2022年4月発売
コッツ領とヴォイド領を自領に併合したラムゼイ・バートレット。自領が広がったと言えば聞こえがいいが、実はそんなことはなく、人手が足りずに広がりすぎた領地を統治するのに大忙し。見込みが低い税収を補うため、宝くじを売り出すとこれが大ヒット。内戦の足音が聞こえる中、何とか内政と防備を整えていく。そんな彼のもとに、かつての仲間たちが現れる。しかし、その姿は見るも無残な様子でー。
抗えぬ運命に絶望する彼に訪れた、唯一愛した女性との再会。次第に惹かれあう2人の時間が、30年の時を経て動きだす。彼女と音楽への閉じ込めてきた愛を取り戻す、純粋な恋物語。
ラバウルを巡る日米新鋭戦艦の激突に、連合艦隊は辛くも勝利する。これで根拠地トラックへの脅威を排除できたはずだった。だが、米国はニューギニア方面に進出。新たな航空基地を建設し再びトラックを脅かし始める。海戦を制するも戦況は好転せず、講和への道筋もまったく見えない。米軍の戦略目標は間違いなくマリアナ諸島だ。連合艦隊はトラックを死守すべきか?連合艦隊の総力を結集した第一機動艦隊が出撃する先はー
現役医師が描く壮絶無比なハンセン病患者の半生!人は極限状態で如何に生きられるのか?それには我執を捨て、己を顧みず、ただ他と共に生きることだ。多くの先達は幾千年もそれを探求してきた。念仏や祈り、座禅や瞑想、そして自然と共棲することだった。
1939年パリ。20歳のオディールは、アメリカ図書館の司書に採用された。本好きな彼女は水を得た魚のように熱心に仕事に取り組み、女性館長や同僚、そして個性豊かな図書館利用者たちとの絆を深めていく。やがてドイツとの戦争が始まり、図書館は病院や戦地にいる兵士に本を送るプロジェクトに取り組み始める。しかしドイツ軍がやってきてパリを占領し、ユダヤ人の利用者に危機が訪れ…。1983年アメリカ、モンタナ州フロイド。12歳の少女リリーは、“戦争花嫁”と呼ばれる孤独な隣人、オディールと知り合いになる。リリーはオディールの家に出入りしてフランス語を教わるようになり、二人の間には世代を超えた友情が芽生えていく。だがリリーは、しだいにオディールの謎めいた過去が気になりはじめ…。人々にかけがえのない本を届け続けた、図書館員たちの勇気と絆を描く感動作!
時代を先取りするカリスマ経営者として有名な、IT大企業の会長・釜田芳人から直々に、自叙伝の代筆の依頼を受けた上阪傑。余命六カ月だという釜田とは、かつて三冊の著作を代筆した後に支払いトラブルとなり、実に十一年ぶりの再会だった。病床にある釜田を訪ね、一日一時間の約束で取材を進めていくと、これまでどこにも明かしてこなかったエピソードが出てくるのみならず、今までの本の内容に嘘があったことがわかってくるー。この依頼の裏に果たして何があるのか…。吉川英治文学新人賞受賞者が、“出版界の闇”に鋭く切り込む、驚愕のミステリ。