2022年7月発売
友達をひどく傷つけてしまってから、人と親しくなることを避けていた文子。ある日、クラスの人気者の森田君から呼び出され「もうひとりの俺と、仲良くなってほしいんだ」と言われる。とまどいながらも、過去におった心の傷から生まれたという“はる”と文通をすることに。“はる”は、文子の臆病な心を支え、「そのままでいい」と言ってくれる。優しくてもろい“はる”に惹かれていく文子だけれど、もうすぐ彼が消えてしまうと知って…。「闇を抱えるきみも、光の中にいるきみも、まるごと大切にしたい」奇跡の結末に感動!野いちご大賞特別賞受賞作!
悪名高い公爵の孫ロイ・アヴェイラム、8歳。その不遜さで周囲から恐れられている彼はある日、クラスメイトの少年ヴァン・スペルビアと出会いがしらに衝突したことで「前世の記憶」を取り戻した。それと同時に思い出した「一つのことを極めたい」という今際の際の願い。第二の生をそのチャンスと考えたロイは、魔法を極めること、そして悪役から脱却することを目指すことに。しかし思慮深さ、整った容姿ーそのすべてが悪役っぷりに拍車をかけることになってしまうのだった。そんな事態にもめげることなくロイは、魔法の研究を続けるのだが、ある日、とある事件に巻き込まれることになる。ヴァンの助力もあり窮地を脱したロイだが、彼はまだ知らなかった。これを機に自身を取り巻く運命が大きく変わることにー。ついに書籍化を果たした大人気WEB小説作品。ここに開幕!
海を満喫し、街に帰ってきたイツキたちの元に、砂漠の国・ロウカクからの使者が訪れる。使者曰く、トカゲの魔物である“地竜”が多数現れ、その討伐が追いついていないとのこと。レンゲの故郷であるロウカクの危機と知り、イツキたちはロウカクに行くことに。ロウカクの女王・コレンと協力して地竜を倒すものの、眠っていたはずの龍種“地龍”が目を覚ましー!?
定期魔導船の運航によって世界の各地から、ホウタウの街へと訪れる人が増えていた。フリオたちは街にさらなる賑わいをもたらすため、魔獣レース場を建設&運営することに!フリオが持ち前のチートな魔法で建設を終え、観客を集めると魔獣レースが開催される。レースを走るのは、元魔王軍四天王の死馬スレイプ。さらには、ダクホーストやサベアに乗ったリルナーザまでもが参戦してー!?
公爵令息ナゼルバートと結婚した『芋くさ令嬢』アニエス。結婚式も挙げた彼女は、辺境で幸せな日々を過ごしていた。そんな中、領主夫人として貢献しようと『社交』への挑戦を決意!早速王妃のお茶会に参加するも…、うまく立ち回れず笑いものにされてしまう。さらには、悪徳記者に目を付けられ、でたらめな記事までばらまかれてしまいー!?
20世紀スイス・ロマンド文学を代表する女性作家アリス・リヴァー告白体の軽快な「女性の文体」で“女の生”を赤裸々に綴った、時代に先駆けたフェミニズム小説の表題作と、名もなき者たちの沈黙に言葉を与える詩的散文『残された日々を指折り数えよ』を収録。本邦初訳。
夢をかなえるのは誰だ!?「ある日、僕はTENGUMANになった…。」スピリチュアルブームに一石を投じる奇想天外な大人のファンタジー。
54人の花嫁を迎え、無事身を固めた佐渡島凍耶。いよいよ自分の国『佐渡島王国』の発展に向け国家運営に乗り出す。独自通貨を発行して貨幣システムを整え、農業エリアを拡大し生産量を増加させ、さらに、飛行艇を開発して観光業にも乗り出した。しかし、隣国アロラーデル帝国の皇帝は、いまだ世界征服の野望を捨てていなかった。『佐渡島王国』に軍隊がないと知ると、戦争でこの国を乗っ取ろうと画策する。一方、凍耶もこの戦争に備え、国内に最強の軍隊を設立。両軍、今ここに激突する!ガン積みチートで転生・無双する、昭和生まれの物語、待望の第六巻登場!
わたしたちには翼がある。新しい時代へ、力強く飛び立つ翼が。戊辰戦争を生き延びた孤独な少女は、横浜の女学校「フェリス・セミナリー」と出会う。女性の自立と子どもの幸せを希求し、やがて、明治の文学者・若松賎子として歩みだすー名作児童文学『小公子』を日本で初めて翻訳。命を燃やし尽くした三十一年の生涯に新たな光をあてる感動長編。
チンギス・カンは、スブタイとジェベを先頭に、ジョチ、チャガタイ、ウゲディを率いホラズム国へと進軍する。帝のアラーウッディーンと皇子のジャラールッディーンらが、モンゴル軍を迎え撃つー。
2030年、千葉県逃尾市に一体の未確認飛行生物が飛来する。「ジェットジャガー」と呼ばれる銀色のロボットと交戦の末、突然死を遂げたその怪鳥は「ラドン」と名付けられた。その後、逃尾市周辺でラドンの死骸が相次いで発見されて…!?紅塵に包まれる世界、謎の音声電波、超物質アーキタイプ、地下深くの研究所、次々に現れる巨大怪獣ーそして到来する「破局」。円城塔書き下ろしの小説版『ゴジラS.P“シンギュラポイント”』。
1816年、レマン湖畔。バイロン卿の別荘では、5人の男女がそれぞれ怪奇譚を披露することになる。そこで幼い子を亡くしたばかりのメアリー・シェリーは、生命の禁忌に触れる怪物を夢想しはじめた。いっぽう現代の英国。若きトランスジェンダーの医師ライ・シェリーは、人体冷凍保存施設で出会った気鋭の人工知能研究者ヴィクター・スタインと関係を持つ。しかし謎多き彼は、秘密裏に危うい研究を進めていた…。繰り返される人類の見果てぬ夢が叶う日はくるのか?混沌と狂騒の時代におくる、最も危険なラブストーリー。
天才芸術家E・T・A・ホフマン、怪奇と諧謔溢れる傑作が風雅絶妙の名訳で蘇る。魔的な戦慄に満ち充ちたドッペルゲンガー長編『悪魔の美酒』、緑金の小蛇のメルヒェン『黄金宝壺』、鏡影綺譚『歳晩祭夜話』ほか、様々な分野で影響を与え続ける幻妖美につつまれた幻想小説。挿絵多数。
本の好きな王様がいました。王様はもう年寄りで、目がほとんど見えません。王様は二人の男を城に呼び、言いました。 「わしは本が好きだ。今までたくさんの本を読んだ。たいていの本は読んだつもりだ。しかし、目が悪くなり、もう本を読むことができない。でもわしは、本が好きだ。だから、本の話を聞きたいのだ。 お前たち、世界中をまわって『めずらしい本』について知っている者を探し出し、その者から、その本についての話を聞いてきてくれ。 そしてその本の話をわしに教えてほしいのだ」 旅に出たふたりの男は、たくさんの本の話を持ち帰り、王様のために夜ごと語り出したー。 お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹と、大人気の絵本作家ヨシタケシンスケによる、抱腹絶倒・感涙必至の本の旅!
1945年、中国北部、旧満州の山奥・興安嶺で拾われて育ったワンチュンリエン、その娘のツァンホンメイ、孫娘ヤンリュウの三世代の物語。中国では「日本鬼子」と呼ばれ、文化大革命では徹底的な弾圧に晒されたワンチュンリエン。医師を志すも、社会からそれを許されなかったツァンホンメイ。日本に帰国後、壮絶ないじめにあった兄をもつヤンリュウ。女性が、自らに語るように過酷な過去と向かい合い、三世代それぞれのアイデンティティの不安が錯綜する。
土地固有のかたちとフランス語の多様性を追求し続けたスイス・ロマンドの国民作家C・F・ラミューラヴォー地域の村落を理想郷として描く詩的小説の表題作、故郷の地勢から発する文学を決意した「存在理由」、「手本としてのセザンヌ」「ベルナール・グラッセへの手紙」を収録。本邦初訳。