたくさん収録!
他の教員からも認められたアオイは、授業を受ける生徒も増えるだろうと期待していたが、一向にその気配はない。原因を調べるうちに、一部の生徒がヤクザの犯罪に巻き込まれている噂を知り、王族として独自に調査を進めていたロックスと共に、闇カジノへと乗り込む!一方、メイプルリーフ聖皇国の使者がアオイ目当てに学院を訪ねてきた。その使者は“魔術狂い”として厄介で有名な魔術師で…!?
「ゴブリンスレイヤー」の10年前を描く外伝第2弾。これは、蝸牛くもの描く、灰と青春の物語。
「わ、わたくし、心配されるほど…弱っちく、ありませんわ」「そうだな。だからこれは、ただ僕が心配性なだけだ」公爵令息ユーリとの出逢いによって、孤立していた学院生活が徐々に変わり始めた令嬢ブリジット。初めはいがみ合う仲だったが、氷の刃と恐れられ一目置かれてきたユーリのいろんな表情を見るたびに、次第に惹かれていくブリジット。それは彼も一緒なようで…。「君とやり直したいと思っているんだ」そんな中、婚約相手だった第三王子ジョセフからの復縁の申し出で事態は一変する。「…良かったんじゃないか。もともと好きな相手だったんだろう」「よー良く、ありません」縮まったはずのユーリとの関係に少しずつひずみが生まれる中、ブリジットが契約した精霊の正体まで明らかになってー!?悪役令嬢と悪役令息がやがて恋に落ちていく物語、第2弾。
≪TVアニメ2期決定! 1期好評配信中!!≫ ≪シリーズ累計200万部突破!≫ ≪初巻18刷達成!≫ ≪WEBサイト「ガンガンGA」、アプリ「ガンガンONLINE」「マンガUP!」にてコミカライズ&スピンオフ小説好評連載中!≫ ≪このライトノベルがすごい!2019 単行本・ノベルズ部門9位!!≫ 300年スライムを倒し続けていたら、 ついにーーサメが我が家を襲いにきました!? 「いやB級映画かよ!」なんて思わずツッコむ私。 ですがそのサメ、実は精霊で、何やら娘たちに聞きたいことがあって来たようで…? 他にも、ライカの里帰りに付き合ったり(例の女学院も行ったよ!)、 ククの新曲(ちょっと珍しいやつ)作りに付き合ったりします! 巻末にベルゼブブのドタバタわーきんぐ物語「ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました」も収録でお届けです!!
「100日後にきみは死ぬ」公爵令嬢ルルーシェは神様から天啓を受けた。ただでさえ婚約者の王太子殿下は他の女にうつつを抜かし、婚約破棄は目前と言われているのに…。しかもその未来を知ったとて、ルルーシェの死は変えることができない。だが、死に様やその影響は変えられるーそう教えられたルルーシェは神様に賭けを申し出る。「わたくしの死に様が美しければ、褒美を下さい」「いいよ。次の人生に望むモノを何でもあげる」ルルーシェは残していく家族への支援や、己の死の裏で蠢く「陰謀」を止めようと行動するがー悔いのない優美な最期を迎えるため、神様すらも翻弄する、ルルーシェ最後の100日が始まる。