2023年12月発売
エマは里親を転々とし、誰にも愛されずに苦労しながら成長した。だからイタリア富豪ニコとも、いつかは別れると覚悟して結婚した。しかし、彼との別れは意外なものだった。結婚後1週間で、彼は飛行機事故により帰らぬ人となってしまったのだ。エマは涙にくれたが、たちまち生活に困窮するようになって、やむにやまれず親切な男性とのプラトニックな結婚を決意する。ところが結婚式当日、亡くなったはずの夫ニコが教会に現れて叫んだ。「異議あり!」怒りの形相とともに彼は花嫁のエマに詰め寄ってきた。実は、彼女にはどうしても結婚しなければならない理由があった。おなかに宿った命ーニコの子供を産んで育てるために。
パーティでシャンパンを飲みすぎて前後不覚に陥った21歳のリリー。翌朝目覚めると、なんと見知らぬベッドの上にいた!バスルームでシャワーを浴びているのは、昨夜知り合った、精悍な顔だちをした年上男性パトリックだ。ああ、なんてことを!リリーは恥ずかしさから別れも告げず、あわてて自宅に逃げ帰った。そこで、はからずもパトリックの素性を知ることになる。彼は、リリーの父が経営する会社の取引銀行の頭取だった。あいにく父の会社は今、財政問題を抱えていて、彼に弱みを握られていた。その夜、彼女の家にパトリックが現れ、脅しまがいの驚くべき提案をした。「僕と結婚するんだ。さもないと、お父さんの会社は…」
信じた男に裏切られ、シングルマザーとなったステファニーは、 4歳になった最愛の娘を育てながら、仕事に打ち込んでいた。 美しく仕事熱心な彼女に求愛者は絶えなかったが、 ステファニーの心に刻まれた男性不信の傷は深かった。 そんなある日、彼女は新しい顧客、ラウル・ラニエと出会う。 莫大な富を持つ若きフランス人実業家は、恐ろしく尊大だった。 娘との時間がなくなるほど遅くまで働かせたうえ、 夜はパーティに同伴するよう要求したのだ。まるで愛人のように。 一瞬でも彼をハンサムだと思った自分が信じられないーー ステファニーは、鼓動が速いのは怒りのせいだと思おうとした。 『愛は脅迫に似て』のミシェルとサンドリン夫妻を覚えていらっしゃいますか? 今作のラウルは、ミシェルの兄。HQロマンスから刊行された初版時、〈パリから来た恋人〉として話題を呼んだ2部作です。ミシェル夫妻ももちろん登場していますよ。
亡き母に代わり、重い心臓病を患う父の世話をしてきたステイシアは、幼い頃から隣の大牧場の長男タナーを慕ってきたが相手にされなかった。ところが彼女が19歳のとき、片想いの恋に転機が訪れる。父の遺言を機に、タナーとステイシアは結婚することになったのだ。さもないとタナーのビジネスに悪影響が及ぶからという理由だったが。しぶしぶ形だけの結婚を選んだ彼はしかし、欲望に負けて妻を抱いた。そしてそんな自分を嫌悪し、新妻を置いてギリシアへ旅立ってしまった。独り取り残されたステイシアは、やがておなかに命が宿ったことを知る。タナーが帰ってきてこのことを知っても、きっと喜ばないでしょうね。だが、妊娠を歓迎されないより不幸な運命が、彼女を待ち受けていたー
父親の遺言が明かされると、ユーフィーミアは衝撃を受けた。父には借金があり、家族の愛する家が抵当に入っているというのだ。悩んだ末、ユーフィーミアは家を貸すことにした。家賃収入を抵当の支払いに充てれば、大切な家を手放さずにすむ。だが、ようやく見つかった借り手は、思いもよらない人物だった。なんと、父親の最後の治療をめぐって激しく対立したオランダ人医師、ドクター・ファン・ディードレイク。傲慢で無礼な彼とかかわるのはひどく不愉快だが、契約さえ交わしてしまえば、顔を合わせることもないだろう。ユーフィーミアのそんな期待は、ほどなく裏切られる……。
恋人から暴力を受けたスカイは、幼い弟たちを連れ、着の身着のままで逃げ出した。けれど、車が故障してどこにも行けなくなってしまうーどうすればいいの?車を修理するお金もなければ、連絡できる人もいない。困りきったところを助けてくれたのが、ハンサムなイタリア富豪エンツォだった。琥珀色の瞳をした黒髪で長身の彼は、スタッフに怪我を診させ、スカイにハウスキーパーの仕事を提案。エンツォの屋敷に住みこみで働くことになったスカイは、彼に「偽の恋人役を演じてくれないか?」と頼まれて…!?
高級なアートギャラリーで働くニコラには秘密があった。夜はふしだらな姿でナイトクラブのウェイトレスをしているのだ。もちろんそれには理由がある。じつは彼女は父親の顔を知らず、母親にも見捨てられ、学校に通う余裕すらなく弟を養っていた。ある日、ニコラはクラブでギャラリーの顧客、富豪アレッシオと偶然でくわした。問われるまま困窮している事情を明かすが、思いがけない提案をされる。“僕の母親の誕生日パーティに同伴してくれたら、高額の報酬を支払おう”と。人生最高のご褒美。でも私にできるの?ニコラの心は揺れた。
結婚や妊娠を望む相手とはつき合わない。 5年前、彼はそう言って去っていった……。 夫の葬儀の日、クリスティンはアナトールの訪問を受けた。 夫の甥で、一族が率いる企業帝国のCEO、そしてーー元恋人。 彼は私に、伯父を結婚の罠にかけた金目当ての女と、 容赦ない言葉を浴びせるに違いない。 けれど5年前、余命僅かな彼の伯父と結婚したのは、 生まれてくる子に、家と家族を与えるため。 アナトールに捨てられたあと妊娠を知って、 途方にくれていたとき、形だけの結婚を提案されたから。 でも、その事実はアナトールには知られたくない……絶対に。 母の看病で恋に無縁だったヒロインは、恋におちた大富豪との夢のような日々から一転、どん底へ。やがて訪れた皮肉な再会は……。健気なヒロインと傲慢なヒーローのジェットコースター・ロマンスの名手、J・ジェイムズが綴る珠玉のシークレットベビー物語!
「妻としてきみを雇いたい」偶然出会った男性の言葉に、ジャニーンは目をまるくした。彼の名はマックスーロンドンから来たハンサムで裕福な実業家だ。復縁を執拗に求める不実な元妻を追い払うため、ジャニーンに新しい妻のふりをしてほしいのだという。報酬として提示されたのは、途方もない大金だ。ジャニーンが経済的に困っていることを知ったマックスは、臨時の妻役として彼女に白羽の矢を立てたらしい。悩んだあげく、ジャニーンはマックスの提案を受け入れた。愛を信じない男性への報われぬ想いに苦しむはめになるとも知らず。
失恋の記憶は、まだ苦くて、でもちょっと甘い。あいつの好きだったレシピ、成仏させます。元カレの好きだったバターチキンカレー、クズデパートの罪深ハンバーグ、爆モテ女の本気のおせち…切なくておいしい物語を召し上がれ!金曜夜、22時、場所は喫茶「雨宿り」。食べると元カレの笑顔が浮かぶけど、お蔵入りさせたくないあのレシピ。また、作れるようにいたします。
幼い頃からずっと好きだった幼馴染のセブラン。 私と彼は互いに両思いで、将来は必ず結婚するものだとばかり思っていた。あの、義理の妹が現れるまでは……。 母が亡くなってからわずか二か月というのに、父は、愛人とその娘を我が家に迎え入れた。 義理の妹となったその娘フィオナは、すぐにセブランに目をつけ、やがて、彼とフィオナが互いに惹かれ合っていく。けれど、私がいる限り二人が結ばれることはない。 だから、私は静かにここから消え去ることにした。二人の幸せのために……。
義妹の様子がなんだかおかしい! ラノベとかオシとか、何を言っているの? 義妹と作る魔道具ファンタジー! 第11回ネット小説大賞 早期受賞作品! なんでも私のものを欲しがる義妹に婚約者まで奪われた。しかも、その婚約者も義妹のほうがいいと言うではないか。 じゃあ、私は自由にさせてもらいます! しかし、さあ結婚もなくなり、大好きな魔道具を作りながら、自由気ままに過ごそうと思った翌日、元凶である義妹の様子がなんだかおかしい。 ラノベとかスマホとオシとか、何を言ってるのはわからない。 あんなに敵意剥き出しで、思い通りにならないと駄々をこねる傍若無人な性格だったのに、どうしたのかしら? もしかして、義妹は誰かと入れ替わったの!?
『黄竜メシレジンス』から帰還して数日後。 ようやくのんびりできると思ったのも束の間、国境付近で盗賊団が騒ぎになってきた。 やだなぁ、怖いなぁ、と思っていながら気球のお披露目を行う。 その次は月末のイベント。ラナが去年から準備していたーー夏祭り。 最近お出かけ気味だったけれど、家にいても相変わらず大忙しなラナをサポートしようとするのだが……? これはちょっと不幸で最高に幸せな俺の話。
「このライトノベルがすごい!2023」(宝島社刊) 単行本・ノベルズ部門第1位!殿堂入り! シリーズ累計900万部突破!(電子書籍を含む) 「第五部 女神の化身」ついに完結! 大人気ビブリア・ファンタジー最新刊!
戦闘で九死に一生を得たハザマは、教会で療養中。生活にも慣れた頃、死にかけた経験を買われて命懸け修行に同行することに!たった3人の即席パーティで危険地帯・第三戦線の魔物を狩り続け、次々と新たなジョブやスキルを手に入れていく。順調かに思えたが、挑発で引き付けて自爆する“爆弾小僧”、炎魔法を連発する“炎狐”など、厄介な魔物たちに苦戦を強いられ、このまま進めば、ほぼ確実に死ぬらしい!?生き残るべく“挑発耐性”のために殺意を抑えて戦い、“炎耐性”のためなら火の熱さは極限まで我慢!数多の奇行で力をつけた先で、遂に最強の魔物“三尾”が現れてー。修行チートで限界突破!型破りな努力家の成り上がりファンタジー、第2弾!
妖精の王女にかけられた呪いは 十八歳の誕生日に 人間の医者によって解かれるだろう おとぎばなしさながらに 妖精の王女と結ばれた若い医者の運命は? 表題作他10編を収録 ガーディアン賞、エドガー賞受賞の著者が紡ぐ生と死、 人間と人外の不思議な世界 医師と不思議な少女の恋を描いたおとぎばなしのような表題作ほか、犬と少女の奇妙な絆を描いた「ロブの飼い主」、お城に住む伯爵夫人対音楽教師のちょっぴりずれた攻防「よこしまな伯爵夫人に音楽を」、独特の皮肉と暖かさが同居する幽霊譚「ハープと自転車のためのソナタ」など、恐ろしくもあり、優しくもある人外たちと人間の関わりをテーマにした短編全十編を収録。ガーディアン賞、エドガー賞を受賞した著者の傑作短編集第三弾。 ■目次 「ロブの飼い主」 「携帯用エレファント」 「よこしまな伯爵夫人に音楽を」 「ハープと自転車のためのソナタ」 「冷たい炎」 「足の悪い王」 「最後の標本」 「ひみつの壁」 「お城の人々」 「ワトキン、コンマ」
【特集 「料理をつくる人」】 向日葵の少女 お蔦さんの神楽坂日記 西條奈加 ●相変わらず頼りになるお蔦さんと、さらに磨きのかかった望くんの料理の腕をご堪能ください 白い食卓 千早 茜 ●水族館で出会った女は、「お腹、すいていませんか」と私に声をかけ、弁当を差し出してきた メインディッシュを悪魔に 深緑野分 ●ニューヨークの料理人がつくる、悪魔を満足させるための至高の料理とは? 冷蔵庫で待ってる 秋永真琴 ●背伸びして買った憧れの食器に、自分のための手料理を盛りつけたくて 対岸の恋 織守きょうや ●上京後、姉のために料理をつくってきた俺。その姉の結婚披露宴の日、とある行動に出る…… 夏のキッチン 越谷オサム ●夏の午後、空腹に耐えかねたおれは、ひとりカレーを作る。俊英の爽やかな一編 【小説】 明治殺人法廷 芦辺 拓 ●十六歳の一家惨殺犯の弁護のため法廷に挑む迫丸。それは万に一つの勝ち目もない戦いだった 名探偵の有害性 桜庭一樹 ●名探偵のみならず、その助手にもあった〈有害性〉。衝撃を引きずったまま、夕暮たちは第五の事件現場へーー 特撮なんて見ない 澤村伊智 ●湯浅が提案した再撮影。そのシーンで、追加キャストの生徒が参加することになるが…… 粒と棘 少年の街 新野剛志 ●少年は浮浪児を農家に売る。それがかれらの幸せと信じてーー終戦後の東京で生きるひとびとを活写する連作 記憶の対位法 高田大介 ●神は彼を審したまい、彼の心根を知りたもうーー祖父の遺した「楽譜」の謎がジャンゴに与えた恩寵とは ディオニソス計画 宮内悠介 ●一九六八年、アフガニスタンで起きた二重密室殺人。密室を構成するのは周囲の視線と、銃痕のない宇宙服ーー クリスマス・イヴ フレッド・ヴァルガス 藤田真利子 訳 ●クリスマス……贈り物の夜、そして、暴力の夜。CWAインターナショナル・ダガー複数回受賞作家のクリスマス・ミステリ! 【コミック】 倍々の冒険 熊倉 献 ●「 祠に収めていた石を見つけてほしい」としゃべる蛇。そうすれば元の姿に戻れるというのだが……? 【特別企画】 〈日本推理作家協会賞・翻訳部門〉 応援メッセージ 【ESSAY】 私の小さな地図帖 山崎佳代子 装幀の森 柳川貴代 翻訳のはなし 谷垣暁美 乱視読者の読んだり見たり 若島 正 【COLUMN】 みすてりあーな・のーと 戸川安宣 ひみつのおやつ 中村あき 私の必需品 酉島伝法 【INTERVIEW 期待の新人】 麻宮 好 【INTERVIEW 注目の新刊】 宇佐美まこと 似鳥 鶏 町田そのこ 【訃報】 追悼 池 央耿 【BOOKREVIEW】
さあちょっとの間アメリカ人のふりをしてみよう。 お次は日本人のふり。二世のふりをしてみよう、 帰米のふりをしてみよう。三世のふりをしてみよう。 ======== 前編は「三世」で日系収容を知らない「失われた世代」である三世たちの姿を描き、後編の「多感」ではオースティンの七つの小説の構造を日系社会に落とし込みパロディにした二部構成の短編集。ヤマシタは、日系収容という「過去」を確かめつつ「三世」としての自分の立ち位置をどのように描いているのか? マジック・リアリズムの騎手による集団的記憶の軌跡! ====== 【目次】 1 三世 風呂 歯科医と歯科衛生士 紳士協定 ボンベイ・ジン ボルヘスとわたし キティのキス 小春日和 結腸・内視鏡 コン・マリマツ 三世レシピ LA/ガーデナ特製年表 2 多感 しかたがない&もったいない 義理と我慢 モントレー・パーク エミ 日系ゴシック パースエイジアン オマキさん あとがきー三世ジェインネット 謝辞 訳者解説 1 三世 風呂 歯科医と歯科衛生士 紳士協定 ボンベイ・ジン ボルヘスとわたし キティのキス 小春日和 結腸・内視鏡 コン・マリマツ 三世レシピ LA/ガーデナ特製年表 2 多感 しかたがない&もったいない 義理と我慢 モントレー・パーク エミ 日系ゴシック パースエイジアン オマキさん あとがきー三世ジェインネット 謝辞 訳者解説