小説むすび | 2022年発売

2022年発売

伯爵と片恋の婚礼伯爵と片恋の婚礼

あの夏、淡い想いを踏みにじった彼と なりゆきで結婚することになるなんて……。 長いあいだ兄弟たちの悪ふざけに悩まされてきたデイジーは、 男性不信のため社交界デビューにも失敗し、両親に失望されていた。 そんな折、デイジーは兄とその友人たちの信じがたい会話を聞いてしまう。 兄が「君たちの誰でもいいから妹と結婚してほしい」と頼み、 友人たちは「氷柱を抱いて寝るほうがよっぽどましだ」と答えたのだ! 何より傷ついたのは、その中に初恋の伯爵ベンがいたことだった。 夜になり、デイジーが湖上の小島でひとときの安息を得ていると、 舟で湖に繰り出した友人たちが悪戯で半裸のベンを小島に置き去りにした。 心優しいデイジーがベンを説得して自分の舟で岸に連れ帰ったとたん、 あらぬ誤解を呼んで家族中に激怒され、ふたりは結婚を強いられて……。 初恋の人ベンとの愛なき新婚生活に夜ごと枕を濡らすデイジー。ベンも嫌われていると思い込み、徹底的に新妻を避けます。やがて気持ちは通じ合いますが、めくるめく幸せも束の間、過酷な運命がふたりを引き裂いて……。A・バロウズのもどかしすぎる純愛物語!

眠れる美女眠れる美女

“眠れる美女”との結婚が 許される条件はーー真実の愛。 時は1852年。イングランドの北の果て、ノーサンバーランドに、 美貌と気品と富を兼ねそなえた“眠れる美女”が隠れ住むという。 ロンドンで放蕩三昧に明け暮れる伊達男アダムは興味を持ち、 その娘レディ・ヘレナ・ラスフォードに求婚しようと思い立った。 ところが行ってみると、ラスフォード邸は暗く荒れ果てた屋敷で、 当の“眠れる美女”はやせたみすぼらしい娘だった。 はじめは使用人と見間違えたが、よく見ると美しく不思議な魅力がある。 求婚は彼女の父に受け入れられたが、結婚に条件がつけられたーー 娘を放っておかず、やさしく接し、子を作るべく夫婦の契りを結ぶこと。 アダムは確信が持てぬまま、気づけば答えていた。「約束します」 昔のヘレナの肖像画を見つけたアダムは、その完璧に美しい姿に胸を打たれます。彼女が使用人のような格好をして、美しさを巧妙に覆い隠している理由とはいったいなんなのでしょうか?

百五十年目の愛の日記百五十年目の愛の日記

彼が私と結婚したいのは恩人のため。 おなかの赤ちゃんを婚外子にしないため。 ギリシアを離れて以来、サマーは胸に痛みをかかえていた。 実父に会って失望したせいだと思いこみたいけれど、本当は……嘘だ。 大富豪セロンは私に近づいてきて親切にもギリシアを案内し、 楽しい食事に誘い、ベッドですばらしい時間を過ごさせてくれた。 でも翌朝になると私を金めあてとののしり、蔑みの視線で追い払った。 なのになぜ突然、イギリスまで訪ねてきたのだろう? それでもセロンに唇を奪われると、サマーは二人の未来に希望を抱いた。 彼がサマーを強く抱きしめた次の瞬間、はっとして身を離すまでは。 彼女のおなかははっきりとふくらんでいた。その大きさはちょうど……。 冷酷な声が響き、サマーの希望は砕かれた。「妊娠しているんだな?」 『百五十年秘めた愛』『百五十年待っていた恋人』で繰り広げられた愛と家宝をめぐる旅も堂々完結です! 妊娠を知って求婚するヒーローと、愛のない結婚はしたくないヒロイン。150年眠っていた日記のとおり、二人は真実の愛を手に入れられるのでしょうか?

お人好し領主は外れ魔法【変形&変性】で楽しく領地開拓します~追放されたけど万能生産チートでおんぼろ村が最強領地へ!~お人好し領主は外れ魔法【変形&変性】で楽しく領地開拓します~追放されたけど万能生産チートでおんぼろ村が最強領地へ!~

発売日

2022年8月26日 発売

代々魔法のエリートを輩出してきた侯爵家の三男・イーサン。3歳のある時、前世で日本人サラリーマンだったことを思い出す。周囲からは次期当主と期待されて育つが、10歳で覚醒したのは鉄くず人形を生み出す魔法。手のひら返しで辺境に追放され、その道中で何者かに襲撃されて…!?気が付くと、辺境の「おんぼろ村」ことディメンタ村にたどり着いていたイーサン。助けてくれた村人に恩返しをするため、襲ってきたならず者を魔法“変形”と“変性”で即興武器を作って撃退。イーサンだけが持つ二つの魔法は、実は規格外な生産チートだった!村の救世主となったイーサンは、領主として大歓迎されることに。頑丈な家や防壁、強力な武器を生み出すだけでなく、休むことなく働く無敵のオートマタまで!?イーサンがのびのび力を使うほどに、村はどんどん発展していきー。辺境領主の悠々自適な「動く城塞都市」づくりが始まる!

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2022年8月26日 発売

仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた最新長編小説。 二度の離婚を経て、中学生の娘である理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家、志絵。 最近付き合い始めた大学生の蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に告げるが───。 恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が、周囲の人々を巻き込んでいく。 「母親と恋愛って、相性悪いよ。ママは無理やり両方こなしてただけじゃん。何だかんだしょっちゅう家空けてたし」 「多くの人はゼロか百かで生きてないんだよ。二、八とか、六、四とかで生きてる。今は世界的にステップファミリーが増えてるし、母親とか父親を恋愛と切り離すのは保守的かつ不自然だよ」 「私はただ、今の生活が心地いいって言ってるんだよ。ママがデートに行くたびにパパたちとかおばあちゃんが駆り出されてるの、なんかちょっとなって思ってたし」 「子供を持ったら恋愛するなって言うの? 別に子供の心地よさを追求してやることだけが親の人生じゃないでしょ。きつかったかもしれないけど、受験勉強をしたから理子は今の中学に入れた。楽な方にいくだけがいいことじゃない」 ───本文より 【著者プロフィール】 金原ひとみ(かねはら・ひとみ) 1983年東京生まれ。2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞。04年、同作で第130回芥川賞を受賞。ベストセラーとなり、各国で翻訳出版される。10年『TRIP TRAP』で第27回織田作之助賞を受賞。12年『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。20年『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞を受賞。21年『アンソーシャル ディスタンス』で第57回谷崎潤一郎賞を受賞。他『パリの砂漠、東京の蜃気楼』、『ミーツ・ザ・ワールド』等がある。

三階ーあの日テルアビブのアパートで起きたこと三階ーあの日テルアビブのアパートで起きたこと

イタリア、イスラエル、アメリカでベストセラー ナンニ・モレッティ監督作品 映画「3つの鍵」の原作 舞台はイスラエル、どこにでもある普通の家庭の話なのだが・・・小気味良いテンポでサスペンス映画のように物語は進行する。それにしても、あの日あの場所で何が起きたのか?そして感動のクライマックスへ! あらすじ 舞台はテルアビブ郊外にある瀟洒な三階建てのアパート。一階の若夫婦は、同階の高齢夫婦に子守りを頼み、良いご近所付き合いをしているつもりでいた。しかし認知症を発症した老人と彼らの九歳の娘に不幸な出来事が襲いかかり、傷ついた夫は一線を超えてしまう––––。二階では、不在がちな夫を頼りにできない、若い母親が二人の子どもの育児に追われている。疲労から幻聴や幻覚に悩まされる彼女の前に、義理の弟が現れ、彼女と子どもたちに新しい風を吹き込む。しかし彼は詐欺事件の容疑者として警察に追われていた–––––。三階には元地方判事の女性が住んでいる。一年前に夫と死別し、若者の市民運動に身を投じるようになった彼女には、人には言えない、断絶してしまった息子との苦い思いがあった––––。交わることのなかった一階から三階までの住民が、ある出来事をきっかけに、互いに作用しながら現代イスラエルの大きな変化の波に飲み込まれていく。イスラエルのベストセラー作家が描く、サスペンスフルで、最後には登場人物を解放の光で満たす、感動の物語。

フォレスト・ダークフォレスト・ダーク

見失った自分と向き合い 変容を遂げる再生の物語  ニューヨークで暮らす作家のニコールは、仕事も家庭生活もスランプに陥っている。閉塞感のなか、現実だと思っているいまの暮らしは夢なのではないかと思いつめ、かつて現実と非現実が交錯する経験をしたテルアビブのホテルに飛ぶ。ひょんなことから”イスラエルでのカフカの第二の人生”にまつわる仕事を依頼され、夢と現実が交錯する体験をすることに。一方、同じくニューヨークで弁護士として成功してきたエプスティーンは、高齢の両親を相次いで亡くしたことから、盤石なはずの人生にふと疑問を感じるようになる。仕事にも趣味にも精力を注ぎ人生を謳歌するうちに、なにか大事なものを見落としてきたのではないか? 彼はすべてを捨て、生まれ故郷テルアビブへと旅立つ。  自分探しなど、若者の専売特許と言うなかれ。長く生きてきた大人だからこそ、人生の分かれ道で選択を重ねていくうちに、自分自身を見失ってしまうこともある。本書後半、それぞれの自身と向き合う荘厳な砂漠の場面は、何かが昇華されるような爽快感がある。喪失と変容をめぐる瞑想を、深い洞察と挑戦的構成で描く大人の自分探し。柴田元幸氏推薦!

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