2022年発売
世界で一番美しい、究極の遠距離恋愛を描く 『桜の花びら集めてみませんか?』 大学四年生の春、就職試験に全滅した日向(ひなた)は、友人から不思議なアルバイトを紹介される。怪しいと思いつつも、彼はそこで出逢った依頼主・雫(しずく)に一目惚れをする。彼女がくれた「ありがとう」という言葉は、希望をなくしていた日向の心を鮮やかな色に染めた。自分も誰かに「ありがとう」と言われる仕事がしたい。彼女に振り向いてもらいたい。その思いを胸に、日向は新たな一歩を踏み出した。 しかし雫には、大きな大きな秘密があった……。 「本当のわたしを知ったら、きっと好きじゃいられないよ。わたしね、一年でたった七日間しか起きていられないの」 雫は一年のほとんどを眠り続けるという不思議な体質の持ち主だったのだ。彼女に逢えるのは夏のほんの一週間だけ。その事実に動揺を隠せない日向。 夢の中じゃメールも電話もできない。逢いたくても逢えない。声だって聞くこともできないんだ。そんな女の子と恋なんて絶対にできっこない。 この恋は、夢と現実の遠距離恋愛なんだ……。 どんな国よりずっと遠くて、どんな時差よりずっと永い、 究極の遠距離恋愛の物語ーー。 【編集担当からのおすすめ情報】 宇山佳佑さんは現代の恋愛小説家のなかでも、今、次作が最も待ち遠しい作家さんの一人ではないでしょうか。今回の原稿を拝読して、あまりに素敵な恋愛小説で鳥肌が立ちました。控えめに言っても、宇山さんの最高傑作かと思います。登場人物の想いがこもった物語が幾層にも重なって、胸に迫ってきます。ページをめくる手が止まらず、心からワクワクしました。それぞれのシーンが鮮やかで映像が目に浮かんできました。 切ないけれど、悲しくない。泣けるんだけれど、読後爽快。読むだけで心がキレイになる、そんな素敵な恋物語。 どうぞよろしくお願い申し上げます。 目次 プロローグ いつ終わるとも限らない世界で 5 第一章 究極の遠距離恋愛 8 第二章 待ってないでの日々 156 第三章 君と僕の一生分の恋 264 エピローグ 果てなく続く眠りの中で 330
「近頃その付近で、不審者が目撃されているそうです。気を付けて」自宅と職場を往復するだけの無為な日々を過ごす彼は、ある日勤め先のデパートで、移動式小型カメラ“アイ”を手に入れる。人目につかず地面を自在に疾走するアイ。しかし、ある日アイはコントロールを失い、見知らぬ女性に捕獲されてしまう。翌日、なぜか自ら走行を始めたアイは、思いもよらない景色を映し出しー。機械の知覚で「人間」の檻からの脱走を試みる、果てなき冒険。第58回文藝賞受賞作。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わたしはここにいる。想いよ、どうか世界に届け。 伝説の物語、ついに再始動!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ベストセラー『包帯クラブ』続編。悲しみがあふれた世界で、戦わずに大切なものを守ろうと、6人がふたたび動き出した。天童荒太、待望の書き下ろし長編。関東のはずれの町に暮らす高校生、ワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、テンポ、リスキ。彼らはそれぞれに傷ついた少年少女たちだった。戦わないで自分自身の大切なものを守りたい、そんな思いから彼らは包帯クラブを結成する。その活動を描いた前作『包帯クラブ』から16年。本作では前作の終わりから話が始まる。人が傷ついた場所に包帯を巻く活動は、無理解や反発などを受け、自粛を余儀なくされる。しかし、ひっそりと会うなかでバンドを始める。バンドの発表の場を求めながら、別の形での包帯クラブの実現を試みる彼ら。本作では、未来の、成人した彼らの姿も交差して描かれる。この世界にあふれた悲しみのひとつひとつを手当することは難しいが、だから何をしたってむだ、とは言いたくない。自分たちのやり方で、自分を守り、大切な人たちを守ろうと踏み出す彼らの第二幕が開く。「何も知らない子ども、として扱われていた頃から、日々、この社会の不公平さと不自由さと理不尽さにぶつかってきた。そのくせ、自分が、そんな社会に選ばれることを願い、あくせくしてきた。(中略)これは一人きりでは、古い世界につぶされてしまっただろうぼくたちが・・・・・・自分たちのやり方で、危機を切り抜け、少しずつ望んでいた道へ進むことが叶った・・・・・・いや、いまもまさに叶いつつある日々の、途中報告書であり、感謝状だ。」(「第二部 遠くて近い、あの日のきみに」より)装丁:名久井直子 装画:田雜芳一
東洋の化粧品王は、いかにして誕生したか 「ほんまに、きみが愛おし!」 時は明治の世。秀才ながらも、山口の家族を支えるため進学をあきらめ、単身神戸に出てきた少年・利一。牛より安い値段で花街に売られてきた少女・ハナ。神戸の花隈での二人の出会いは、やがて日本の生活をも一変させる発明、大ヒット商品誕生へとつながっていく。そして、幼い日に誓い合った約束の行方は? 産経新聞連載時から大反響! 明治・大正・昭和の激動期を、「真心」の製品作りと斬新な宣伝手法を武器に乗り切り、大阪で100年を超える会社を創業した“東洋の化粧品王”と呼ばれた男の一代記!
私たちの東京は静かだ。私は息子と手をつないでいる。傍らには犬もいる。私は多くの著作を持つ作家であり、地下鉄にサリンを撤いた「教団」にかつて拉致された。そこで「予言書」を書かされた私は、後に一人の赤子を連れて脱出した。彼と私に血のつながりはない。だが、私は彼の父であり、警戒を怠らない。なぜなら、息子は二代めの教祖とされているからー寓意と熱情に満ちた当代随一の琵琶法師的文学が語られ始める。
子供たちが謎を解くために奔走し、バスケットボールを通じて成長していく。一方、大人たちはそんな子供たちから掛け替えのない時間と大きなエネルギーを貰っている。笑い、涙、ミステリ、ほのかな恋心が詰まった物語。
高校生の拓哉は、家族5人、海の見える田舎町で仲睦まじく暮らしていた。ある日、看護師である母・明子の献身的な姿を思い出し、拓哉はネット掲示板でヘルプライン『桜の樹の下で』を立ち上げる。そのとき、苦しむ人々に「最後まで寄り添い続ける」という約束を明子と交わす。様々な相談者に寄り添う拓哉。そんな拓哉の卒業が近づいた頃、モンスター相談者の少女Aがマンションの屋上から飛び降りようとする。そして、まさにそのとき、あの日が訪れる…。月日は流れて十年後、拓哉はおにぎり屋ヤッピーで、店主の荒川とバイトのカトウと共に働きながら、耐え忍ぶ日々を送っていた。カトウの謎に触れたその日、ヤッピーでは売上盗難事件が発生し…。七転八倒から明かされるあの日の「空白の10分間」。すべてを知った拓哉がとった行動はー途切れた絆を結び直す、感動の物語。
「永遠の少年」をめぐる奇想天外な傑作長篇 児童文学の歴史に燦然と輝く永遠の古典『ピーター・パン』。その生みの親J・M・バリーに着想を与え、ピーター・パンのモデルとなったルウェリン=デイヴィス家の五人兄弟のひとりで、のちに出版社社主となったピーターの自殺で物語は幕を開ける。 続いて、バリーの幼少期のエピソードに重ね合わせるようにして語り手自身の物語が始まる。章が進むうち、この謎の語り手が、今や知らぬ者はいない子供たちのヒーロー、時を駆ける永遠の少年ジム・ヤングの冒険を描く大人気シリーズの作者ピーター・フックであることが次第に明らかになる。 バリーが生きたヴィクトリア朝からエドワード朝にかけてのロンドンと、自らが子供時代を過ごした1960年代のスウィンギング・ロンドンを奇妙に交錯させつつ、語り手フックは『ピーター・パン』の物語とバリーの生涯をなぞっていく。だが、そこにはある恐ろしい計画が隠されていた…… 実在/架空の登場人物とビートルズらの音楽に彩られ、獰猛な想像力と「脱線の文体」で紡がれる人生の一夜(ア・ナイト・イン・ザ・ライフ)の物語。アルゼンチンの奇才が放つ、13か国、9言語に翻訳されたファンタスティックな傑作長篇。
かけがえのない人生と愛しい物語が出会う! 神保町の小さな古書店が舞台の絶品グルメ×優しい人間ドラマ 大ベストセラー『三千円の使いかた』『ランチ酒』の著者による熱望の長篇小説 美希喜(みきき)は、国文科の学生。本が好きだという想いだけは強いものの、進路に悩んでいた。そんな時、神保町で小さな古書店を営んでいた大叔父の滋郎さんが、独身のまま急逝した。大叔父の妹・珊瑚(さんご)さんが上京して、そのお店を継ぐことに。滋郎さんの元に通っていた美希喜は、いつのまにか珊瑚さんのお手伝いをするようになり……。カレーや中華やお鮨など、神保町の美味しい食と心温まる人情と本の魅力が一杯つまった幸せな物語。
「小説家になろう」280000ポイント! 総合日間1位 総合週間1位 総合月間1位 総合四半期1位 ジャンル別年間1位 堂々の刊行! 薬草だけじゃなく料理にも!? 最強スキル「植物鑑定」で人生大逆転! 【あらすじ】 不当な理由で治療師ギルドを解雇されたものの 生まれ持った技能のおかげで 一定の収入を得ることができるようになったルイン。 だが、あいかわらず銅貨3枚の安宿で暮らす きりつめた生活は続いていた。 出会いと別れーー アーメッドたちとの約束を果たすべく さらなる飛躍を求めて、ルインは新たな仲間を探す。 そして出会った新たなパーティ【鉄の歯車】。 ルインの募集に名乗りを上げたのは まだ駆け出しのFランク冒険者たちだった。 懸命に人生を切り開こうとするルインと ひたむきなルーキー冒険者【鉄の歯車】。 彼らの出会いは、危険な冒険を成功させるだけでなく ルインが集める植物に新たな活用法をもたらすのだったーー! これは明日を生きるために必死に戦う 最強スキルを持った少年の最底辺からの大逆転劇!!!
魅惑の公爵様に仕える条件はーー「彼に恋をしないこと」!? 『次の聖女は、アンシアの末娘である』 貧乏男爵家の令嬢フローリア=アンシアの生活は、神託によって大きく変わってしまった。 内気だったはずの妹・レナータは、聖女に選ばれたことで態度が豹変し、なぜかフローリアを目の敵にし始めたのだ。 権力を得たレナータによる嫌がらせから逃げるため、フローリアはとある貴族の屋敷で召使として働くことになる。 そこでフローリアが出会ったのは、この上なく美しい公爵・デジレだった。 あらゆる女性を魅了してしまう美貌を持つ彼を前にして平静を保つフローリアに、彼は興味を示す。 「お前をこれから私の側仕えとする。ただし、お前が私に恋をしないことが条件だ」 この風変わりな命令を機に、フローリアの日常はさらに劇的に、鮮やかに変わっていく。 これは、虐げられていた少女が麗しき主の元で幸せになるまでの恋物語。
「私の恋人のふりをしてほしいのだわ」ひざの根治には至らなかったものの、再び衛兵生活に戻ったアルに、新たな問題が発生した。ユリーナ曰く、代官代行の息子に婚約を申し込まれ、それを断るためにアルに彼氏役を頼みたいとのこと。「ユリーナさんとはそういう関係じゃないと思ってたのに…!」仕方なく承諾したアルに、事情を知らず涙目で迫るミレット。誤解は解けたが、ユリーナの両親と話すうちに、本当に婚約するような展開になってしまい!?「その婚約、反対です!とにかく反対です!!」「本当に二人が恋人なら、キスするところが見てみたいわ」クルスに反対され、ユリーナの母には関係を疑われるアル。果たして穏やかな日々を取り戻すことができるのかー!?ティミやシギとチェルノボクの教団が住める街と道を作りつつ、今回も仲間たちと毎日楽しく、時に無双して過ごす、Sランク最強魔導士ののんびり無双なスローライフ、第6弾!!
かつてその世界で魔法と最強を極め、“賢者”とまで称されながらも『魔法戦闘に最適な紋章』を求めて未来へと転生したマティアス。幸運にも最強の紋章を手に入れられたが、転生先の未来では魔法戦闘に最適な紋章が「失格紋」扱いされ、優れた魔法理論さえ退化させられていた。そこに魔族の陰謀を感じ取ったマティアスは、幾多の魔族の挑発を排し、古代文明時代の人物たちを学園に据えて無詠唱魔法復活の礎にすると、ガイアスを蘇生させて“壊星”を宇宙に還し、『破壊の魔族』をも退けた。さらに今回、マリナイト海域でエーテル・ドラゴンを下し、ボドライトを無事入手したマティアスたちは、レイタスから描出した「理外結晶」を用いて最強の剣を作る。だがそこに、屈指の実力を誇る王都騎士団さえ撃退し、マティアスとの対面が叶わなければ無差別殺人を起こすと宣言する奇妙な盗賊ヴァスルが現れー!?
最初に出版社に送った初稿版とそのゲラ刷りを大幅に改稿して出版した改稿版のテクストの配置順序の違いを詳細に比較検討。 序章 改稿に伴う偶然性と編集性 第1章 再帰的な語りの解体ー再配置以前の作品冒頭部 第2章 並置的な語りの構築ーテンプルの挿話の再配置 第3章 ホレスの経験の変貌ー出来事の時系列の再配置 第4章 ホレスの観察の棄却ー登場人物の呼称と再配置 第5章 遡及的記述の尾骶骨ー成就しない予示と再配置 終章 再読に伴う断片化と未完化 補章1 時系列の指標の加筆 補章2 サートリス家の変貌 補章3 ふたりの母親の変貌
分かたれた魂は必ずめぐり逢い共振する そこに幻日の虹が現れ、凪の水面が七色にゆれるとき、 アヤの真実、永久に続く奇譚な伝承がひもとかれる。 たとえ人生が負け戦であっても僕は最後まで戦いたい。(ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ) ありのままの自分をとりもどしたい。ただそれだけ。(ドリス・レッシング) 虹と凪の彩 うつつの出来ごと 幻日のような応え 愛について話したこと マヒメと虹の羽衣 あとがき
200年の時を超えて甦るーグリム兄弟の壮大なる企て! 民族と歴史の襞に分け入る試行 完全新訳による585篇と関連地図を収録 グリム兄弟によって企図されたこの試みには、大きく分けて土地と結びついた伝説を集めた【上巻】と歴史と結びついた伝説を集めた【下巻】の中に585篇に及ぶ膨大な伝説が集められている。個別には、小人、巨人、山の精、家の精、水妖、魔女、妖精、王子、夢魔、竜、人狼、滅んだ城等にまつわる多種多彩な伝説が全篇にちりばめられている。