2022年8月発売
神王国に凱旋したモルテールン領主代行・ペイスは、国王カリソンの命に秒も待たずに即答した。課せられたのは、晩餐会で要人らにお披露目する“新作お菓子”の考案。国家予算で好きなだけ趣味に没頭できる!と満面の笑みの少年は、前代未聞のスイーツ「アイスクリーム」を作り出そうと、ある材料を求めて標高四千メートル越えの高山を目指すことに。だがその森で、動物の不審死が相次いで発見された。肉食獣による被害か、外部の勢力の浸透かー。「何だろうと、お菓子作りの邪魔は許しません!」お供は、頭にくっついて離れない愛龍・ピー助!領軍を率い、いざ頂上へ!王道スイーツファンタジー第21巻!2万字超の書き下ろし新章、コミカライズ試し読みを収録!
「きみを奪うヤツは、殺(け)すね?」 邪魔者には……容赦がないようです!? 無垢な王女と腹黒アサシンの歳の差・偏愛ファンタジー第2弾! 書き下ろし番外編+コミカライズ1話試し読みを特別収録! コミカライズ、大好評連載中!
100人の参加者同士で殺し合い、残った4人だけが生き返ることができる「転生杯」。冤罪で死刑になった月坂秋人は冤罪を着せた相手と真犯人に復讐するため参戦を決意。参加者には一つスキルが与えられ、秋人が手にしたのは、ある条件下で他人のスキルを奪える最強スキル“略奪”だったー。ひょんなことから同じく転生者の美少女、春香と真冬と手を組むことになり、共闘そして共同生活が始まる!
成長と、初めての恋ーー。 「小説家になろう」で3,000万PV突破! 1巻発売後、即重版! コミックス1〜2巻も好評発売中! 眼福ギルドファンタジー第10弾! 書き下ろし短編収録!
チートな猫さんに転生した元人間で現亜神のルーク。神獣のピタちゃん(おっきな兎)や宮廷魔導師のルーシャン様(猫力94)、そのお弟子さんであるアイシャさん(陽キャ)との出会いを経た彼は、クラリス様の兄であるクロード様に挨拶を済ませ、トマト様の普及を画策もとい王都を満喫する。ところが国王崩御の報が届き、さらには魔族の影が見え隠れしていて…!?リーデルハイン家を守るため、ルークは王都をたったか奔走する!
ジュディス・ポッツは77歳。ロンドン郊外マーローの古びた邸宅に独り住まいで幸せな日々を送っている。まわりには、仕事やウィスキーの量に口をさしはさむ人などおらず、退屈しのぎに「タイムズ」紙向けのクロスワード・パズルを考案している。ある夜、テムズ川で泳いでいると、ジュディスは残忍な殺人を目撃してしまう。地元警察は彼女の話を信じず、ジュディスは自ら事件の調査に乗り出すと決め、ドッグ・ウォーカーのスージーと、司祭の妻であるベックスを仲間に加え、「マーロー殺人クラブ」が誕生する。別の死体が現れたとき、3人は自分たちの行動範囲に連続殺人犯がいることに気づく。3人が解こうとしたパズルは、逃れることができない罠となるー。
一人の画家が、海で遺体となって発見された。死体遺棄の疑いで逮捕された男女は「魚に食べさせたかった」と猟奇的な供述を。ミジンコを描く書字障害の征司。トランスジェンダーのベリー。カルト教団で育ち、かなわぬ恋に焦がれる女性キリコー。三匹のミジンコが紡ぎ出す名づけようもない関係性。深い愛を求める、はみ出し者たちの生。そこには、互いを肯定しようとする限りないやさしさが…。
父の失踪以来、沈む太陽が怖かった咲希。彼女の描く夕日は、死の象徴なのか、希望の光なのか。精神科疾患のある多くの患者と向き合ってきた看護師の著者が紡ぎ出す、心の苦しみに寄り添ったラブ・ストーリー。
世界中の注目をあつめる指揮者と、彼が忘却の彼方に仕舞いこんだチェリスト。二人が出会い、生み出すハーモニーは抱えた深い悲しみをも包み込んでいく。『白鳥』が結ぶ切なくも美しい愛の物語、開幕。『ラ・カンパネラ』、『愛の挨拶』、『新世界』、『G線上のアリア』クラシックの名曲が彩る、珠玉のラブストーリー。-名門オーケストラを舞台に、愛のシンフォニーは美しいハーモニーを紡ぐことができるのか。
大手証券会社に勤める春彦は、郁子と順風満帆な結婚生活を送っていたがある日を境に郁子は塞ぎ込むようになり、その変わり果てた姿に頭を悩ませていた。そんな時郁子の姉である亜希子が2年越しに帰国し、2人の元を訪れるがー。
1970年代始め、テレビCM業界の末端に潜り込んだ21歳の吉野洋行は、持ち前の度胸の良さと個性的なアイデアを武器に、10年を経ずして、業界大手の制作会社でヒットを連発する監督にまでのし上がった。だが、ある出来事をきっかけに組織のコマとして生きることに限界を感じ、自らの会社を立ち上げる。才能に溢れた若い仲間たちと共に大海原に漕ぎ出した洋行の前には、「バブル」という大波が迫っていた。
第二次世界大戦で最大の激闘、スターリングラード攻防戦を舞台に、物理学者一家をめぐって展開する叙事詩的歴史小説(全三部)。兵士・科学者・農民・捕虜・聖職者・革命家などの架空人物、ヒトラー、スターリン、アイヒマン、独軍・赤軍の将校などの実在人物が混ざりあい、ひとつの時代が圧倒的迫力で文学世界に再現される。戦争・収容所・密告ースターリン体制下、恐怖が社会生活を支配するとき、人間の自由や優しさや善良さとは何なのか。権力のメカニズムとそれに抗う人間のさまざまな運命を描き、ソ連時代に「最も危険」とされた本書は、後代への命がけの伝言である。グロスマン(1905-64)は独ソ戦中、従軍記者として名を馳せ、トレブリンカ絶滅収容所を取材、ホロコーストの実態を世界で最初に報道した。一方で、故郷ウクライナの町で起きた独軍占領下のユダヤ人大虐殺により母を失う。次第にナチとソ連の全体主義体制の本質的類似に気づき、本書を執筆。刊行をめざしたところ、原稿はKGBによってタイプライターのリボンまで没収となる。著者の死後16年、友人が秘匿していた原稿の写しが国外に出、出版された。以来、20世紀の証言、ロシア文学の傑作として欧米各国、日本、中国などで版を重ねる。
ウクライナの町から狩り出され、移送列車でユダヤ人絶滅収容所に到着した人々をガス室が待っている。生存者グループに選別されて列から離れる夫に結婚指輪とパンを手渡す妻。移送列車で出会った少年の母親がわりをするうちに、生き残る可能性を捨てて少年とガス室に向かった女性外科医ー。赤軍記者として解放直後のトレブリンカ収容所を取材したグロスマンは、ナチ占領下のホロコーストの実態を最も知るソヴィエトの人間だった。国家と民族の栄光、一方は革命、他方は第三帝国の名のもとに、スターリニズムとナチズムが鏡像関係にあることを、グロスマンは見抜いていた。イデオロギーの力が死や拷問や収容所と結びつくとき、人々はモラルを失った。ナチの絶滅収容所ガス室施設長は、私が望んだのではない、運命が手をとって導いたのだと語った。普遍的な善の観念はイデオロギーとなって、大きな苦難をもたらす。恐怖と狂気の時代に、善意は無力だった。しかし、ささやかで個人的な、証人のいない善意は、無力だから力をもつ。それは盲目的な無言の愛であり、人間であることの意味である。20世紀の証言が、時空を超えて届く。グロスマンの生涯をかけた哲学的思考が文学に結晶した圧巻の第二部。
1942年11月、スターリングラードのドイツ第六軍を包囲する赤軍の大攻勢は、百時間で決着した。戦争の帰趨を決する戦闘が終わった。反ファシズムの希望、世界の目をくぎ付けにした都市は廃墟になった。その瞬間からスターリンは、ユダヤ人殲滅の剣をヒトラーからもぎとり、やがて国内のユダヤ人にふり降ろす。戦後の自由な暮らしを夢みて戦った国民に、一国社会主義の独裁者はたがをはめ直した。物理学者ヴィクトルは、核反応を数学的に説明する論文を観念論的と批判される。彼は懺悔をしなかった。失職して逮捕される不安に怯えながら、良心を守ったことで心は澄んでいた。ところが突然、スターリンからヴィクトルに電話がかかってくる。状況は一変し、彼は称賛に包まれるが、原子爆弾開発への協力をもはや拒否できない。困難の中で守った自由を、栄誉の後で失う人もいれば、幸せな記憶ゆえに苦難に耐える人もいる。栄光、孤独、絶望と貧窮、ラーゲリと処刑。いかなる運命が待っているにせよ、ひとは人間として生き、人間として死ぬ。この小説は、個人が全体主義の圧力に耐えるのがどれほど困難だったかを描いている。全三部完結。