2022年9月発売
================== 発売から3年で15刷のロングセラー 『月とコーヒー』に連なる 〈インク三部作〉待望の第二弾! ================== 「奇妙な惑星」博物館の保管室に 勤務する十四歳のオリオ。 師匠のベルダさんと二人、 世の中のあらゆるものを記録し保管すべく 作業に勤しんでいた。 そんなある日、ベルダさんが死んだ。 自殺か、病気か、事件か。 原因がわからぬまま、 オリオは保管室の責任者を 引き継ぐことになる。 ところがーー。 ベルダさんが記録に使用していた 万年筆のインク、 〈六番目のブルー〉の在庫がない。 あれなくして記録作業はできない。 旅するギタリスト、ジャン叔父さんとともに 幻のインクを求める旅に出るオリオ。 ところが、行く先々で奇妙な人たちに出会い、 インク探しは前途多難。 行方を探るうち、インクの秘密は ある奇妙な「唄」に 隠されているとわかるが……。
ごく普通の会社員・杏奈は、ある日突然、大人気18禁乙女ゲームの悪役令嬢・アンネリーエに転生してしまう。そこで攻略対象であり、婚約者のリーンハルト王子と出会う。以前の高飛車なアンネリーエと違う、アンナの恥じらうかわいらしい反応に、リーンハルトのサディストな性格を刺激してしまい、アンナは毎晩あらゆるプレイで激しく調教されてしまうーー?! 乙女ゲームの(元)悪役令嬢とイケメンサディスト王子の転生ラブロマンス、待望の書籍化!
探偵・濱地健三郎には鋭い推理力だけでなく、幽霊を視る能力がある。彼の事務所には、奇妙な現象に悩む依頼人のみならず、警視庁捜査一課の刑事も秘かに足を運ぶほどだ。リモート飲み会で現れた、他の人には視えない「小さな手」の正体。廃屋で手招きする「頭と手首のない霊」に隠された真実。歴史家志望の美男子を襲った心霊は、古い邸宅のどこに巣食っていたのか。濱地と助手のコンビが、6つの驚くべき謎を解き明かしていくーー。
生涯の主に仕えるため王都にやってきたヨセフ。亡き恋人へ変わらぬ愛を捧げる副将軍・ルーカス。そして剽軽な性格とは裏腹に、平民では異例の出世を遂げた将軍副官のディルク。 数奇な運命に引き寄せられ、男たちは王国を揺るがす事件に直面し、ヨセフは戦場でルーカスに恋をする。だが血統主義が蔓延る王宮で生きるためにルーカスとの養子縁組の話が持ち上がる。思慕を捨てられず葛藤する中、憧れの男であるルーカスに純潔であることを指摘され、ヨセフは動揺する。衝動的に夜の街へと繰り出すヨセフだったが、見たことのないほど激怒したディルクが現れ…?
聖剣に付与術をかけられないことを理由に勇者クルスのパーティーを追放された天才付与術師ルーファス。願ったり叶ったりのルーファスは自身の同類ーー"自分こそが最強と信じる変わり者"を集め、魔王討伐を志すことに。彼は手始めに最強と名高い、剣聖ランカスターの下へと向かうのだったーー。一方、クルスもまた"勇者を盛り立てる新しい仲間"をスカウトしに行くのだが、そこにいたのは……!? 攻撃力+999の最強付与術師が《最強》を証明するための物語、ここに開幕!
過労死寸前でブラック企業を退職したアラサーの私は気づけば妹に唆されるままにバーチャルタレント企業『あんだーらいぶ』所属のVTuber神坂怜となっていた。「VTuberのことはよくわからないけど精一杯頑張るぞ!」と思っていたのもつかの間、女性ばかりの『あんだーらいぶ』の中では男性Vというだけで視聴者から叩かれてしまう。しかもデビュー2日目には同期がやらかし炎上&解雇の大騒動に! 果たしてアンチばかりのアラサーVに未来はあるのか!? ……まあ、過労死するよりは平気かも?
ギュンターとの死闘の末、辛くも勝利をもぎ取ったサム。次に彼が戦いを挑んだのは王国最強の宮廷魔法使いアルバート。貴族と手を組み王国内で悪逆の限りを尽くしていたアルバートは、ウルの師匠であるデライトを失脚させたうえ彼の娘フランチェスカにまで手を出そうとしていたのだ。そのことに激怒したサムはアルバートを下し宮廷魔法使いの地位を奪うため、デライトと共に特訓を始める。そして決闘当日。万全の状態で戦いに挑むサムだったが、そこに王国を狙う最強の生物「竜」が現れてーー!?
お義母さん、うちの子に食べ物を与えないでください!孫にごはんを食べさせて何が悪いんだい!専業主婦として家庭を支えてきた料理上手の姑。フードスタイリストだが日々の食事は簡素でよしとする嫁。一つ屋根の下で二つの食卓がぶつかって、やっかいな出来事が次々と巻き起こる。多彩で魅力的な料理シーンも満載!令和時代の家族“食”小説。
科学技術の花開く夢の世紀と期待されて幕を開けた21世紀、そこから20年を経た今、日本は、そして世界も、期待からどんどん遠退いて行くとしか見えないのは何故?畢竟、文化文明史とは、淀む一方のヒト共の知恵の流れを辿るもの、科学史とは、ヒト共に退化をもたらす、知恵の悪あがきの積み重ねを辿るもの。悲しいかな、そこに通底するおかしな法則、進歩とは退化に同義!歴史は先ずは裏から見るのが、そこから学ぶに正しい姿勢というものか。シリーズ5巻の本書では、アメリカ合衆国建国の裏面史に学びつつ、現代の巨頭、アメリカ合衆国と中華人民共和国の今を俯瞰する。
日常に忍びこむ幻想。戦慄の人間心理。 奇妙な出来事が人々を翻弄するーー。 その、巧みな一撃。 戦後ドイツを代表する女性作家の名作を集成した、 全15作の日本オリジナル短編集! ある日突然、部屋の中に巨大な鳥が現れる「ロック鳥」、旅行から帰ったら、自分が死んだと知らせてきた女がいたという話を聞く「六月半ばの真昼どき」、見た夢と現実が区別がつかなくなっていく少女を描く「ジェニファーの夢」、間違えて違う船に妹を乗せてしまった兄のもとに、常軌を逸していく妹の手紙が届き続ける「船の話」。日常に幻想が忍び込み、人間心理の恐さが背筋を震わせる。戦後ドイツを代表する女性作家の粋を集めた、本邦初訳7作を含む全15作の傑作短編集! ■目次 「白熊」 「ジェニファーの夢」 「精霊トゥンシュ」 「船の話」 「ロック鳥」 「幽霊」 「六月半ばの真昼どき」 「ルピナス」 「長い影」 「長距離電話」 「その昔、N市では」 「見知らぬ土地」 「いいですよ、わたしの天使」 「人間という」
日本SFを牽引する注目の書き手による最新作6編 全編書き下ろし 第13回創元SF短編賞受賞作を収録 八島游舷、宮澤伊織、菊石まれほ、水見稜、空木春宵、笹原千波 ベテランから日本SF界の未来を担う新鋭まで、現代SF界を牽引する書き手が集結。新時代を創る書き下ろしアンソロジーシリーズ第5巻。今回は、宮澤伊織、水見稜、空木春宵、八島游舷、菊石まれほの新作と第13回創元SF短編賞正賞受賞作・笹原千波「風になるにはまだ」を掲載する。 ■目次 はじめに 八島游舷「天駆せよ法勝寺[長編版]序章 応信せよ尊勝寺」 宮澤伊織「ときときチャンネル# 3【家の外なくしてみた】」 空木春宵「さよならも言えない」 笹原千波「風になるにはまだ」(第13回創元SF短編賞 正賞受賞作) 第13回創元SF短編賞選考経過および選評 水見稜「星から来た宴」 菊石まれほ「この光が落ちないように」 ちいさなあとがき 編集部より
思いもかけないところから、ひょっこりと真相が顔を出す。 鵜林ミステリの個性を示す、謎と論理の第一作品集。 『ネクスト・ギグ』の俊英による、ロジックときどきトリックの五編 どこをさがしても見つからない。いくらさがしても見つからない。残り一球が見つからないと帰れない。いったいボールはどこへ行ったのだ? 闇雲にさがしても無駄だ、頭を使おうと高校野球部の部員たちは推理でボールの行方を突きとめようとする。著者の出発点となった「ボールがない」をはじめ、天文部員が天体写真を添付したメールの謎の解明に挑む「宇宙倶楽部へようこそ」、実在のスイッチバック駅を舞台に殺人の謎を描いた表題作など五編。ああでもない、こうでもないと推理を重ねたその先に、意外なところから真相がひょっこりと顔を出す、鵜林ミステリの個性を示した第一作品集。 ■目次 「ボールがない」 「夢も死体も湧き出る温泉」 「宇宙倶楽部へようこそ」 「ベッドの下でタップダンスを」 「秘境駅のクローズド・サークル」
デビュー20周年記念刊行 嵐によって隔絶された瀬戸内の孤島 巨大な球形展望室を有する異形の館 遺言に従って集められた一族の面々 東川篤哉長編史上、最大最長最新傑作! 岡山の名士が亡くなり、遺言に従って瀬戸内の離島に集められた一族の面々。球形展望室を有する風変わりな別荘・御影荘で遺言状が読みあげられた翌朝、相続人の一人が死体となって発見される。折しも嵐によって島は外界から孤絶する事態に。幽霊の目撃、鬼面の怪人物の跳梁、そして二十年前の人間消失ーー続発する怪事の果てに、読者の眼前に驚天動地の真相が現出する! 本屋大賞作家が満を持して放つ、謎解きの興趣とユーモアあふれる本格推理長編。
流浪のヒロインが物語る波瀾万丈の人生 わたしの名はエバ。生命を意味しているー南アメリカの或る独裁制国家、密林の捨て子だった母親と先住民の庭師との間に生まれた娘エバは、人間の剝製法を研究する博士の屋敷を振り出しに様々な家を転々としながら大きくなる。天から与えられた彼女の才能はお話を語ること。世話好きな黒人の料理女、街の不良少年、娼婦の元締めの女将、夜ごと羽飾りに身を包み絶世の美女と化す語学教師、辺境の町で商店を営むアラブ人、ゲリラの指導者、高級将校、オーストリア移民の若き報道カメラマンなど、流浪のなかでエバは多くの人々と出会い、やがて愛を知り、物語の語り手としての人生を切り開いていく。20世紀の歴史を背景に展開する波瀾万丈、奇想天外な挿話と、エバの語る物語の数々。『精霊たちの家』で世界中を虜にした〈現代のシェヘラザード〉アジェンデが、驚異のストーリーテリングで読者を魅了する傑作長篇。
エイミーが社長ジェイクの個人秘書になって2年、 女性を大勢泣かせてきた彼の犠牲者にならぬよう慎重にふるまってきた。 そんなわけで、エイミーは不実な恋人に捨てられてどん底にあっても、 ボスの前では弱った姿を見せるわけにいかなかった。 なのに、秘書が失恋したと知ったジェイクはすかさず、 甘く優しい誘いをかけてきた。警戒を怠らないエイミーだったが、 元恋人が不意に現れ、あてつけのためジェイクとの親密さを見せつけた。 そしてとうとう、長年避けてきた事態を迎えてしまうーー甘美な一夜を。 でも、職場で気まずくなりたくない。この関係は続けられない。 そうボスに告げたエイミーはやがて、彼の子を妊娠したことに気づく……。 世界中のロマンス作家やファンに惜しまれつつこの世を去った名作家、エマ・ダーシーとミランダ・リー。天才姉妹を偲んで、珠玉作を選りすぐってお届けいたします。本作は姉エマ・ダーシーが描いた、悩める秘書の物語です。