2022年9月発売
戦争の傷跡が残る1948年。中2のイコは英語の授業で“be動詞+〜ing”(現在進行形)に夢中になる。激変する日本、いつか「どこかへひとりで行きたい」そう強く願うようになるが、手段も理由も見つからない。しかしある日、大きなチャンスが巡ってくる!『魔女の宅急便』の著者・世界的児童文学作家が描く自叙伝的物語。角野栄子は、87歳の今も「現在進行形」!
僕はユーチューバーの息子、津村ユニス。幼少期の僕はすべてをコンテンツ化され、そのせいでずっといじめられている。ユニスなんて、どっかのアニメの神みたいな名前をつけた父親は、大人気ユーチューバーだった、そう、昔は。父親の命日、遺品の整理をしようと父の部屋に入った僕は「ユーチューバーの遺書」と題された原稿を発見した。-「ユーチューバーの末裔」。「亜世界からの侵入の危機にある世界を救え」と、主人公・神志那夢丸の前に賢者を名乗る「仁・オールランド」が突如現れた。政治家の父を恐れ、受験勉強にストレスを抱える日常と、まるでRPGのように世界の危機に立ち向かう非日常が奇妙に交差する。失恋、同級生の自殺、秘密の基地…心に暗い影を落とす過去を変えたいと願った夢丸が見たものとは?-「賢者避行」。
DV-声を上げられない被害者たちが、今日もどこかで心と体に瀕死の重傷を負っている。暴力夫から命がけで逃れ、江ノ島を望む風変わりなシェルターにたどり着いた紀子。その家には、ある一つの「ルール」があった。絶望の果てを見た女たちが生きる世界。究極のシスターフッド・ノワール。
αの玩具にされた過去を知っても、零士はレキから離れていかなかった。それどころかバイト先に現れた“初めて”の男・理人対策に「彼氏の振り」を依頼すると、必要以上に甘い言動を繰り返し、嫉妬まで見せだして!?恋愛感情のない“セフレ”のはずが、レキの心も思わず高鳴ってしまい…。他のαとは違うー。徐々に心を許しはじめたとき、今度は零士に熱愛報道がとびだし一波乱!?
10年愛され続けるロングセラー感動作が単行本化!ある日、高2のソウのゲタ箱に一通の手紙が入っていた。差出人は学校イチ可愛いと言われる同級生のルウコだった。それからふたりの秘密の文通が始まる。文通を重ねるうち、実は彼女が難病で余命わずかだと知ってしまう。ルウコは「もしも私が死んだら、ある約束を果たして欲しい」とソウに頼む。その約束には彼女が手紙を書いた本当の意味が隠されていた…。-生と死の狭間で未来を諦めず生きるふたりの純愛物語。単行本限定の特別番外編付き!
伯爵令嬢アネットは、国同士の絆を深めるべく魔人の国に嫁ぐことに。恐ろしい魔人達が棲む国…と噂されていたが、なんと結婚相手の魔王ゼルラクシュは、彼女が前世で全てを捧げていた推しだった!ひと目見た瞬間、あまりの萌え(と魔王の凄まじい覇気)で鼻血を噴出してしまう。このままでは推しにドン引きされて婚約解消の危機!平常心を保つために魔王のぬいぐるみを作って想いをぶつけていたら、そこにまさかの魔王本人の魂が入ってしまい!?
事故のため国家魔術師の職を失ってしまったモニカ。実家からも見放され、魔術道具店で働き始めたところ、美貌の魔術師・スヴェンが連日現れる。スヴェンはモニカと魔力を競い合った元同僚。彼は必ず月長石を買い、モニカに向かってニヤリと不気味な笑みを浮かべるのだ。月長石の石言葉は「恋」。陰キャコミュ障でうまく恋心を口にできないスヴェンは、石に託してモニカに思いを伝えようとする。しかしモニカには全く通じていないようで!?
壮年の男女と元教師が四十年ぶりに修学旅行を再現した同窓会を企画する。行き先は涛海灘に浮かぶ弥陀華島、別名星見島とも言われる離島。宴席で久我陽一郎は、当時自分たちの高校をモデルにミステリを書いていたと告白する。その夜、宿泊先で久我の死体が発見される。折悪しく荒天のため、船が運航できず、天候が回復するまで捜査員は来られない。宿にとどまった七人は、一夜それぞれの思いにふける…。彼ら一人ひとりが隠している真実は、事件の全容をあきらかにするのかー。
「オスロ昏睡病」という難病から快復した患者は、身体の一部に薔薇の形をした腫瘍ができる副作用を持つ。35年前に治療法を確立し権威となった医師が殺されたことを皮切りに「オスロ昏睡病」の元患者が次々に襲われる事件が発生。自身もかつてその難病に罹った京都府警の八嶋警部補は、犯人の特定と難病治療がもたらした闇に挑む。
『紅蓮館の殺人』『透明人間は密室に潜む』の阿津川辰海と、『楽園とは探偵の不在なり』『廃遊園地の殺人』の斜線堂有紀が「あなたへの挑戦状」というテーマで小説を書いて競い合う!加えて、競作過程を描いたネタバレ満載の「執筆日記」を収録。阿津川辰海「水槽城の殺人」-巨大な水槽のある円柱型の建物「水槽城」で怪死事件が発生。犯行当時、水槽で現場は隔離されていた。斜線堂有紀「ありふれた眠り」-犯人は犯行後、死体の横で一晩眠っていた。才能あふれる妹を持つ凡人の兄は、とある秘密を妹に話せずにいた。
飛行機であの世へ到着したという設定の「星座のひとつ」。姉への深い想いを綴る「はらから」。異国の船へ思いを馳せる「赤い靴」など、ハアちゃんと呼ばれた子どもの頃の記憶を描く、17篇収録の珠玉の作品集。自伝的掌篇小説集。
私は「男たちの夢」であるよりも、「書く女」になりたかった。自分らしい居場所を見つけるために必要だった、かくも長く激しい旅路。激動の現代史を背景に、満身創痍になりながらも懸命に生き抜いた「書く女」の生涯を描き切る著者最高傑作!